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マトリックス The Matrix (1999)

仮想世界”マトリックス”を利用し全てを支配しようとするコンピューターに立ち向かうために”救世主”に選ばれた天才プログラマーの戦いを描く、製作、監督、脚本を兼ねるラナアンディ・ウォシャウスキー姉弟、主演キアヌ・リーブスローレンス・フィッシュバーンキャリー=アン・モスヒューゴ・ウィーヴィング他共演のSFスーパー・アクション大作でシリーズ化された第1作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督
ラナ・ウォシャウスキー

アンディ・ウォシャウスキー
製作総指揮
バリー・M・オズボーン

ラナ・ウォシャウスキー
アンディ・ウォシャウスキー
アーウィン・ストフ
ブルース・バーマン
製作:ジョエル・シルバー
脚本
ラナ・ウォシャウスキー

アンディ・ウォシャウスキー
撮影:ビル・ポープ
編集:ザック・ステンバーグ
音楽:ドン・デイヴィス

出演
トーマス・A・アンダーソン/ネオ:キアヌ・リーブス

モーフィアス:ローレンス・フィッシュバーン
トリニティー:キャリー=アン・モス
エージェント・スミス:ヒューゴ・ウィーヴィング
タンク:マーカス・チョン
ドーザー:アンソニー・レイ・パーカー
サイファー:ジョー・パントリアーノ
エイポック:ジュリアン・アラハンガ
マウス:マット・ドーラン
スウィッチ:ベリンダ・マクローリー
エージェント・ブラウン:ポール・ゴダード
エージェント・ジョーンズ:ロバート・テイラー
オラクル:グロリア・フォスター
ラインハート:デヴィッド・アストン
チョイ:マーク・グレイ
FedExの男:デヴィッド・オコナー
ドゥジュール:エイダ・ニコデモ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1999年製作 136分
公開
北米:1999年3月31日
日本:1999年9月11日
製作費 $63,000,000
北米興行収入 $171,479,930
世界 $463,517,380


アカデミー賞 ■
第72回アカデミー賞

・受賞
視覚効果・編集・音響・音響編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)との電話を盗聴されたトリニティー(キャリー=アン・モス)は、現われた警官を撃退する。

トリニティーは、エージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)にも気づかれていることを知り、通りの公衆電話に向うようモーフィアスに指示されえた彼女は、その場から脱出する。

追跡を逃れ、トリニティーは、ベルの鳴る公衆電話の受話器をとり、大型トラックで突っ込んできたエージェント・スミスの襲撃をかろうじてかわす。

トリニティーに逃げられたエージェント・スミスは、部下のエージェント・ブラウン(ポール・ゴダード)とエージェント・ジョーンズ(ロバート・テイラー)から、次のターゲットが”ネオ”だと知らされ、既にその準備に入っていることを知らされる。

コンピュータ・プログラマーのトーマス・A・アンダーソン(キアヌ・リーブス)は、コンピューターのモニター上に、”マトリックスが見ている・・白いウサギの後を追え”と表示された文字を確認して不審に思う。
...全てを見る(結末あり)

ハッカーでもある通称”ネオ”(アンダーソン)は、プログラムを渡した男チョイ(マーク・グレイ)の連れの女ドゥジュール(エイダ・ニコデモ)の肩の、白いウサギのタトゥーを見て、誘われたクラブに向う。

かつて、その名を知られたハッカーのトリニティーに声をかけられたネオは、彼女が、自分をこの場に誘い出したことに気づく。

トリニティーは、危険が迫っていることを伝え、ネオの全てを知っていることを知らせる。

マトリックスとは何かという、疑問を追及する毎日を送っていることをトリニティーに指摘されたネオは、自分を捜している者が現われると言われる。

翌朝、世界企業でもあるソフトウェア・メーカーに勤めるネオは遅刻してしまい、上司のラインハート(デヴィッド・アストン)に説教をされてデスクに戻る。

その後ネオは、送られてきた携帯電話にかかってきたモーフィアスからの連絡で、危険が迫っていることを知らされる。

エージェント・スミスらが現われたことに気づいたネオは、モーフィアスの指示に従いその場を離れる。

ある部屋の窓から掃除用のゴンドラに乗り、屋上に行くよう指示されたネオだったが、結局、エージェント・スミスらに捕らえられてしまう。

ネオはエージェント・スミスに尋問され、当局か追っている危険人物モーフィアスから、連絡を受けていることを指摘され追及される。

エージェント・スミスに協力を求められたネオは、それを拒むものの、彼は、体内に探知機を埋め込まれ、次の瞬間に目覚める。

モーフィアスからの電話で、自分の重要さを知られていないことを伝えられたネオは、”選ばれし者”だということを知らされ、向う場所を指示される。

その後、トリニティー、エイポック(ジュリアン・アラハンガ)、スウィッチ(ベリンダ・マクローリー)らの迎えの車に乗ったネオは、体内の探知機を除去され、彼は、夢でなかったことに気づく。

