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ブラジルから来た少年 The Boys From Brazil (1978)

1976年に発表された、アイラ・レヴィン同名小説の映画化。
アドルフ・ヒトラーナチス・ドイツ復活を企む残党とそれを阻止しようとするナチ・ハンターとの戦いを描く、監督フランクリン・J・シャフナー、主演グレゴリー・ペックローレンス・オリヴィエジェームズ・メイスン他共演によるサスペンス映画の秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

グレゴリー・ペック / Gregory Peck / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:フランクリン・J・シャフナー
製作:
マーティン・リチャーズ

スタンリー・オトゥール
原作:アイラ・レヴィン
脚本:ヘイウッド・ゴールド

撮影:アンリ・ドカエ
編集:ロバート・スインク

音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
グレゴリー・ペックヨーゼフ・メンゲレ博士
ローレンス・オリヴィエ:エズラ・リーバーマン
ジェームズ・メイスン:エドゥアード・ザイベルト
リリー・パーマー:エセル・リーバマン
スティーヴ・グッテンバーグ:ベリー・コーラー
ユタ・ヘーゲン:フリーダ・マローニ
ジョン・ルビンシュタイン:デヴィッド・ベネット
デンホルム・エリオット:シドニー・ベイノン
ウォルター・ゴテル:ムント
ギュンター・マイスナー:ファルンバッハ
ブルーノ・ガンツ:ブロックナー教授
ヴォルフガング・プライス:ハルトンク
マイケル・ガフ:ハリントン
ローズマリー・ハリス:ドーリング夫人
アン・メアラ:カリー夫人
ジョン・デナー:ヘンリー・ウィーロック
ジェレミー・ブラック:ボビー・ウィーロック/エリック・ドーリング/ジャック・カリー/サイモン・ハリントン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1978年製作 123分
公開
北米: 1978年10月5日
日本: 未公開
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $19,000,000


アカデミー賞 ■
第51回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優(ローレンス・オリヴィエ
編集・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
南米パラグアイ
ナチ・ハンター(ナチ残党狩り)として活動を続けるユダヤ人青年ベリー・コーラー(スティーヴ・グッテンバーグ)は、残党の不穏な動きを察知する。

コーラーは、残党に関わる者の写真や情報を集め、彼らが集結する屋敷の召使の少年に接触する。

オーストリアウィーン
ナチ・ハンターを使命とするユダヤ人エズラ・リーバーマン(ローレンス・オリヴィエ)は、コーラーからの連絡を受けるが、危険だと言うことだけを彼に伝えて電話を切る。

そして、ある夜、残党達の待つ屋敷に、ある大物が現れる。

その人物とは、アウシュビッツ他強制収容所の人体実験で、”死の天使”とその名を恐れられた、元ナチス親衛隊将校ヨーゼフ・メンゲレ博士(グレゴリー・ペック)だった。

元同志らの歓迎を受けたメンゲレは、ムント(ウォルター・ゴテル)やファルンバッハ(ギュンター・ミスナー)らを前に、ある計画実行を発表する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
南米パラグアイ
ナチ・ハンターとして活動するユダヤ人青年コーラーは、ナチの残党の不穏な動きを察知する。
やがて残党達の元に、アウシュビッツ他で人体実験を行い、”死の天使”とその名を恐れられた元ナチス親衛隊将校であるヨーゼフ・メンゲレ博士が現れる。
メンゲレは、今後2年半の間に、世界の各地で合計94人の人間を特定の日に殺すというアーリア民族の運命を懸けた計画を発表する。
その情報を入手したコーラーは、ウィーンナチ・ハンター、エズラ・リーバーマンに、殺戮部隊を指揮した、ナチス・ドイツ将校のザイベルトの写真などを含めた資料を送る。
その後リーバーマンはコーラーが殺されたことを知り、妹エセルと共に、94人の公務員抹殺が残党の集結と何の関係があるかを探るため、早速、行動を開始するのだが・・・。
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今この時代に製作されても、正に的を得たテーマと成りうるクローン人間技術を軸に、それが独裁者の”アドルフ・ヒトラー”復活計画という、ショッキングなストーリーで展開する作品。

今でこそクローンが現実化されているが、1970年代後半に、この題材を扱っているということが非常に興味深い。

実在のヨーゼフ・メンゲレを登場させ、実際に南米に潜伏し、本作が公開された当時、まだ生存していた(1979年没)ということなどが、フィクションではあるもののドラマにリアリティを与えている。
実際のメンゲレは、クローンを作ったという事実はない。

奇抜なアイデアを見事に映像化し、物語に引き込まれていくフランクリン・J・シャフナーの演出と共にヘイウッド・ゴールドの巧みな脚本、超豪華顔合わせの俳優陣と、どれをとっても一級の大作にも拘らず、一流のスタッフ、往年のスターに敬意を表する心がないのか、本作が日本未公開とは信じ難い。

第51回アカデミー賞では、主演男優(ローレンス・オリヴィエ)、編集、作曲賞にノミネートされた。

オスカー候補になった、ジェリー・ゴールドスミスの勇壮で力強いテーマ曲も印象的だ。

ヒトラー復活を夢見る狂気のメンゲレ博士を演ずるグレゴリー・ペックは、珍しい完全な悪役を、圧倒的存在感で熱演する。

有名なナチ・ハンターサイモン・ヴィーゼンタールをモデルに、アカデミー主演賞候補になったローレンス・オリヴィエの、老練などという言葉では言い尽くせない重厚な演技も秀逸だ。

思慮深く冷静沈着な残党保安部長役ジェームズ・メイスンの好演も見逃せない。

リーバーマン(L・オリヴィエ)の妹であり良き協力者リリー・パーマーナチの女看守だった子供の運び屋ユタ・ヘーゲン、リーバーマンに協力するユダヤ人青年ジョン・ルビンシュタイン、同じく協力させられる記者デンホルム・エリオットメンゲレの部下でナチ残党ウォルター・ゴテルギュンター・マイスナークローン技術を解り易く説明する教授役ブルーノ・ガンツドイツ将校といえばこの人ヴォルフガング・プライス、そして、恐怖の”クローン少年”を演ずるジェレミー・ブラックなどが共演している。

また、「ポリスアカデミー」シリーズのスティーヴ・グッテンバーグが、ナチ・ハンターユダヤ人の青年役で若々しく、「バットマン」(1989)シリーズの執事アルフレッド役マイケル・ガフや、大ヒット作「スパイダーマン」(2002)シリーズの”メイおばさん”ローズマリー・ハリス、アメリカで少年を育てる婦人役でベン・スティラーの実母アン・メアラも出演している。

劇場で観れなかったのは非常に残念。
必見のお勧め作!!!!


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