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南米珍道中 Road to Rio (1947)

ビング・クロスビーボブ・ホープによる大ヒットコメディ”珍道中シリーズ”の第5作。
落ちぶれた2人組の楽士が謎の令嬢を助けるために巻き起こす騒動を描く、監督ノーマン・Z・マクロード、主演ビング・クロスビーボブ・ホープドロシー・ラムーアゲイル・ソンダガード他共演のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト
監督:ノーマン・Z・マクロード

製作:ダニエル・デア
原作
エドモンド・ベロイン
ジャック・ローズ
脚本
エドモンド・ベロイン
ジャック・ローズ
撮影:アーネスト・ラズロ
編集:エルスワース・ホーグランド
音楽:ロバート・エメット・ドーラン

出演
スキャット・スウィーニー:ビング・クロスビー
ホット・リップス・バートン:ボブ・ホープ
ルシア・マリア・デ・アンドラーデ:ドロシー・ラムーア
キャサリン・ヴェイル:ゲイル・ソンダガード
トリガー:フランク・フェイレン
トニー:ジョセフ・ヴィターレ
シャーマン・マロリー:ジョージ・ミーカー
ロドリゲス:フランク・パグリア
カルドーソ:ネスター・パイヴァ
ジョンソン:ロバート・バラット
ハーモン船長:スタンリー・アンドリュース
船のパーサー:ハリー・ウッズ
3兄弟のミュージシャン:ウィアー・ブラザース
本人:アンドリューズ・シスターズ
本人:ジェリー・コロンナ
ナイトクラブのパフォーマー:マルキータ・リヴェラ
サンダー:トー・ジョンソン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1947年製作 100分
公開
北米:1947年12月25日
日本:1949年5月7日
製作費 $2,400,000


アカデミー賞
第20回アカデミー賞

・ノミネート
ミュージカル音楽賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
クラリネットとトランペットの奏者スキャット・スウィーニー(ビング・クロスビー)とホット・リップス・バートン(ボブ・ホープ)は、仕事を見つけてカーニバルに向かう。

ステージに立ちショーを終えた2人は、大いに受ける。

スキャットは団長のジョンソン(ロバート・バラット)からギャラをもらい、ホット・リップスは、落下した団員の代わりに自転車綱渡りの芸をすることになる。

ジョンソンは、ホット・リップスが逃げないように大男のサンダー(トー・ジョンソン)を付き添わせることをスキャットに伝える。

自分が何をするかを知ったホット・リップスは驚き、それを拒もうとするものの、サンダーにポールの上に連れて行かれる。
...全てを見る(結末あり)

仕方なく自転車に乗り芸を始めたホット・リップスは、バランスを失い落ちそうになり、スキャットがトランポリンを使って彼を助けようとする。

落下したホット・リップスは、トランポリンで跳ねて馬車の荷台に落ち、スキャットがそれに乗り逃亡する。

ホット・リップスが落下した拍子に電飾ケーブルが切れてショートし、火災が発生してしまい、ジョンソンらは2人を追う。

港に着いたスキャットとホット・リップスは、ブラジル行きの船に乗り込もうとするが、ジョンソンらに見つかりそうになる。

肉の運搬人に扮して船に乗り込んだスキャットは、肉袋に入っていたホット・リップスを冷凍庫に置き去りにするしかなかった。

船は出航し、数時間後に冷凍庫からホット・リップスを連れ出したスキャットは、クリーニング係が運ぶ洋服を盗む。

運ばれたスーツが足りないことに気づいたトリガーは係を脅すが、現れたキャサリン・ヴェイル(ゲイル・ソンダガード)が、それを制止して注意する。

キャサリンは、自分が後見人となっているルシア・マリア・デ・アンドラーデ(ドロシー・ラムーア)がいないことをトリガーに伝えて、トニー(ジョセフ・ヴィターレ)と共に彼女を捜す。

救命ボートに隠れたスキャットとホット・リップスは、海を見つめながら泣いているルシアに気づく。

スキャットとホット・リップスは、海に飛び込もうとしたルシアを助けて、考え直した彼女を部屋に送ろうとする。

その様子を見ていたキャサリンは、スキャットとホット・リップスが何者か考え、トリガーとトニーは、2人が自分たちのスーツを着ていることに気づく。

ホット・リップスはトラブルを避けてボートに戻るが、スキャットはルシアの悩みを聞く。

男性関係の問題だと言うルシアは、本当のおばではないが、後見人キャサリンの弟シャーマン・マロリー(ジョージ・ミーカー)を愛し、リオデジャネイロで結婚することをスキャットに話す。

