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クレイマー、クレイマー Kramer vs. Kramer (1979)

1977年に発表されたアヴェリー・コーマンの同名小説の映画化。
家族を犠牲にして働いてきた夫と自立を求める妻の親権争いを絡めた苦悩を描く、監督、脚本ロバート・ベントンダスティン・ホフマンメリル・ストリープジャスティン・ヘンリージェーン・アレクサンダー他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・ベントン

製作:スタンリー・R・ジャッフェ
原作:アヴェリー・コーマン
脚本:ロバート・ベントン
撮影:ネストール・アルメンドロス
編集:ジェラルド・B・グリーンバーグ
音楽
ポール・ジェミグナニ

ジョン・カンダー
ヘンリー・パーセル
アントニオ・ヴィヴァルディ

出演
テッド・クレイマー:ダスティン・ホフマン

ジョアンナ・クレイマー:メリル・ストリープ
ビリー・クレイマー:ジャスティン・ヘンリー
マーガレット・フェルプス:ジェーン・アレクサンダー
ジョン・ショーネシー:ハワード・ダフ
ジム・オコンナー:ジョージ・コー
フィリス・バーナード:ジョベス・ウィリアムズ

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1979年製作 105分
公開
北米:1979年12月19日
日本:1980年4月
北米興行収入 $106,260,000


アカデミー賞 ■
第52回アカデミー賞

・受賞
作品・監督
主演男優(ダスティン・ホフマン
助演女優(メリル・ストリープ
脚色賞
・ノミネート
助演男優(ジャスティン・ヘンリー
助演女優(ジェーン・アレクサンダー
撮影・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
仕事一筋のビジネスマン、テッド・クレイマー(ダスティン・ホフマン)は、妻ジョアンナ(メリル・ストリープ)が突然、家を出て行こうとしたために困惑する。

テッドは、家族のために必死に働いたにも拘らず、不満を訴えて出て行ったジョアンナの気持ちが理解できない。

その後テッドは、連絡を受けて駆けつけた、ジョアンナの親友マーガレット・フェルプス(ジェーン・アレクサンダー)に、怒りをぶつけてしまう。

ジョアンナの味方をするマーガレットだったが、7歳の一人息子ビリー(ジャスティン・ヘンリー)を、ジョアンナが置いて出て行ったことを知り驚きを隠せない。

翌朝、ジョアンナが、ただの喧嘩で出て行ったと、ビリーに説明したテッドは、悪戦苦闘しながら朝食の支度を済ませ、息子を学校に送り届けて会社に急ぐ。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
妻子のために働きづめだったテッド・クレイマーは、結果的に、家庭を顧みなかったことを妻のジョアンナに責められ、彼女は家を出てしまう。
昇進も近かったテッドは、忙しい最中、7歳の息子ビリーの世話もしなくてはならなくなり、悪戦苦闘する。
母親を恋しがるビリーは反抗的になり、家庭のごたごたを仕事に持ち込んだテッドは、会社をクビになってしまう。
そんな時、ジョアンナは息子ビリーの親権を求め、それを拒否したテッドと裁判で争うことになるのだが・・・。
__________

主婦である妻は自立を選び、子供のために、仕事一筋だった夫が”父”へと変わっていく姿を、一人息子の親権争いを絡めながら、繊細なタッチで描いたロバート・ベントンの演出と作品のテーマは、地味な作品ではあるが、当時、カルチャー・ショックを与えるほどでもあり、その後の作品にも影響を与えた。

法廷で争い結局は和解する夫婦だが、二人が再び一緒に暮らそうという雰囲気には終わらないところが、第2のフェミニズムの波が押し寄せていた、1970年代末の世情を反映している。

アントニオ・ヴィヴァルディの”マンドリン協奏曲ハ長調 RV.425”が、戸惑う人々の心理を表現するかのように効果的に使われている。

第52回アカデミー賞では8部門でノミネートされ、作品、監督、主演男優(ダスティン・ホフマン)、助演女優(メリル・ストリープ)、脚色の主要5部門を受賞した。
*ノミネート
助演男優(ジャスティン・ヘンリー)
助演女優(ジェーン・アレクサンダー)
撮影・編集賞

”クレイマー”を重ねただけの邦題が意味をなさないということが話題になり、間に”vs.”を付けずに、どのようにして本作を表現したいのか疑問だけが残った。

40代になり、既にハリウッドでも実力派の地位を確立していたダスティン・ホフマンが、ついにアカデミー賞を獲得した作品で、家庭を顧みないビジネスマンが、愛情溢れる父親、そして夫に変化していく姿を見事に演じている。

前年の「ディア・ハンター」(1978)でもアカデミー助演賞にノミネートされ、本作で同賞を受賞したメリル・ストリープは、出演場面は少ないが、その全てでほぼ完璧と言えるほどの演技を見せてくれる。
ノーメイクに近い彼女の涙する表情は非常に印象的だ。

小学校に上がりたてで、大人の争いごとに巻き込まれてしまう、撮影当時7歳のジャスティン・ヘンリーの苦悩の表情は涙を誘う。
受賞は逃したものの、アカデミー助演賞に8歳でノミネートされ、その史上最年少記録は現在でも破られていない。

ボクサー」(1970)や「大統領の陰謀」(1976)で既にアカデミー賞候補になっていたジェーン・アレクサンダーは、本作でも再びノミネートされ、主人公の力になろうとする、離婚経験者を好演している。

弁護士ハワード・ダフ、主人公の上司ジョージ・コー、主人公と一夜を共にする同僚ジョベス・ウィリアムズなども出演している。


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