林の中を歩くデボラは、ある場所でロンが地面を掘っていることに気づく。
目覚めたデボラは、居間のソファーで眠っているロンに話しかけ、他に隠し事がないか尋ねる。
”メアリー・カサット”の絵はコピーで、高値で買うと言われたために売ってしまったことをデボラに伝えたロンは、浮気相手の電話番号を訊かれて携帯電話を渡す。
相手と話したデボラは、許すと言って電話を切り、出て行ってもいいとロンに伝える。
ロンは、君といたいとデボラに伝える。
その後、関係修復のために努力したロンは、デボラに誘われて貧民街のボランティア施設に向かい、シェフのジム(トーマス・フランシス・マーフィ)を紹介される。
ジムの手伝いを始めたデボラは、ロンにも協力させる。
仕方なく手伝ったロンは、ホームレスのために食事の支度をする。
そこに、バットを持った興奮する男(ジャイモン・フンスー)が現れて暴れ始め、デボラが彼を制止する。
男が夢に出てくる人物だと気づいたデボラは、それをロンに伝えるものの、彼から帰ろうと言われる。
夜中に男を捜しに行ったロンは、ホームレスのクララ(アン・マホーニー)から、男の居場所を教えてもらう。
昼間と同じように乱暴な態度をとる男に、ロンは車の窓をバットで割られてしまう。
翌日、息子のカーソン(オースティン・フィルソン)と共にボランティア活動をするデボラは、ロンから、昨日の男が夢の人物とは違い凶暴だと言われる。
食事を取りに来た男に名前を尋ねたデボラは、不機嫌な彼から、自分に干渉するなと言われる。
その後、クララにメイクをしてあげたデボラは、昔は結婚もして子供がいたが、一人では育てられなくて取りあげられたことを知り、辛い思いをした彼女を励ます。
デボラと共に実家を訪ねたロンは、母トミー(ジェラルディン・シンガー)に向かえらて、裏庭にいた父アール(ジョン・ヴォイト)には嫌味を言われる。
食事になり、デボラがホームレスの男性と友達になろうとしていることを知ったアールは、彼らのことを犯罪者呼ばわりして侮辱する。
翌日、食堂で座っている男に食事を運び、デボラからだと伝えたロンだったが、無視されてしまう。
その夜、男に脅されたロンは、話をしたいと伝える。
友達になりたい様子のロンに男は、考えさせてほしい、危害を加える気はないと伝える。
親切にしてくれたのに自分は拒んだと言う男は、ロンから名前を訊かれ、デンヴァーだと答える。
去ろうとするデンヴァーを呼び止めたロンは、昼間、何も食べなかったことを話し、食事をしないかと言って誘う。
二人はダイナーに向かい、デンヴァーは友達になるための条件をロンに伝え、ルイジアナ出身で母親を知らないと言う彼は、祖母と従弟と暮らした子供時代のことを話す。
病気の祖母は、火事の際に逃げ遅れて亡くなり、迎えに来た叔父と共にプランテーションで働いたデンヴァーは、川で洗礼を受けた時に死ぬ思いをしたことなどを話し、それを思い出して笑ってしまう。
帰宅したロンは、デンヴァーと過ごし驚くような体験をしたことをデボラに話し、彼女に誘われて寝室に向かう。
翌日、仕事などをすべてキャンセルしたロンは、デンヴァーに会い美術館に誘う。
”KKK”を描いた絵の前で足を止めたデンヴァーは、ロンから、”アンドレ・セラーノ”のショック・アートだと言われる。
白人と話すのはロンが二人目だと言うデンヴァーは、子供時代に、主人の息子ボビーといつも行動していたことを話す。
ボビーと父親の納屋に向かい”KKK”の真似をして遊んでいたデンヴァーは、それをボビーの母親に見つかりその場から逃げる。
それが最初に白人の女性と話した体験で、数年後、車のタイヤ交換をするボビーの母親に出くわしたデンヴァーは、追い払われそうになる。
ボビーもその場にいたのだが、現れた三人の白人に痛めつけられたことを、デンヴァーはロンに話す。
その後、デボラの献身的な努力が実り、施設は改善される。
デンヴァーは、ホームレスに食事や金を与えるだけでは自分達はそのままであり、存在を認めるだとロンに伝えるものの、彼には感謝する。
デボラが映画会を開くとデンヴァーに伝えたロンは、彼を誘う。
カーソンと娘のリーガン(オリヴィア・ホルト)、デボラと共に映画を楽しむロンは、ホームレスの人々の笑い声で救われる気持ちになる。
その後、外の騒ぎと救急車に気づいたデボラは、ロンに子供達を任せてデンヴァーを捜しに行く。
デンヴァーを見つけたデボラは、映画に来なかったことが心配だったと伝えて、彼を家に連れて行く。
勝手にデンヴァーを連れて来たことでデボラに意見したロンは、彼は特別なので自分を信じてほしいと言われる。
デンヴァーを救いたい気持ちは自分も同じだと言うロンは、先に話してほしいとデボラに伝えて理解してもらえる。
