マイラがバレリーナだと知ったロイは、その夜の10時から公演があることを知る。
ロイはそれに誘われるものの、大佐との食事の約束があり、翌日にはフランスに向かうことをマイラに伝える。
空襲警報は解除され、マイラをタクシーに乗せたロイは、彼女から記念に”ビリケン”のお守りを渡される。
幸運を祈ると言い大切なものを譲ってくれたマイラの心遣いに感謝したロイは、彼女に別れを告げて見送る。
その後”マダム・オルガ・キローワ・バレエ団”の公演は始まり、マイラに惹かれたロイは劇場に向かい席に着く。
それに気づいたマイラは驚き、予定があるはずのロイがなぜこの場に来たのか不思議に思う。
第一幕が終わり控室に向かったマイラ達は、マダム・オルガ・キローワ(マリア・オースペンスカヤ)から厳しい指示を受ける。
メモを受け取ったバレリーナのキティ(ヴァージニア・フィールド)は、それをマイラに渡そうとする。
それに気づいたキローワはメモを取り上げようとするが、マイラが自分宛だと言ったため、それを彼女に読ませる。
食事は大佐とではなく自分とすることにしたというロイからの手紙だったが、それには署名がなかった。
マイラは、ロイの名前も知らないため相手の名を教えるようにと言うキローワの問いに答えられない。
そのような交際を許さないと言うキローワは、食事には行けないという手紙を書かされる。
それを渡されたロイは失意のままその場を去るが、現れたキティが真実を話し、彼は初めてマイラの名前を知る。
マイラと会えることになったロイは1時間後にクラブで待つことを伝え、彼女が純粋な女性だということを理解してほしいとキティに言われる。
クラブの前でマイラを迎えたロイは、席をとり食事とワインをオーダーする。
二人は、惹かれ合うことを確認しながら楽しい時間を過ごす。
空襲で出会い別れた後で、マイラの顔が思い出せなくなったため劇場に行ったというロイは、その日の最後の曲”オールド・ラング・サイン”で彼女とダンスを踊る。
踊りながら愛を確かめ合った二人は、クラブを出て通りを歩く。
ロイが戻れたらウォータールー橋で会うことを約束したいのだが、二人はこれが最後のような思いでいた。
クラブで分からないことがあると言っていたロイは、それについてをマイラに聞かれ、若くて美しい彼女が、人生に何も期待していないような気がすると答える。
マイラは、例えば二度と会えないかもしれない今回の出会いがそれだと語り、ロイはそうとも限らないと言うものの、彼女はやはり否定的に考える。
二人は納得しながら別れることにして、ロイはお守りが幸運を運んでくれると言って彼女を見送る。
翌朝、部屋に現れたキローワから、今回のことについて意見されたマイラは、同じことを起こしたら即刻クビだと警告される。
窓から外を眺めたマイラは、雨の中に立つロイに気づき、慌てて支度をして、キティに見張ってもらいながら彼の元に向かう。
二人は挨拶をしてキスし、ロイは出発が2日延期になったことをマイラに伝える。
何かを考えている時間はないと言うロイは、結婚することをマイラに伝える。
焦らず考えるべきだと言うマイラに、ロイは既に決まったことだと興奮しながら伝え、彼女もそれに同意する。
タクシーを拾ったロイは、イギリス陸軍大尉である自分が結婚するには、上官である大佐の許可を得る必要があることをマイラに伝える。
マイラの身元を聞き司令部に向かったロイは、昼食中の大佐に昨夜の食事を断った件を説明し、結婚の許可を得ようとする。
しかし、大佐は連隊長の許可をとるように指示する。
叔父である連隊長のクローニン公爵(C・オーブリー・スミス)に会ったロイは結婚することを知らせ、相手のマイラがバーミンガム出身で両親を亡くしたダンサーだと伝える。
自分もダンサーが好きだと言う公爵は、今後のことをよく考えた上での決心だと言うことを確認しロイを祝福する。
