検眼士であるホーテンスは、養母の遺品などを整理する。
仕事は順調ではあるが、帰宅しても、月経困難症のモニカは機嫌が悪く、モーリスは安らぎを感じることができない。
その後、生れて直ぐに別れた実母を捜す決心をしたホーテンスは、社会福祉事務所を訪ねる。
担当者のジェニー・フォード(レスリー・マンヴィル)と話をしたホーテンスは、母親から”会いたくない”と言われる覚悟があるかを聞かれる。
あると答えたホーテンスは、ジェニーから自分の資料を見せられる。
ジェニーは席を外し、ホーテンスは様々な書類に目を通しながら涙する。
戻ったジェニーはホーテンスを気遣い、母親が”シンシア・ローズ・パーリー”という名前だったことを知らされる。
自分のミドルネームである”エリザベス”と名付けられたことを知ったホーテンスは、書類のコピーを取らなくてもオリジナルを受け取れるとジェニーに言われる。
今後は様々な困難が考えられるとジェニーに言われたホーテンスは、彼女から協力を約束される。
車の中でもう一度、書類を確かめたホーテンスは、母親が白人であると記載されていたため、それを伝えようとして、外出するたジェニーを呼び止める。
考えられることだと言うジェニーは、書類に間違いはないと伝え、急いでいたためにその場を去る。
喧嘩をしていた恋人のポールが訪ねて来たため外出したロクサーヌは、彼のアパートで愛し合う。
帰宅したホーテンスは、もう一度、書類を確認するが、その内容を信じることができず、出生記録管理局で記録を調べ、後日、詳しい書類を受け取りに来ることになる。
考えを巡らせるホーテンスは、親友のディオンヌ(ミシェル・オースティン)に会う。
ディオンヌに協力すると言われたホーテンスは、一人で解決するとことを伝えて、養母の話などをする。
数日後、出生記録管理局で資料を受け取ったホーテンスは、実母シンシアがロンドン市内に住んでいることを知り、地図で場所を調べてその場に向い、家を確認する。
モーリスが訪ねて来たために驚いたシンシアは、ロクサーヌのことを聞かれ、恋人ができたと言って不満ばかり語る。
ロクサーヌの誕生日をモーリスの家で祝う提案をされたシンシアは、仲が良くないモニカのことを気にする。
招待はモニカのアイデアだと言うモーリスだったが、家を新築して1年も経つのに、声もかけてくれなかったとシンシアに言われる。
招待したことをロクサーヌに伝えるようにとモーリスに言われたシンシアは、今の彼女と同じ21歳で娘を産み、子育てを手伝ってくれた話をモーリスにする。
シンシアに電話をしようとしたホーテンスだったが、受話器を置いてしまう。
父親の部屋の天井が、雨漏りで落ちそうだと言われたモーリスは、自分が修理代を払うので修理させるようシンシアに伝える。
ガラクタは捨てるようにと言われて悲しくなったシンシアは、モーリスに抱いてほしいと伝えて泣き出し、愛しているかを問う。
自分を頼るしかないとシンシアから言われたモーリスは、戸惑いながら彼女を抱きしめる。
その場にあった物を見て懐かしく思いながら、いつ伯母さんになれるのかとシンシアに聞かれたモーリスは、何も答えずに帰ろうとする。
誕生日のことを確認したモーリスは、シンシアに現金を渡してその場を去る。
パブに寄ってから帰宅したモーリスは、家族のことなどをモニカと話す。
兄か姉がいることをロクサーヌが知っているのかとモニカに聞かれたモーリスは、シンシアが話しているだろうと答える。
父親が誰なのかは誰も知らないと言うモーリスは、ロクサーヌが父親を恋しがっていることをモニカに伝え、殺してやりたいと思うほどひどい男だと語る。
モーリスはシンシアを哀れに思い、懸命に生きた彼女が自分も愛してくれてたことをモニカに伝える。
