ジョージ・ルーカス(監督、脚本、編集)の記念すべきメジャー映画のデビュー作。 コンピューター制御の管理社会で人間としての自由を追い求める男の苦悩を描く、製作総指揮フランシス・フォード・コッポラ、主演ロバート・デュヴァル、ドナルド・プレザンス、ドン・ペドロ・コリー他共演のSF映画。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・ルーカス
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ
製作:ローレンス・スターマン
脚本
ジョージ・ルーカス
ウォルター・マーチ
撮影
デヴィッド・マイヤーズ
アルバート・キーン
編集:ジョージ・ルーカス
音楽:ラロ・シフリン
出演
ロバート・デュヴァル:THX-1138
ドナルド・プレザンス:SEN-5241
ドン・ペドロ・コリー:SRT
マギー・マコーミー:LUH-3417
イアン・ウルフ:PTO
アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ
アメリカン・ゾエトロープ
1971年製作 86分(ディレクターズ・カット88分)
公開
北米:1971年3月11日
日本:未公開
製作費 $777,777.77
北米興行収入 $2,437,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
25世紀。
コンピューターが完全制御する管理社会の地下都市(シェルター)。
放射性物質の生産労働者THX-1138(ロバート・デュヴァル)は、支給される薬を飲み続けていたが、精神に異常をきたしてしまう。
その理由は、THX-1138のルームメイトのLUH-3417(マギー・マコーミー)が、薬をすり替えていたからだった。
この世界では、人口抑制を目的に、生まれてくる子供は人工的に育てられ、LUH-3417は、それに疑問を抱いての行動だった。
コンピューターが、薬で人間の感情や欲求を制御しようとしていたが、その薬を服用していないHX-1138は、次第に人間本来の体に戻りつつあった。
そして、THX-1138はLUH-3417の求めに応じて、違法と知りながら肉体的欲求を満たしてしまう。
司令部のSEN-5241(ドナルド・プレゼンス)は、THX-1138の異常に気づき、彼をルームメイトにしようとする。
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*(簡略ストー リー)
25世紀。
コンピューターが完全制御する管理社会で、人間は地下都市(シェルター)で生活していた。
放射性物質の生産労働者THX-1138は、ルームメイトのLUH-3417が、支給される薬をすり替えていたため、精神に異常をきたしてしまう。
コンピューターは、薬で人間の感情や欲求を制御しようとしていたのだが、それを服用していないHX-1138は、人間本来の体に戻りつつあった。
そして、THX-1138はLUH-3417の求めに応じて、違法と知りながら肉体的欲求を満たしてしまう。
司令部のSEN-524は、THX-1138の異常に気づき、彼をルームメイトにしようとする。
その後、薬物の不使用が知られ、作業中に事故を起こし逮捕されてしまったTHX-1138は、即刻、裁判にかけられるのだが・・・。
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ジョージ・ルーカスが南カリフォルニア大学の学生時代に製作した”電子的迷宮/THX1138
4EB”(1967)に目を付けたフランシス・フォード・コッポラが、彼のラッキーナンバーの”7”から$777,777.77の製作費を提供して製作された作品。
興行的には成功した作品ではなく、もちろん日本では公開すらされなかった。
単純なストーリーなのだが、意味不明というのが大方の意見で、清潔さと統一感を感じる、印象に残る白い画面や、1970年代の初頭に発想された、未来の管理社会の雰囲気などは、新人の低予算映画にしては、見事な仕上がりを見せている。
そのジョージ・ルーカスの創造の世界は、全く違う作風の「アメリカン・グラフィティ」(1973)を経て、「スター・ウォーズ」(1977)でついに開花することになる、才能の片鱗を余すところなく見せてくれる。
クライマックスの、車の暴走シーンもなかなかの迫力で、この年は「ダーティハリー」(1971)も公開されることになる、ラロ・シフリンの音楽も、他の作品とは全く違う雰囲気を味わえて、実に興味深い。
既に10年以上のキャリアを重ねていた主演のロバート・デュヴァル、ベテランの域に達していた名優ドナルド・プレザンスの起用などで作品に重みが加わっている。
その他、ホログラムから抜け出したドン・ペドロ・コリー、主人公のルームメイトで、胎児を残して殺されてしまうマギー・マコーミーなどが共演している。