寄宿学校に預けられることになったPKは、母から父のブレスレットを渡され、家を離れることになる。
アフリカーナの学校に入学したPKは、土地を奪ったイギリス人の子ということで孤立し、年上のヤピー・ボータ(ロビー・ブロック)にいじめられた。
母が亡くなったことを知ったPKは、家に残り看病するべきだったと考えて後悔する。
葬儀を済ませたPKは、乳母にいじめのことなどを話し、彼女が呼んでくれた呪い師に恐怖心を取り除いてもらう。
勇敢な鶏が勇気を探す旅に導き、ズールー族の戦士の魂が宿ったと呪い師から言われたPKは、鶏と共に学校に戻る。
ヨーロッパで戦争が始まり、ナチスの攻勢は子供達にも影響を与え、ヤピーは、アフリカからイギリス人を排除しようとするヒトラーの考えを支持して、PKに裁きを下そうとする。
PKの鶏を殺したヤピーは、抵抗するPKも吊るして痛めつけるが、校長に制止される。
その後、祖父と共にバーバートンで暮らすことになったPKは、ある日、自分に会いに来た、祖父の友人であるドイツ人の音楽家カール”ドク”フォン・フォレンスタイン(アーミン・ミューラー=スタール)と話し、彼と親交を深めるようになる。
ドクからピアノを習い、様々なことを教わったPKは、精神的にも逞しくなる。
その後ドクは、外国人登録を怠った罪で、英独間の戦争が終結するまで刑務所に収容されることになる。
アフリカーナの所長は、ドクを文化の手本として手厚くもてなし、趣味のサボテン栽培やピアノを運び込むことを許可した。
PKの刑務所への出入りも許可され、ドクは彼にボクシングを習わせようとする。
40年間刑務所にいるズールー族のヒール・ピート(モーガン・フリーマン)からボクシングを習うことになったPKは、彼と友達になる。
ピートから”8パンチ”という技を教えてもらったPKは、ドクにも励まされる。
サボテンのバケツに入っているタバコの葉を欲しがるピートは、その件をドクに話す。
巨漢看守ボルマン軍曹(クライヴ・ラッセル)は、ピートを目の敵にして痛めつけ、常に見張っていると警告する。
ボクシングを教えることに専念しようとしたピートは、PKから、ドクにピアノを習っている間にバケツを”掃除”してほしいと言われる。
その後もピートとトレーニングを続けたPK(サイモン・フェントン)は12歳になり、終戦も近づく時期に行われたボクシング大会で優勝した。
ズールー語も話せるようになったPKは、黒人達が自分に雨乞いの歌を歌うことを不思議に思う。
PKは、”日照りは争うから起きる、雨をもたらす男が鎮めて平和をもたらす”という言い伝えがあることを、ピートから教えてもらう。
ピートから、自分が”雨をもたらす男”だと言われたPKは、皆が歌で敬意を払っていることを知らされる。
ボルマンの視線を気にするピートは、ドクから受け取ったバケツをすり替える。
バケツの中身を捨てろと言われたピートは、入っていた水を捨てる。
納得いかないボルマンは、その場にあったサボテンの肥料用の糞を食べるようピートに指示する。
それに従ったピートを蹴り倒したボルマンは、彼を侮辱して脅しその場を去る。
その様子を見ていたPKとドクはピートに駆け寄り、タバコの件がバレれば全員殴られた仲間達をピートが守ったことを知る。
終戦が近づき、帰国できることを喜ぶドクだったが、彼と会えなくなるPKは悲しむ。
監督官の訪問時にコンサートを催したいという所長の考えを聞いたドクは、ピートがそれを望んでいることを知り承諾する。
その考えに反対だったドクは、ピートから、自分達のためにコンサートを開き、歌わせてほしいと言われる。
多部族をまとめることは難しいが、”雨をもたらす男”がいれば可能だと言われたドクとピートは、それぞれが作曲と作詞を始める。
看守達が臆病者だという歌詞の内容をPKから知らされたドクは、納得して囚人達に歌わせる練習を始める。
