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ロリータ Lolita (1962)

1955年に発表された、ウラジミール・ナボコフ同名小説の映画化。
下宿の未亡人の娘に心奪われてしまった大学教授の抑えきれない思いを描く、監督スタンリー・キューブリック、主演ジェームズ・メイソンスー・リオンシェリー・ウィンタースピーター・セラーズ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:スタンリー・キューブリック
製作:ジェイムズ・B・ハリス
原作:ウラジミール・ナボコフ
脚本:ウラジミール・ナボコフ
撮影:オズワルド・モリス
編集:アンソニー・ハーヴェイ
音楽:ネルソン・リドル

出演
ジェームズ・メイソン:ハンバート・ハンバート
スー・リオン:ドロレス”ロリータ”ヘイズ
シェリー・ウィンタース:シャーロット・ヘイズ
ピーター・セラーズ:クレア・クィルティ
マリアン・ストーン:ヴィヴィアン・ダークブルーム
ロイス・マクスウェル:メアリー・ロア

イギリス/アメリカ 映画
配給 MGM
1962年製作 152分
公開
イギリス:1962年9月
北米:1962年6月13日
日本:1962年9月22日
製作費 $2,000,000


アカデミー賞 ■
第35回アカデミー賞
・ノミネート
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
大学教授ハンバート・ハンバート(ジェームズ・メイソン)は、作家のクレア・クィルティ(ピーター・セラーズ)を射殺する。

4年前、ニューハンプシャー州、ラムズデール。
オハイオの大学に招かれた、イギリス人でフランス文学の教授ハンバートは、その前に休暇をとる目的でこの地を訪れる。

ハンバートは、未亡人シャーロット・ヘイズ(シェリー・ウィンタース)の家に下宿することになる。

その後ハンバートは、シャーロットの娘ドロレス”ロリータ”(スー・リオン)の怪しげな魅力に心を奪われてしまう。

ダンスパーティーに出席したハンバートは、ロリータが同世代の青年と踊るのを見て嫉妬し、彼女が友人宅に宿泊することになり、自宅でシャーロットと二人きりになってしまう。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
イギリス人の大学教授ハンバートは、休暇をとるためニューハンプシャー州ラムズデールを訪れる。
ハンバートは、未亡人シャーロットの家に下宿することになるが、彼女の娘ロリータの怪しげな魅力に心奪われてしまう。
やがて、ハンバートは、自分に心を寄せるシャーロットに求婚され、ロリータと生活するために、彼はそれを承諾してしまう。
しかしシャーロットは、ロリータを寄宿学校に入れようとする。
そのため、ハンバートはシャーロットに対して殺意まで抱くのだが思い止まる。
その直後、ハンバートはロリータへの思いをシャーロットに知られてしまい、取り乱した彼女は、自ら身を投げて車に轢かれ事故死してしまう。
ハンバートは、ロリータにはそれを知らせずに、彼女を連れホテルに向かうのだが・・・。
__________

原作と本作の大筋の展開はほぼ同じだが、ナボコフ本人の脚色によって、かなり内容は変更されており、母親シャーロット、ロリータの描かれ方や人物像は、原作とはかなり違っている。

逆に1997年の再映画化作品「ロリータ」は、かなり原作に忠実に描かれている。
また、1960年代初頭の作品ということもあり、性描写もない。

第35回アカデミー賞では、ナボコフが脚色賞にノミネートされた。

数千人のオーディションでも見つからず、偶然、出演が決まった”ロリータ”役のスー・リオンが、やや魅力に乏しく、唯のわがままでおませな少女という域を脱していない。

母親の自殺辺りまでは、その展開に切れを感じるスタンリー・キューブリックの演出だが、旅を続ける後半はだれてきて、2時間30分を超える上映時間は長すぎる気もする。

ロリータの登場シーンで、度々流れるボブ・ハリスの主題曲が効果的に使われているが、小悪魔的な雰囲気もあまりないスー・リオンには、正直に言ってあまり合わない。

ロリータの魅力にとり憑かれる大学教授、主人公のジェームズ・メイソンが、異常者のようになっていく心理的表現や、娘の躾に手こずり、夫(J・メイソン)にヒステリーを起こすシェリー・ウィンタース、自分の”所有物”のようにロリータを扱い、ゲーム感覚で主人公をからかうピーター・セラーズらの熱演は光る。

007シリーズのマネーペニー役ロイス・マクスウェルが看護師役で登場し、翌月、イギリス国内では「ドクター・ノオ」(1962)が公開されることになる。


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