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灰色の男 The Man in Grey (1943)

寄宿学校で出会い友情が芽生えた2人の女性の運命を描く、監督、脚本レスリー・アーリス、主演マーガレット・ロックウッドフィリス・カルヴァートジェームズ・メイソンスチュワート・グレンジャー他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:レスリー・アーリス
製作:エドワード・ブラック
原作:エリノア・スミスThe Man in Grey
脚本
マーガレット・ケネディ
レスリー・アーリス
ドーリン・モンゴメリー
撮影:アーサー・クラブツリー
編集:R・E・ディアリング
音楽:セドリック・マラベイ

出演
ヘスター・ショー/ヘスター・バーバリー:マーガレット・ロックウッド
クラリッサ・リッチモンド/クラリッサ・ローハン:フィリス・カルヴァート
ローハン卿:ジェームズ・メイソン
スウィントン・ロクビー/ピーター・ロクビー:スチュワート・グレンジャー
トビー:アントニー・スコット
ミス・パチェット:マーティタ・ハント
レディ・ローハン:ヘレン・ヘイ
ジプシー:ベアトリス・ヴァーリー
皇太子(後のジョージ4世):レイモンド・ラヴェル
マリア・フィッツハーバートノラ・スウィンバーン

イギリス 映画
配給 General Film Distributors
1943年製作 116分
公開
イギリス:1943年8月6日
北米:1946年3月13日
日本:1948年9月14日
製作費 £90,000


ストーリー
1943年、ロンドン
王立海軍サービス隊員クラリッサ・リッチモンド(フィリス・カルヴァート)とイギリス空軍パイロットのスウィントン・ロクビー(スチュワート・グレンジャー)は、オークション会場で出会う。
クラリッサは、ダンケルクで最後の相続人が亡くなったために売却が決まった、先祖であるローハン家の肖像画などの出品に注目する。
肖像画の1枚は”灰色の男”として知られるローハン卿(ジェームズ・メイソン)、もう1枚は彼の妻クラリッサと息子デヴィッドの絵だった。
スウィントンは、クラリッサと自分の先祖が関係したことに気づき、かつて所有していたと小物入れを落札しようとする。
その時、灯火管制でオークションは中断し、クラリッサとスウィントンは、翌日また会うことを約束する。
19世紀。
ミス・パチェット(マーティタ・ハント)が経営する寄宿学校に、喪服姿のヘスター・ショー(マーガレット・ロックウッド)が入校する。
傲慢で協調性のないヘスターは、美しく人気者のクラリッサ(フィリス・カルヴァート)の親切心に応えようとしなかったものの、やがて2人には友情が芽生える。
ある日クラリッサは、ジプシーの占い師(ベアトリス・ヴァーリー)から、富豪や海を渡る男性との幸せが待つが女性とは関わらない方がいいと言われ、手相を見られたヘスターは、占うことを拒まれる。
そんな時、ヘスターは貧しい少尉と駆け落ちしてしまい、彼女を批判するだけのミス・パチェットに反発したクラリッサも学校をやめてしまう。
その後、養母と共にローハン家の舞踏会に招かれたクラリッサは、悪名高き憎まれ者のローハンからその場で求婚され、戸惑いながらも結婚する。
クラリッサは、愛がないローハンが、世継ぎのためだけに結婚したことを知りショックを受けるが、学校時代の召使いの少年トビー(アントニー・スコット)が仕えてくれることになり、彼が心の支えとなる。
ある日クラリッサは、バーバリーと名乗るヘスターと思われる女優が演ずる”オセロ”を観に行くことになる。
クラリッサの馬車は謎の男(スチュワート・グレンジャー)に止められ、彼を乗せて劇場に向かう。
クラリッサは、その男性ピーター・ロクビーがオセロを演じていることに気づく。
観劇後にヘスターと再会したクラリッサは夕食を共にし、彼女が辛い人生を送っていることを知り気の毒に思い、息子デヴィッドの家庭教師として雇うことを考える。
クラリッサからその話を聞いたローハンは反対するが、美しいヘスターが気に入り、彼女を屋敷に滞在させることを許可するのだが・・・。


解説 評価 感想

1941年に発表された、エリノア・スミスのベストセラー小説”The Man in Grey”を基に製作された作品。

脚本家としてキャリアを重ねていたレスリー・アーリスが、脚本を兼ねて監督した作品であり、マーガレット・ロックウッドフィリス・カルヴァートジェームズ・メイソンスチュワート・グレンジャーの共演が話題になった。

寄宿学校で出会い友情が芽生えた2人の女性の運命を描くドラマ。

オークション会場で出会った王立海軍サービスの女性隊員とイギリス空軍パイロットの先祖が関係していることが分かる現代(第二次大戦時)から、フラッシュバックでそのことが語られる謎めいた内容がまず興味深い。

その後は19世紀に移り、主人公の2人の女性と貴族と青年の関係が複雑に絡み合いながら、終盤では殺人事件にまで発展するサスペンスタッチで展開する、見応えあるドラマに仕上がっている。

主演のマーガレット・ロックウッドは、傲慢で協調性のない女性として登場し、終盤では魔性の女的な役柄を熱演し、純真な心の持ち主である良家の子女役を演ずる美しいフィリス・カルヴァートは、現代の王立海軍サービスの女性隊員と二役を演じ、主人公と言ってもいい役柄を好演している。

世継ぎのためだけにクラリッサ(フィリス・カルヴァート)と愛のない結婚をする、悪名高き憎まれ者の貴族ジェームズ・メイソン、現代と19世紀のクラリッサに惹かれる空軍パイロットと青年を魅力的に演ずるスチュワート・グレンジャー、クラリッサに使える召使いの少年アントニー・スコット、寄宿学校の経営者マーティタ・ハント、ローハン(ジェームズ・メイソン)の母親ヘレン・ヘイ、ジプシーの占い師ベアトリス・ヴァーリー、皇太子(後のジョージ4世)のレイモンド・ラヴェル、長年皇太子と関係するマリア・フィッツハーバートノラ・スウィンバーンなどが共演している。


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