出かけずに眠っていたとヴァーロックから言われた妻は、客に返金を迫られていることを伝え、それに応ずるよう指示される。
そんな余裕はないと答える妻だったが、客は大切にするべきだと言うヴァーロックは、金が入る予定があることを伝えて彼女を納得させる。
返金の義務はないと言って、勝手に客に対処していたスペンサーを迷惑に思うヴァーロック夫人は、彼を非難する。
返金することを客に伝えたヴァーロック夫人は、尚も口出ししようとするスペンサーを追い払う。
ヴァーロック夫人に払い戻しを指示されたルネだったが、電気が復旧したために上映が始まる。
食事の用意をしてくれた弟スティーヴ(デズモンド・テスター)を褒めてあげたヴァーロック夫人は、サラダを作るため、彼にレタスを買いに行かせる。
レタスを持ってきたスペンサーは、ヴァーロックにいつ帰ったのかを聞く。
家にいたと答えたヴァーロックは、戻るところを見たと言うスペンサーに、部屋で寝ていたと伝える。
納得したスペンサーは店に戻り、店主に早引けすることを伝えてスコットランド・ヤードに向かう。
ヴァーロックが外出したことを上司のタルボット警視(マシュー・ボールトン)に報告したスペンサーは、本人と妻がそれを否定していることも伝える。
夫人も協力している可能性があるため、探るようにと指示されたスペンサーは、更に大きな事件が起きることを懸念するタルボットから、黒幕の手先を探し出すよう命ぜられる。
木曜日。
ヴァーロックに声をかけたスペンサーは映画を買いに行くと言われ、彼を見張っていた同僚刑事ホリングスヘッド(S・J・ウォーミントン)に合図を送る。
動物園の水族館に向かったヴァーロックはある男に接触し、昨晩のことなどを話して金を要求する。
しかし、街中の物笑いになったという新聞記事を見せられたヴァーロックは、結果を出せば金を払うと言われる。
数日後に”ピカデリー・サーカス駅”の地下鉄に包みを置いてくるようヴァーロックは指示される。
中身は”花火”だと言われたヴァーロックは、人命を奪うようなことはしたくないと伝えてそれを断る。
金が必要なヴァーロックは、友人に頼めばいいと言われて納得し、”花火”作りの名人に会うよう指示される。
市長就任パレードで大勢の人が集まる土曜日にそれを実行することになったヴァーロックは、結果を見れば分かるので報告はいらないと言われる。
ピカデリー・サーカスの大惨事を想像しながらヴァーロックはその場を去り、ホリングスヘッドは彼の尾行を続ける。
スティーヴを連れて出かけたヴァーロック夫人を追ったスペンサーは、奇遇だと言って声をかけ二人を食事に誘う。
レストランに向かったヴァーロック夫人は、始めて来たと言うスペンサーとスティーヴと共に席に着く。
ステーキを三人分頼んだスペンサーは、不景気なアメリカから来たヴァーロック夫人に、映画館経営に苦労している様子の夫が副業をしているのかを問う。
料理が運ばれ、ウェイターに脂身が嫌いだったはずだと言われたスペンサーは、初めてでないことがヴァーロック夫人にバレてしまう。
冗談を言いながら話題を変えスペンサーは、ヴァーロックの浮気を心配するが、夫人は彼ほど無害な人はいないと答える。
食事代を経費として請求するのを止めたスペンサーはタルボットの元に向い、ヴァーロック夫人は無関係だと伝える。
タルボットから夫人が美人かを聞かれたスペンサーは、ヴァーロックも無実かもしれないと伝える。
同僚のホリングスヘッドからの連絡の内容を話すタルボットは、ヴァーロックが、動物園の水族館で外国人に会い、その後、イズリントンの小鳥屋に向かい、まだその場にいることをスペンサーに伝える。
小鳥屋の店主から爆発物の話を聞かされたヴァーロックは、土曜の1時45分に実行することを確認する。
起爆方法を聞かれた店主は、全てセットしておくので問題ないことをヴァーロックに伝える。
外に警官がいることに気づいたヴァーロックだったが、店主は自分を監視しているだけだと言って気にしない。
