ブランデーでも飲ませて夫人を落ち着かせようとしたバリーは、現れた隣人に酒を探していることを伝える。
訪ねて来た二人の刑事に対応した夫人は、バリーがケンに渡した消火器にガソリンが入っていたと言われ、バリーに容疑がかけられたことを知らされれて驚き混乱する。
部屋に戻り、ブランデーを夫人に渡そうとしたバリーは、刑事が自分を捜して来たことを知り、ガソリンを入れた消火器を自分がケンに渡したために逮捕しに来たと言われる。
自分がケンを殺したと疑われていることに驚いたバリーは、フライから渡された消火器だと夫人に伝えるものの、そんな従業員はいないと刑事が言っていたと知らされる。
フライはガソリンが入っていることを知っていたはずだと考えるバリーは、夫人から出て行ってほしいと言われたために、警察の話を信じるのかと尋ねる。
混乱する夫人に理解してもらえないバリーは、隣人と共に刑事が戻ってきたことに気づき、フライを捜すためにその場から逃れる。
ヒッチハイクをしてトラックに乗せてもらったバリーは、陽気な運転手(マレイ・アルパー)と話をする。
車内にかけてあった消火器のがたつきが気になったバリーは、それに新聞紙を挟み火災事故のことを思い出す。
ロサンゼルスが目的地で飛行機工場で働いていたことなどを話したバリーは、運転手がタバコの火を点ける間にハンドルを握りながら、”あなたは追われている”という広告看板に気をとられる。
田舎町のスプリンギヴィルに向かうバリーは、運転手から、牧場に行くつもりか訊かれ、フライの封筒に書いてあった”ディープ・スプリング牧場”という文字を思い出す。
その牧場を知っていた運転手は、パトロール警官が現れたことに気づきトラックを止める。
運転手が警官と共にトラックの後方に向かったため、バリーはその場から逃げようとする。
戻った運転手から終わったと言われたバリーは、テールライトが切れていると警官が教えてくれたことを知る。
”バリー・ケインが逃亡中”だという無線を聴いた警官だったが、トラックの二人を疑うことなくその場を去る。
ディープ・スプリング牧場。
使用人のアデルに”フランク・フライ”のことを尋ねたバリーは、それを知った牧場主のチャールズ・トビン(オットー・クルーガー)に迎えられる。
孫娘スージーを見ながらバリーと話したトビンは、フランク・フライを訪ねて来たと言われるものの、知らないと答える。
その名前の人物に会ったような気もすると言うトビンは、知人に電話で聞いてみるとバリーに伝え、スージーを見ていてもらい席を外す。
スージーの相手をしていたバリーは、彼女がトビンの上着のポケットから出したフライからの電報を見てしまい、”仕事が済んだので、ソーダ・シティでニールソンに会う”という内容を確認する。
戻ってきたトビンにフライのことを尋ねたバリーは、電報を見たはずだと言われる。
ソーダ・シティの場所は分かるだろうと言われたバリーは、火災事件と自分が容疑者であるというラジオの報道を聴く。
自分のことを知っていたトビンにフライとの関係を尋ねたバリーは、知らないと言う彼に、破壊活動家だと伝える。
話しても無駄だと考えたバリーは去ろうとするが、アデルに銃を向けられる。
スージーを呼び寄せて背負ったバリーは裏に向かい、彼女を開放して馬に乗って逃げる。
牧童に捕らえられたバリーは、駆け付けた刑事に連行される。
橋で昨夜の運転手のトラックが立ち往生していたため、バリーは隙を見て車から脱出して川に飛び込む。
それを追った刑事たちの様子を見る運転手は、バリーの逃亡を助ける。
雨の中、森の中の民家にたどり着いたバリーは、家主のフィリップ・マーティン(ボウハン・グレイザー)に迎えられる。
ヒッチハイクで旅をしていると伝えたバリーは、マーティンが盲目だということに気づく。
その場にあったリンゴを食べたバリーに気づいたマーティンは、食事を用意すると伝える。
