除隊の労をねぎらいに来たと言うハーパーは、ライアンの論文と報告書のことについてだけを尋ねて、その場を去ろうとする。
なぜ自分に詳しいのかハーパーに尋ねたライアンは、CIAだからだと言われる。
眼科医になると言うキャシーに別れを告げたライアンは、彼女をディナーに誘い、走れるようになったら割り勘で付き合うと言われる。
雨の中をランニングしていたライアンはハーパーに気づき、博士課程をやめた理由を訊かれる。
海兵隊に入ったからだと答えたライアンは、また国に仕えたければ別の道があると言われる。
ライアンは、大学に戻り博士号を取りCIAの情報アナリストとなり、ウォール街で働きながらテロ組織の資金を探り、会社や恋人にも全てを秘密にするようにとハーパーから指示される。
10年後、2012年、ニューヨーク。
ウォール街で働き密かにCIAの仕事をするライアンは、トルコのパイプライン建設にロシアが反対し、アメリカが国連安保理の決議でロシアを拒むかが注目される中、顧客の資金の流れを監視する。
アメリカの外交官ディクソン・ルイス(デヴィッド・ペイマー)とロシア側の意見は真っ向から対立する。
その頃、ロシアに関係の不自然な市場の動きと、顧客である同国の大企業”チェレヴィン・グループ”の口座にアクセスできないことに気づいたライアンは、情報員と”私は殺される”が上映されている映画館で接触し、モスクワに人を派遣するよう伝えて資料を渡す。
ロシアの企業の隠し口座のことを伝えたライアンは、ハーパーは自分を送るだろうと言われる。
婚約者となっていたライアンンと同棲するキャシーは、彼のズボンのポケットにあった映画の半券を見つける。
その夜、キャシーと外食をしたライアンは、テレビのマーケット情報を気にする。
キャシーから”私は殺される”を観に行く提案をされたライアンは、戸惑いながらそれに同意する。
モスクワ。
大実業家のヴィクトル・チェレヴィン(ケネス・ブラナー)は、ソローキン内務大臣(ミハイル・バリシニコフ)と郊外で会い、今回の件が国連安保理に否決されたことなどを話し、資産を移したことを伝える。
政府は関与せず、全て一人でしたことにするようにと言われたチェレヴィンは、もちろんだと伝える。
顧客であるチェレヴィンの口座の不明瞭な金の流れの件を上司のロブ・ベリンガー(コルム・フィオール)に話したライアンは、その調査を任され、監査のためにモスクワに向かうことになる。
ライアンは、ベリンガーから、危険人物であるチェレヴィンに注意するようにと言われる。
モスクワ行きをキャシーに話したライアンは、同行すると言う彼女に、自分は仕事なので退屈すると伝える。
それならばパリで落ち合うのはどうかと言われたライアンは、その提案にも賛成できないという態度を示す。
自分と旅行には行きたくないのかと言われたライアンは、結婚してくれたらうれしいとキャシーに伝える。
”私は殺される”のことをなぜ黙っていたのかと訊かれたライアンは、自分のことを疑っているキャシーに、なぜ結婚してくれないのか尋ねる。
浮気を疑われたライアンはそれを否定し、キャシーと口論になる。
暫くしてライアンは、二人でパリに行くことを約束する。
モスクワ、ドモジェドヴォ空港。
チェレヴィンの警備担当者エンビー・デン(ノンソー・アノジー)に迎えられたライアンは、ホテルに向かい部屋に案内される。
その直後にエンビーにに襲われたライアンは、バスルームで格闘になる。
バスタブに水を入れて巨漢のエンビーを抑え込んだライアンは、彼を窒息死させる。
動揺しながら部屋を出たライアンは救援を要請し、部屋に戻り、暫くして電話が二度、鳴ったらその場を離れ、21時まで身を隠し、”スターラヤ・スクエア”のベンチに向かうよう指示され、海兵隊の経験を思い出すようにと言われる。
部屋に戻りエンビーの死体を確認し、電話の合図でホテルを出たライアンは、キャシーからの電話を受け、朝、パリに着くので早く来れないかと訊かれる。
仕事が長引いているので無理だと思うと答えたライアンは、キャシーに愛を伝え、信じとほしいと言って電話を切る。
”スターラヤ・スクエア”。