誕生日にモーリスの家に招待されたことをシンシアから知らされたロクサーヌは、世話ばかり焼く母に苛立つ。
かかってきた電話に出たロクサーヌは、無言だったために切ってしまい、シンシアと話をしようしない。
避妊のことなどを話すシンシアを非難するロクサーヌは、母親を罵倒して家を飛び出し、ポールのアパートに向い愛し合う。
失意のシンシアは、かかってきた電話に出る。
シンシアの名前と住所を確認したホーテンスは、”エリザベス”の件を聞きたいと伝える。
母親の”エリザベス”は亡くなったと伝えたシンシアだったが、赤ん坊のことと、生年月日や生まれた場所を言われて動揺し、電話を切ってしまう。
嘔吐してしまったシンシアは、再びかかってきた電話に出て、訪ねて来てほしくないことをホーテンスに伝える。
それを約束したホーテンスは、どこかで会うことを提案して、電話番号をシンシアに知らせる。
その夜、シンシアから連絡があり会ってもいいと言われたホーテンスは、地下鉄のホルボーン駅で土曜日に約束し、この場には二度と電話をかけないようにと言われる。
電話を切られたホーテンスは、顔も知らずにどうやって会おうかと考える。
ホルボーン駅。
その場で人を待っている様子のシンシアに声をかけたホーテンスは、自分が電話をかけたことを伝える。
相手が黒人だったために驚くシンシアは、何かの間違いだと言って、ホーテンスから出征証明書を見せられても信用しない。
動揺するシンシアを落ち着かせたホーテンスは、書類を確認してほしいと伝えて彼女とカフェに向かう。
自分が署名したという書類を見ても信じないシンシアは、偏見ではなく、黒人と関係などしたことがないことをホーテンスに伝える。
しかし、あることを思い出したシンシアは再び動揺し、恥だと言って泣き出してしまう。
恥じることはないと言うホーテンスに、何も知らなかったことを伝えたシンシアは、相手のことを聞かれても、それだけは話せないと答える。
自分を許してほしいと言うシンシアは、こんな母親であったためにショックを受けたはずだと伝える。
母親のことを聞かれたホーテンスは、最近、亡くなったことを伝え、父親も他界したと話す。
結婚のことを聞かれたシンシアは、一度もしていないことを伝え、自分もしていないと言うホーテンスに恋人はいないのかと尋ねる。
いないと答えるホーテンスに、自分も男には酷い目に遭わされたのでこりごりだとシンシアは語る。
ホーテンスに仕事を聞いたシンシアは検眼士だと言われ、自分は工場で働きなんとか家賃は払えると伝え、娘のことを聞かれる。
市役所に勤めていると話したシンシアは、ホーテンスに姉妹のことを聞き、兄が二人いて、養子ではなく立派な仕事をしていることを知らされる。
幸せな母親だっただろうと言うシンシアは、自分なら皆に自慢をすると伝える。
生まれた時に自分に会いたくなかったのかとホーテンスに聞かれたシンシアは、何も知らない16歳だったので、どうすることもできなかったと答える。
シンシアは、子供に会っていたら手放せなかったかもしれないとホーテンスに伝える。
自分を恨むのは当然だと言うシンシアは、養子のことは最近、知ったのかをホーテンスに尋ね、7歳の時に両親から知らされたと言われる。
車でシンシアを送ったホーテンスは、自分のことを考えたかを尋ねる。
当然だと答えたシンシアは、考えてもどうにもならなかったと言って、ホーテンスが捜すとは思ってもみなかったと話す。
見つけることができて後悔しているかを聞かれたホーテンスは、それを否定して嬉しいと答える。
家族には黙っていてほしいとシンシアに伝えたホーテンスは、会えただけで満足だと伝える。
ホーテンスの幸せを常に考えていると伝えたシンシアは、街角で車を降りる。
