ロンドン、人生はじめます Hampstead (2017)

息子のフィリップ（ジェームズ・ノートン）と食事をしたエミリーは、財政面の話をされ、仕事で外国に行くために面倒を見られなくなるので、考えを変えるべきだと言われて戸惑う。

フィリップから不要なものを売ることを提案されたエミリーは、屋根裏部屋に向かい古い双眼鏡を見つける。

それでヒースの森を見てみたエミリーは、池で入浴している男性（ドナルド）に気づく。

フィオナに紹介された会計士ジェームズ・スマイス（ジェイソン・ワトキンス）から電話を受けたエミリーは、話し合いの約束をする。

もう一度、双眼鏡を覗いたエミリーは、病院の近くの小屋にドナルドが入っていくのを確認する。

翌日、ジェームズとランチをしながら話をしたエミリーは、フィオナが彼を紹介したがっているのに気づく。

マンションに戻ったエミリーは、小屋が気になり覗いてみると、ドナルドが男に襲われたために警察に通報する。

怪我をしたドナルドは、駆け付けた救急隊の治療を受ける。

翌日、フィオナの指示で携帯電話基地局建設反対の署名活動をしていたエミリーは、ドナルドの小屋を訪ねてみる。

小屋に向かい声をかけるものの反応がないエミリーは、その場に置いてあった不動産業者の書類を見つける。

その後、エミリーは”ハイゲイト墓地”に向かい、夫チャールズの墓参りをする。

死後に浮気が発覚し、借金などで大変な目に遭っていると言ってチャールズを責めたエミリーは、帰る途中で”カール・マルクス”の墓に座っているドナルドに気づく。

ドナルドに声をかけたエミリーは怪我のことを心配し、嘆願書の署名を求める。

興味がないドナルドは、家の窓から襲われるのを見たエミリーが、警察に電話をしたことを知る。

双眼鏡で覗いたことも知ったドナルドは、襲われた理由を訊かれ、自分が気にくわない者がいるのだろうと答える。

互いに家に向かおうとする二人は自己紹介し、ドナルドは、一生、感謝するとエミリーに伝えて別れる。

ドナルドから、自分をまた双眼鏡で覗くのかと訊かれたエミリーは、笑いながらその場を去る。

マンションに戻ったエミリーは、フィオナの夫ローリー（ブライアン・プロザーロー）が、ハムステッド・ヒースに高級マンションを建設する公表をしたという新聞記事を見る。

フィオナから声をかけられたエミリーはジェームズの話をされ、ローリーがマンション建設に関わっていたことを話題にする。

フィオナは、素敵な森だったと言うエミリーに、友達に協力を求めているだけだと伝える。

その後、ドナルドが気になるエミリーは彼の小屋を覗き、ボードに彼から夕食の誘いが書かれているのに気づく。

翌日、閉店したエミリーは、迷っていたベレー帽を思い切って購入して、ドナルドの小屋に向かう。

魚を釣ってくるという張り紙の指示に従い池に向かったエミリーは、その場にいたドナルドから遅れたことを非難される。

一緒に釣りをしたエミリーは小屋に向かい、ドナルドから、嫌な奴に運んでもらった暖炉代わりのオーブンの話などを聞き、料理をして庭で食事をする。

ドナルドから、普段何をしているか訊かれたエミリーは、チャリティー・ショップのボランティアと答え、好きでもない友達と行動していると言う彼から、人生の目的を失っていると意見される。

