葬儀が済み、スティールと共に母の埋葬を見守るステットは、その場に現れた、父ジェラルド・オーウェンズ(ジョシュ・ルーカス)と初めて顔を合わせる。
ジェラルドは、音楽の才能があるステットを見捨てずに、東海岸の寄宿学校に預けるべきだとスティールから提案される。
自分の過ちを隠すために都合の良い方法だと考えたジェラルドは、ステットを国立少年合唱団付属学校に連れて行く。
ジェラルドと共に教師のウーリー(ケヴィン・マクヘイル)に迎えられたステットは、校長(キャシー・ベイツ)とドレイク、そしてカーヴェルの面接を受ける
カーヴェルらの前で歌ってみせたステットは、外に出ているようにとジェラルドから言われる。
ステットの歌に感心したジェラルドだったが、熱意が感じられず礼儀もないとカーヴェルは意見する。
新入生を受け入れる時期ではないと校長からも言われたジェラルドは、1年分の授業料で残りは寄付すると伝えて拒まれながらも小切手を渡す。
気分を害したカーヴェルは席を立つが、結局はステットの入学は認められ、それを息子に伝えたジェラルドはその場を去る。
ウーリーに案内されて部屋に向かったステットは、ルームメイトのラファエル”ラフィ”アブラムス(リヴァー・アレクサンダー)から挨拶されるものの、仲良くする気にはなれなかった。
授業は始まり、その場に馴染めないステットはジェラルドに電話をするものの、彼の娘が出たために切ってしまう。
ステットが楽譜を読めないことを知ったドレイクは驚き、基礎など教えていられないと校長に不満を訴えるものの、聞き入れてもらえない。
カーヴェルも、殻に閉じこもるステットに厳しく接する。
その後、合唱団の日本ツアーの予定が決まり、それに選ばれたフィルらは出発する。
合唱団のスターであるデヴォン(ジョー・ウェスト)の美しい声を聴いたステットは、フェルナンド(ダンテ・ソリアーノ)から、楽譜の読み方を教えてもらう。
ステットの才能を確信したウーリーは、日本ツアーに同行したカーヴェルに電話をして、彼が自分達の夢を叶えてくれる存在になることを伝える。
内容だけ聞いたカーヴェルは、意見も伝えずに電話を切っていしまう。
娘の誕生日を祝っていたジェラルドはステットのことを思い出し、彼に小切手を送ろうとするものの、財布から現金を取り出す。
ジェラルドからの手紙を受け取ったステットは、現金が入っていたために驚く。
団員達を集めてメンデルスゾーンの”エリヤ”をピアノで弾いたカーヴェルは、二度弾いて違いを尋ねる。
音階を単調に変えたと言うラフィに正解だと伝えたカーヴェルだったが、ステットは、1音抜かしたと指摘する。
それを否定するカーヴェルは、自分が音を抜かしていないと思う者の挙手を求め、全員が手を挙げたために、それでも意見を変えないかをステットに問う。
終盤の和音を6度抜かしたと答えたステットに正解だと伝えたカーヴェルは、彼の指摘に感心する。
恥をかかされたラフィは、ステットに嫌がらせをする。
その後、ウーリーの推薦で、ステットをツアーに参加させるかが話し合われ、テストをすることになる。
体育の授業をしていたステットは、校長、カーヴェル、ドレイク、そしてウーリーの前で歌う。
無言で立ち去ったカーヴェルに、ステットを使おうとしない理由を尋ねたウーリーは、態度が悪い彼の声だけでは満足できないと言われる。
実力は十分にあると言うウーリーは、正式なオーデションだけでも受けさせてほしいとカーヴェルに伝える。
クリスマス休暇で生徒達は親元に帰るが、ドレイクからオーデションの課題を渡されたステットは行く場所がなく、一人、学校に残る。
年が明けて、オーデションのための筆記試験を受けたステットは、ツアーの参加者に選ばれることのプレッシャーもあり、窓を割ってしまい、ラフィに復讐するため彼のオーディオを壊してしまう。
厳しく指導するカーヴェルは、才能を無駄にしているステットに自分や学校を侮辱していると伝え、悪事を追及し、音楽を尊重していない彼を罵倒する。
心から歌いたいと思わないのなら辞めてしまえと言われたステットは、悔し涙を流す。
しかし、部屋に戻ったステットのベッドの上には、合唱団の制服が置かれていた。
ツアーに参加したステットに、デヴォンはライバル心を燃やす。
カーヴェルに呼ばれたステットは、ようやく自分を認めてくれた彼から、不調のアンドレ(グラント・ヴェナブル)に代わり、最前列を務めるよう指示される。
妻のサリー(ジャニーン・ディヴィタ)から国立少年合唱団のチケットが送られてきたと言われたジェラルドは、行く気になれなかった。
しかし、会場が出身校イェール大学のウージルジー・ホールだと知らされ、サリーが家族で行きたいと言うため仕方なくそれに同意する。
デヴォンが寝込んでしまったことを知らされたカーヴェルは、公演は中止しようとするが、ウーリーから代役を使うことを提案され、ステットを起用する。
緊張するステットは、開演時間が迫る中、カーヴェルに無理だと伝えるが、落ち着くようにと言われる。
ジェラルドは、家族と共に会場に到着する。
