さざなみ 45 Years (2015)

氷の中で見つかったカーチャのことを話すジェフは、ケイトから彼女とは限らないと言われ、服装などで分かったのだろうと考える。

急速に凍ると死んだ時のままの姿で保存されると思うと言うジェフだったが、ケイトはそれが信じられない。

カーチャが1962年の姿のままでいるのに、自分は老いていることを考えると不思議に思うジェフは、やめていたタバコを吸うとケイトに伝えて外に出る。

遺体の確認のためにスイスに行く気持ちもあるジェフの考えに反対するケイトは、土曜にはパーティーがあると伝えるが、今すぐではないと言われる。

山に登ることも無理だと考えるケイトは、動揺している様子のジェフから大丈夫だと言われて、車で町に向かう。

会場である集会場を下見したケイトは、管理人のワトキンス（リチャード・カニンガム）から、45周年は中途半端な年だと言われ、40周年の時は夫が病気だったことを伝える。

その後、街中を散歩するケイトは、時計店のウィンドウに飾られたスイス製時計を見つめる。

家に電話をしたケイトは、ジェフがいないようだったので帰宅する。

トイレを修理して指を怪我したジェフの傷の手当てをするケイトは、村まで歩いて行ったと言われ、タバコを買いに行ったのか尋ねる。

約束したのでもう吸わないと言うジェフは、レイシストのサンドラに話しかけられ、何もすることがないのでベンチに座っていたとケイトに伝える。

夕食後にケイトに話をしたジェフは、自分はカーチャの近親者だと伝えるものの、そんな大切なことは覚えているはずだと言われる。

近親者である理由を訊かれたジェフは、警察には夫婦だと思われていると答える。

質問されたのでそう答えたが、事実ではないと言うジェフは、当時は、そう言わなければ宿に泊まれなかったとケイトに伝える。

その後に事故が起きたことを知ったケイトは、初めて聞いたとジェフに伝えて、美しい新しい恋人には話せなかったのかもしれないと言われる。

入浴の準備をすると言うケイトが、気分を悪くしたと思ったジェフは、出会う前の話ななので気にしないと言われるものの戸惑う。

その後、ケイトはバスタブの中で考え込む。

ベッドに入ったケイトは、ジェフから、山に行った時に雇ったガイドがカーチャと意気投合したことに嫉妬した話を聞く。

その後に事故が起きて、カーチャが岩の裂け目に落ちたことで、ガイドが呆然としていたとジェフはケイトに話す。

カーチャの髪はブロンドか訊かれたジェフは、ケイトと同じこげ茶色だったと言って、年を訊かれたので、自分より2歳年上だったと答える。

1962年のことだったと言われたケイトは、カーチャが27歳だったと考えながら、母も1962年に死んだことをジェフに伝える。

知り合う前から同じ年に不幸を経験していると話すケイトは、そのことには一言も触れずに長年一緒に暮らしてきたとジェフに伝え、疲れたと言われたのでライトを消し、自分も疲れたとつぶやく。