その場で待っていたハーパーと話したライアンは、分析結果を訊かれる。
取引先であるロシアの実業家チェレヴィンの企業口座に2週間前からアクセスできなくなり、それが巨額の外貨口座であり、全てアメリカ国債だとライアンは伝える。
アメリカ経済のマイナス報道があった際にチェレヴィンは大量にドルを買ったことをハーパーに伝えたライアンは、外的な不胎化介入により下がるはずのドルが上がっているのは、操作によるものだと考える。
ロシアの狙いはドルの暴落とアメリカ経済の破綻であり、決行は近いことをライアンはハーパーに伝える。
それがアメリカへのテロの直後に起きるというライアンに、ロシアも大打撃のはずだと伝えたハーパーだったが、中国よりはましだと言われる。
ロシアがドルを売り始めれば、それが世界に広がり、ロシアは助かるもののい、石油備蓄のないアメリカ経済は崩壊し、全ての危機が同時に起きて、”第二次世界恐慌”になるとライアンはハーパーに伝える。
全てチェレヴィンが仕組んでいると考えるライアンは、監査をして実行日時を特定することをハーパーに伝え、ホテルは片付いていると言われ銃を渡される。
もう分析官ではなくエージェントだとライアンに伝えて、ハーパーはその場を去る。
ホテルに戻ったライアンは、ハーパーが言っていた通り、部屋が元に戻りエンビーの死体も片付けられていたために驚く。
キャシーに”愛している”とメールを送ったライアンは、”私もよ”という返信を受ける。
翌日、教会で祈りを捧げたチェレヴィンは、アメリカに送り込んだ工作員のアレクサンドル・ボロフスキー(アレック・アットゴフ)に全てを託し、準備を整えて行動を開始する。
チェレヴィン・グループ本社ビルに向かったライアンは、担当するカーチャに迎えられる。
厳重な警備システムを通りチェレヴィンに会ったライアンは、飾ってある手榴弾と巨大な”ナポレオン”の絵が気になる。
監査を始めるために口座へのアクセス権を求めたライアンだったが、既に会社は売却したことを知らされる。
自社の取り分などが記載されている書類を渡されたライアンは、チェレヴィンから、ディミトリ・レムコフ警備部長(ペーター・アンデション)を紹介され、その場を去ろうとする。
パートナー関係に敬意を表し無礼のお詫びとして、評判だという向かいのレストランでのディナーに招待すると言われたチェレヴィンは、自分が招待するとライアンに伝える。
モスクワは危険なため迎えに行かせると言うチェレヴィンは、空港で出迎えたはずのエンビーも突然、姿を消したことを話し、ライアンを牽制する。
妻も同伴するかと訊かれたライアンは未婚だと答え、チェレヴィンは、女性がホテルに到着したと聞いていると伝える。
動揺するライアンは、チェレヴィンから恋人を連れてくるようにと言われ、彼女に聞いてみると伝えてその場を去る。
チェレヴィンは、ライアンを監視するようレムコフに指示する。
ライアンは、迎えに来たバンに気づかれずに乗り込み、警備は彼を見失う。
車内にいたハーパーに、チェレヴィンが資産を売却したことを知らせたライアンは、ダミー会社に売ったはずなので監査はできないと伝える。
他の方法として、ライアンが招待されディナーの場を利用し、その間にビルのシステムに侵入して、警備の厳しいレムコフのパソコンよりもチェレヴィンの部屋でそれを実行することが検討され、ハーパーは準備を始める。
ビルへの侵入を任されたライアンは、ホテルの部屋に戻り、銃を見つけたキャシーから説明を求められ、CIAであることを話す。
浮気でなかったことを喜ぶキャシーは、ライアンを抱きしめる。
ドルの売り注文の設定準備も完了したチェレヴィンは、アメリカの工作員が行動を開始したことを知らされる。
ミシガン州、ディアボーン、ロシア正教会。
アレクサンドルは、両親に扮する工作員と共に、行動開始の合図を受ける。
自分を監視する男を殺したアレクサンドルは、FBIであることを確認する。
ハーパーが同席する場でキャシーと話し合ったライアンは、食事に同伴すると言彼女の考えに反対する。
