第二次大戦からベトナム戦争における国防総省の最高機密文書”ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴露した”ワシントン・ポスト”の報道の自由を貫こうとした権力との戦いを描く、製作、監督スティーヴン・スピルバーグ、主演メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、ブラッドリー・ウィットフォード、ブルース・グリーンウッド他共演の実録、社会派ドラマ。 |
・スティーヴン・スピルバーグ / Steven Spielberg 作品一覧
・トム・ハンクス / Tom Hanks 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作
エイミー・パスカル
スティーヴン・スピルバーグ
クリスティ・マコスコ・クリーガー
脚本
リズ・ハンナ
ジョシュ・シンガー
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演
キャサリン・グラハム:メリル・ストリープ
ベン・ブラッドリー:トム・ハンクス
アントワネット”トニー”ブラッドリー:サラ・ポールソン
ベン・バグディキアン:ボブ・オデンカーク
フリッツ・ビーブ:トレイシー・レッツ
アーサー・パーソンズ:ブラッドリー・ウィットフォード
ロバート・マクナマラ:ブルース・グリーンウッド
ダニエル・エルズバーグ:マシュー・リス
メグ・グリーンフィールド:キャリー・クーン
ラリー・グラハム・ウェイマウス:アリソン・ブリー
ロジャー・クラーク:ジェシー・プレモンス
アンソニー・エッセイ:ザック・ウッズ
ハワード・サイモンズ:デヴィッド・クロス
アート・バックウォルド:デヴィッド・コスタビル
フィリップ・L・ジェイリン:パット・ヒーリー
ジーン・パターソン:ジョン・ルー
マレー・マーダー:リック・ホームズ
チャルマーズ・ロバーツ:フィリップ・キャズノフ
ジュディス・マーティン:ジェシー・ミューラー
エイブ・ローゼンタール:マイケル・スタールバーグ
ドナルド・E・グラハム:スターク・サンズ
ニール・シーハン:ジャスティン・スウェイン
マイケル:ウィル・デントン
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2017年製作 116分
公開
北米:2017年12月22日
日本:2018年1月21日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $81,903,460
世界 $179,769,460
■ アカデミー賞 ■
第90回アカデミー賞
・ノミネート
作品
主演女優賞(メリル・ストリープ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1966年、ベトナム、ハウギア省。
前線部隊と行動を共にする軍事アナリストのダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス)は、戦況を調査して帰国しようとする。
専用機の機内で国防長官のロバート・マクナマラ(ブルース・グリーンウッド)に呼ばれたエルズバーグは、戦況は悪化していると考える彼から意見を求められる。
改善していないと言われたマクナマラは、思い通りの状況であることを確認するものの、帰国直後の記者の質問にはそうは答えなかった。
ランド研究所。
その後、事態を重く見たエルズバーグは、1945~1967までのベトナム関係の最高機密文書を持ち出してコピーする。
...全てを見る(結末あり)
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
1971年、ワシントンD.C.。
地方紙”ワシントン・ポスト”の社主キャサリン・グラハムは、自殺した夫フィリップから社を受け継ぎ、経営再建に苦悩していた。
編集主幹のベン・ブラッドリーは、第二次大戦から泥沼化するベトナム戦争などに関する国防総省の最高機密文書”ペンタゴン・ペーパーズ”を、”ニューヨーク・タイムズ”が記事にしたことにショックを受ける。
まだスクープできると考えたブラッドリーは、編集局次長バグディキアンらと共に文書のコピーを探そうとするするものの、ニューヨーク・タイムズが政府の圧力で記事の差止め命令を受けたことを知る。
それを気にすることなく文書を探すようブラッドリーから指示を受けたバグディキアンは、ランド研究所で同僚だった軍事アナリストのエルズバーグが文書をコピーしたと考え彼を捜す。
経営に不慣れなグラハムは苦悩しながら、社の発展を考え報道の自由を貫こうとするブラッドリーを支えるのだが・・・。
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首都ワシントンD.C.の地方紙だった”ワシントン・ポスト”が一躍、注目された、国防総省の最高機密文書”ペンタゴン・ペーパーズ”の暴露報道を描く作品。
スティーヴン・スピルバーグが製作を兼ねて監督し、大スターのメリル・ストリープとトム・ハンクスの共演が話題になった。
歴史的な事実を、リアル且つ丁寧に描くスティーヴン・スピルバーグの重厚な演出と出演者たちの熱演、その激動の時代を見事に再現した見応えある作品に仕上がっている。
夫フィリップの自殺により、父ユージン・メイヤーが遺した”遺産”を家族経営であるために受け継いだキャサリン・グラハムが、編集主幹のベン・ブラッドリーやスタッフと共に、地方紙であった”ワシントン・ポスト”の新たなる道筋を築くまでの物語であり、邦題は”ペンタゴン・ペーパーズ”だが、ワシントン・ポストそのもの”The Post”が原題となっている。
報道の自由と国家権力の戦いを描く歴史的な事件を描いた作品なのだが、”ウォーターゲート事件”発覚のきっかけとなる民主党本部侵入事件で終わるラストは、本作の”ペンタゴン・ペーパーズ”暴露を遥かに凌ぐ大事件となった。
終わり方が興味深いため、ワシントン・ポスト及びベン・ブラッドリーが再び権力に対抗し、世間に衝撃を与えた報道を描く「大統領の陰謀」(1976)を再現した本作の続編も観てみたいような気がする。
第90回アカデミー賞では、作品、主演女優賞(メリル・ストリープ)にノミネートされた。
北米興行収入は約8200万ドル、全世界では約1億8000万ドルのヒットとなった。
主演のメリル・ストリープは、自殺した夫の後を継ぎ、家族経営だった”ワシントン・ポスト”の不慣れな経営に苦悩するキャサリン・グラハムを好演し、報道の自由を貫き国家権力と戦う編集主幹のベン・ブラッドリーをトム・ハンクスが熱演している。
ブラッドリーの妻サラ・ポールソン、機密文書のコピーを入手する編集局次長ベン・バグディキアンのボブ・オデンカーク、キャサリン・グラハムを支える会長のトレイシー・レッツ、現実的にものを考える取締役のブラッドリー・ウィットフォード、元国防長官・ロバート・マクナマラのブルース・グリーンウッド、文書を暴露する軍事アナリスト、ダニエル・エルズバーグのマシュー・リス、後に社主となる主人公の娘ラリー・グラハム・ウェイマウスのアリソン・ブリー、ブラッドリーの部下で社説編集担当メグ・グリーンフィールドのキャリー・クーン、編集局次長ハワード・サイモンズのデヴィッド・クロス、コラムニスト、アート・バックウォルドのデヴィッド・コスタビル、社説編集担当フィリップ・L・ジェイリンのパット・ヒーリー、編集局長ジーン・パターソンのジョン・ルー、記者のリック・ホームズ、外交特派員主任のフィリップ・キャズノフ、コラムニスト、ジュディス・マーティンのジェシー・ミューラー、インターンのウィル・デントン、顧問弁護士のジェシー・プレモンスとザック・ウッズ、ニューヨーク・タイムズ編集局長エイブ・ローゼンタールのマイケル・スタールバーグ、その部下である記者ニール・シーハンのジャスティン・スウェイン、主人公の息子で後に社主となるドナルド・E・グラハムのスターク・サンズなどが共演している。