翌日、ロクサーヌが出かけた後でホーテンスに電話をしたシンシアは、お互いのことを考えていたことを確認する。
他愛もない話をしたシンシアは電話を切ろうとするが、ホーテンスは会いたいことを伝えて、食事の約束をする。
店にモニカが現れ、その後モーリスは、近づいてきたスチュアート(ロン・コック)に気づく。
オーストラリアにいるはずのスチュアートの言動がおかしいことを気にしながら、モーリスは、助手のジェーン(エリザベス・バーリントン)に、彼から店を買い取ったことを知らせる。
酔ったスチュアートに自分の店だと言われたモーリスは、店も今の顧客も自分ものものだと伝える。
ビジネスに口を出すスチュアートと口論になったモーリスだったが、辛い思いをしたスチュアートの気持ちを察し、握手をして別れる。
ロクサーヌの食事を用意したシンシアは、どこに行くかも言わずに出かける。
最近シンシアの様子がおかしいことをポールに話したロクサーヌは、モーリスのパーティーに招待されたことを伝える。
レストランでホーテンスに会ったシンシアは、楽しい時を過ごす。
誕生日が先日だったことをホーテンスから聞いたシンシアは、二人でそれを祝う。
その後シンシアは、ホーテンスと会うことに喜びを感じるようになる。
バーで過ごしていたシンシアは、ホーテンスの妹でもある娘の21歳の誕生日を弟が祝ってくれることを話し、ホーテンスに誕生日のプレゼントを渡す。
シンシアから、誕生パーティーに連れて行くと言われたホーテンスは戸惑う。
その件をモーリスに電話で話したシンシアは、仕事場の女友達を連れて行ってもいいかを尋ねる。
やや躊躇したモーリスだったがそれを承知し、シンシアは、その件をホーテンスに知らせる。
シンシアに説得されたホーテンスは、モーリスの家を訪ねることを約束する。
シンシアの女友達の話を聞いたモニカは、躊躇せずに招待しなければ、自分の立場がないことをモーリスに伝え、ジェーンも呼ぶと言われて頭を抱える。
日曜日、パーティー当日。
ポールを伴いロクサーヌと共にモーリスの家を訪ねたシンシアは、モニカに歓迎される。
ジェーンを迎えに行ったモーリスが戻り、彼はロクサーヌとポール、そしてシンシアに挨拶する。
”女友達”が来ないことを気にするモニカは、シンシアとジェーンに新居の案内をする。
モーリスからシンシアの友達が来ると言われたロクサーヌは、聞いていないと答えながら、最近会っている相手だと気づく。
現れたホーテンスを迎えたシンシアは、モニカやモーリス、ロクサーヌとポール、そしてジェーンを紹介する。
食事が始り、シンシアと同じ段ボール工場の工員だということになっていたホーテンスは、視力測定法を専攻した大学卒ではあるものの、リサーチのために働いていると話す。
その後、バースデーケーキが用意され、ロクサーヌがロウソクを吹き消し、全員で記念写真を撮る。
スピーチしたモーリスは、ロクサーヌにプレゼントを渡す。
それが大金だったためにロクサーヌは驚き、シンシアが動揺し始めたためにホーテンスはトイレに向う。
ホーテンスのことを話し始めたシンシアは、彼女が母親に似ていることを伝え、工場で一緒に働いているのかをモーリスに聞かれる。
母親はここにいると言うシンシアは、ホーテンスが自分の娘であることを伝える。
ロクサーヌはそれを信じようとせず、モーリスとモニカは驚く。
シンシアは、ホーテンスが父親が違う娘で姉であることを、泣きながらロクサーヌに伝える。
ホーテンスは席に戻り、全てを話したことをシンシアから知らされる。
モーリスに真実なのかと聞かれたホーテンスは、それを認める。
皆が知っていたことにショックを受けたロクサーヌは、シンシアをふしだらな女だと言って、奥の部屋に閉じ篭ってしまう。
