1970年代のオカルト映画ブームの代表作「オーメン」(1976)の続編。 叔父夫婦に預けられた悪魔の子の周辺で起きる恐怖を描く、監督ドン・テイラー、主演ウィリアム・ホールデン、リー・グラント、ジョナサン・スコット・テイラー他共演のオカルト映画。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ドン・テイラー
原案:ハーヴェイ・バーンハード
原作:デヴィッド・セルツァー(キャラクター創造)
製作
ハーヴェイ・バーンハード
メイス・ニューフェルド
脚本
スタンリー・マン
マイク・ホッジス
撮影:ビル・バトラー
編集:ロバート・ブラウン
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演
リチャード・ソーン:ウィリアム・ホールデン
アン・ソーン:リー・グラント
ダミアン・ソーン:ジョナサン・スコット・テイラー
マーク・ソーン:ルーカス・ドーナット
チャールズ・ウォーレン:ニコラス・プライヤー
マリオン:シルビア・シドニー
ポール・バハー:ロバート・フォックスワース
ビル・アサートン:リュー・エアーズ
デヴィッド・パサリアン:アラン・アーバス
ダニエル・ネフ軍曹:ランス・ヘンリクセン
テディ:ジョン・J・ニューカム
ジョーン・ハート:エリザベス・シェパード
ケイン医師:メシャック・テイラー
マイケル・モーガン:イアン・ヘンドリー
カール・ブーゲンハーゲン:レオ・マッカーン
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1978年製作 107分
公開
北米:1978年6月9日
日本:1979年2月10日
製作費 $6,800,000
北米興行収入 $26,518,355
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
イスラエル。
亡くなった駐英アメリカ大使ロバート・ソーンとキャサリン夫妻が埋葬されたことを知った考古学者カール・ブーゲンハーゲン(レオ・マッカーン)は、二人の息子ダミアンが生存していることを知る。
ブーゲンハーゲンは、友人の考古学者マイケル・モーガン(イアン・ヘンドリー)に、ダミアンが悪魔の子であることを伝える。
自分の子が悪魔だと知ったソーンはダミアンを殺そうと考え、相談されたブーゲンハーゲンは、短剣を渡したことをモーガンに伝える。
ブーゲンハーゲンは、ソーンの弟リチャード(ウィリアム・ホールデン)に、持参した箱を渡すことをモーガンに依頼する。
その話を信じられないモーガンを連れて遺跡に向かったブーゲンハーゲンは、証拠となる”イガエルの壁画”をモーガンに見せるが、その場が崩れ始める。 二人は生き埋めになり、遺跡は崩壊する。 7年後、シカゴ。 屋敷に滞在していた伯母のマリオン(シルビア・シドニー)は、ダミアンを警戒していた。 幼年兵学校に通うダミアンとマークを送り出したリチャードは、食事の際、二人を引き離すべきだとマリオンに言われる。 マリオンは、兄ロバートがダミアンを殺そうとした話を持ち出し、それには何か恐ろしい理由があると伝える。 激怒して興奮するアンは、マリオンを追い出そうとする。 その場にいた”ソーン美術館”館長のチャールズ・ウォーレン博士(ニコラス・プライヤー)は、その様子を見て驚く。 チャールズは、発掘された”大淫婦バビロン”の像を今回の展示物とすることをリチャードに伝える。 リチャードは、亡くなった考古学者ブーゲンハーゲンの伝記を執筆中の記者ジョーン・ハート(エリザベス・シェパード)が、会いたがっているということもチャールズから知らされる。 その後、窓を開けて眠っていたマリオンは、現れたカラスに驚き、心臓発作を起こして死亡する。 翌日、ダミアンとマークは、新任の小隊長ダニエル・ネフ軍曹(ランス・ヘンリクセン)の話を聞く。 アンは、起きてこないマリオンが死亡しているのを発見する。 幹部のポール・バハー(ロバート・フォックスワース)が推進する農業事業に異論を唱える、同じ幹部のビル・アサートン(リュー・エアーズ)、そして科学者のデヴィッド・パサリアン博士(アラン・アーバス)と共にプロジェクトについてを話し合っていたリチャードは、マリオンの死を知らされて屋敷に戻る ネフ軍曹に呼ばれたダミアンは、同じ両親がいない身の上ということもあり、相談に乗ることを彼に伝える。 