キャサリンに相談するべきだと言われたルシアは、優しい彼女が心を痛めるとスキャットに伝える。

最近、おかしいと感じる自分は、考えが知らぬ間に変わり、数日間の記憶がなくなることもあるというルシアの話を聞いたスキャットは、彼女のことを気遣う。

スキャットは、自分とホット・リップスがエキストラ出演する映画が上映されるスクリーンの裏で、ルシアを励まし抱き合う。

映画は終り、スキャットとルシアが抱き合うシルエットがスクリーンに映しだされる。

ボートに戻ったスキャットは、ホット・リップスから、ルシアにはかかわらない方がいいと忠告される。

その後、眠っているルシアを起こしたキャサリンは、彼女に催眠術をかけて、シャーマンを愛していることを確認する。

キャサリンは、スキャットとホット・リップスは密航者で、通報するべきであり、憎み嫌い軽蔑するようにと伝えてルシアを眠らせる。

朝になり、スキャットとホット・リップスは、デッキで朝食をとる男性を船酔いさせて、席を外した間に食事を奪おうとするものの、自分たちも気分が悪くなってしまう。

通報されたスキャットとホット・リップスの荷物が、救命ボートから発見される。

キャサリンと共に現れたルシアに声をかけたスキャットだったが、嫌いだと言う彼女に頬を叩かれてしまう。

ルシアは、パーサー(ハリー・ウッズ)に2人が密告者だと伝える。

パーサーを殴ったスキャットとホット・リップスは逃げ去り、トニーが髭を剃っていた床屋に逃げ込む。

床屋を拘束したスキャットとホット・リップスは、自分たちを捜すパーサーに気づかれないようにして、眠っているトニーの髭を剃り靴を磨く。

ホット・リップスは、誤ってトニーの髭を剃ってしまい、眉を切ったり靴墨を使って何とか元に戻そうとする。

目覚めたトニーは、髭を剃り落されたために驚き、スキャットとホット・リップスは、現れたパーサーと共にその場を去り結局は拘束される。

解放されてハーモン船長(スタンリー・アンドリュース)に呼ばれたスキャットとホット・リップスは、船賃の代わりに楽団で演奏してほしいと言われ、その場にいたルシアのおかげだということを知り戸惑う。

嫌いだと言った理由が自分にも分からないと2人に話すルシアは、スキャットにキスしようとするものの、ホット・リップスに制止される。

2人にすると言ってホット・リップスにキスしたルシアは、男女の関係より、男同士の友情が大事だと分かったと話すスキャットの考えを理解する。

その夜から船の楽団に加わったスキャットは、アンドリューズ・シスターズと歌い、ホット・リップスは演奏で盛り上げる。

スキャットがステージを下り、彼を追うようにルシアが席を外したため、キャサリンはトリガーとトニーに2人を監視させる。

部屋に戻ったルシアは、トリガーとトニーが隠れているとは知らずに、キャサリンに届いた電報のことを話しスキャットに相談する。

スキャットは、”ロドリゲスは書類のことを知っている”というシャーマンからの電報の内容を確認し、ロドリゲス(フランク・パグリア)がキャサリンの弁護士だということを知る。