翌朝、部屋で寝ずに外にいたデンヴァーをキッチンに連れて行ったロンは、デボラと彼と共に食事をしようとする。
親切にしてくれたロンとデボラに、自分には過去があると言うデンヴァーは、そのことを話し始める。
綿摘みの仕事を何年も続けたデンヴァーは農場から逃亡し、シュリーブポートに着いて、目の前の街の光景に驚く。
暴漢に襲われそうになりながら銃を奪ったデンヴァーは、バスを襲う。
金を奪おうとしたデンヴァーは、警官に銃を向けられて逮捕され、10年の刑を受けた。
そこで、生きるために人を殺したことを話したデンヴァーは、黙っていたことをロンとデボラに謝罪する。
涙するデンヴァーに、強い意志の男性であり、自分達は友達だと伝えたデボラは、子供達を起こしに行く。
デンヴァーは、デボラの行いは神にとって宝となるが、悪魔にも重要なことだとロンに伝える。
リーガンとデンヴァーと共にテニス・クラブに向かったロンは、友人のハンクから、ボランティア活動に入れ込み過ぎているのではないかと意見される。
ハンクがデンヴァーのことを差別していることに気づいたロンは、その場にい現れたデンヴァーに直接言えばいいと伝える。
気まずい思いをしたハンクは黙って立ち去り、デンヴァーは、自分をかばってくれたロンに、友達だと伝える。
その後、体調を崩したデボラは、検査の結果、腫瘍が見つかり、ロンと共に闘病生活が始まる。
デボラのために祈るデンヴァーは、人助けをする彼女が苦しまなくてはならないことで心を痛め、それが自分への教訓だろうとロンに話す。
クリスマス。
別荘での家族の集まりにデンヴァーも招待したロンだったが、気にくわないアールはそれを不満に思いデンヴァーを歓迎できない。
食事の際、アールの提案でデンヴァーが祈りを捧げる。
ガンくらいのことで騒ぐことはないと言うアールの心無い言葉で傷ついたデボラとリーガンは席を外す。
自分だけが悪者だと言うアールは、家に帰るとトミーに伝える。
苛立つロンは母に別れを告げて、アールを追い払う。
アールにも善良なところはあると言うデンヴァーは、そうでなければ君は存在しない、自分がここに来て一緒に過ごすこともないとロンに伝える。
君は善良だが父は違うと言うロンは、今後は歩み寄ることはないとデンヴァーに伝える。
その後、ガンが治ると信じるなら普通の生活をしたいと考えるデボラは、一人で街に買い物に向かう。
主治医の妻から声をかけられたデボラは、末期ガンだと聞いていると言われて驚き、動揺してその場を去る。
悲しむデボラはデンヴァーの元に向かうが、何も話すことはできない。
ロンと乗馬をしたデボラはある場所に向かい、この場で眠りたいと言って彼に愛を伝える。
自分が死んだ後はロンの行動は自由なので、彼の恋人を受け入れて結婚を祝福するようにと、デボラは子供達に話す。
デボラから幸せになってほしいと言われたロンは、自分の幸せは君といることだと伝える。
デンヴァーを見捨てないでほしいとも言われたロンは、それをデボラに約束する。
ロンと共に施設に向かったデボラは、美しく飾りつけされた裏庭を見て感激し、彼とデンヴァーと共にダンスをする。
その後デボラは亡くなり、葬儀では、デンヴァーやホームレス達が、彼女のために花を捧げた。
デボラのリクエストだと参列者に伝えた牧師は、デンヴァーにスピーチしてもらう。
デボラと家族に感謝したデンヴァーは、彼女らが別世界の人間だと思い悩んだものの、自分と同じように皆は違い、神が敷いた道を歩む普通の人間だと分かったことを話す。
ホームレスのためにより良い世界を夢見たデボラのために、”炎”を絶やさぬよう自分が受け継ぐと語るデンヴァーは、すべての人がホームレスであり、そこに帰って来たデボラを迎える言葉でスピーチを締めくくる。
参列者は、立ち上がってデンヴァーに拍手する。
その後、デボラとの約束を守らなかったロンは、炎もデンヴァーも放棄した。
フーリオに帰ることを伝えたロンはその場を去り、デンヴァーを捜しに行く。
デンヴァーから戻ってきた理由を訊かれたロンは、もちろんあると答える。
アールに会いに行ったロンは、”ウィリアム・ブレイク”の詩集を読んでいた父から、デンヴァーのことを訊かれる。
元気だと答えたロンは、デボラの墓参りに誘い、アールから、彼女はお気に入りだったと言われる。
アールを裏庭に連れ出したロンは、母と共に父を見つめる。
デンヴァーと共に、デボラと約束した場所に作った墓に向かったロンは、彼女を想い語り合う。
__________
デンヴァーの協力でロンは著書を完成させて、”ニューヨーク・タイムズ”認定のベストセラーとなった。
”炎”は明るさを増し、今も燃え続けている。
その後ロンとデンヴァーは、9年間、各地で講演を行い、8500万ドルを集めてホームレスを支援した。
2012年3月31日、デンヴァーは自分の家に帰る。