CIAであることを黙っていたライアンを批判するキャシーは、結婚するまでは話せない決まりがあると言われるものの納得できない。
これは夫婦の問題ではなく国際問題だと言うハーパーは、レムコフのパソコンデはなくチェレヴィンの部屋に侵入し、共有の壁のコンセントに挿すようにと言って装置を渡す。
それでレムコフのデータにアクセスできると言うハーパーは、その所要時間を、現地の工作員コンスタンティン(レン・クドリアヴィツキ)に確認する。
それが5~6分であるため、キャシーに10分かせぐことを指示したハーパーは、うまくいけば夜中には帰国するための便に乗れると伝える。
迎えの車に乗ったライアンは、キャシーの指に婚約指輪をつはめる。
チェレヴィンは、現れたライアンとキャシーを歓迎する。
ハーパーはその様子を監視し、工作員のエイミー・チャン(ジェンマ・チャン)がバンで待機する。
”オー・ブリオン”を飲み続けて酔ったライアンは背中が痛み、彼がアフガニスタンに赴任したことを、キャシーがチェレヴィンに話す。
自分もその場で戦ったと話すチェレヴィンは、息子は戦場で死んだと二人に伝える。
ライアンは悪酔いしているように見せかけ、気分を害した振りをするキャシーが席を立ち、トイレに向かう彼女に付き添いチェレヴィンが案内する。
チェレヴィンに肩をぶつ受けて財布を奪ったコンスタンティンは、それをライアンに渡す。
セキュリティカードを手に入れたライアンは、それをハーパーに伝える。
チャンからレムコフが退社したことを知らされたハーパーは、ライアンに行動を開始させる。
戻ったチェレヴィンに無礼な話をするライアンに腹を立てたキャシーは、外で頭を冷やすべきだと伝える。
チェレヴィンにも促され指示に従ったライアンは、店を出てビルに向かい、送り込まれていた警備に扮した工作員が彼を通す。
カーチャも退社し、セキュリティカードを使い部屋に侵入したライアンは、女好きのチェレヴィンがキャシーとの会話を楽しむ隙に、データを盗み出そうとする。
帰宅途中の車内で緊急信号をキャッチしたレムコフは、ビルに戻る。
それをチャンから知らされたハーパーは、レムコフが戻る時間を計る。
レムコフはビルに連絡を入れ、カーチャはそれを知る。
キャシーから肝硬変の進行具合を訊かれたチェレヴィンは、黄疸や血管の様子からステージ3と判断する。
カーチャからの電話に気づくものの出なかったチェレヴィンは、余命は3ヵ月ないことを伝える。
アクセスコードを求められたライアンは、ニューヨークの同僚テディに電話をしてベリンガーにつなぐよう指示する。
ベリンガーから知らされたアクセスコードでデータを入手したライアンは、それをUSBメモリにコピーして、ハーパーの指示に従い、専用エレベーターに乗り階下に向かう。
外階段に向かうようにと言われたところで、ライアンはハーパーとの無線が途切れてしまう。
現れたカーチャから電話をチェックするようにと言われたチェレヴィンは、緊急事態だったことを知り、ライアンとキャシーに騙されたことに気づく。
レムコフはビルに戻り、ハーパーは、階段を下りるライアンを追う者達を狙撃する。
車を降りたチャンはライアンから財布とUSBメモリを受け取ったコンスタンティンからそれを渡され、チェレヴィンにぶつかり財布を戻す。
その場に現れたライアンは、キャシーとチェレヴィンに謝罪する。
レムコフから財布を確認するようにと言われたチェレヴィンは、それを渡して調べさせる。
ライアンから、キャシーとホテルに戻ると言われたチェレヴィンは、レムコフに尾行させる。
USBメモリを受け取っていたチャンは、バンに戻り内容をチェックする。
バンを追っていることをチェレヴィンに知らせたレムコフは、ウォッカ、虚栄心、女好きは悪い癖だと指摘し、息子が恥をかくと伝える。
情報はライアンが奪ったと言うレムコフを射殺したチェレヴィンは、デスクのスタンドライトの蛍光電球を外す。
ハーパーの元に向かったライアンは、情報は本部に送ったと言われるが、明日の9時6分、ニューヨーク市場が発端となり、世界中で2兆ドルの大損失となる事件が起きると話す。