シャーマンの目的は金だと考えたスキャットは、キャサリンがルシアを支えていると言われても、謎めいた彼女を好きになれない。

自分も最近キャサリンを不審に思うと話すルシアに、力になることをスキャットは約束する。

そこにホット・リップスが現れ、スキャットはソファの裏に隠れる。

ルシアはホット・リップスに惹かれているふりをするが、スキャットがいることがバレてしまい、2人はその場を去ろうとする。

そこにキャサリンが現れたために、スキャットとホット・リップスはクローゼットに隠れる。

キャサリンから船長が呼んでいると言われたルシアは、2人で部屋を出る。

スキャットとホット・リップスは、トリガーとトニーに叩きのめされる。

リオデジャネイロ
船は寄港し、シャーマンが迎えに来ていることを知ったキャサリンは、ルシアがいないことに気づく。

スキャットは、コントラバスのケースにルシアを入れて、気づかれないようにして船から連れ出そうとする。

コントラバスの奏者と共演することをホット・リップスに伝えたスキャットは、彼にケースを運ぶのを手伝わせ、キャサリンに気づかれないまま船を降りる。

ロドリゲスのことを気にするキャサリンは、挙式だけできればいいと言って、書類をシャーマンに見せる。

キャサリンは、ルシアがいないと言うトリガーとトニーに、彼女を捜すことと、スキャットとホット・リップスの始末を任せる。

その様子を見ていたロドリゲスは、ルシアのことを船長に尋ね、2人の楽士と一緒かもしれないと言われ、彼らを捜す。

スキャットと共にホテルにケースを運んだホット・リップスは、ルシアがケースに入っていたことを知り驚く。

ホット・リップスは、トリガーとトニーに痛めつけられることを恐れ、ルシアを追い払おうとするものの、彼女に迫られて考えを変える。

興行主のカルドーソ(ネスター・パイヴァ)に連絡したスキャットは、自分とホット・リップスに加えて3人のメンバーがいることを話し契約する。

表で芸をしている3兄弟のミュージシャン(ウィアー・ブラザース)を誘おうとしたスキャットとホット・リップスは、トリガーに銃で銃で狙われるものの、難を逃れる。

3兄弟と話をつけたスキャットとホット・リップスは、トリガーとトニーに上の階から植木を落とされるものの無事だった。

シャーマンとクラブに向かったキャサリンは、スキャットとホット・リップス、そしてルシアも出演することを知る。

スキャットとホット・リップスは、3兄弟をカルドーソに紹介し、多少もめるものの、ルシアも加えてステージに上がる。

歌い終えたルシアは、キャサリンが客席にいることをスキャットに伝える。

カルドーソは見事なパフォーマンスだったと言って喜び、スキャットとホット・リップスに専属契約することを約束する。

キャサリンとシャーマンの席に向かったルシアは、結婚する気がないことを伝えて話をすることになる。

ルシアに優しく語りかけたキャサリンは、幸せそうには見えないので力になると言いながら、首飾りを使い彼女に催眠術をかける。

カルドーソと5年契約をして祝杯を挙げたスキャットとホット・リップスは、戻って来たルシアから再び嫌いだと言われ、頬を叩かれる。

ルシアは、アメリカ人は2人だけで3兄弟は現地人だと言って、スキャットとホット・リップスがウソを言っていることをカルドーソに伝える。

激怒したカルドーソは、5人を追い出してしまう。

シャーマンに書類を渡したキャサリンは、農園の金庫に入れておくよう指示し、スキャットとホット・リップスは始末すると伝える。

3兄弟と別れたスキャットとホット・リップスは、車に乗るキャサリンから、1万ドルを渡すので出国するようにと言われ、彼女の屋敷に誘われる。

3兄弟は、キャサリンに気づかれないようにして車にしがみついていた。

クラブに着いたロドリゲスは、その場にいた男たちに、スキャットとホット・リップスのことを尋ねて後を追う。

屋敷に着き、キャサリンにもてなされたスキャットとホット・リップスは、現金の1万ドルの代わりに渡すと言って、首飾りの宝石を見せる。

キャサリンは、5万ドルはすると話しながら、それを使い2人に催眠術をかける。

スキャットとホット・リップスは、キャサリンから憎み合う貴族だと言われて決闘することになり、車で郊外に連れて行かれ、3兄弟もついて行く。

トリガーとトニーは、スキャットとホット・リップスに拳銃を渡し、決闘の準備をして立ち去る。

目覚めたホット・リップスは、スキャットに催眠術だと伝えるものの撃たれてしまう。

発砲した拍子に目覚めたスキャットは、ホット・リップスが死んだと思い、今まで彼を騙し続けたことを後悔する。

生きていたホット・リップスは苛立ちながら立ち上がり、自分の墓穴を掘っていた3兄弟に気づく。

ルシアも催眠術をかけられていたと考えたスキャットは、シャーマンとの結婚も仕組まれたものだと気づく。

ルシアに好かれていると言ってホット・リップスをおだてたスキャットは、彼女を捜し、午後カンピーナスで結婚式が行われることを知る。

500キロも離れている場所にどうやって行くか考えるスキャットとホット・リップスは、その場に現れたロドリゲスから、キャサリンの農園の金庫に書類があることを知らされる。

