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わたしは、ダニエル・ブレイク I, Daniel Blake (2016)

複雑な社会福祉制度の手続きに翻弄され支援が受けられない初老の男性と貧しい母子の交流を描く、監督ケン・ローチ、主演デイヴ・ジョーンズヘイリー・スクワイアーズ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ケン・ローチ

製作:レベッカ・オブライエン
製作総指揮
パスカル・コシュトゥー
グレゴワール・ソルラ
ヴァンサン・マラヴァル
脚本:ポール・ラヴァーティ
撮影:ロビー・ライアン
編集:ジョナサン・モリス
音楽:ジョージ・フェントン

出演
ダニエル・ブレイク:デイヴ・ジョーンズ
ケイティ・モーガン:ヘイリー・スクワイアーズ
ディラン・モーガン:ディラン・マキアナン
デイジー・モーガン:ブリアナ・シャン
アン:ケイト・ラッター
シェイラ:シャロン・パーシー
チャイナ:ケマ・シカズウェ
パイパー:スティーブン・リッチンス
ジョー:ギャビン・ウェブスター

イギリス/フランス 映画
配給
イギリス映画協会(イギリス)
Le Pacte(フランス)
2016年製作 100分
公開
イギリス:2016年10月21日
北米:2016年12月23日
日本:2017年3月18日
北米興行収入 $260,350
世界 $15,793,050


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
イングランドニューカッスル
妻に先立たれ独り暮らしをする59歳の大工ダニエル・ブレイク(デイヴ・ジョーンズ)は、心臓病が見つかる。

ある日、ゴミの処分のことで隣人のチャイナ(ケマ・シカズウェ)を注意したダニエルは、配達されてくる荷物を受け取ってほしいと言われる。

病院に向かい検査を受けたダニエルは、医師から仕事をするのは無理だと言われ、今後の健康管理や治療について説明される。

製材所に寄り、気遣ってくれる友人のジョー(ギャビン・ウェブスター)と話しをしたダニエルは、アパートに戻る。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
イングランドニューカッスル
妻に先立たれ独り暮らしをする59歳の大工ダニエル・ブレイクは、心臓病が見つかり、医師から仕事をすることを止められる。
国の支援申請をするものの認められないダニエルは、不服申し立てをしようとするが、その複雑な手続きをスムーズに行うことができない。
職安に向かい、求職手当の申請をしようとしたダニエルは、操作したこともないパソコンのインターネットで手続気をするよう指示される。
戸惑うダニエルはその場で、トラブルを起こし追い返されそうになっている、シングルマザーのケイティと子供たちの様子を見ていた。
職員の誠意のない言動に憤慨したダニエルは、声を荒げて彼らを非難したため、ケイティらと共に追い出されてしまう。
ロンドンから越してきたばかりの、苦労したケイティと子供たちを気の毒に思ったダニエルは、彼女の力になろうとするのだが・・・。
__________

作品のテーマとして、常に労働者や貧困層を対象視した内容で社会問題を描き続けるケン・ローチの監督作品。

まったく衰えを感じさせない80歳を迎えるケン・ローチが、国の社会制度の在り方を厳しい視線で描く社会派ドラマとして、考えさせられる作品である。

主人公が、複雑は制度の手続きに翻弄される序盤は、ユーモアを感じさせる雰囲気で進行するのだが、中盤からは、孤独、肉体の衰え、病気、貧困の問題などが一気に主人公に襲い掛かる。
互いに思いやる気持ちだけで何とか生き抜こうとした主人公が遺した、尊厳だけは捨てない力強いメッセージが伝わるラストが素晴らしい。

本作は各方面で絶賛され、ケン・ローチは、第69回カンヌ国際映画祭で、「麦の穂をゆらす風」(2006)以来、二度目となるパルム・ドールを受賞した。

本作が長編映画初出演である主演のデイヴ・ジョーンズは、頑固だが人間味あふれる主人公を見事に演じ、貧しいシングルマザーを好演するヘイリー・スクワイアーズの演技は涙を誘う。

彼女の息子ディラン・マキアナン、その姉ブリアナ・シャン、主人公に優しく接する職安の職員ケイト・ラッター、対照的に事務的な対応しかしない職員のシャロン・パーシー、主人公の隣人である青年ケマ・シカズウェ、その友人スティーブン・リッチンス、製材所で働く主人公の友人ギャビン・ウェブスターなどが共演している。


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