そこに二台の車が現れ、一台は姪だと言われたバリーは、彼女が警官と話していることを気にする。
”男たち”は去ったと伝えたバリーは、ニューヨークから来た姪と一か月過ごすことをマーティンから知らされる。
姪のパトリシア”パット”(プリシラ・レイン)をバリーに紹介したマーティンは、大変な事件があり、今、捜査中の警官と話したことを知る。
逃亡犯のことを話すパットを落ち着かせたマーティンは、警察の話は聞きたくないと言って、彼女の顔に見覚えがないかバリーに尋ねる。
見たような気がすると言うバリーに、マーティンは、いたるところにパットの広告看板があると伝える。
マーティンがモデルの仕事に賛成していないと言うパットは食卓に着き、バリーの手錠に気づく。
すべて気づいていたマーティンは、パットからバリーが指名手配犯だと言われるが、彼を知りもしないで悪人だと決めつけるべきではなく、犯罪者だとは思えないと伝える。
バリーを鍛冶屋に連れて行き、手錠を外してもらうようにとマーティンから指示されたパットは戸惑うが、彼が無実であることは見通せると言われる。
自分の友人だと伝えれば鍛冶屋は理解してくれると言われたパットは、仕方なくマーティンの指示に従う。
マーティンに感謝したバリーは、パットと共に車でその場を去る。
暫くするとパットは、バリーの腕をハンドルに絡めて自由を奪い、おじはお人好しだと言って警察に引き渡すと伝える。
バリーは、”彼女は決して失望させない”というパットの看板を目にする。
街道で車を止めたパットが降りたために、バリーはボンネットを開けて、ファンで手錠を切ろうとする。
手錠を切ったバリーは、通りすがりの車を止めようとするパットを強引に車に乗せて走り去る。
その後、ファンベルトが切れてオーバーヒートし放置された車を、パトロール警官が見つける。
自分を信じてくれないパットに苛立つバリーは、無実なら逃げる必要はないと言われ、潔白を証明するには時間がかかると伝える。
トビンを知るパットは、彼なら信用できるが、いかにも破壊活動家という雰囲気のバリーは信用できないと言いながらも、寒さを凌ぐために彼に寄り添う。
そこにサーカスの車列が現れ、尚も自分のことを通報しようとするパットを置いて、バリーは車両に飛び乗る。
それを追ったパットも飛び乗り、自分を逃がさないためだと言われたバリーは、彼女を降ろそうとして揉み合いになり、団員に見つかり疑われる。
やせ男のボーンズ(ペドロ・デ・コルドバ)はバリーとパットに謝罪し、ヒゲ女のエスメラルダ(アニタ・シャープ=ボルスター)、太ったタイタニア、双子の姉妹、そして小人の少佐(ビリー・カーティス)を紹介する。
その時、パトカーのサイレンが聴こえて車両は停車し、ソーダ・シティに向かうと言うバリーから手錠を見せられたボーンズは、彼が犯罪者だと思い罪を尋ねる。
無実だと言われたボーンズは、冷静に判断すべきだと皆に伝えて、二人への対応を多数決で決めようとする。
少佐は二人を警察に引き渡す考えを変えないが、ボーンズは、エスメラルダの意見で助けることを決める。
車両内を見に来た警官に、パットはヘビ使いだと伝えたエスメラルダは信じてもらえるが、隠れていたバリーのことを少佐が知らせようとする。
それを制止したボーンズは、出発することを皆に伝えてバリーとパットを休ませる。
辛く当たってしまったと涙しながらバリーに謝罪したパットは、信じることを決めたと伝えて、二人は寄り添いながら眠る。
翌日、ソーダ・シティに着いたバリーとパットは、サーカス団員に別れを告げる。
炭酸ソーダの産地として、20年ほど前には栄えた廃墟となった町のある建物に入った二人は、電話の音に気づく。
音がする部屋に窓から入ったバリーとパットは、軍用電話の受話器をとるものの応答はなかった。