マイラの元に戻ったロイは、結婚の許可を得たことを伝えて指輪を買いに行く。
その後、教会に向かった二人だったが、午後3時以降は結婚式を行えない法律があると知らされる。
翌朝11時に式を行うことを神父と約束した二人はその場を去る。
その夜の公演を控え、マイラが戻ってこないためにキティや同僚は彼女を心配する。
マイラが部屋にいたため驚くキティは、洋服などと共に彼女がウェディングドレスも買ったことを知る。
興奮して喜ぶキティは、それを同僚達に知らせて劇場に向かおうとする。
そこにロイから電話が入り、彼の出発が早まったことを知ったマイラはショックを受ける。
マイラは、キティに制止されるものの、それを聞き入れずにロイを見送るためウォータールー駅に向かう。
駅でマイラを待っていたロイは、彼女に会えないまま汽車に乗る。
汽車は走り始め、ホームに着いたマイラは、名前を呼ぶロイに気づくものの言葉をかけることはできなかった。
劇場に着いた失意のマイラは、控室に戻ったキティ達に励まされる。
そこに現れたキローワは、結婚相手が戦場に向かったと言うキティの話を無視してマイラを解雇する。
憤慨したキティはキローワを痛烈に批判し、マイラと共に解雇されてしまう。
その後、マイラとキティは職を探すことができず、キティは失業していることをロイに知らせてみてはどうかとマイラに提案する。
ロイを心配させたくないマイラは、もう暫く待つ考えを伝え、キティは将来に不安を感じる。
そこにロイから花束が届き、キティはそれを売れば1週間は食べれるとマイラに伝える。
その気のないマイラは、ロイの母親マーガレット(ルシル・ワトソン)が自分に会いに来ることを知り心配する。
しかしマイラは、ロイとは再会することができて今後はよいことが起きるような気がする。
レストランでマーガレットを待つことにしたマイラは、テーブル係(ノーマ・ヴァルデン)に席に案内される。
マーガレットが現れないためウエイトレスに新聞を渡されたマイラは、思い切って兵士の死亡欄に目を通し、”クローニン”という名前を見つけてショックを受け気を失ってしまう。
テーブル係に介抱されたマイラは、動揺しながらロイのことを考える。
そこにマーガレットが現れ、汽車が遅れたと言ってマイラに謝罪し、お茶とトーストをオーダーする。
マイラは混乱しながらマーガレットに対応をするが、ロイの話をされて動揺して涙し取り乱しそうになる。
事情を知らないマーガレットは、マイラの態度を理解できず、話はまたの機会にすると伝えて席を立つ。
帰ろうとしたマイラは、再び失神してしまう。
1か月後。
静養が必要なマイラが外出していたためで驚いたキティは、売春をしていることを知られてしまう。
辛い思いをしながら自分のために生活を支えてくれたキティに、マイラは感謝して彼女を抱きしめる。
ウォータールー橋に向かったマイラは、ロイのことを想いながら佇むが、男性に声をかけられて誘わる。
その後マイラは、毎晩ウォータールー橋で客をとるようになる。
ある夜、ウォータールー駅で兵士達に愛想をふりまくマイラは、目の前に現れたロイに驚く。
終戦で帰還したロイは、自分の帰りを知らないはずのマイラが駅で待っていたことを奇跡だと言って喜ぶ。
ただ涙するマイラに、負傷して身分証をなくし入れられた収容所からスイスに逃げたと言うロイは、彼女が母親から帰還することを聞いていなかったことを知る。
駅では女友達を待っていたたと言ったマイラは、現在の職のことなどを聞かれて戸惑い再び涙する。
辛い思いをさせたことを謝罪したロイは、新たな人生に向けて計画を実行すると言って母親に電話をしに行く。
ロイのことを考え全てを話そうとしたマイラは、スコットランドのマーガレットの屋敷には同行できないとしか言えない。
マイラの様子がおかしいため、ロイは恋人がいるのかを問い、それを否定した彼女は、ようやく笑顔を見せて洋服を買いに行く。