それを結婚式に出席する市長のプレフェイトに渡せば、式を中止できると話したロドリゲスは、納得したスキャットとホット・リップスに金を渡し、飛行機で現地に向かわせる。

カンピーナス
到着したスキャットとホット・リップスはキャサリンの農園に向かい、ルシアを捜すものの、トリガーとトニーに見つかる。

ルシアに催眠術をかけたキャサリンが部屋を出た後、スキャットとホット・リップスは、その場に侵入して金庫を探す。

そこに、トリガーとトニーから2人のことを知らされたキャサリンが戻り、絵画の裏の壁に隠された金庫の中の書類があることを確認する。

その様子を見て金庫の番号も知ったスキャットとホット・リップスは、キャサリンらが出た後で書類を奪い逃げる。

それに気づいたトリガーとトニーは2人を追う。

その頃ロドリゲスは、部隊(ジェリー・コロンナを含め)を引き連れて農園に向かっていた。

テーブルの下に隠れるスキャットとホット・リップスは、トリガーとトニーの靴ひもを結ぶ。

トリガーとトニーは逃げる2人を見つけてるものの、転んでしまう。

盛り上がる会場で3兄弟の芸が大いに受け、カップルに扮したスキャットとホット・リップスも踊る。

トリガーとトニーに見つかった2人はその場から逃げて、市長が来たことを知るものの捕まってしまう。

スキャットとホット・リップスは、その場の壁時計の振り子を利用してトリガーとトニーに催眠術をかけ、2人は互いを殴り気を失う。

式が始まり、それを中止させたスキャットとホット・リップスは、ルシアが催眠術をかけられていることを知る。

キャサリンは2人を逮捕するよう指示し、スキャットは書類を市長に見せようとする。

それを奪おうとしたキャサリンは、誤って手がルシアの顔に触れてしまい、その瞬間、彼女の意識が戻る。

スキャットから書類を渡された市長は、逃げたキャサリンとシャーマンを逮捕するよう命ずる。

催眠術をかけられたトリガーとトニーが、キャサリンとシャーマンを捕らえ、4人は警官に連行される。

市長に感謝されたスキャットは書類を確認し、内容を尋ねるホット・リップスに、”世に知られてはならない”と答える。

事件は解決してしまい、間に合わなかったものの、救援部隊(ジェリー・コロンナ)は、エキサイティングだったと言って満足する。

ナイアガラの滝
スキャットは、ルシアがホット・リップスを愛していることを知りショックを受ける。

部屋を出たスキャットは納得できず、鍵穴から中を覗くと、ホット・リップスがルシアに催眠術をかけていた。


解説 評価 感想

参考:
・「シンガポール珍道中」(1940)
・「アフリカ珍道中」(1941)
・「モロッコへの道」(1942)
・「アラスカ珍道中」(1946)
・「南米珍道中」(1947)
・「バリ島珍道中」(1952)
・「ミサイル珍道中」(1962)

*(簡略ストーリー)
落ちぶれた楽士スキャット・スウィーニーとホット・リップス・バートンは、雇われたカーニバルでトラブルを起こして逃亡し、ブラジル行きの船に密航する。
そんなスキャットとホット・リップスは、自殺しようとする令嬢ルシアを助ける。
ルシアに惹かれてしまった2人は、彼女の後見人である謎めいた女性キャサリンや部下に監視されながら、リオデジャネイロに向かうのだが・・・。
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ビング・クロスビーボブ・ホープによる大ヒットコメディ”珍道中シリーズ”の第5作。

落ちぶれた2人組の楽士が、謎の令嬢を助けるために巻き起こす騒動を描くコメディ。

主人公の2人が、カーニバルでトラブルを起こす冒頭がまず可笑しい。
令嬢の財産を狙う、謎の後見人が企む陰謀に巻き込まれながら行動する、間抜けな主人公を演ずるビング・クロスビーボブ・ホープなのだが、随所で披露する息の合ったパフォーマンスなどは見事であり、ウィアー・ブラザースアンドリューズ・シスターズの出演など見どころ満載の作品に仕上がっている。

後見人に催眠術で操られる令嬢ドロシー・ラムーアを巡る恋のトラブルもユーモラスに描かれ、ミュージカル・タッチのシーンも楽しめる実に愉快な作品だ。

第20回アカデミー賞では、ミュージカル音楽賞にノミネートされた。

ヒロインの財産を狙う後見人を、謎めいた雰囲気で演ずるゲイル・ソンダガード、その部下フランク・フェイレンとジョセフ・ヴィターレ、後見人と手を組む弟ジョージ・ミーカー、主人公らに手を貸そうとする後見人の弁護士フランク・パグリア、主人公らを雇う興行主ネスター・パイヴァ、カーニバルの団長ロバート・バラット、客船の船長スタンリー・アンドリュース、パーサーのハリー・ウッズ、主人公と組むミュージシャンの3兄弟ウィアー・ブラザース、主人公と共にステージで歌うアンドリューズ・シスターズ、終盤に結婚式女王に向かうジェリー・コロンナ、ナイトクラブのパフォーマー役マルキータ・リヴェラ、カーニバルの巨漢の男トー・ジョンソンなどが共演している。


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