ドラッグのために時間内に目的地に到着しようとする陸送ドライバーの生き様を描く、監督リチャード・C・サラフィアン、主演バリー・ニューマン、クリーヴォン・リトル、ディーン・ジャガー、シャーロット・ランプリング他共演による1970年代初頭に流行ったカーアクション作品の代表作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・C・サラフィアン
製作:ノーマン・スペンサー
製作総指揮:マイケル・ピアソン
原案:マルコム・ハート
脚本:ギレルモ・ケイン
撮影:ジョン・A・アロンゾ
音楽:ジミー・ボーウェン他
出演
バリー・ニューマン:ジェイク・コワルスキー
クリーヴォン・リトル:スーパー・ソウル
ディーン・ジャガー:探鉱者
ポール・コスロ:チャーリー
ボブ・ドナー:コリンズ
アンソニー・ジェームズ:ヒッチハイカー
ティモシー・スコット:エンジェル
ギルダ・テクスター:裸でバイクに乗る女性
シャーロット・ランプリング:ヒッチハイカー(カット)
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1971年製作 106分
公開
北米:1971年1月15日
日本:1971年7月
製作費 $1,300,000
北米興行収入 $12,442,670
● カリフォルニア、日曜日、AM 10:02
ベトナムの退役軍人、元警察官、そしてレーサー、現在は、車の陸送をしているジェイク・コワルスキー(バリー・ニューマン)は、警察が待ち受ける非常線に向かう。
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車を運んできたコワルスキーは、1970年式”ダッジ・チャレンジャー”を、とんぼ返りでサンフランシスコまで陸送する仕事を引き受ける。
酒場で覚醒剤”ベンゼドリン”を手に入れたコワルスキーは、売人と、翌日の午後3時までにサンフランシスコに着けば、代金をタダにするという賭けをしてデンバーを出発する。
土曜の朝、快調に車を飛ばすコワルスキーは、警察の2台のオートバイに追われるが、1台を簡単に転倒させてしまう。
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*(簡略ストー リー)
コロラド州、デンバー。
ベトナムの退役軍人であり、元警察官、そしてレーサー、現在は車の陸送をしているジェイク・コワルスキーは、”ダッジ・チャレンジャー”(1970)を、サンフランシスコまで陸送する仕事を引き受ける。
酒場でドラッグを手に入れたコワルスキーは、翌日午後3時までに目的地に着けば、代金をタダにするという賭けを、売人として出発する。
翌朝、早速、警察に追われたコワルスキーだったが、簡単にそれを振り切り先を急ぐ。
ラジオ局”KOW”の盲目のDJスーパー・ソウルは、コワルスキーの暴走に協力しようとする。
コワルスキーは、車を走らせながら、出くわす出来事に、かつての自分の人生を照らし合わせて振り返る。
そしてコワルスキーは、スーパー・ソウルの情報や、自分に注目する人々の視線を感じながら、目的地に向かい突き進む・・・。
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麻薬、戦争、汚職などを経験した主人公の人生そのものが、当時の悩めるアメリカを物語り、悶々とした心境を晴らすかのように、スピード狂となり、最後には散っていく若者の行動は、社会からは受け入れられないという空しさを描いたところなども、当時の世相を反映している。
自分の愛車ではなく陸送のための車、特に当時としてはデビューしたてだったダッジ・チャレンジャーを、いくらドラマだからとは言え、あれだけ乱暴に、また粗末に扱う主人公の姿は、冒頭のバリケードが設置される場面を含めて、最初から死を予感させる。
乱れる社会に疲弊して愛想を尽かし、自分の世界に逃げ込もうと苦悩する主人公を好演したバリー・ニューマン、彼を援護し、自らも人種差別の犠牲になるDJのクリーヴォン・リトル、数多く名作に出演し「頭上の敵機」(1949)では、アカデミー助演賞を受賞した名優で、金の採掘や蛇の捕獲をする老人のディーン・ジャガー、警官役のポール・コスロ、ゲイのヒッチハイカー、アンソニー・ジェームズ、また、本編ではカットされているイギリス公開バージョンでは若きシャーロット・ランプリングもヒッチハイカーで登場する。