店主は、土曜の実行時間を、もう一度確認のためにヴァーロックに伝えて送り出す。
店を出たヴァーロックを、ホリングスヘッドが尾行する。
その夜、スペンサーの話をする妻とスティーヴの話を聞きながらヴァーロックは手紙を書く。
本物の悪人は恐い顔をしていないもので、自分のような人物だとスティーヴに言ったという、スペンサーの言葉をヴァーロックは気にする。
金曜日。
ヴァーロックを訪ねて来た男が二人現れたため、スペンサーは店を早引けして、翌日からは来ないことを店主に伝える。
ヴァーロック夫人の顔パスで映画館に入ったスペンサーは、スティーヴにヴァーロックの居場所を聞き、脅かしてやろうと言ってスクリーンの裏の窓に向かう。
仕事相応の金は払うとヴァーロックに言われた男は、窓の向こうに誰かがいることに気づく。
スペンサーは部屋に引きずり込まれ、その場にいた知っている顔の男を確認する。
驚くヴァーロックに挨拶したスペンサーはその場を去る。
男は、スペンサーが自分を務所に送り込んだスコットランド・ヤードの刑事であることをヴァーロックらに伝える。
危険を察した男達は、話はなかったことにすると言ってその場を去る。
妻の元に向かったヴァーロックは、スペンサーが自分のことを探っている刑事だと伝える。
何を探るのかと聞かれたヴァーロックは、今夜、来た男達のことだと答えて動揺する。
スペンサーと話してみると言う妻を制止して自分で聞きにいったヴァーロックは、隣の店の店主が、警察の要請を断れなかったことを知る。
妻の元に戻ったヴァーロックは、土曜日はしくじるなという手紙を受け取る。
市長就任パレード当日。
落ち着かないヴァーロックは、小鳥屋から鳥が届いたことを確認し、スティーヴを喜ばしたかったと妻に伝える。
鳥かごに隠されていた爆発物を出したヴァーロックは、1時45分に鳥は鳴くというメモを確認する。
スティーヴを呼びに行ったヴァーロック夫人は、その場にスペンサーがいたために驚き、彼が職務で来たことを知る。
話を理解しないヴァーロック夫人に、スペンサーは破壊工作が行われることを伝える。
停電にも関与していたヴァーロックが、あの夜、出かけて戻って来た姿を目撃したことをスペンサーは話す。
荷物を持って出かけようとしたヴァーロックは、妻とスペンサーが話していることに気づき、通りにも監視する刑事がいることを確認する。
鳥をプレゼントされて喜んでいるスティーヴを呼んだヴァーロックは、フィルムを届けるついでに荷物をピカデリー・サーカスのクロークルームに預けるよう指示する。
妻には黙っていくようにと伝えたヴァーロックは、直ぐに行こうとしないスティーヴを叱る。
1時半までには着くようにと言われたスティーヴは、スペンサーにフィルムを届けると伝えて出かける。
部屋に向かったスペンサーは、職務遂行のため仕方なく監視していたことをヴァーロックに伝える。
協力を求めるスペンサーは、昨晩、部屋にいた男達の素性をヴァーロックに尋ねる。
市場を通ったスティーヴは、行商人に呼び止められてしまい、歯磨き粉と整髪剤を試すモデルをさせられる。
徒歩でピカデリー・サーカスに向かおうとすたスティーヴは、パレードが始まるために通りを横切れない。
スティーヴはパレードを楽しんでしまい、時間は過ぎていく。
1時半、パレードは終わり、遅れないようにバスに乗ったスティーヴは、渋滞に巻き込まれる。
1時45分、目的地に着くことができなかったスティーヴの乗っていたバスは爆破される。
話を終えたスペンサーはタルボットに電話をするようにと言われ、満員のバスが爆破されたことを知らされる。
何時に起きた事件だとヴァーロックに聞かれたスペンサーはそれを疑問に思いながら、アリバイを証明できると言われてその場を去る。
大惨事となった現場を調べるスペンサーは、スティーヴが出かける際に持っていたフィルム缶を見つける。
それを知ったタルボットは、ヴァーロックが外出していないことをスペンサーに確認し、そのフィルム缶が映画館のものかを調べるよう指示する。
