1599~1601年に書かれたとされる、ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇”ハムレット”の映画化。 監督フランコ・ゼフィレッリ、主演メル・ギブソン、グレン・クローズ、アラン・ベイツ、ポール・スコフィールド、イアン・ホルム、ヘレナ・ボナム=カーター、スティーヴン・ディレイン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:フランコ・ゼフィレッリ
製作:ダイソン・ラベル
製作総指揮:ブルース・ダヴィー
原作:ウィリアム・シェイクスピア”ハムレット”
脚本
クリストファー・デヴォア
フランコ・ゼフィレッリ
撮影:デヴィッド・ワトキン
編集:リチャード・マーデン
美術・装置
ダンテ・フェレッティ
フランチェスカ・ロー・シャイボ
衣裳デザイン:マウリツィオ・ミレノッティ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演
ハムレット:メル・ギブソン
ガートルード:グレン・クローズ
クローディアス:アラン・ベイツ
亡霊(先王):ポール・スコフィールド
ポローニアス:イアン・ホルム
オフィーリア:ヘレナ・ボナム=カーター
ホレイショー:スティーヴン・ディレイン
レアティーズ:ナサニエル・パーカー
ローゼンクランツ:マイケル・マロニー
ギルデンスターン:ショーン・マーレイ
墓掘り人:トレヴァー・ピーコック
国王役:ピート・ポスルスウェイト
王妃役:クリストファー・フェアバンク
オズリック:ジョン・マッケナリー
ベルナルド:リチャード・ワーウィック
マーセラス:クリスチャン・アンホルト
アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(北米)
カロルコ・ピクチャーズ(世界)
1990年製作 134分
公開
北米:1990年12月19日
日本:1991年9月7日
北米興行収入 $20,710,450
■ アカデミー賞 ■
第63回アカデミー賞
・ノミネート
美術・衣裳デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
デンマーク、エルシノア城。
王子ハムレット(メル・ギブソン)は、父である先王ハムレット(ポール・スコフィールド)の死を、王妃ガートルード(グレン・クローズ)と共に悼む。
国王に即位した叔父クローディアス(アラン・ベイツ)から、王位を継ぐのは自分だと言われたハムレットは、悲しむ母ガートルードを気遣う。
クローディアスは、喪に服すことなくガートルードと結婚し王妃として迎える。
侍従長ポローニアス(イアン・ホルム)の息子レアティーズ(ナサニエル・パーカー)は、クローディアスからフランス行きを許可される。
塞ぎ込むハムレットの様子をクローディアスと共に心配知るガートルードは、大学に戻ろうとする息子を城に留まるよう説得する。
ハムレットは、先王の死を悲しんでいたにも拘らず、2か月も経たないうちに結婚した母の変貌を嘆く。
妹オフィーリア(ヘレナ・ボナム=カーター)に、心を寄せるハムレットのことで助言したレアティーズは、彼女とポローニアスに別れを告げて旅立つ。 父ポローニアスからも、ハムレットとはみだりに口をきくべきでないと忠告されたオフィーリアは、従うことを約束する。 ハムレットは、二人の会話を聞いていた。 訪ねて来た親友のホレイショー(スティーヴン・ディレイン)と話したハムレットは、見張りの者と共に先王の姿を見たと言われ、城の胸壁にその亡霊が現れたことを知る。 それを確認しようとしたハムレットは、この件は誰にも話さないようにとホレイショーに指示する。 その夜、宴には参加せずに胸壁に向かったハムレットは、現れた亡霊(ポール・スコフィールド)を見て動揺する。 ホレイショーから、用心し落ち着くようにと言われたハムレットは、亡霊について行く。 亡霊と話したハムレットは、人殺しの仇をとれと言われ、父がクローディアスに毒殺されたことを知る。 母のことは天に任せて手を出すなと言われたハムレットは、夜明けが近づくために姿を消した亡霊の父を憐れむ。 復讐を誓ったハムレットは、亡霊との話の内容をホレイショーらには教えようとしない。 ハムレットは、今晩のことを誰にも話さないとホレイショーらに誓わせる。 オフィーリアの元に向かったハムレットは、彼女の手に触れただけで、何も話さずにその場を去る。 その様子を見ていたポローニアスは、ハムレットの奇行が娘オフィーリアへの愛が原因だと気づき、それをクローディアスとガートルードに話す。 