帰ると言うホーテンスを引き留めたシンシアは、話す機会を考えるべきだとモーリスに言われ、いつならよかったのかを尋ねる。
部屋から出てきたロクサーヌは、モーリスやモニカまで隠していたことを痛烈に非難し、ホーテンスを罵倒して、ポールと共にその場を去る。
後を追ったモーリスは、バス停にいた二人を見つけて、ショックを受けたことは理解できるとロクサーヌに伝える。
以前から知っていたのかと聞かれたモーリスは、男の子だと思っていたと答え、シンシアに対する怒りが収まらないロクサーヌに、皆が愛していることを伝える。
戻ろうと言われたロクサーヌはそれを拒み、モーリスは逃げるべきではないと彼女に伝えるものの、何からと問われても答えを返せない。
シンシアは、モニカのせいで自分の家族が奪われ、父親の保険金をモーリスに譲ったお陰で家も建てられたと話す。
そのため自分がどれだけ苦労したかを伝えるシンシアは、モニカを非難する。
反論するものの、子供を育てる苦しみが理解できるわけがないとシンシアに言われたモニカは、何も答えずにキッチンに向かう。
シンシアは愛に飢えていたと言うモーリスは、彼女が必要としていることをロクサーヌに伝える。
モーリスに戻ろうと言われたロクサーヌは、ポールも同じ意見だったために、仕方なくそれに従う。
黙って話を聞いているだけでいいとモーリスに言われたロクサーヌは、謝罪するシンシアから、15歳の時に妊娠してしまい、父に施設に送りこまれたという話を聞く。
ホーテンスが自分を捜しだすとは思っていなかったと話すシンシアは、彼女と巡り会えたことは素晴らしいことだと伝え、傷つける気などなかったと語る。
意見を求められたホーテンスも同じ考えだと伝え、シンシアは、この件を知っていたモニカが話すと思ったとロクサーヌに伝える。
意見するモニカに子供も産めない妻だと非難するシンシアだったが、それには理由があるとモーリスが答える。
その理由を話すようにとモーリスに言われたモニカは沈黙する。
モーリスは、あらゆる検査を受けたが、モニカが子供を産めない体だと言うことを話す。
手術までして離婚の危機も乗り越えたと言うモーリスは、秘密と嘘など、皆、心に傷を負っていると語る。
幸せを提供している商売をしているのに、愛している3人が意地を張っていがみ合っていることを嘆くモーリスは、ホーテンスの勇気を称える。
苦痛を覚悟して真実を追求したホーテンスを、モーリスは心から尊敬する。
シンシアに抱き寄せられたモニカは、彼女が羨ましいと言って泣き崩れる。
モーリスから工場の仕事のことを聞かれたホーテンスは、検眼士であることを伝え、彼に今日から家族だと言われる。
話を聞いていたジェーンは、モーリスのような父親が欲しいと言って涙ぐむ。
ロクサーヌの父親の名前はビンガムといい、アメリカ人の医学生だったと語るシンシアは、ホーテンスから自分の父親もいい人だったかを聞かれる。
答えるのが辛いと言いながらシンシアは泣き出してしまい、モーリスはホーテンスを気遣う。
ホーテンスに抱き寄せられたシンシアに呼ばれたロクサーヌは、母を見つめながら涙する。
その夜、ベッドに横たわるモーリスは、以前のように愛されていないことが怖いとモニカに伝える。
愛していると言われたモーリスは、いつまでも一緒だということをモニカと共に確認する。
その後、わだかまりが消えたホーテンスとロクサーヌは、シンシアが裏庭の温室に片付けたガラクタを見つめながら、互いに姉妹であることを感じて嬉しく思う。
姉妹の説明にも問題はないと言うロクサーヌに、真実を語るのが最良だとホーテンスは語る。
娘達にお茶を運んだシンシアは、この場に二人がいることに喜びを感じ、人生は素晴らしいと呟く。