公演は始り、ソロの番になったステットは、楽譜がないことに気づき焦るものの歌うしかなかった。
デヴォンが楽譜を盗んだことを知ったステットは、無事に歌い終えて大きな拍手を受ける。
席を立っていたドレイクは、デヴォンが楽譜を盗んだことに気づき、彼を非難する。
ステットは皆から称えられるものの、息子が有名人になってしまうことを考えると、ジェラルドは複雑な思いだった。
デヴォンを見つけたステットは彼を追うが、手を出したら退学だと言って何もしなかった。
その後、ニューヨーク公演決定の連絡を受けた校長は、ドレイクとウーリーと共にカーヴェルの家を訪ねて、夢がかなったことを伝える。
しかし、ステットがスイスの寄宿学校に移ることを校長から知らされたカーヴェルは驚く。
翌日、ジェラルドと共に学校を去ろうとするステットを引き止めたカーヴェルは、自分が指導を続ければ、秘密は守られるとジェラルドに伝える。
ステットは合唱団に残り、ハイDの音を出せた者が公演でソロを歌うとカーヴェルから言われた団員達の厳しいレッスンが始まる。
秘書の机からステットの資料を盗んだデヴォンは、彼の悲惨な過去を知り、それをラフィに知らせる。
母デビーの逮捕写真をバラ撒かれたステットは、犯人のデヴォンを叩きのめしてしまう。
懲罰委員会が開かれることをドレイクから知らされたステットは、退学になってしまうことを恐れる。
それをカーヴェルに伝えたステットだったが、才能だけでは合唱団員にはなれないと言われる。
荷物をまとめておけと伝えたカーヴェルは、ジュリアードでピアニストを目指していた自分は才能がないと言われ、教授を殴り辞めたことを話す。
自分には才能がなかったが、君には今しかない声があると伝えたカーヴェルは、それを台無しにしたと言って、残された時間は少ないと話す。
年老いたあなたも同じだと伝えたステットは、その場を去る。
翌朝、懲罰委員会が開かれ、申し立てがあれば話すようにと校長から言われたステットは、殴ったことは謝罪するが、合唱団は辞めたくないと伝える。
カーヴェルに無礼な態度をしたことも謝罪したステットは、当校では暴力は許されず、何度も見逃したが限度があると校長から言われ、外で待つようにと指示される。
即時退学の考えを伝えた校長は採決をとり、カーヴェルも挙手する。
ステットの個人情報を盗み母親の逮捕写真までバラ撒いたデヴォンも退学させるべきだと言うカーヴェルに、同じ扱いをするのはおかしいとドレイクが意見する。
ドレイクを黙らせたカーヴェルは、自分達が子供の心を理解していなかったと語り、ステットとデヴォンのライバル心を煽った責任を取って指揮者を辞任し休暇を取ることを伝える。
その場は混乱し、それを鎮めた校長は、開校以来、最大のイベントである公演を控えて、二人を失い恥をかくことになると言って憤慨する。
ステットとデヴォンを退学させるよう指示した校長は、公演は必ず成功させることをカーヴェルに指示して、辞任はその後にするよう命ずる。
公演の日、ステットは、駆けつけてくれたスティールから励まされる。
ソロを誰にするか迷うカーヴェルは、失敗は許されないため、デヴォンでいくべきだとドレイクから言われる。
団員達を前にしたカーヴェルは、神秘的な歌声を出せるのは1~2年しかなく、それを過ぎた後に見つける才能を声のように育むようにと伝える。
大聖堂で自分自身の音楽を感じ、人生における大切な50分間を祝福するよう伝えたカーヴェルは、団員達と共に公演に挑む。
校長に励まされた団員達は大聖堂に向かい、カーヴェルの指揮の下、ステットの見事なソロと共に歌い終わる。
その場にはジェラルドも現れ、場内は総立ちで合唱団に拍手を贈る。
帰宅したジェラルドは苦悩し、サリーにステットのことを話す。
その後も合唱団に残ったステットは、声変わりしたことに気づきショックを受ける。
ウーリーから、大人になるための誰もが通る道だと言われたステットは、ボーイ・ソプラノは、つかの間の神様から借りる声だと話すウーリーに、それならばなぜ、あれほど厳しいレッスンをしたのかを問う。
ステットは、学ぶことに意味があるとウーリーから言われる。
どこの学校にでも行けるステットに、推薦状を書くべきだと言われたカーヴェルはそれを拒み、大切なのはキャリアではなく生き方だと伝える。
校長に呼ばれたステットは、ニューヨーク公演のCDを渡される。
辞めることを決意したステットは、アルトに転向して残ることもできると言われるが、次の学校に行くことを伝える。
渡された封筒の中身を確認したステットは、それが、”最も優秀な教え子です”というカーヴェルの推薦状だと知る。
秋から海外の寄宿学校に行くことをウーリーに伝えたステットは、自分を常に支えてくれた彼に感謝して別れを告げる。
カーヴェルに挨拶したステットは、迎えに来たジェラルドとサリーの元に向かうようにと言われる。
サリーに声をかけられたステットは、ニューヨークの学校に通い一緒に暮らすことをジェラルドから提案される。
カーヴェルは、家族と共に去るステットを見つめる。