同じアパートに越してきたW.F.ジェラルド(ジェフ・ブリッジス)に声を掛けられたトーマスは、顔色だけで恋の悩みを見抜かれる。
W.F.から助言すると言われたトーマスだったが、初対面の彼に何も頼む気にはならなかった。
しかし、一人では悩みを解決できないトーマスは。W.F.の部屋に行き相談する。
”ペール・ファイアー”という古書店でバイトする、ニューヨーク大学の文芸専攻の学生であるミミの話をしたトーマスは、彼女には恋人がいるのが悩みだとW.F.に伝える。
ミミが22歳だと知ったW.F.は、内面は恐怖に支配されているので、口説くには、親密になること以上の恐怖を抱かせればいいと話す。
自分を失う恐怖だと言われたトーマスは、その方法を漠然と語るW.F.の助言にやや失望する。
両親のイーサン(ピアース・ブロスナン)とジュディス(シンシア・ニクソン)が開く、友人のアーティストを集めた恒例の食事会に参加したトーマスは、話についていけない。
相変わらず平凡な日々を過ごすトーマスは、ある日、ミミを誘ってクラブに向かう。
そこに、父イーサンが見知らぬ女性(ケイト・ベッキンセイル)と現れたために驚いたトーマスは、二人の関係が親密であることを確認する。
母ジュディスに知れたら大変なことになると考えたトーマスは、ミミから、両親の問題なので関係ないことだと言われるものの納得できない。
イーサンをランチに誘ったトーマスは、精神的に不安定なジュディスのことが気になり、浮気のことで父に探りを入れるものの、実家の近くに住むようにと勧められただけだけで、何も話せなかった。
アパートに戻りW.F.と話したトーマスは、自分を嫌っている父とは意見が合わないと言って、母の症状を訊かれたために、双極性障害らしいと答える。
完璧な家庭が壊れたら大変なことになると言うトーマスは、母が浮気を知れば一大事だとW.F.に伝える。
自分の人生の希望を真剣に考えてみるようにと言われたトーマスは、今よりましな生き方だとしか答えられなかった。
1980年代にニューヨークに来たイーサンは、作家になることを諦めて家庭を持つものの、同じ挫折を体験させたくなかった彼は、息子が本を書き始めても無視した。
妻と息子の固い絆はイーサンを孤立させて、仕事に逃避するものの出版業界は衰退し、そんな時にジョハンナ(ケイト・ベッキンセイル)が現れたのだった。
イーサンがジョアンナと再び会うか確かめようとしたトーマスはミミと共に監視をして、ジョハンナを尾行する。
そのことをW.F.に話したトーマスは、ジョハンナに別れろと言う気があると伝えるものの、その勇気はなかった。
ニューヨークにいるのは母のためだと話すトーマスは、W.F.から、それ以外にもっと刺激が欲しいと思っているはずだと言われて、それを否定できない。
その後、思い切ってジョハンナに声をかけたトーマスは、尾行していることもイーサンの息子だということも知っていると言われる。
ジョハンナにランチに誘われたトーマスは、父との交際期間を率直に尋ねて、1年少し前からだと知り、既婚者と承知していたことを確認する。
フリーの編集者であるジョハンナが父と仕事をしていることも知ったトーマスは、父に対する愛情と、母から父を奪うつもりなのかをジョハンナに尋ねる。
譲ったのはジュディスだと言われたトーマスは戸惑い、人は無意識の内にあらゆることをすると話すジョハンナから、自分も無意識に求愛していると指摘される。
自分が寝ることを望んでいるのかとジョハンナに尋ねたトーマスは、気づいていないだけだと言われる。
実家に向かったトーマスは、情緒不安定気味のジュディスを気遣いながら話をする。
再びジョハンナに会ったトーマスは、父と別れてほしいと伝えるものの、聞き入れてもらえない。
その後、離婚を口にしたイーサンの言葉を聞き流したジョハンナは心乱れ、相手への依存を考えるようになり、トーマスの自分への関心は心を癒した。
W.F.とジョハンナの話をしたトーマスは、彼女と寝たいと思う本心を見抜かれ、何も退屈な人生でないではないかと言われる。