その後ダミアンは、マークに言いがかりをつけていたテディ(ジョン・J・ニューカム)を痛めつけてしまう。 翌朝、ポールを呼んだリチャードは、彼の案は保留することを伝えるが、人材としての将来性は認める。 空港に向かおうとしていたリチャードは、声をかけて来た記者ハートを車に乗せる。 しかし、ブーゲンハーゲンと兄ロバートととの関係や危険が迫っていることなどを知らされたリチャードは、彼女を車から降ろしてしまう。 チャールズと美術館にいたアンは、現れたハートに危険を知らされ、”イガエルの壁画”を見たという彼女が、ダミアンのことを言いかけて去ったことを気にする。 幼年兵学校に向かったハートは、ダミアンの顔を見て驚く。 その帰り道の街道で車が止まり、ハートはカラスに襲われて目を潰される。 そしてハートは、トラックに轢かれて死亡する。 マークの誕生パーティーが開かれ、ポールは、ネフ軍曹のことなどをダミアンに聞く。 大人としての自覚を持つべきだと言われたダミアンは、何かを行うことを感じていることをポールに伝える。 翌日、湖の氷上でホッケーを楽しんでいたビルは、パックを追い立ち入り禁止区域に入ってしまい、氷が割れたため水に落ちてしまう。 その場にはカラスがいて、ポールはその様子を見つめていた。 リチャードらは必死に助けようとするが、ビルは力尽きて水死する。 心を痛めるリチャードは、ポールに次期社長を任せる。 その後、旅行から戻ったリチャードは、ポールがプロジェクトを実行したことを知り、自分に話さずに進めたことについて意見する。 歴史の授業の最中、教師に注意され全ての質問に答えるダミアンは、現れたネフ軍曹に呼ばれる。 目立つことをしてはいけないと言われたダミアンは、いずれ何者かが分かると語るネフから、それを知りたければ、新約聖書の黙示録の13章を読むように指示される。 自分の頭髪の下の獣の数字”666”を確認したダミアンは動揺してしまい、ネフはその様子を確認する。 インドの視察から戻ったパサリアンは、リチャードに連絡するものの、不在だったっためにポールに電話をする。 ポールに会ったパサリアンは、土地売却の件で地主が数人殺されていることを伝える。 翌日、指示されていたプラントのチェックを始めたパサリアンの目の前で事故が起き、工場見学に来ていたダミアンら学生達は避難する。 パサリアンは、捜査不能のバルブを手動で閉鎖しようとするが、有毒ガスにより死亡する。 ダミアンはそれを確認しながらその場を離れ、現れたポールと目を合わせる。 子供達を病院に連れて行き検査を受けさせたリチャードは、ダミアンだけが全く影響を受けていなかったことをケイン医師(メシャック・テイラー)から知らされる。 ダミアンを入院させて検査をしたいというケインだったが、ダミアンがそれを拒んだために、後日それを行うことにする。 その夜、ダミアンの血液を調べていたケインは、それがジャッカルの血液と一致したことで驚く。 専門医に意見を求めようとしたケインは、エレベーターの事故で死亡する。 それを知ったリチャードは、ダミアンだけが影響なかったと言っていたケインの言葉を気にする。 美術館に届いた箱の中を確認したチャールズは、それがブーゲンハーゲンから送られてきた物と気づく。 短剣などをチェックして驚いたチャールズは、それを知らせるためにソーンの屋敷に向かう。 出迎えたダミアンを気にしながらリチャードに会ったチャールズは、ダミアンを殺すため兄ロバートに短剣を渡したブーゲンハーゲンから箱が届いたことを知らせる。 その中にあった、ブーゲンハーゲンが7年前に送ろうとした手紙を渡したチャールズは、ダミアンが悪魔の子で、”黙示録”の獣ジャッカルから生まれたという内容だったことを話す。 ”イガエルの壁画”が証拠だと言うチャールズは、それを信じないリチャードに、翌日ニューヨークに到着する壁画を見て確かめることを伝えてその場を去る。 二人の話を聞いていたマークは”黙示録”を読み、リチャードは、ブーゲンハーゲンの手紙の内容を確認してベッドに入る。 翌日、出かけたマークの様子を気にしながら、リチャードは例の手紙をアンに見せる。 その内容を確かめるために、ニューヨークに行くことをアンに納得させたリチャードは、ダミアンも家を出たことを知り、アンと共に後を追う。 マークは現れたダミアンに、自分や父そしてチャールズも全てを知ったことを伝え、獣であるダミアンが、父ロバートも殺そうとしたと言って動揺する。 