コンサートの夜、ピートの姿が見えないPKは心配するものの、ドクから必ず来ると言われる。
PKは所長の言葉を通訳するが、囚人達に警告する内容は、歓迎と団結の言葉に言い換えられてしまう。
ドクの演奏とPKの指揮により囚人達の歌が始まり、その場に向かおうとしたピートは、ボルマンに痛めつけられ、歌の内容を教えるよう強要される。
自分達が侮辱されていることを知ったボルマンは、ピートを更に痛めつける。
それに気づいたPKはピートの元に駆け寄り、感謝しながら息を引き取った彼が、ようやく自由になったことを悟る。
1948年、ヨハネスブルグ。
終戦後にドクはドイツに帰国し、イギリスの高校に通うPK(スティーヴン・ドーフ)と友人のモリー・ギルバート(ドミニク・ウォーカー)は、セント・ジョン学長(ジョン・ギールグッド)の推薦でオックスフォード大学の入学候補生となる。
レポートの発表にあった、ピートを殺した軍曹への正義は下されたのかとPKに尋ねたセント・ジョンは、縛り首にされた軍曹の死体が、ピートの房で発見されたことを知る。
ボクシング大会の試合中に、観客席のマリア・マレー(フェイ・マスターソン)に見とれてしまったPKは、油断した隙にダウンを奪われる。
ゴングに救われたPKは、彼女が誰かを調べるようマレーに指示し、現れたズールー族の歌を聴きながら次のラウンドで相手を倒す。
モリーから、マリアがダニエル・マレー教授(マリウス・ワイヤーズ)の娘だと知らされたPKは、彼は国民党のアフリカーナなので殺されると忠告される。
それを無視してマリアがいる寄宿舎に侵入したPKは彼女に会い、二人は互いの気持ちを確かめ合う。
アフリカーナのホッピー・グルネウォルド(イアン・ロバーツ)のボクシングジムに向かったPKは、モリーから彼を紹介されるものの、子供扱いされる。
コーチ料を半年分前払いされたホッピーは、試しにリングに上がったPKの実力を認める。
異人種がリングに上がっていることをホッピーに尋ねたPKは、この場では黒人も対等に扱うと言われる。
マレーに会ったPKは、自分の考える理想主義を率直に語るが、マリアと会うことは許可されなかった。
帰ろうとしたPKは、理想主義は、今の学校に入る前にドイツ人から教わったとマレーに伝えてその場を去る。
ジムに向かったPKは、黒人居住区のプロモーターであるエリアス(ウィンストン・ヌシュナ)に会い、彼らの代表であるボクサーのギデオン・デュマ(アロイス・モヨ)との対戦を提案される。
異人種間の試合は違法だが、ホッピーは興味があるとPKに伝える。
エリアスが高校の試合に来ていたことを覚えていたPKは、歌を知っていた理由を尋ねるものの、答えてもらえなかった。
試合を断ったPKは、その場に来ていたマリアとモリーと共に外に出る。
PKは、追ってきたエリアスから、歌った理由は”雨をもたらす男”と知っていたからだと言われる。
刑務所に居たと言うエリアスがピートを知っていたため、PKは、伝説が間違いだったことは理解しているはずだと伝える。
その場にいたデュマは、未来を切り開くために戦い、君を倒して仲間達の目を覚ませるとPKに伝える。
その逆の結果になれば、伝説の男を称え士気が高まると言うデュマだったが、そこに警官が現れる。
エリアスらを使用人だと言うPKは、警官を信用させて彼らを救う。
父に逆らってでも人種間の問題を知ろうとするマリアの考えに、PKは感心する。
その頃マレーは、PKを監視することを、警官隊のブライテン大佐(ブライアン・オショーネシー)とヤピー・ボータ軍曹(ダニエル・クレイグ)に指示する。
ホッピー、モリー、そしてマリアと共に黒人居住区に向かったPKは、デュマと対戦する。
劣勢のPKは、かつて呪い師から勇気を授けられたことを思い出し、反撃してデュマを倒す。