ドアの穴に気づいた二人は、その場に会った三脚と望遠鏡を使い、そこから見える”ボールダーダム”(フーバーダム)を確認する。
ストーブに隠してある無線機も見つけた二人は、車が来たことに気づき、バリーはパットを隣の部屋に向かわせる。
現れたフリーマン(アラン・バクスター)とニールソン(クレム・ビヴァンス)から、何をしているのかと言われたバリーは、待っていたと答える。
フリーマンが持っていた新聞の一面に、工場の事件の容疑者である自分の記事と写真が掲載されていることを確認したバリーは、それを二人に見せる。
トビンの命令で来たと言うバリーは、匿ってほしいとフリーマンに伝える。
自分を破壊活動家だと思っているフリーマンから、工場の仕事を評価されたバリーは、仲間だと信じ込ませる。
バリーを東部に連れて行くことにしたフリーマンは、物音に気づくものの、隣の部屋に誰もいないことを確認して、三人でその場を去る。
その場から逃げて保安官(チャールズ・ハルトン)の元に向かったパットは、バリーらは東部に向かうと言う彼に協力することを伝える。
フリーマンらと共に車で移動するバリーは、葬儀社の看板のパットを見ながら彼女の身を案ずる。
ニューヨーク。
バリーを伴いドラッグストアを通り抜けて裏口に向かい、隣りの建物に入り、サットン夫人(アルマ・クルーガー)の執事ロバート(イアン・ウルフ)と話したフリーマンは、慈善パーティーの会場に向かう。
夫人の元に向かったフリーマンは、バリーのことを知る彼女から、立場上、匿えないと言われる。
バリーには連れの女性がいることを夫人から知らされたフリーマンは、その件を彼に問い詰める。
戸惑うバリーは、ただ惹かれただけの女性だと伝えるものの、その場にパットがいたために驚く。
パットが話をした保安官が知人で助かったとフリーマンから言われたバリーは、本棚にあった”逃げろ”という題名の本を指差してパットに知らせる。
保安官に話をしたパットを非難するバリーは、その場に現れたトビンから、本を選んであげると言われる。
”名もなき男の死”を指差したトビンは、君に相応しい題名だとバリーに伝える。
トビンは、パットが叔父に話したために、家に警官が押しかけたことで逃げて来たと、フリーマンとサットン夫人に話す。
今回の件でトビンから非難されたフリーマンは、バリーは国家の反逆者ではなく、自分たちの組織とは無関係であることを知らされる。
夫人は、バリーを活動家だと思い連れて来たフリーマンに呆れてしまう。
このまま活動を続け、破壊計画を実行するつもりだと言うトビンは、自分はカリブに向かうことを伝える。
その時、ある婦人がサットン夫人を呼びに来たため、バリーとパットも一緒に部屋を出てしまう。
連絡を受けたロバートは裏口を見張り、バリーとパットはパーティー会場に向かう。
その場にいた男性に、ここにはスパイと破壊活動家がいて、サットン夫人も仲間だと伝えたバリーだったが、相手にされない。
ロバートらが警戒する中、仕方なく出席者に紛れてパットとダンスをすることにしたバリーは、組織の話などをする。
明日ブルックリンで何かあると言われたパットは、それが海軍工廠だと気づきながら、惹かれ合う仲になったバリーとの愛を確かめる。
パットは別の男性に誘われて踊り、バリーもその相手だった女性と踊る。
ダンスは終わり、姿が見えなくなったパットのことをトビンに尋ねたバリーは、出席者全員に伝えたいことがあると言って、皆にサットン夫人を紹介する。
ロバートから、銃で狙っている男がいることを知らされたバリーは、それを確認する。
サットン夫人を称えたバリーは、彼女が宝石を提供してくれることを伝えてオークションを始める。
ロバートから、パットが呼んでいると言われたバリーは、その場を出席者の提督に任せて二階に向かう。
その場にいたトビンに、地位や富を得ながら国を憎む理由を尋ねたバリーは、平民には理解できないと言われる。
