癌を克服して”ツール・ド・フランス”で7年連続総合優勝の偉業を達成したランス・アームストロングのドーピング問題を描く、監督スティーヴン・フリアーズ、主演ベン・フォスター、クリス・オダウド、ギヨーム・カネ、リー・ペイス他共演の実録ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・フリアーズ
製作
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
トレイシー・シーウォード
ケイト・ソロモン
製作総指揮
アメリア・グレンジャー
ライザ・チェイシン
オリヴィエ・クールソン
ロン・ハルパーン
原作:デヴィッド・ウォルシュ”Seven Deadly Sins: My Pursuit of Lance Armstrong”
脚本:ジョン・ホッジ
撮影:ダニー・コーエン
編集:ヴァレリオ・ボネッリ
音楽:アレックス・ヘッフェス
出演
ランス・アームストロング:ベン・フォスター
デヴィッド・ウォルシュ:クリス・オダウド
ミケーレ・フェラーリ:ギヨーム・カネ
フロイド・ランディス:ジェシー・プレモンス
ビル・ステイプルトン:リー・ペイス
ヨハン・ブリュイネール:ドゥニ・メノーシェ
ボブ・ハーマン:ダスティン・ホフマン
フランキー・アンドリュー:エドワード・ホッグ
ベッツィ・アンドリュー:エレイン・キャシディ
エマ・オライリー:ローラ・ドネリー
ルパート・ギネス:マーク・リトル
サンデー・タイムズ編集長:ピーター・ワイト
イギリス/フランス 映画
配給 StudioCanal
2015年製作 103分
公開
イギリス:2015年10月14日
フランス:2015年9月16日
北米:2016年3月18日
日本:2016年7月2日
北米興行収入 $13,070
世界 $3,335,610
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1993年、フランス。
1991年にロードレースのアメリカ・チャンピオンとなった21歳のランス・アームストロング(ベン・フォスター)は、”モトローラ”に所属して、初めて”ツール・ド・フランス”にチャレンジする。
サンデー・タイムズのスポーツ記者デヴィッド・ウォルシュ(クリス・オダウド)から、レースに挑む心境を訊かれたアームストロングは、完走して1~2ステージ勝てれば最高だと答える。
記者仲間と話したウォルシュは、注目したい選手ではあるが、アームストロングはワンデーレース向きで、ツールには向かないと話す。
...全てを見る(結末あり)
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
1993年、ロードレースのアメリカ・チャンピオンとなったランス・アームストロングは、初めて”ツール・ド・フランス”にチャレンジする。
実力差を実感したアームストロングは、スポーツ医のフェラーリの協力により強化プログラムを開始し、運動能力向上薬のエポ/エリスロポエチンなどの投与を始める。
その結果、アームストロングはトップ・レーサーとなるのだが、体調不良を感じ、精密検査を受けて癌と診断される。
手術と治療を行い奇跡の復帰を果たしたアームストロングは、ドーピングが大問題となった前年の騒ぎが静まらないまま、強化プログラムを続けながらツール・ド・フランス(1999)に挑み、遂に個人総合優勝する。
以前のアームストロングとは明らかに違う走りに注目した”サンデー・タイムズ”の記者ウォルシは、タブーとも言えるスーパースター、アームストロングのドーピングを疑いながら、連覇する彼の取材を続ける・・・。
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2012年に発表された、デヴィッド・ウォルシュの著書”Seven Deadly Sins: My Pursuit of Lance Armstrong”を基に製作された作品。
ロードレースのスーパースター、ランス・アームストロングのツール・ド・フランスデビューから、癌の克服を経て、ドーピングを隠しながら前人未到のツール7連覇を達成した彼の、栄光と凋落を描く実録ドラマ。
不屈の男と言われて英雄視されていたランス・アームストロングが、なぜあそこまで薬物使用にこだわったのか。
既にドーピング問題で揺れ動くロードレース界で、厳しい検査をパスできたことを思うと、誰もが信じ難い出来事だと考えるだろう。
本作は、USADA/全米アンチドーピング機関による調査報告書に基づき製作されたものであり信頼性はあるため、強化(運動能力向上薬投与)プログラムの実行内容は、人体実験にしか見えないほどの凄まじさだ。
傲慢とも言える実行力で、周囲を自分の世界に巻き込むことに長けていたアームストロングの、別の才能を描いた内容なども興味深い。
ビジネスセンスもあるアームストロングなのだが、金銭欲だけがさせたものでないことを暗示させる描写で少しは救われる。
自国の英雄の不正を描く作品を受け入れたくなかったのか、北米では拡大公開もされず、公開の翌週にはほぼ打ち切り状態となった作品でもある。
期待されたスティーヴン・フリアーズ演出はやや平凡とも言えるが、実際のレースやアームストロング本人の映像なども利用した、レースの雰囲気を伝えるリアルな映像はファンには嬉しい。
体系などがロードレーサーらしくない、主人公のランス・アームストロングを演ずるベン・フォスターなのだが、時折見せる表情や仕草などは、かなり本人を研究して役に挑んでいるのが窺える、なかなかの熱演を見せる。
アームストロングのドーピング疑惑を徹底的に追及する”サンデー・タイムズ”のスポーツ記者デヴィッド・ウォルシュのクリス・オダウド、強化(運動能力向上薬投与)プログラムを実行するスポーツ医ミケーレ・フェラーリのギヨーム・カネ、ドーピングをするものの、信仰の力により後悔するフロイド・ランディスのジェシー・プレモンス、アームストロングのエージェント、ビル・ステイプルトンのリー・ペイス、チームディレクター、ヨハン・ブリュイネールのドゥニ・メノーシェ、USポスタルのスポンサーである保険業者で、ブリッジの世界チャンピオン、ボブ・ハーマンのダスティン・ホフマン、アームストロングのチームメイト、フランキー・アンドリューのエドワード・ホッグ、その妻エレイン・キャシディ、チーム・トレーナーのローラ・ドネリー、サンデー・タイムズ編集長のピーター・ワイトなどが共演している。