「ジャイアンツ」(1956)などで知られるエドナ・ファーバーの、1926年に発表されたベストセラー小説を基に、ジェローム・カーンとオスカー・ハマースタイン2世のコンビによる24年もの間、上演し続けられた大ヒット同名ミュージカルの映画化で、1929、1936年に続き3度目の作品。 巡業を続けるショウ・ボート劇団一座の家族愛、友情やロマンスを描く、監督ジョージ・シドニー、キャスリン・グレイソン、エヴァ・ガードナー、ハワード・キール共演のミュージカル映画史上に残る名作。 |
・エヴァ・ガードナー / Ava Gardner / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・シドニー
製作:アーサー・フリード
原作:エドナ・ファーバー
ミュージカル
オスカー・ハマースタイン2世
ジェローム・カーン
脚本:ジョン・リー・メイヒン
撮影:チャールズ・ロッシャー
編集:ジョン・ダニング
音楽
アドルフ・ドイッチ
コンラッド・サリンジャー
出演
キャスリン・グレイソン:マグノリア・ホークス/ラヴェナル
エヴァ・ガードナー:ジュリー・ラヴァーン
ハワード・キール:ゲイロード・ラヴェナル
ジョー・E・ブラウン:アンディ・ホークス船長
アグネス・ムーアヘッド:パーシー・ホークス
ロバート・スターリング:スティーヴ・ベーカー
ウィリアム・ウォーフィールド:ジョー
マージ・チャンピオン:エリー・メイ・シプリー
ガワー・チャンピオン:フランク・シュルツ
リーフ・エリクソン:ピート
アメリカ 映画
配給 MGM
1951年製作 107分
公開
北米:1951年9月24日
日本:1952年4月24日
製作費 $2,295,430
■ アカデミー賞 ■
第24回アカデミー賞
・ノミネート
撮影(カラー)・作曲賞(ミュージカル)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ショウ・ボートの一座のアンディ・ホークス船長(ジョー・E・ブラウン)は、川沿いのある町に立寄り、集まった人々に一座の役者達を紹介し始める。
コンビであるエリー・メイ・シプリー(マージ・チャンピオン)とフランク・シュルツ(ガワー・チャンピオン)、そして一座の華ジュリー・ラヴァーン(エヴァ・ガードナー)と夫である二枚目役者スティーヴ・ベーカー(ロバート・スターリング)らだった。
ホークス船長は、舞台の触りを見せて人々の興味を誘う。
そこに、ジュリーへの思いが通じないで苛立つ船員ピート(リーフ・エリクソン)が現れ、スティーヴとも揉め事を起こしてしまう。
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*(簡略ストー リー)
ショウ・ボートの一座のホークス船長は、川沿いのある町に立寄る。
船長は、一座の華ジュリー・ラヴァーンと夫で二枚目役者スティーヴらを紹介し、舞台の触りを見せて人々の興味を誘う。
そこに、ジュリーへの思いが通じない船員ピートが現れ、スティーヴと揉め事を起こす。
船長は、芸の一部だと言って人々の笑いを誘うが、ピートはジュリーとスティーヴへの腹いせに、彼女が黒人との混血にも拘らず、白人と結婚していたことを保安官に通報してしまう。
一方、ギャンブラーのゲイロードは、ニューオリンズに向かうショウ・ボートの乗船許可もらおうとする。
ホークス船長と妻パーシーに見守られて育てられた娘マグノリアは、美しく成長し役者になるために稽古に励んでいた。
その姿を見たゲイロードは、マグノリアに一目惚れしてしまい二人は恋に落ちる。
密告により、違法が発覚したジュリーとスティーヴが船を去ることになったため、一旦はゲイロードの乗船を断った船長は、役者でもある彼を雇うことにする。
ジュリーを慕っていたマグのリアは、彼女との別れを悲しむが、その後、船長は娘を舞台に立たせる決心をして、ゲイロードとの真に迫る恋物語の舞台は、大成功するのだが・・・。
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当初、混血のジュリー役にはリナ・ホーンが予定されていたが、この時代には黒人(リナ)と白人との恋愛をストレートに描くことはタブーであり、ストーリー上で黒人との混血として設定されている、白人のエヴァ・ガードナーが配役された。
第24回アカデミー賞では、撮影(カラー)、作曲賞(ミュージカル)にノミネートされた。
アカデミー賞候補になったチャールズ・ロッシャーの、エヴァ・ガードナーの妖艶さとテクニカラーを十分に生かした、美しい映像も素晴らしい。
エヴァ・ガードナーは、ふしだらに見られている混血女性を、主役の二人を完全に食ってしまうほどの演技で好演している。
彼女は、自らの歌声を披露しようと猛特訓をしたにも拘らず、結局は製作者側からのOKが出ず、残念ながら、その歌声は吹き替えられてしまった。
20代だとは思えない、彼女の大人の女性としての魅力と美しさは際立っている。
キャスリン・グレイソンの方が若く見えるが、実際には彼女が10ヶ月年上である。
物語の主役を演ずる、ソプラノ歌手でもあるキャスリン・グレイソンと、相手役のハワード・キールの歌声も十分楽しめる。
見事なダンスとステップを存分に見せてくれる、夫妻マージとガワー・チャンピオンのパフォーマンスも、本作のハイライトの一つである。
娘を温かく見守る陽気な船長ジョー・E・ブラウン、逆に娘に厳しく接する母親アグネス・ムーアヘッド、ジュリー(A・ガードナー)の出生の秘密にはこだわらないものの、結局は彼女の元から去って行く夫ロバート・スターリング、ジュリーに思いを寄せるがそらがかなわず、彼女の素性を保安官に通報してしまうリーフ・エリクソン、そして見事なバリトンを披露してくれる、ウィリアム・ウォーフィールドの”オールマン・リバー”の歌声も素晴しい。