自己満足だけで人生を終えたくないと考えるトビンは、更に利益をもたらす政府を望み、そのための全体主義国家は進歩していると思わないかとバリーに問う。
効率はいいが、破壊工作や殺人などが目的であることは理解できないと言われたトビンは、弾圧を逃れるために国外に向かうが、自分たちが勝利すれば戻ってくるとバリーに伝える。
その際には大きな権力を得ると言うトビンは、それに伴う行動は自分の快楽でもあると話す。
その権力欲は友人の命を奪い、人を憎んでいると言われたトビンは、様々な人に出会い学んだバリーが、愛憎がひしめく世の中に味方は大勢いて、悪に対抗すれば正義は必ず勝つと考えていることを知る。
これ以上話す気はないと言うトビンから、バリーを休ませるようにと指示されたロバートは、彼を殴って気絶させる。
戦艦の進水式で破壊工作を計画するフリーマンは、準備を整える。
ロックフェラー・センター。
上階の部屋で監視されていたパットは、現れたフリーマンから、バリーは地下にいるはずだと言われる。
倉庫に閉じ込められていたバリーは、火災報知器とスプリンクラーに気づいてそれを作動させ、騒ぎの隙にその場から脱出する。
騒ぎを見物している男性から新聞を見せられたバリーは、午前11時半に海軍工廠で戦艦の進水式が行われることを知る。
現在10時50分だということを確認したバリーは、タクシーで造船所に向かう。
その場にあった画用紙に、監禁されていることを口紅で書いたパットは、ライトを点滅させると付け加えて、それを窓から落とす。
進水式の模様を伝えるラジオを聴いていたバリーは、渋滞にはまったためにタクシーを降りる。
海軍工廠に着いたバリーは、破壊計画のことをMPに伝えてオフィスに案内される。
舞い落ちて来た画用紙に気づいたタクシードライバーは、ロックフェラー・センターの窓の点滅しているライトを確認する。
進水式の現場に向かったバリーは、新聞社の車に乗るフライに気づき襲い掛かるが、仲間がドアを閉める。
爆破しようとするフライは、それを阻止するバリーと揉み合いになるが、スイッチを押す。
戦艦が進水した直後に爆発が起き、その場が混乱する隙に新聞社の車は去る。
ロックフェラー・センター。
バリーに銃を向けて上階に向かったフライは、その場にFBIと警官がいたために逃げる。
隣りの”ラジオシティ・ミュージックホール”に向かうよう指示されたフライは、映画が上映される中で、追ってきた捜査官と撃ち合いになる。
観客の一人が銃撃され、その場はパニックとなる。
劇場から出てきたフライに気づいたバリーは、FBI支部に向かうために、パットに彼を追わせる。
タクシーに乗ったフライは、海軍工廠で戦艦が転覆していることを確認する。
”ベドロー島”(現リバティ島)に向かうフェリーに乗ったフライは、その場にいた美しいパットが気になる。
島に着いたパットは、FBIに電話をする。
それを知ったバリーは、捜査官と共に現場に向かう。
”自由の女神”の展望台に上ったパットは、フライに話しかけてブルックリンの方角を訊く。
フェリーの上で見かけたと言われたパットは、フライを引き留めようとして名前を呼んでしまう。
自分の名前を知るパットを疑ったフライは、飛行機工場のことを話す彼女から、追手が現れたことを知らされる。
その場から逃げたフライはトーチに向かい、現れたバリーはパットと出くわす。
フライがトーチに上ったことを知ったバリーは、彼に銃を向ける。
落下してしまったフライは女神像の手にしがみつき、バリーがその場に向かい彼の上着のそでを掴む。
パットと共に現れた捜査官は、ロープを用意することをバリーに知らせる。
フライから、自分の容疑を晴らすと言われたバリーだったが、袖が取れてしまったフライは、ケインと叫びながら落下する。
地上からは女性の叫び声が聴こえ、トーチによじ登ったバリーはパットと抱き合う。