新聞は爆弾テロを伝え、それを手にしたヴァーロック夫人は、自分の映画館で上映した作品のタイトルが事件の鍵を握るという記事を確認して失神し、その場に倒れ込む。
意識が戻り部屋に向かったヴァーロック夫人は、スティーヴを巻き込む気はなかったと夫に言われる。
自分を庇ってほしいと言うヴァーロックは、水族館の男のせいにして、起きたことは仕方がないと妻に伝える。
スペンサーのせいにもするヴァーロックは、彼を恨むべきだと言って、自分が運ぼうとしたと時にスペンサーが邪魔をしたのが悪いと語る。
ヴァーロック夫人は、言葉を返さずにその場を去る。
映画館に向かったヴァーロック夫人は、鳥が主人公のアニメ映画を観ながら、観客と共に苦笑する。
食事の準備ができたと家政婦に言われたヴァーロック夫人は、部屋に戻り料理を取り分ける。
スティーヴのことを想いながらナイフとフォークを手にするヴァーロック夫人は、夫に殺意を抱く。
それを察したヴァーロックは妻に近づき、彼女はナイフで夫の腹部を刺してしまう。
スティーヴのことだけを想うヴァーロック夫人は、その場で考え込む。
現れたスペンサーは、傷心のヴァーロック夫人を気の毒に思い、ヴァーロックを逮捕しに来たことを伝える。
ヴァーロック夫人に守りたいと伝えて好意を示したスペンサーは、ヴァーロックが死んでいることに気づく。
警察に向かうと言うヴァーロック夫人を追ったスペンサーは、自首しようとする彼女を制止し、事故であり処刑しただけだと言って彼女を説得する。
全てを諦めようとするヴァーロック夫人を抱きしめるスペンサーは、一緒に逃げることを提案する。
巻き添えにはできないと言われたスペンサーだったが、翌朝、家政婦が来るまで12時間あるため、その間に大陸に逃げられるとヴァーロック夫人に伝える。
小鳥屋の店主は、自分達に危険が迫っているため、ヴァーロックに渡した鳥かごを取り戻すよう娘に言われる。
映画館に向かう店主をホリングスヘッドが追い、タルボットに連絡を入れる。
ホリングスヘッドは、映画館でヴァーロックと店主を逮捕するようにという指示をタルボットから受ける。
ようやく落ち着いたヴァーロック夫人に、スペンサーはキスする。
警察が到着し、タルボットに声をかけたヴァーロック夫人は、供述したいことを伝える。
署に着いてから話すようスペンサーに言われたヴァーロック夫人は、その場で聞こうとするタルボットに全てを語ろうとする。
小鳥屋の店主が映画館に入ったと言われたタルボットは、話は後で聞くことをヴァーロック夫人に伝えて、スペンサーにその場にいるよう指示する。
ヴァーロック夫人の手を握りしめたスペンサーは、タルボットを追おうとする彼女を引き留める。
警官が来たことに気づいた小鳥屋の店主は、ヴァーロックを捜す。
ホリングスヘッドにドアを開けるよう言われた店主は、爆弾を爆破すると脅す。
タルボットは、爆破の危険性があることをホリングスヘッドから知らされる。
警察から指示を受けたレネは、観客を避難させる。
部屋に押入った店主は、ヴァーロックが死んでいることに気づく。
爆弾を爆破させる危険性のある男が中にいるため、部屋にいるヴァーロックに説得させるよう夫人に指示するタルボットだったが、彼女は夫は死んでいると答える。
次の瞬間、映画館で爆発が起き、周辺は大混乱となる。
建物から出て来たホリングスヘッドは、内部が吹き飛んだことをタルボットに伝え、ヴァーロックらの死体の痕跡も残っていないことを報告する。
タルボットは、ヴァーロックが爆死したことを夫人に話すようスペンサーに指示し、署で話は聞くが、その後、彼女を放免すると伝える。
スペンサーは、涙するヴァーロック夫人を抱き寄せながらその場を去る。
ヴァーロック夫人が夫の死を知っていたような言い方をしたことを疑問に思うタルボットだったが、吹き飛んだ彼が生きてるはずがないとホリングスヘッドに言われる。
夫の死を話したヴァーロック夫人の言葉が爆発の後かその前だったのかを、タルボットは思い出せない。
スペンサーとヴァーロック夫人は、その場を離れて雑踏の中に向かう。