気分を害して帰ろうとするエミリーに謝罪したドナルドは、雨が降るので待機していた方がいいと伝える。

大丈夫だと言って去ったエミリーは、ずぶ濡れになりながら帰宅し、新築マンションの件で署名を求めるフィオナからの手紙を確認する。

翌日、抗議活動をする青年エリック（ヒュー・スキナー）に協力を求めたエミリーは、ドナルドの小屋を守る運動を始める。

それを知ったフィオナは、エミリーとエリックが街に貼ったチラシを剥がす。

運動は広がり、公園の中に拠点を作ったエリックは、活動家やマスコミに利用されたくないと言うドナルドに非難される。

訪ねて来たエミリーに、助けはいらないと伝えたドナルドは、エリックらには彼女が頼んだことを知り、ここに住みたければ戦うべきだと言われるものの、納得できない。

ジェームズから食事に誘われたエミリーは、借金など様々な問題は解決できると言われ、イオニア諸の高級ホテルへの旅行を提案される。

考える時間がほしいと言ってマンションに戻ったエミリーは、ドナルドが気になり小屋を覗く。

マルクスの墓で会いたいという、謝罪するメッセージを確認したエミリーは、彼の元に向かいピクニックをする。

立ち退きの話になったドナルドは苛立ち、付き合いきれないと言ってエミリーが帰ろうとしたために謝罪する。

ドナルドが立ち退き要求と出廷を求められていることを知ったエミリーは、弁護士を雇うべきだと彼に伝える。

エミリーは、ドナルドを連れてウィギン弁護士（アディール・アクタル）を訪ね、小屋がヒースに17年あると証明する必要があると言われるものの、証人の当てがない。

ヒースに戻った二人は、小屋が荒らされていることに気づき、エミリーはドナルドをマンションに連れて行く。

着替えと片づけをしたエミリーは、その間にドナルドが屋根裏に向かっていることに気づき、二人はそこで一夜を過ごす。

翌朝、エミリーは朝食を作り、ドナルドは久しぶりに入浴する。

そこにフィリップが現れたために驚いたエミリーは、金曜の自分の誕生日の話をして、会計士はフィオナに紹介してもらったと伝える。

入浴したドナルドが現れたために驚くフィリップは、彼に挨拶してその場を去る。

その後、審問が決まったことをドナルドに知らせに行ったエミリーは、エリックが小屋の修繕をしていたために一緒に手伝う。

作業は終わり、二人に感謝したドナルドは、エリックと池で汗を流す。

エミリーから出身地を訊かれたドナルドは、アイルランドのダブリン郊外だと答え、家は農場だったが父親が手放してしまったと話す。

母が亡くなり、放浪の旅に出て数年後にロンドンに着き、カフェを経営する年上のヴァレリーと出会い、その場で働いていたものの、彼女がガンになり自分は去ったと、ドナルドはエミリーに伝える。

食事を用意するとドナルドに伝えたエミリーはマンションに戻り、フィオナらが用意してくれてサプライズパーティーに驚く。

その場にいたジェームズからも祝福されたエミリーは、スピーチを求められ、皆に感謝して、恋人ができたことを伝える。

自分のことだと思ったジェームズは喜び、エミリーは相手のことを説明しようとする。

ローリーから、ヒースの大男が屋根裏に向かったことを知らされた皆は驚き、その場に向かう。

ドナルドはその場を去り、責められたエミリーは、彼とのことをすべて話してしまう。

ドナルドを追ったエミリーは、借金を抱えていたためにジェームズが力になってくれたことを話し、自分がどんな人間か知られるのを恐れていたと彼に伝える。

誕生日のことを言わなかったことを責めるドナルドは、エミリーを抱きしめる。

数日後、エミリーとドナルドは法廷に向かい、人々の関心が高まる中、裁判は始まる。

不動産会社ブレヴォン側の弁護士スティーヴ・クローリー（アリステア・ペトリー）は、ドナルドが住み始めて12年未満だということを、マンションの住人の証言で確認する。

17年住んでいると言うドナルドに、その間の納税の義務を指摘したクローリーは、17年前に小屋を建てた証拠を求める。

小屋への思いを話すドナルドを席に戻した判事（サイモン・キャロウ）は、理解はできても証拠にはならいと伝えて休廷する。

小屋に戻り対策を考えたエミリーは、壊れたオーブンを一緒に運んでくれた者が証人になるかもしれないと考える。

それをドナルドに伝えたエミリーは、彼と共にその男を訪ねる。

ドナルドとエミリーは、シド・ファイフ（フィル・デイヴィス）を何とか法廷に連れて行く。

証言台に立ったファイフは、嫌っていたドナルドを罵倒しながら、不用品の運搬や作業を手伝ったことを話す。

クローリーからドナルドとの関係を訊かれたファイフは、自分もかつて1年間ホームレス生活をしていたことを伝える。

証拠にならないと言われたクローリーは、作業を手伝いクギが指に刺さった際、救急外来に行った証明となる診断書を見せる。

それを渡された判事は1999年という日付を確認し、法的にはドナルドが土地の所有者でないが、ファイフの証言は説得力があると伝える。

所有権の時効取得の条件を満たすと判断した判事は、ヒースに住めるのかと訊くドナルドに君の自由だと伝えて、絶対的所有権を認める判決を下す。

ドナルドは土地の単独所有者として登記され、エミリーと共に法廷を出た彼は支持者に祝福される。

その後、今後のことをドナルドと話し合ったエミリーは、マンションを売らなければならない状況になったことを伝える。

売却してここに住めばいいと言われたエミリーは、一生この場にはいられないと伝え、二人で住む場所を探すことを提案する。

計画的に自分に近づいたと言われたエミリーは驚き、この場から離れるつもりのないドナルドに、一緒にいたいだけだと伝える。

考えを変えないドナルドは、ここは自分を罰するための牢獄だと言うエミリーに帰ってもらう。

その後、マンションを処分したエミリーは、フィオナに借金を返し、セラピーを受けるべきだと言って、自分は偽りの人生に別れを告げると伝える。

喧嘩別れはしたくないフィオナから、友人だと言われたエミリーは、友人ではなく、自分は研究対象だったはずだと伝える。

一人で生きる方法を訊いたフィオナは、問題ないと答えるエミリーから、チャールズの浮気を知っていたか問われる。

フィオナが動揺する様子で納得したエミリーは、あなたは勇気があると言う彼女に別れを告げる。

エミリーは、迎えに来たフィリップと共にマンションを去る。

田舎で暮らし始めたエミリーは、富豪となったホームレスのドナルドが、ヒースの所有地を400万ポンドで売却し、20歳下の女性と南フランスに向かったことをニュースで知る。

そんな時、ドナルドが船に乗って現れたために驚いたエミリーは、女性のことは、マスコミ対策に誰かが流した噂だと知らされる。

ドナルドから、土地は古い船と交換したと言われたエミリーは、それに小屋を乗せていることを知る。

小屋と離れたくないと言うドナルドは、エミリーに愛を告げる。

土地を手放したのは、君が去った後で考えた末の決断だと、ドナルドはエミリーに伝える。

船に乗せてもらったエミリーは、口論するために来たことをドナルドに確認する。