火曜日

マックスと共に朝の散歩から戻ったケイトは、ジェフから、町に行ってトイレのボールタップを買い、図書館に寄りたいと言われる。

町に向かう途中、ジェフは気候変動の本があるか考え、図書館に向かい、カフェでケイトと待ち合わせる。

温暖化で氷河の水が溶けることなどを熱心に語るジェフの話を聞いていたケイトは、電話が鳴るものの出なかった。

そこに友人のリナ（ジェラルディン・ジェームズ）と夫ジョージ（デヴィッド・シブリー）、二人の娘のサリーが現れ、ケイトはリナから電話を無視したと言われる。

その後、ジェフとジョージと別れ、リナとサリーと共に買い物をしたケイトは、パーティーは苦手だと話す。

パーティーは大事だとケイトに伝えたリナは、肝心な時に男は涙もろくなると言うものの、ケイトはジェフは違うと考える。

帰宅したケイトは、リナから孫の写真を見せられたことをジェフに話し、子供や孫がいるから彼女の家には写真が溢れ、そうではない自分たちは少し寂しいと伝える。

今思えば写真に残したいことはたくさんあったが、その時は大事な思い出になるとは思わなかったと、ケイトはジェフに話す。

自分が欲しいのは、初めて出会った時のダンスホールの写真であり、一目惚れしたと言うジェフは、ケイトと踊ろうとする。

楽しく踊った二人は、寝室に向かい愛し合う。

夜中に目覚めたケイトは、屋根裏にいるジェフに気づき、カーチャの写真を見つけたことを知る。

見せようとしないジェフに写真を渡すよう声を荒げたケイトは、それを一目見て梯子に置き寝室に戻る。

水曜日

マックスと散歩をした後でリナと出かけたケイトは、ジェフの様子がおかしいことなどを話す。

ジョージは楽しみにしている会社のOB会に、ジェフが乗り気でない理由が分からないと言うリナは、ケイトから、その件について彼に聞いてみると言われる。

船の川下りを楽しんだケイトとリナは町に向かい、ベンチに座りタバコを吸っているジェフを見かけて車に乗せる。

夕食の際にケイトから、OB会に行きたくない理由を訊かれたジェフは、明確には答えずに苛立ち、行かないとは言っていないと伝える。

ベッドの中で、カーチャのことを熱心に話すジェフに、山に登っただけだったはずだと伝えたケイトは、彼女は気を引くのが上手だと考える。

知らないくせにと言うジェフは、くたびれたとケイトに伝える。

ケイトから、カーチャが生きていてイタリア行きがなければ、彼女と結婚したかと訊かれたジェフは、イタリアには行っていないしカーチャは死んだと伝えるものの、もしもの話だと言われる。

仮定の話は嫌いなはずだと言うジェフは答えを求めるケイトに、結婚するつもりだったと伝える。

カーチャの話はしたいがこれで終わりにすると言うケイトは、ライトを消す。

木曜日

OB会に出席するジェフを会社に送ったケイトは、家に戻り、考え込みながら外でタバコを吸う。

気になる屋根裏を調べたケイトは、ジェフの古いノートやスライドを見つける。

スライドを見たケイトは、そこに写るカーチャが妊娠していたことを知りショックを受ける。

工場にジェフを迎えに行ったケイトは、会社の話をしながら無造作にタバコを吸う彼の行動を気にする。

夜中にベッドから出たジェフに気づいたケイトは、彼が屋根裏に向かったと考える。

金曜日

目覚めたケイトは、自分より早起きしたジェフが、バスで町に行ったことを知る。

町に向かい旅行会社に寄ったケイトは、ジェフがスイス行きを考えていることを知り、動揺しながら時間を過ごし、時計店の前で立ち止まり考え込む。

夕方、帰宅したジェフに旅行会社に行ったことを話したケイトは、スイス行きのことを尋ねる。

それを否定するジェフは、村までも歩けないのに山に登れるわけがないとケイトに伝える。

カーチャの話は聞きたくないというケイトに、彼女を切り離して考えてほしいと伝えたジェフは、関係あると言われる。

家の中にカーチャがいると言うケイトは、すべてのことに彼女が影響しているのが気になるが、今は気持ちを抑えているとジェフに伝える。

明日のパーティーには出席して欲しいと言うケイトは、自分に不満なことは理解するが、それを他人には気づかれたくないとジェフに伝える。

不満に思っているという言葉に反論するジェフに、あなたは満足していないと伝えたケイトは、彼から誤解だと言われる。

これからいつものように過ごして、明日の朝、起きてやり直すことを提案をするケイトに同意したジェフは、それを約束する。

土曜日

ベッドにいたケイトにお茶を運びトイレを直したことを伝えたジェフは、寝坊したことで戸惑う彼女に、スクランブルエッグを作ることを伝える。

ジェフと共に散歩をして戻ったケイトは、物置で楽譜を見つけてピアノを弾く。

身支度をするケイトは、思い出のネックレスを着けていくことにする。

夕方になり、ジェフと共に会場に向かうケイトは、時計に言葉を刻み贈りたかったが、言葉が何も思い浮かばなかったと伝える。

会場に着き、友人達に歓迎されたケイトとジェフは、歓談して楽しい時を過ごす。

リナとジョージが用意してくれた、展示された自分たちが写る多くの写真を見せられたケイトとジェフは、皆から集めたと言われる。

感激したジェフはリナに感謝し、トイレに向かったケイトは動揺する。

会食が始まり、スピーチしたジェフは皆に感謝し、若い頃ケイトと共に人生を歩むことを選択し、45周年を迎えられたことを伝えて感極まる。

夫婦間には様々なことはあったが、君と結婚できたことは人生最高の選択だったと言って、ケイトに愛を伝えたジェフは涙する。

重ねて感謝し、これからも頼むとケイトに伝えたジェフは着席する。

ジェフを気遣うケイトは微笑み、二人のためにジョージが乾杯する。

ダンスの時間になり、最初にケイトとジェフが踊ることになり、二人の45年前の思い出の曲”プラターズ”の”煙が目にしみる”が会場に流れる。

幸せを実感して踊るジェフだったが、ケイトは複雑な心境だった。