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007/死ぬのは奴らだ Live and Let Die (1973)

007シリーズ第8作。
1954年に発表された、イアン・フレミング原作のシリーズ第2作”Live and Let Die”を基に製作された作品で、ボンド役としてロジャー・ムーアが登場した。
麻薬で社会を壊滅させようとする犯罪組織に立ち向かうMI6諜報員ジェームズ・ボンドの活躍を描く、製作ハリー・サルツマンアルバート・R・ブロッコリ、監督ガイ・ハミルトン、主演ロジャー・ムーアヤフェット・コットージェーン・シーモアジュリアス・W・ハリスジェフリー・ホールダー他共演のスパイ・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


007
007 / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ガイ・ハミルトン
製作
アルバート・R・ブロッコリ

ハリー・サルツマン
原作:イアン・フレミング
脚本:トム・マンキーウィッツ
撮影:テッド・ムーア
編集
バート・ベイツ

レイモンド・ポウルトン
ジョン・シャーリー
メインタイトル・デザイン:モーリス・ビンダー
音楽
ジョージ・マーティン

モンティ・ノーマン:ジェームズ・ボンドのテーマ
主題歌:ポール・マッカートニー&ウィングスLive and Let Die

出演
ジェームズ・ボンド:ロジャー・ムーア
Dr.カナンガ/Mr.ビッグ:ヤフェット・コットー
ソリティア:ジェーン・シーモア
G.W.ペッパー保安官:クリフトン・ジェームズ
ティー・ヒー・ジョンソン:ジュリアス・W・ハリス
サメディ男爵:ジェフリー・ホールダー
フェリクス・ライター:デヴィッド・ヘディソン

ロージー・カヴァー:グロリア・ヘンドリー
M:バーナード・リー
マネーペニー:ロイス・マクスウェル
クォレルJr.:ロイ・スチュワート
ハロルド・ストラッター:ロン・サットン
カルーゾー:マデリン・スミス

イギリス 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1973年製作 121分
公開
イギリス:1973年7月6日
北米:1973年6月27日
日本:1973年7月28日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $35,377,840
世界 $161,800,000


アカデミー賞
第46回アカデミー賞

・ノミネート
歌曲賞”Live and Let Die


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク国連本部ニューオリンズ、そしてカリブ海の島”サン・モニク”で、イギリス情報部MI6の諜報員3人が相次いで殺される。

本部長M(バーナード・リー)は、ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)の自宅を訪ね、3人の諜報員が殺されたことを伝える。

Mは、ニューヨークに滞在中のサン・モニクの首相Dr.カナンガ(ヤフェット・コットー)の調査を、ボンドに命ずる。

イタリア人の情報員カルーゾー(マデリン・スミス)が姿を消したことをボンドに尋ねたMは、彼女がベッドにいるとは知らなかった。

ボンドはカルーゾーのことが気になり、そこにMの秘書マネーペニー(ロイス・マクスウェル)が現れる。

マネーペニーはボンドに旅券などを渡し、寝室から出てきたカルーゾーに気づ、ボンドに恥をかかせないようにする。
...全てを見る(結末あり)