ネオは、モーフィアスの元に案内されて、丁重に迎えられる。

ネオは、マトリックスが何かを尋ね、それが、どこにでもあるものだということをモーフィアスは説明する。

マトリックスの正体を、自分の目で確かめる方法として、モーフィアスは、元の世界に戻るか、奥底を探求するかを、二つのピルを差し出してネオに選択させる。

その後を探るという赤いピルを選んだネオはそれを飲み、サイファー(ジョー・パントリアーノ)らが待ち構える場所に案内され、追跡プログラムをセッティングされる。

夢か現実かが、区別できない世界に導かれたネオは、モーフィアスらが待つ現実の世界に向い、様々な処置をされ、そこが2199年頃だと知らされる。

モーフィアスの船”ネブカドネザル”のメインデッキに案内されたネオは、トリニティーの他、エイポック、スウィッチ、タンク(マーカス・チョン)、その兄ドーザー(アンソニー・レイ・パーカー)、マウス(マット・ドーラン)らメンバーを紹介される。

仮想空間のプログラム内部に向ったネオは、20世紀末の、夢の世界とも言える空間に住んでいたという説明をモーフィアスから受ける。

闇の世界が現実だと言われ、それを見せられたネオは、人類が、人工知能を開発し、機械により人が栽培されるようになったということも知る。

マトリックス、すなわち”支配”は、コンピューターが生み出す夢の世界・・・、それを信じないネオは現実に戻り、取り乱した彼は気を失ってしまう。

意識が戻り苦悩するネオに、モーフィアスは、捜し求めていた男の重責を彼に伝える。

オペレーターのタンクに励まされ、モーフィアスが言っていた訓練を始めたネオは、”戦闘プログラム”を体験する。

それを習得したネオは、モーフィアスを相手に、その成果を見せることになり、重力などを操作できるプログラム内でそれを試す。

全ての雑念を捨て、心を解き放つよう指示されたネオは、高層ビルの屋上を飛び移るプログラムで落下してしまう。

システムとリンクし、どのソフトにも自由に入り込める監視プログラム”エージェント”の存在と、彼らを倒す使命があることを、ネオはモーフィアスから知らされる。

敵のマシン、スクイーティーの脅威を察知したモーフィアスらは、船で下水内に向かい、兵器EMP(電磁パルス)の発射準備をして対抗しようとするが、攻撃は免れる。

その後ネオは、サイファーに、使命を受けた身でどう対処するのかを聞かれる。

しかし、サイファーはエージェント・スミスと取引して、人類の最後の避難場所”ザイオン”のホスト・コンピューターへのアクセス・コードを知る、モーフィアスを捕らえるために手を貸すことになる。

やがて、モーフィアスがネオを、オラクル/預言者(グロリア・フォスター)の元に案内する日がやってくる。

オラクルに会ったネオは、自分が救世主ではないと感じていることを彼女に察知される。

しかしオラクルは、モーフィアスが、ネオを救世主だと信じている事実は誰にも変えられないことを伝え、決めるのは自分自身だと告げられる。

待ち構えていたモーフィアスは、オラクルに言われたことを問うことなく、ネオと共にその場を去る。

戻った一行だったが、ネオが、マトリックスの異常を示す”デジャヴ”を見たため、モーフィアスらは警戒する。

マウスが殺され、タンクに出口を探らせたモーフィアスは、現われたエージェント・スミスに襲い掛かり、その間にネオらを逃がそうとする。

エージェント・スミスに叩きのめされたモーフィアスは捕らえられ、最初に戻ったサイファーは、タンクを傷つけドーザーを殺す。

トリニティーに連絡を取ったサイファーは、モーフィアスへの不満をぶつけ、エイポックとスウィッチのプラグを抜き殺してしまう。

ネオのプラグも抜こうとするサイファーだったが、一命を取り留めていたタンクが彼を殺し、トリニティーとネオを戻す。

モーフィアスは、エージェント・スミスらに自白剤を投与されるが、その頃、タンクは、アクセス・コードを知られないためには、モーフィアスのプラグを抜き死なすしかないことをトリニティーとネオに伝える。

