喉に腫瘍が見つかった心臓外科医が患者の立場として人生を見つめ直す姿を描く、「愛は静けさの中に」(1986)で組んだ監督ランダ・ヘインズと主演ウィリアム・ハートの作品。 エリザベス・パーキンス、クリスティーン・ラーチ、アダム・アーキン共演のヒューマン・ドラマ。 |
・ウィリアム・ハート / William Hurt / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ランダ・ヘインズ
製作:ローラ・ジスキン
原作:エドワード・E・ローゼンバーム
脚本:ロバート・キャスウェル
撮影:ジョン・シール
編集
ブルース・グリーン
リサ・フラックマン
音楽:マイケル・コンヴァーティノ
出演
ウィリアム・ハート:ジャック・マッキー
エリザベス・パーキンス:ジューン・エリス
クリスティーン・ラーチ:アン・マッキー
マンディ・パティンキン:マレー・カプラン医師
チャーリー・コースモー:ニッキー・マッキー
アダム・アーキン:エリー・ブルムフィールド医師
ウェンディ・クルーソン:レスリー・アボット医師
アメリカ 映画
配給 タッチストーン・ピクチャーズ
1991年製作 123分
公開
北米:1991年7月24日
日本:1992年2月1日
製作費 $38,000,000
北米興行収入 $38,120,910
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
心臓外科医ジャック・マッキー(ウィリアム・ハート)は、手術中に、音楽をかけながら執刀し、患者に特別な感情を抱かぬようインターン達に忠告したりする、医療は単なる職業だと割り切る医師だった。
ジャックは優秀な医師だったが、患者に気持ちを入れ込み過ぎる、エリー・ブルムフィールド医師(アダム・アーキン)を軽蔑していた。
高級車に乗り、高台の邸宅に住むジャックは、妻アン(クリスティーン・ラーチ)や、息子ニッキー(チャーリー・コースモー)の日常生活にも無関心な楽天家だった。
そんなジャックは、喉に違和感を感じ、同じ病院内の女医レスリー・アボット(ウェンディ・クルーソン)の診察を受ける。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
心臓外科医のジャック・マッキーは、人の命を預かる医師という職業を、単なる”仕事”と割り切っていた。
そんなジャックは、喉に違和感を感じて、腫瘍が発見されショックを受ける。
ジャックは、同じ病院内で立場を変え、自分が患者として扱われることになり戸惑ってしまう。
そんな時、脳腫瘍の末期癌患者ジューンと知り合ったジャックは、彼女との出会いをきっかけに、患者の立場で、医療に対する不安や苦しみを考え始めるようになる・・・。
__________
1988年に発表された、医師エドワード・E・ローゼンバームの実体験を基にした著書”A Taste of My Own Medicine”を基に製作された作品。
「愛は静けさの中に」(1986)に続き、ランダ・ヘインズとウィリアム・ハートが組んだ意欲作でもある。
しかし、北米での作品としての評価は意外に低く、興行的には、まずまずの結果に終わった。
*
製作費 $38,000,000
北米興行収入 $38,120,910
死に行く者にとっての時間の尊さや、その気持ちに接していくにつれ、自らの果たすべき道を見つけていくという一外科医の心の動きを、ウィリアム・ハートは、いつもながら繊細に演じている。
自分の腕に酔う、冒頭の手術シーンの悪ふざけから一転、上品さも漂うエリート外科医という役柄は、ウィリアム・ハートのイメージによく合っている。
今にして思えば、本作の数年前ぐらいが彼の全盛期ではあるが、年齢を重ねた最近の活躍も見逃せない。
経済的には恵まれていても、奔放な夫にわだかまりを持ち続ける妻役のクリスティーン・ラーチや、役作りのために髪の毛を剃り落としてまで挑んだ癌患者エリザベス・パーキンスの好演も光る。
主人公の同僚医師マンディ・パティンキン、息子チャーリー・コースモー、当初から患者の立場で物事を考える主人公の手術を担当するアダム・アーキン、人としての”心”が感じられない女医のウェンディ・クルーソンなどが共演している。