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ピクニック Picnic (1955)

劇作家ウィリアム・インジによる1953年に上演されてロングランを記録したブロードウェイ同名舞台劇の映画化。
田舎町に現れた無一文の青年が平凡な日々を過ごしていた人々に変化を与えつつ美しい親友の恋人に惹かれたことで思い悩む姿を描く、監督ジョシュア・ローガン、主演ウィリアム・ホールデンキム・ノヴァクスーザン・ストラスバーグロザリンド・ラッセルアーサー・オコンネルクリフ・ロバートソン他共演のラブ・ロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

キム・ノヴァク / Kim Novak / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョシュア・ローガン

製作:フレッド・コールマー
原作:ウィリアム・インジ
脚本:ダニエル・タラダッシュ
撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
編集
ウィリアム・A・ライオン

チャールズ・ネルソン
美術・装置
ウィリアム・フラナリー

ジョー・ミルツィナー
ロバート・プリストリー
作曲:ジョージ・ダニング

出演
ウィリアム・ホールデン:ハル・カーター
キム・ノヴァク:マッジ・オーウェンス
スーザン・ストラスバーグ:ミリー・オーウェンス
ロザリンド・ラッセル:ローズマリー・シドニー
アーサー・オコンネル:ハワード・ベヴァンス
ベティ・フィールド:フロー・オーウェンス
クリフ・ロバートソン:アラン・ベンソン
ヴェルナ・フェルトン:ヘレン・ポッツ
ニック・アダムス:ボンバー
レイモンド・ベイリー:ベンソン
エリザベス・ウィルソン:クリスティン・スコンウォルダー

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1955年製作 112分
公開
北米:1955年11月
日本:1956年3月14日


アカデミー賞 ■
第28回アカデミー賞

・受賞
編集・美術賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(アーサー・オコンネル
作曲賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1955年9月5日、レイバーデー
無一文の青年ハル・カーター(ウィリアム・ホールデン)は、カンザス州のある町に貨物車に乗りたどり着く。

ハルは、ポッツ夫人(ヴェルナ・フェルトン)の家の庭先を掃除して、食事を恵んでもらおうとする。

ポッツ夫人は、今日がレイバーデーだということをハルに知らせ、家に招き入れ食事を与える。

朝食を済ませ、早速ポッツ家の掃除を始めようとしたハルは、汚れているシャツを洗濯してくれるというポッツ夫人にそれを渡し、上半身裸で仕事を始める。

ハルは、大学の同窓生で、地元の実業家の息子アラン・ベンソン(クリフ・ロバートソン)を訪ねて、この町にやって来たのだった。

ポッツ家の隣人オーウェンス家は、母フロー(ベティ・フィールド)、美しい長女マッジ(キム・ノヴァク)、男の子のような次女ミリー(スーザン・ストラスバーグ)、そして、下宿人の中年女性教師ローズマリー・シドニー(ロザリンド・ラッセル)の4人暮らしだった。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1955年9月5日、レイバーデー
無一文の青年ハル・カーターは、大学の親友アランを頼ってカンザスの田舎町を訪れる。
ハルは、ポッツ夫人の家の庭先を掃除して食事を恵んでもらう。
ポッツ家の隣人オーウェンス家には、母フローと二人の娘マッジとミリー、そして下宿人の中年女性教師ローズマリーが住んでいた。
半裸で作業をするハルに、女達は注目し、言葉を交わし、マッジは彼に惹かれてしまう。
マッジはアランと交際していたのだが、玉の輿を狙う母にそれを強要されていることや、美人だということで、周囲にちやほやされることにも嫌気がさしていた。
アランを訪ねたハルは、その後、町の女性達の注目を集め、ピクニックに誘われ、彼はミリーをエスコートすることになる。
そんなハルが、会場でマッジと顔を合わせた瞬間、周囲はただならぬ雰囲気を感じる・・・。
__________

ウィリアム・インジ同名舞台劇は、ピューリッツァー賞ニューヨーク批評家賞を受賞している。

舞台と同じであるジョシュア・ローガンの演出、オリジナル・キャストとして、人は良いが優柔不断な商人アーサー・オコンネルが同じ役を演じ、舞台のアラン役は、映画デビュー前のポール・ニューマンが演じている。

第28回アカデミー賞では作品賞以下6部門にノミネートされ、編集と美術賞を受賞した。
・ノミネート
作品、監督
助演男優(アーサー・オコンネル
作曲賞(ドラマ・コメディ)

ドラマは、浮浪者寸前の青年と若く美しい女性のロマンスを中心に描かれているのだが、ストーリーは田舎町の素朴な生活を、ユーモアもまじえながら情感豊かに展開する。
ジョシュア・ローガンは、多彩な登場人物の心理を繊細に描き、人間ドラマとしても見応えある作品に仕上げている。

冷静に考えると、主人公2人の将来を心配する、マッジ(K・ノヴァク)の母親の言葉が最も現実的であり、誰の目から見ても、青年と女性の生活が幸せにつながるとは思えない。
しかし、新たな人生に踏み出すことで、人間として成長していくだろうということを予測させるラストは、主人公達の夢や希望が満ち溢れ、清々しい幕切れとなっている。

また、夏の終わりと、新学期を翌日に控える、住民達のピクニックの様子が実に楽しく描かれ、物語のキーポイントとなる、川辺での主人公2人の優美なダンスと、突然巻き起こるトラブル、そのドラマチックな展開と緊迫感も忘れ難いシーンだ。

そのダンスの背景で流れる、主題曲”ムーングロウ”も当時大ヒットした。

コミカルな演技もまじえながら、男臭さもにじませる、全盛期のウィリアム・ホールデンの魅力と、前年映画デビューしたばかりとは思えない、物憂気な女性を見事に演じたキム・ノヴァクの美しさは際立ち、彼女の人気を決定的にした作品でもある。

主人公にピクニックに誘われるあたりから、徐々に女心に目覚めていくヒロインの妹役スーザン・ストラスバーグ、悪酔いして騒動を起こす中年女性ロザリンド・ラッセル、彼女と交際を続け、成り行きで結婚することになるアーサー・オコンネル、娘を良家に嫁がせることに執着する母親ベティ・フィールド、実業家の御曹司クリフ・ロバートソン、思慮深い老婦人ヴェルナ・フェルトン、新聞配達少年ニック・アダムスなどが共演している。


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