残り18時間、テロを防げばドルも売られないと言うライアンは、そうなればロシア側は全てを失うと言って、実行は9時ちょうどだとハーパーに伝える。
その場は襲撃されてキャシーが連れ去られ、ライアンは、コンスタンティンと共に彼女を追う。
ハーパーに連絡したライアンは、発信機である指輪はつけたと伝えて、キャシーの居場所を知ろうとする。
自分の発信機も作動させたライアンは、チャンからキャシーとの距離を知らされる。
ライアンに電話をしたチェレヴィンは、情報を転送したらキャシーは死ぬと伝える。
情報はここにあると言うライアンは、キャシーを電話に出すようにとチェレヴィンに伝えるが、彼女は何も話さない。
殴られたキャシーの声を聴いたライアンは、チェレヴィンから、彼女の口に蛍光電球を入れて砕くと言われ、盗んだ物を直ぐに渡すことを要求される。
車が衝突してしまったライアンは、ハーパーの指示に従い走ってチェレヴィンの車を追う。
車を停めたライアンはキャシーを助けてチェレヴィンを殴り、コンスタンティンと共にその場から逃れる。
ハーパーらは、帰国する機内で情報の分析を勧め、偽名で入国したアレクサンドルがミシガンに潜伏していることが分る。
アレクサンドルの家は捜査されるものの手掛かりはなく、彼がチェレヴィンの息子だと言うライアンの指摘により、調査が行われてそれが確認される。
勤め先に向かい同僚を殺したアレクサンドルは、バンを奪う。
アレクサンドルが、複数回電話をしたペンシルベニア州に隠れていることを確信したライアンは、彼がある納屋を購入したことを突き止める。
バンを納屋に運んだアレクサンドルは、爆弾を組み立てて搭載する。
テロの場所を特定するようハーパーから指示されたライアンは、ネット上にアップされた写真を参考にして計画を練ったことまでは分かる。
キャシーがある写真に注目し、そこが自分の職場だと知ったライアンは、テロがウォール街で実行されることに気づく。
納屋に押し入り内部を調べたFBI捜査官(カレン・デヴィッド)からの連絡を受けたハーパーは、アレクサンドルがバンを改造していることを知る。
ニューヨークに着いたハーパーは、盗まれたフォード製のバンが白か青であるという報告を受け、送らせることをキャシーに伝える。
病院に向かうと言うキャシーは、あなたは必ず戻る、一緒に食事をして割り勘にするとライアンに伝える。
ライアンは、ハーパーと共にヘリコプターでマンハッタンに向かう。
取引が開始され、ドルを売る指示を待つトレーダーからの連絡を受けたチェレヴィンは、まだだと伝える。
ウォール街。
混乱する現場に到着したライアンは、警察車両の中で塗装の文字が乱れているバンを見つけて、それをハーパーに知らせようとする。
現れたテディのバイクを借りたライアンはバンを追い、ハーパーはそれに気づく。
チェレヴィンのオフィスの絵を思い出したライアンは、”ナポレオン”の陽動作戦だと気づき、ターゲットはビルではなくその地下だとハーパーに伝える。
会話が途切れたハーパーは、ビルの地下構造を調べ、その場で爆発が起きれば、ウォール街の半分に当たる6~7棟のビルが倒壊することを知る。
地下トンネルに入ったバンを追うライアンは、アレクサンドルに妨害され、衝突して転倒する。
停車したアレクサンドルは起爆装置をセットするものの、ライアンに襲われて格闘になる。
売る指示を待つチェレヴィンは、アレクサンドルに全てを託す。
アレクサンドルを叩きのめしてバンを奪い地上に出たライアンは、イースト川に誘導するようにとハーパーに伝える。
車内にアレクサンドルがいることに気づいたライアンは、バンを暴走させてハンドルを固定し、川の直前で飛び降りる。
アレクサンドルを乗せたバンは川に落下し、”ブルックリン橋”の脇で大爆発を起こす。
”ナポレオン”の絵を見つめながら電話を受けたチェレヴィンは、ソローキン内務大臣の呼び出しを受けて郊外に向かい、射殺される。
病院のキャシーの元に向かったライアンは、エージェントの仕事を選んだことを伝え、二人は愛を確かめる。
ホワイトハウス。
ハーパーと共に”オーヴァル・オフィス”に向かったライアンは、大統領に挨拶する。