友人の結婚パーティーにミミと共に出席したトーマスは、有力者のアーウィンに同伴するジョハンナに挨拶される。
その後、声をかけて来たジョハンナから、アーウィンとは何もないと言われたトーマスは、一緒に来たミミは恋人ではなく友達だと伝える。
アーウィンに金をもらって付き合っていると言われたジョハンナは、彼はゲイであり、仕事に差し支えるので自分が相手役をしているとトーマスに話す。
ジョハンナが父と関係した話を想像しながら語るトーマスは、彼女にキスしてしまう。
その後、二人は関係を続けて、トーマスは作家に憧れていたものの、父が関心を示さなかったことをジョハンナに話す。
エッセイの原稿をW.F.に見せたトーマスは、才能があると言われる。
今はジョハンナのことで頭が一杯だと言うトーマスに、愛と思い込んでいる場合もあると伝えたW.F.は、親友に恋人を奪われた一度だけの恋を話し、時間が経つと物事が違って見えると伝える。
イーサンに呼ばれたトーマスは、報告することがないかと言われたために戸惑うものの、キャリアカウンセラーとの約束をすっぽかしたことを追及されただけだった。
トーマスを自分の下で働かせようとしたイーサンだったが、彼ににその気はなかった。
W.F.の部屋に向かったトーマスは、自分を題材にしたと思われるテーブルの上の原稿”ニューヨークでひとりぼっちの少年”に気づき、彼が”ジュリアン・ステラーズ”というペンネーム作家だったことを知る。
トーマスは、自分のことを書いた内容であることをW.F.に確認する。
ジョハンナのアパートにエッセイを持って行ったトーマスは、留守だったために彼女の電話にメッセージを残す。
父と一緒のジョハンナを目撃してしまったトーマスは、ミミの店に向かう。
ジョハンナと寝たかをミミに訊かれたトーマスは、それを否定して信じてもらう。
その後、ジョハンナと愛し合ったトーマスは、父と別れてほしいと彼女に伝える。
何事も無関心に思えるジョアンナから、ロンドン出身の彼女の話を聞いたトーマスは、自分のことを大切に思っているか尋ねるものの、すべてに無関心だと言われただけだった。
実際は、トーマスもイーサンも大切だったジョハンナは、大事になる前に身を引こうと考えた。
ジョハンナから別れを告げられたイーサンは、将来を諦めるには過去を捨て過ぎたために苛立ち、トーマスはその様子を見てすべてを察する。
自分のことを書く理由をW.F.に尋ねたトーマスは、環境を変えてそこで題材を見つけると言われる。
明日、開かれる父の出版社のパーティーにW.F.を誘ったトーマスは、断る彼に、登場人物がすべてそろうと言って納得させる。
ミミと共にパーティーに向かうトーマスは、ニックと別れたと言われる。
会場にいたW.F.に声をかけたトーマスは、談笑するジュディスとミミのことを話す。
美人だと言われたトーマスはミミのことだと思うが、W.F.から、ジュディスのことだと言われる。
ジュディスにジョハンナを紹介しようとしたトーマスだったが、彼女の姿は見えなかった。
バルコニーにいたジョハンナに声をかけたW.F.は、トーマスを傷つけたら自分が許さないと伝える。
動揺しながらパーティーに戻ったジョハンナは、トーマスと話をする。
もう会わないと伝えたジョハンナは、イーサンとも別れるつもりだったがプロポーズされたことをトーマスに話す。
それを承諾するつもりだと言われたトーマスは納得できるはずもなく、ジュディスのためでもあると考えるジョハンナは、皆が幸せになれると彼に伝える。
許さないことだと言うトーマスに、自分達のことが知られたら傷つくのは一人だけだと伝えたジョハンナは、何を夢見ているのかと尋ねる彼が、イーサンにすべてを話そうとしたために動揺する。
イーサンに近づくトーマスだったが、スピーチしようとする彼に寄り添うジュディスの姿を見て、思い留まる。
ミミも、トーマスとジョハンナの様子を気にする。