ニューヨーク
現地に到着したボンドは、早速、CIAのフェリクス・ライター(デヴィッド・ヘディソン)に連絡するものの、フリーウェイで不審な車が近づく。

運転手が銃弾を受けて車が暴走し、何とか車を止めたボンドは、ライターに電話をして、不審車の持ち主の場所を調べさせる。

現場に着いたボンドは、カルトショップの裏の駐車場で不審車を見つけて、建物から出てきた人物を追う。

タクシーで車を尾行してハーレムに向かったボンドは、あるバーに入ると別室に入れられる。/span>

そこでボンドは、タロット占い師のソリティア(ジェーン・シーモア)に出会う。

ボンドは、鋼鉄の義手を持つ男ティー・ヒー・ジョンソン(ジュリアス・W・ハリス)に、拳銃(ワルサーPPK)をひねり潰されてしまう。

そこに、謎の男Mr.ビッグ(ヤフェット・コットー)が現れ、ボンドを殺すように指示する。

ボンドはソリティアに自分の運命を尋ね、引いたカードを見ながら、自分たちが恋人になることを彼女に知らせる。

そのカードを見つめるソリティアは動揺する。

路地に連れて行かれたボンドは、隙を見て相手を倒すものの、現れた男に銃を突きつけられる。

その男は、ボンドを監視していたCIAのハロルド・ストラッター(ロン・サットン)で、ビッグが一帯を牛耳る大物だということをボンドに知らされる。

ライターから連絡を受けたボンドは、カナンガがサン・モニクに向かうことを知り、それを追うことになる。

サン・モニクに向かったボンドは、ホテルの部屋の盗聴器などを確認する。

浴室で毒蛇に狙われ他ボンドは、それを焼き殺す。

その後、臆病でドジなCIAの連絡員ロージー・カーヴァー(グロリア・ヘンドリー)が現れ、ボンドは彼女と一夜を共にする。

ボンドは、かつて世話になった協力者クォレルの息子ジュニア(ロイ・スチュワート)の案内で、ソリティアの別荘のある島に向かう。

その頃、ソリティアの占いに従い行動しているカナンガは、ボンドが死を確認するものの、彼女のカードには、やはりボンドと結ばれると出てしまう。

ロージーが裏切り者だと気づいていたボンドだったが、彼女は、カナンガ側に監視されていたために殺されてしまう。

カナンガは、ソリティアが混乱している姿を見て、彼女を元の状態に戻そうとする。

ソリティアの別荘に忍び込んだボンドは、彼女に再び2人が結ばれるというカードを見せる。

ボンドは全て同じ札のカードを用意し、巧みにソリティアの心を乱し、そして2人は愛し合う。

ソリティアはボンドに心を奪われ、恋により占う力を失ったために、カナンガに殺されると思い不安になる。

ソリティアは、踏み入れたことのない島の奥へとボンドを案内するが、2人の行動はカナンガに知られていた。

ボンドとソリティアは、一面に広がるケシ畑を発見し、その直後にカナンガの手下に攻撃される。

二階建てバスを奪ったボンドは、敵を振り切りクォレルJr.の待つボートにたどり着く。

ニューオリンズに向かったボンドとソリティアは、ビッグの手下に捕らえられるものの、ボンドは逃亡してライターと合流する。

捜査を進めるストラッターの元に向かったボンドとライターだったが、ライターが席を外した隙に、ボンドはビッグの元に連れて行かれる。

捕らえられていたソリティアとの関係を追及されたボンドは、カナンガがビッグに扮していたことを知る。

カナンガは、2トンものヘロインをアメリカ国内にばら撒き、その後、依存症が倍増してヘロインの価格が跳ね上がった後に、サン・モニクのケシ畑をフル活用する計画だったのだ。