アパートに戻ったキティは、ロイが生きていたことをマイラから知らされるが、今後のことを思うと手放しで喜ぶことはできない。
ロイを信じて全てを話し、素晴らしい人生を掴んでみせるというマイらは、キティに励まされてスコットランドに向かう。
先祖代々受け継がれる広大な敷地をロイに案内されるマイラは、大邸宅に到着する。
マーガレットは息子を抱きしめ、行方が分からなかったマイラとの再会を喜び歓迎する。
ロイとマイラを祝福するパーティーが開かれ、マーガレットは彼女を気に入る。
マイラは注目の的となり、ロイは、上官である叔父のクローニン公爵を彼女に紹介する。
結婚の許可の件で公爵に感謝したマイラは、彼に誘われてダンスをする。
出席者に自分を認めさせるために公爵が踊ってくれたことに気づいていたマイラは、彼の心遣いに感謝する。
ただ踊っただけだと答える公爵は、保守的な者達が住む土地柄や、同族結婚をする習慣があるため、出席者はダンサーが別世界の者と考えていることをマイラに伝える。
公爵から、ロイや自分が家柄を汚すはずがない女性と見抜き確信したと言われたマイラは、その言葉が重荷となる。
出会った日のクラブで流れていた”オールド・ラング・サイン”でロイと踊ったマイラは、彼の軍服に刺繍された家紋を見ながら考えを巡らせる。
その後マイラは、部屋に現れたマーガレットから、初めて会った時に偏見を持っていたことや、死亡記事を見て動揺していたことを聞かれる。
その通りだと答えるマイラは、それに気づかなかったことで後悔するマーガレットの思いを理解しつつも、それが大きなプレッシャーとなる。
居たたまれなくなったマイラはマーガレットの部屋に向かい、結婚できないことだけを伝える。
他の男性関係ではないことを知ったマーガレットは、彼女が生活のためにしたことに気づき、マイラはそれを認める。
それをロイに話していないことを知ったマーガレットは驚き、マイラは真実を言う勇気がなかったとマイラは伝える。
自分の責任でもあると言うマーガレットの親切心を拒むマイラは、明朝早くに旅立つことを伝え、ロイに言わないことを約束してもらう。
マーガレットに感謝しながら部屋を出たマイラは、散歩から戻ったロイから、思い出の品である”ビリケン”のお守りを渡される。
疲れたため眠ることにしたマイラは、”さよなら”と言ってロイとキスして抱き合う。
明日はずっと一緒にいようと言うロイに同意したマイラは部屋に戻る。
翌日、マイラの別れの手紙を読んだロイは、ロンドンに向かう。
マイラのアパートに向かったロイは、キティから彼女が戻っていないことを知らされる。
結婚できないと書置きして姿を消したマイラの行動が理解できないロイは、何を聞いても受け入れられるかをキティに問われる。
何があっても必ずマイラを捜しだすと言うロイの気持ちを確かめたキティは、彼と共にマイラを捜し始める。
マイラを見つけることができないロイとキティは、最後に残っている場所であるウォータールー駅に向かう。
その場にもいないマイラを案ずるキティは、二度と酷い暮らしには戻らないと言っていた彼女の言葉を語る。
全てを理解したロイは、消え去ってしまったマイラを想う。
ウォータールー橋。
娼婦仲間に声をかけられたマイラは、キティの話などを聞きながら呆然とする。
歩き始めたマイラは、列をなして走る軍用トラックに飛び込む。
人々はマイラを取り囲み、道路には”ビリケン”のお守りが落ちていた。
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1939年、ウォータールー橋。
ロイは、お守りを握りしめながらマイラの言葉を思い起こす。
”私が愛しているのはあなただけ、これからもずっと・・・”
車に戻ったロイは、戦地に赴任するためウォータールー駅に向かう。