ある美女に出会い心を奪われたことをきっかけにして殺人事件に巻き込まれる男を描く、製作、監督、脚本、出演オーソン・ウェルズ、主演リタ・ヘイワース、エヴェレット・スローン、テッド・デ・コルシア他共演によるサスペンスでありフィルム・ノワールの代表作。 |
・オーソン・ウェルズ / Orson Welles / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:オーソン・ウェルズ
製作:オーソン・ウェルズ
原作:シャーウッド・キング”If I Die Before I Wake”
脚本:オーソン・ウェルズ
撮影:チャールズ・ロートンJr.
編集:ヴィオラ・ローレンス
音楽:ハインツ・エリック・ロームヘルド
出演
リタ・ヘイワース:エルザ”ロザリー”バニスター
オーソン・ウェルズ:マイケル・オハラ
エヴェレット・スローン:アーサー・バニスター
テッド・デ・コルシア:シドニー・ブルーム
グレン・アンダース:ジョージ・グリスビー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1947年製作 87分
公開
北米:1948年4月14日
日本:1977年8月20日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $7,930
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ある夜、青年マイケル・オハラ(オーソン・ウェルズ)は、ブロンドの美しい女性エルザ・バニスター(リタ・ヘイワース)に出会い、一目で心を奪われてしまう。
その後マイケルは、街のチンピラにエルザが襲われているのを目撃し彼女を助ける。
エルザも、自分を助けたマイケルに興味を持ち始め、船員だという彼に自分の船で働くよう勧める。
そしてマイケルは、エルザが、著名な弁護士アーサー・バニスター(エヴェレット・スローン)の妻であることを知る。
翌日、船員就労斡旋所にいたマイケルの前にバニスターが現れ、2人は酒場で仕事の話を始める。
しかし、バニスターは酔い潰れてしまい、マイケルが彼をヨットに送る。
マイケルは、エルザの船員になる要請を断る気でいたのだが、成り行きで、パナマ運河を抜けてメキシコ湾、そしてカリブ海に向かう豪華ヨットに乗船することになる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ある夜、青年マイケル・オハラは、ブロンドの美しい女性エルザ・バニスターに出会い心を奪われてしまう。
その後、マイケルは街のチンピラにエルザが襲われているのを目撃し、彼女を助ける。
エルザも、マイケルに興味を持ち始め、著名な弁護士バニスターの妻だった彼女は、マイケルに夫の船で働くよう勧める。
船に乗ることになったマイケルは、エルザの誘惑に負けそうになる。
そんな時、バニスターのビジネス・パートナーのグリスビーが現れるが、彼はマイケルがスペインで殺人を犯したことを知っていた。
その後、グリスビーが、5000ドルで自分を殺して欲しいとマイケルに頼み、彼はエルザと駆け落ちする覚悟で、それを引き受けようとするのだが・・・。
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シャーウッド・キングの小説”If I Die Before I Wake”の映画化。
オーソン・ウェルズが、製作、監督、脚本を兼ねるの意欲作。
そして、”フィルム・ノワール”の代表作ではあるが、ウェルズらしい大胆不敵な演出は、意識的に抑えられているようにも感じる作品でもある。
しかし、主人公に、自身の殺人を依頼する弁護士の威圧感や、鬱陶しさを強調するような表情のクローズアップ、クライマックスの、有名な遊園地のマジック・ルームの場面などでは、衝撃的な映像感覚と言えるほどの冴えを見せる。
このシーンは、その後、アレンジされて多くの作品で使われ、特に「007/黄金銃を持つ男」(1974)や「燃えよドラゴン」(1973)での対決シーンに使われ効果を上げている。
1940年代、カリスマ的な人気を誇ったリタ・ヘイワースの絶頂期の作品でもあり、白黒画面に一際映える彼女のブロンドと冷めた視線が、どれだけの男性を魅了したか想像できる。
実際の彼女の地毛はダーク・ブラウンで、映画会社からは赤毛に染めることを強要されたりもしていたので、個人的にはあまりブロンドが似合わないような気もする。
上記のように、コロンビアから赤毛に染めろと言われてはいたものの、当時の夫であるオーソン・ウェルズの影響力か、結局は魔性の女であった彼女の役柄に合わせ、強引にイメージを作ったようにも感じる。
30代前半ではあるが、誰もが認めた力量を発揮し、画面上でも、その存在感がベテランを圧倒するオーソン・ウェルズの、威圧感のある演技も見ものだ。
異様な顔立ちが印象に残る、黒幕であった富豪の弁護士エヴェレット・スローン、同僚グレン・アンダース、私立探偵のテッド・デ・コルシアなど、クセのある役者が脇を固めているところも注目だ。