デュマに伝説の”雨をもたらす男”と称えられたPKは、人々に称えられる。
試合後、マリアから、今夜のことは一生忘れないと言われて感謝されたPKは、彼女から卒業のダンス・パーティーに誘われる。
父には話してみると言うマリアに、PKはエスコートすることを約束する。
その様子を、ヤピーが監視していた。
黒人居住区で歓迎される存在となったPKは、デュマと共にトレーニングを始める。
居住区の劣悪な生活環境や、虐げられる人々の実情を知ったPKは、デュマと共に未来を語り、皆に英語と読み書きを教えることを頼まれる。
それを断ったPKだったが、デュマの熱意を知り心が動く。
モリーと共にセント・ジョンに会ったPKは、授業のことで彼に協力を求める。
マリアにその件を話したPKは、理想だけを追い、パーティーの約束を守ろうとしないことを非難される。
夕食の席で、大学を去り入閣することを発表したマレーは、黒人を非難する話に意見するマリアがPKに会っていることを知り口論になる。
マレーに頬を殴られたマリアは、自分は人を差別はしないと言って泣きながら、雨の中、家を出る。
モリーと共に学校の教室でデュマ達に英語の教え方を伝授しようとしたPKは、マリアが手伝いに来てくれてために嬉しく思う。
それを監視していたヤピーの報告を受けたブライテン大佐は、セント・ジョンの元に向かい、その件について話をする。
モリーと共にその場に呼ばれたPKは、軍曹が、寄宿学校で自分をいじめたヤピーだと気づく。
ブライテンに強要されたセント・ジョンは、仕方なく授業を取りやめることをPKに伝える。
早急に変化が必要だと考えるPKは、焦らずに待つようにと言うセント・ジョンに説得される。
失意のPKだったが、モリーと共にオックスフォード大学への入学が認められたことを知らされる。
授業の件に納得できないPKは、牧師であるモリーのおじに協力を求めようとする。
ジムに押し入ったPKを憎むヤピーは、彼に復讐するためその場を閉鎖しようとする。
抵抗するデュマやPKを痛めつけたヤピーは、ホッピーらを脅し、マリアのことも口にしてその場を去る。
マリアに危険が及ぶことを心配するPKは、彼女の元に向かい、一緒にオックスフォードに行くことを提案する。
おばの家に行くことになっているマリアに、卒業したら必ず迎えに行くことを伝えたPKは、母のブレスレットを彼女に渡す。
脅しに動じないホッピーとPKだったが、ジムは警官隊に襲われる。
抵抗するホッピーを痛めつけて連行するヤピーは、PKの前でジムに火を放つ。
モリーのおじの教会で授業をすることになったPKは、片目を失明したデュマに、自分のせいだと言って謝罪する。
気にする必要はないと言われたPKは、おばの家に行ったはずのマリアが来てくれたために喜ぶ。
ところが、ブライテン率いる警官隊がその場に押し入り、抵抗したマリアはヤピーに殴り殺されてしまう。
マリアの葬儀が行われ、その様子を見守るPKに襲い掛かろうとしたマレーは、友人達に制止される。
その場に現れたズールーの人々は、マリアのために歌う。
マリアの死で気力を失ったPKは、デュマに別れを告げようとするが、彼らの学ぼうとする姿を見て、自分の行いが間違っていなかったと思う。
デュマに誘われたPKは、マリアの遺志を継いで、人々に学ぶことを教える旅に出る決意をする。
PKを捕らえようとするヤピーは黒人居住区を襲い、デュマに発砲して脚に怪我を負わせる。
人々を容赦なく射殺するブライテンは、槍で刺されて死亡する。
エリアスを殺そうとしたヤピーに立ち向かったPKは、彼を叩きのめす。
銃を拾いPKを射殺しようとしたヤピーは、デュマに殴り殺される。
その後PKは、母、乳母、ドク、呪い師、ピート、マリアのことを想いながら、未来を切り開くためにデュマと共に旅立つ。