ロバートとキャサリンの養子だと言って、ジャッカルの子だと認めたダミアンをマークは拒む。 ダミアンは、自分に従わないマークを苦しめて殺してしまう。 そこに現れたリチャードは、何もしていないと言うダミアンに家に戻るよう指示し、マークの死を知ったアンは絶叫する。 自然死と断定されたマークの葬儀が行われ、ダミアンは疑われなかった。 リチャードはニューヨークに向かい、”イガエルの壁画”を見て混乱するチャールズに会い、それにダミアンが描かれていたことを知る。 チャールズに連れられて壁画のある鉄道のコンテナに向かったリチャードは、それに描かれたダミアンの顔を確認する。 突然、動き出した貨物車両がコンテナに激突し、外にいたリチャードは連結器に挟まれて死亡する。 無事だったリチャードは、チャールズの死を確認する。 幼年兵学校の卒業式が行われ、最優秀成績者としてダミアンが表彰される。 シカゴに戻ったリチャードはアンに迎えられ、ダミアンを美術館に呼ぶ。 リチャードは、マークもビルも殺した何人も味方がいるダミアンが、今後も邪魔者を殺し続けることをアンに話す。 それを信じないアンに、壁画にダミアンの顔が描かれていたことを伝えたリチャードは、ブーゲンハーゲンから送られてきた短剣を探す。 チャールズのデスクの鍵のかかった引き出しをこじ開けたリチャードは、短剣を手にしたアンに自分も味方だと言われて刺殺される。 美術館に着いたダミアンは、自分を呼ぶアンの居る部屋に火を放ち、建物から出て運転手に微笑む。
...全てを見る(結末あり)
12歳のダミアン(ジョナサン・スコット・テイラー)は、実業家のリチャードと妻アン(リー・グラント)、リチャードの先妻の子マーク(ルーカス・ドーナット)と暮らしていた。
それを知ったロバートがブーゲンハーゲンに会ったことや、犠牲者が5人も出たことを話すチャールズは、自分達を含めたダミアンの周辺の者が危険だと伝える。
参考:
・「オーメン」(1976)
・「オーメン2/ダミアン」(1978)
・「オーメン/最後の闘争」(1981)
・「オーメン4」(1991)*テレビ映画
・「オーメン」(2006)
*(簡略ストー リー)
駐イギリス大使ロバート・ソーンが死亡し、息子ダミアンが悪魔の子であることを知る考古学者ブーゲンハーゲンが、その証拠の壁画がある遺跡で死亡する。
7年後、12歳のダミアンは実業家の叔父リチャード・ソーンと妻アン、その息子マークと暮らしていた。
ある日、ロバートがダミアンを殺そうとしたことを知る伯母マリオンは心臓発作で死亡し、ブーゲンハーゲンの伝記を執筆中の記者ハートとリチャードの部下である幹部ビルも事故死する。
マークと共に幼年兵学校で過ごしながら、自分が特別だと気づいていたダミアンは、上官ネフ軍曹から、それを知りたければ、新約聖書の黙示録を読むように指示される。
そして、ダミアンは頭髪の下の獣の数字”666”を確認し、自分が悪魔の子であることを知る・・・。
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既にシリーズ化が決まっていたためか、前作の内容を継承しつつ、同じような変死シーンが展開する物語となっている。
何かを感じながらも、中盤までは自分の正体に気づかない悪魔の子”ダミアン”が、周囲の”味方”に守られているという内容で、ダミアン自身が手を下す恐怖が予想される、次回作に期待させるラストが印象的だ。
恐怖を煽るお馴染の音楽は、前作でアカデミー作曲賞を受賞したジェリー・ゴールドスミス。
前作の主人公が大物グレゴリー・ペックだったということで、本作もそれに匹敵する大スターのウィリアム・ホールデンが主演に起用された。
急激にやつれてしまったのが気になる、撮影当時まだ50代のウィリアム・ホールデンは少々、痛々しい感じがするものの、悪魔と戦わねばならない家族の宿命を背負う大企業のオーナーを好演している。
クライマックスで意外な事実が分かる主人公の妻リー・グラント、悪魔の子ダミアンを演ずるジョナサン・スコット・テイラー、主人公の息子ルーカス・ドーナット、美術館館長ニコラス・プライヤー、主人公の伯母シルビア・シドニー、主人公の後継者ロバート・フォックスワース、企業の幹部リュー・エアーズ、科学者アラン・アーバス、幼年兵学校の軍曹ランス・ヘンリクセン、記者エリザベス・シェパード、医師メシャック・テイラー、前作に続き登場する考古学者レオ・マッカーン、その友人の考古学者イアン・ヘンドリーなどが共演している。