雨の中、会場を去ったトーマスを追ったミミは、ニックと別れたのはクロアチア行きが決まったからで、一緒に来てほしいと伝える。
ジョハンナと寝たことを話したトーマスは、それを信じようとせずに去ろうとするミミを呼び止める。
謝罪するトーマスに、毒されていると伝えたミミはその場を去る。
実家に向かったトーマスは、自分の部屋で眠る。
翌朝、うちで寝た理由をトーマスに尋ねたジュディスは、何かあったのではないかと考える。
女性のことかと訊かれたトーマスは、この状況から抜け出せないので悩んでいると伝えて、ジュディスから、克服して抜け出すしかないと言われる。
イーサンのことを訊かれたジュディスは、やけに元気な様子で出社したと答えるが、トーマスの姿はなかった。
その後、イーサンのオフィスに向かったトーマスは、同じビルにいたジョハンナから声をかけられるものの無視する。
イーサンと話しをしようとしたトーマスは、そこに現れたジョハンナと知り合いかと訊かれ、そうだと答える。
ジョハンナから、トーマスが自分を尾行したと言われたイーサンは、それをトーマスに確認する。
それだけではないと言われたイーサンは、トーマスがジョハンナと寝たことを知らされる。
一度だけではないと言われたイーサンは驚き、憤慨してトーマスに襲いかかり、大事に思ってきたのが分からないだろうと伝えて涙する。
落ち着こうとするイーサンは、ジョハンナに寄り添うものの、何も語らずに部屋を出る。
イーサンは本気で愛しているとトーマスに伝えたジョハンナは、信じてあげてほしいと言って飾ってあった写真盾を渡し、別れを告げて立ち去る。
トーマスは、写真盾の自分のテニス大会の新聞記事を実ながら、それにW.F.が写っていることに気づく。
W.F.の部屋に向かったトーマスは、彼が去ったことを知るものの、バー”ブルックリン・イン”の灰皿に気づき、その場に向かう。
その場にいたW.F.に、記事を見せて説明を求めたトーマスは、一度、恋をして友人に恋人を奪われた相手がイーサンであったことを知る。
子供を欲しがったイーサンだったが、不妊症だったためにW.F.に頼り、そして生まれたのが自分だと気づいたトーマスは、 父親であった彼から、才能を受け継いだ息子を遠くから見守っていたと言われる。
本当は会いたくてたまらず、才能を伸ばしてあげたいと言いながら涙するW.F.は、新しい本を書くまでもう会うことはないとトーマスに伝えて互いを気遣う。
実家に向かいジュディスと話そうとしたトーマスは、イーサンからすべてを聞いたと言う母から、何を知ったのか訊かれ、罪悪感の正体だと答える。
自分はもう許していると言うトーマスは、25年間、愛し続けている男の本を、公園で毎日、読んでいると言って、それをジュディスに確認する。
動揺するジュディスにもう気にしていないと伝えたトーマスは、イーサンではなく自分の意思で内緒にしていたと言われ、W.F.に会えばすべてが崩れてしまうという母の考えを知る。
もう勝手に崩れたと言われたジュディスは、W.F.の近況を訊き、ヨレヨレに老けていると知り、昔からそうだったと伝える。
1年後。
出版社に送った原稿が返送されて来たために気を落とすトーマスは、W.F.の著書”ニューヨークでひとりぼっちの少年”を取りに来たイーサンに、その内容で、父親の過去に一番驚いたと伝える。
どっちの父親だと訊かれたトーマスは、逃げなかった方だと答える。
イーサンと共にセントラルパークを散歩したトーマスは、ミミのことを訊かれて、まだクロアチアにいる彼女は帰ってこないだろう答え、出版社はだめだったと伝える。
残念だと伝えたイーサンは手を貸そうとするが、それを遠慮するトーマスは、新作の案があると言いながらジョアンナのことを尋ねる。
連絡していないと答えたイーサンは信じてもらえず、別れたジュディスの様子をトーマスに尋ね、元気そうだったので安心する。
ジュディスが今夜はデートだとトーマスから知らされたイーサンは、本心で喜ぶ。
その夜、W.F.の朗読会に向かったトーマスは、彼を見守るジュディスの笑顔に心の安らぎを感じる。