ソリティアとの件でボンドを問い詰めるカナンガは、彼女の占いで2人の関係を確かめようとする。

占いが外れた場合はボンドの指を切断するようティー・ヒーに指示したカナンガは、ソリティアが正しい答えを出したためにボンドを解放する。

ボンドはティー・ヒーに殴られて運び出され、カナンガは、実は外れていた占いのことでソリティアを責める。

カナンガはボンドとソリティアの関係を知り、彼女に死を宣告する。

ティー・ヒーと共にワニ園に向かったボンドは、餌にされそうになる。

その場から逃れたボンドは、ヘロイン精製工場に火を放ち、モーターボートで逃走する。

スピード違反をしたカナンガの手下の車を止めたG.W.ペッパー保安官(クリフトン・ジェームズ)は、ボンドを追っていたモーターボートが衝突してパトカーを壊される。

ペッパーは後続のパトカーに乗り換えてボンドを追うが、ボートが道を横切った際に起きた事故により、車が横転してしまう。

超高速艇で追ってきた敵を大破させたボンドは、迎えに来たライターから、カナンガがソリティアを連れて逃げたことを知らされる。

CIAと協力し、再びサン・モニクに向かったボンドは、ブードゥー教のサメディ男爵(ジェフリー・ホールダー)の生贄にされるソリティアを救う。

同じ頃、CIAケシ畑を爆破し、サメディ男爵と対決したボンドは、彼を毒蛇が無数に入っている棺桶に放り込む。

しかし、ボンドとソリティアはカナンガに捕らえられてしまい、2人はサメの餌食にされそうになる。

ボンドは、圧縮ガス弾を腕時計の強力マグネットで手に入れて、一騎打ちとなったカナンガの口にそれを詰め込む。

カナンガの体は膨張して破裂してしまい、ボンドとソリティアは、その場を脱出する。

その後、ボンドとソリティアの乗った列車にティー・ヒーが現れる。

ボンドは、格闘の末にティー・ヒーを窓から外に突き落とす。

そして、ボンドはソリティアと2人の時を過ごす。

しかし列車の先頭では、サメディ男爵が高笑いをしていた・・・。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
各地で3人のイギリス諜報員が殺される。
諜報員ジェームズ・ボンドを呼んだMI6の本部長Mは、ニューヨークに滞在中であるサン・モニクの首相Dr.カナンガの調査を命ずる。
現地に着いたボンドは何者かに襲われるものの難を逃れ、CIAのライターからの情報で犯人の元に向かう。
あるバーでボンドは、タロット占い師ソリティアに出会う。
そこに現れた謎の男Mr.ビッグの手下で鋼鉄の義手を持つティー・ヒーらに襲われるものの、彼らを撃退する。
その後ボンドは、カナンガがニューヨークを旅立ったという連絡を受けて、サン・モニクに向かうのだが・・・。
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3代目ボンドのロジャー・ムーア初登場作品であり、若くは見えるが、既に40代半ばだった彼の出演に注目が集まり、ショーン・コネリーのイメージと比較されて不安の声も上がった。

しかし、飄々としたとぼけた雰囲気のロジャー・ムーアのボンドは好評となり、世界中で受け入れられた。

前作「ダイヤモンドは永遠に」(1971)で復活した人気をさらに上回り、興行収入は全世界で約1億6200万ドルの大ヒットとなった。

製作費 $7,000,000
北米興行収入 $35,377,840

ポール・マッカートニー&ウィングスの主題歌”Live andLet Die”も大ヒットし、第46回アカデミー賞で歌曲賞にノミネートされた。

ボンドがMから指令を受ける自宅場面以外は、前作「ダイヤモンドは永遠に」(1971)同様、国外のアメリカとカリブ海の架空の国が舞台となっている。

タロット占いブードゥー教など、神秘的な雰囲気が漂う内容は興味深く、スピード感溢れるモーターボートの追跡シーンなど、前作同様に、ガイ・ハミルトンのテンポの良い演出と派手なアクションは見応えある。

今回はボンドカーは登場しないものの、強力磁石が作動し、ベゼルが回転ノコギリになるロレックスの腕時計”サブマリナー”が活躍し、義手のティー・ヒーにはワルサーPPKを壊され、クライマックスでボンドは、S&W/M29(44マグナム)の8インチを使う。
これは紛れもなく2年前に公開されたヒット作の「ダーティーハリー」(1971)を意識している。

ダイアナ・ロスカトリーヌ・ドヌーヴが候補に上がった、華奢でひ弱に見える占い師ソリティア役のジェーン・シーモアは、ボンドの魅力に翻弄され、心乱れる美しい女性を好演している。

圧縮ガスが体内で膨張して爆発する殺され方が話題になった悪党のドン、ヤフェット・コットー、怪力の義手を持つ殺し屋ジュリアス・W・ハリスブードゥー教の魔術師ジェフリー・ホールダーらの怪演が印象に残る。

あまりの好評に、次回作の「黄金銃を持つ男」(1974)でも同じ保安官役を演じ、旅行中という設定で再び登場するクリフトン・ジェームズ、ボンドの協力者であるCIAのフェリクス・ライターを「消されたライセンス」(1989)でも演じるデヴィッド・ヘディソン、そして、ボンドの能力は評価するものの人間性を疑うMのバーナード・リー、ボンドに惹かれながらも、彼の女好きを許してしまうマネーペニーのロイス・マクスウェルなどレギュラーたちも健在なのだが、Qのデスモンド・リュウェリンが登場しないのは少々寂しい。
また、第1作の「ドクター・ノオ」(1962)に登場した、ジャマイカの協力者、漁師クォレルの息子という設定でクオレルJr.(ロイ・スチュワート)が登場するのも面白い。


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