ネオはそれを制止し、自分が救世主ではなかったことをトリニティーとタンクに伝える。

マトリックスに戻り、自分を信じるモーフィアスの考えが正しいことを、ネオは証明しようとする。

モーフィアスを、必ず助け出せることを確信したネオは、トリニティーと共にマトリックスに戻る。

ネオは、タンクに大量の武器を用意させて、軍の管理するビルに入り、激しい銃撃戦を繰り広げながら敵を次々と倒していく。

二人の存在を知ったエージェント・スミスは、エージェント・ブラウンとエージェント・ジョーンズに、彼らの抹殺を命ずる。

現われたエージェント・ジョーンズの銃弾がネオをかすめるが、トリニティーがジョーンズを銃撃する。

トリニティーは、ネオがエージェント並みの動きができることに驚き、ヘリコプターの操縦プログラムをロードされ、二人は、モーフィアスの囚われている部屋を攻撃する。

ネオはモーフィアスの脱出を助け、ヘリに吊るされながら他のビルに移る。

損傷を受けて、ビルに激突したヘリからトリニティーが脱出し、ネオが彼女を救い、それを知ったタンクは救世主の出現を確信する。

オラクルの言葉を、モーフィアスに伝えようとしたネオだったが、信じる道を歩むことを理解できればいいと言葉を返される。

タンクは、地下鉄のホームが出口だとモーフィアスに伝え、彼は、かかってきた電話に出て戻り、その後ネオとトリニティーも続こうとする。

トリニティーは、一つを残して伝えたたいことがあると、ネオに語りながら電話の受話器をとるのだが、そこにエージェント・スミスが現われる。

ネオは戻ろうとせずに、自分の使命を感じてそれを信じ、エージェント・スミスに立ち向かう。

激しい戦いの末、線路に落下したネオは、エージェント・スミスが地下鉄に轢かれた隙に地上に戻る。

通行人の電話を奪い、タンクの指示を受けたネオだったが、エージェント・スミスらに追われる。

同じ頃、スクイーティーが船に襲い掛かり内部に侵入しようとしたため、モーフィアスは、EMPの発射準備をしてネオが戻ることを信じる。

ネオはエージェント・スミスの銃弾を受けて死亡するが、トリニティーは、オラクルから、救世主を愛することになると告げられたと、ネオに向って語りかける。

トリニティーは、自分が愛するネオが死ぬはずがないことを信じて、彼にキスする。

ネオは息を吹き返し、それに気づき銃撃するエージェント・スミスらの弾丸を、目の前で静止させてしまう。

モーフィアスは、ネオが救世主であることを、改めて確信する。

ついに”壁”を破ったネオは、襲い掛かるエージェント・スミスを圧倒して消滅させ、エージェント・ブラウンとエージェント・ジョーンズは、その場から逃げ去る。

船内はスクイーティーに破壊されそうになるのだが、モーフィアスがEMPで敵を倒す。

ネオは、無事に戻り、トリニティーと愛を確かめ合う。

マトリックスから電話をかけたネオは、戦がどう始まるかが問題であり、隠したがっているこの”全てが可能”な世界を人々に見せることを伝えて、警告して電話を切る。

そしてネオは、上空に飛び立つ。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「マトリックス」(1999)
・「マトリックス リローデッド」(2003)
・「マトリックス レボリューションズ」(2003)
・「マトリックス レザレクションズ」(2021)

*(簡略ストー リー)
ハッカーでもあるコンピュータ・プログラマーのトーマス・A・アンダーソン、通称”ネオ”は、接触してきたトリニティーから、危険が迫っていることを知らされる。
”マトリックス”とは何か、という疑問に悩まされる毎日を送っていたネオは、その後、”救世主”を捜すモーフィアスからの連絡を受ける。
しかし、監視プログラムのエージェント・スミスに捕らえられたネオは、協力を要請される。
それを拒んだネオだったが、夢か現実かが判断できないまま、トリニティーの案内でモーフィアスの元に案内される。
マトリックスが何かを追求するネオは、元の世界に戻るか、奥底を探求するかの選択を迫られる。
それを探ろうと決断したネオは、訓練プログラムを体験し、モーフィアスから、機械との戦いに立ち向かう使命を知らされ、そして、オラクル(預言者)の元に向うのだが・・・。
__________

既にVFXなどが成熟しつつあった時代、更なる工夫を凝らした、その上を行く新感覚の映像が驚きと共に話題を呼んだ。

製作、監督、脚本を兼ねるラナアンディ・ウォシャウスキー姉弟の、スタイリッシュな感性が光る作品。

第72回アカデミー賞では、視覚効果・編集・音響音響編集賞を受賞した。

北米興行収入は約1億7100万ドル、全世界では約4億6400万ドルの大ヒットとなった。

芸術的とも言える、ワイヤーアクションバレットタイムを多用した斬新なアクション映像に加え、既にブレイクしていた人気スター、キアヌ・リーブスの魅力が生かされ、アクションだけでない、物語に深みも感じさせてくれる実に味わい深い作品だ。

多くのアクションシーンでのゆったりした映像は、パワフル且つ重量感が伝わってくる。

血生臭い戦いの世界の主人公として、若々しく精悍な顔立ち、美しささえ感じるキアヌ・リーブスの、体を張った熱演は観る者を画面に引き込む。

完全無欠に見えながら、機械(プログラム)に屈しかける姿など、様々な表情を見せながら”救世主”をサポートする、ローレンス・フィッシュバーンの好演も注目だ。

二人を尊敬しながら、主人公を愛する運命を背負う、凛々しく逞しいキャリー=アン・モス、不死身のエージェント/プログラムを怪演するヒューゴ・ウィーヴィング、主人公の仲間達、マーカス・チョン、その兄アンソニー・レイ・パーカー、裏切者ジョー・パントリアーノジュリアン・アラハンガマット・ドーラベリンダ・マクローリー、エージェントのポール・ゴダードロバート・テイラー、預言者グロリア・フォスター、主人公からプログラムを受取るマーク・グレイ、その恋人エイダ・ニコデモなどが共演している。


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