ハムレットに探りを入れたポローニアスは、彼がオフィーリアに惹かれていることを確かめる。 オフィーリアと話したガートルードは、ハムレットの心の乱れの原因があなたなら、その力で元に戻せるかもしれないと伝える。 ハムレットを試そうとしたポローニアスは、クローディアスとガートルードと共に、オフィーリアと彼が話す様子を物陰で窺う。 贈ったペンダントを返すオフィーリアに対し、怒りを露にしたハムレットはその場を去る。 ポローニアスから重症だと言われたクローディアスは、ハムレットをイングランドに向かわせることを考える。 死ぬべきか生きるべきか、剣を手にして戦うべきかを自分に問うハムレットは、考えを巡らせる。 訪ねて来た学友ローゼンクランツ(マイケル・マロニー)とギルデンスターン(ショーン・マーレイ)を歓迎したハムレットだったが、二人を問い詰め、彼らが国王と王妃に呼ばれたことを知る。 現われた役者(ピート・ポスルスウェイト)らの旅芸人一座を城に案内したハムレットは、手厚くもてなすようポローニアスに指示する。 ローゼンクランツとギルデンスターンがクローディアスの元に向かう様子を確認したハムレットは、父の殺害を芝居にしてクローディアスの反応を見ることを考える。 そのことをホレイショーに話したハムレットは、クローディアスを見張るよう指示する。 芝居は始まり、役者が国王を演じ、王妃役(クリストファー・フェアバンク)と共に登場する。 ハムレットは、動揺するクローディアスとガートルードを牽制する。 国王の毒殺の場面を見たクローディアスは取り乱し、ポローニアスは芝居を終わらせる。 思い通りになったハムレットは興奮し、クローディアスが国王を毒殺したことを確信する。 誰も信じるなと言って、オフィーリアに尼寺に向かうようにと伝えたハムレットは、彼女にキスしてその場を去る。 自分を気遣うローゼンクランツとギルデンスターンのウソを見抜いたハムレットは、呼ばれたガートルードには会うと二人に伝える。 兄殺しの罪を悔いるクローディアスが祈りを捧げていることを知ったハムレットは、剣を手にして襲い掛かろうとする。 神に救いを求めるクローディアスを、天国に行かせてはならないと考えたハムレットは、地獄に落とすべきだと判断し思い留まりガートルードの元に向かう。 ポローニアスは、ハムレットが来ることをガートルードに伝えて物陰に隠れる。 芝居のことでガートルードに責められたハムレットは、聞く耳を持たない。 隠れている者に気づいたハムレットは、それがクローディアスだと思い剣で突き刺す。 殺したのがポローニアスだと知ったハムレットは、クローディアスが父を殺したことをガートルードに伝える。 ハムレットは、父と比べものにならぬ男に身をゆだねた、愚かなガートルードを責めて嘆く。 そこに父の亡霊が現れ、何者かに話しかけるハムレットを見て、ガートルードは錯乱していると思う。 母は苦しんでいる救ってやるようにと亡霊から言われたハムレットは、父が出て行くとガートルードに伝える。 ポローニアスのことは責任を追うと言うハムレットは、クローディアスに心を許してはいけないとガートルードに伝えて、このことは他言せぬようにと指示する。 それを約束してもらえたハムレットは、ポローニアスを運び出す。 ガートルードは、現われたクローディアスにハムレットがポローニアスを殺したことを伝える。 その後クローディアスは、ポローニアスの居場所を言わないハムレットに、イングランドに向かわせようとする。 ローゼンクランツとギルデンスターンと共に旅立つハムレットは、自分を葬ろうとするクローディアスの考えをガートルードに伝えて別れと告げる。 オフィーリアは父の死の悲しみで正気を失い、クローディアスは、ホレイショーに彼女を見張らせる。 封印された書簡を確認し、クローディアスが自分をイングランド側に殺させようとしていることを知ったハムレットは逃亡する。 任務を果たせなかったローゼンクランツとギルデンスターンは捕らえられ、斬首刑に処される。 帰国したレアティーズは、父の仇をを討とうとしてクローディアスに剣を向けるが、冷静になるようにと言われる。 レアティーズは、自分が誰かも分からない哀れなオフィーリアを見て愕然とする。 その後レアティーズは、オフィーリアが小川で溺死したことを知る。 城に戻る途中で墓を掘る男(トレヴァー・ピーコック)と話したハムレットは、王と王妃らと共にその場に運ばれたオフィーリアが亡くなったことを知る。 近づくハムレットに襲い掛かったレアティーズだったが、王の臣下に制止される。 オフィーリアへの愛を語るハムレットを、ガートルードは気遣う。 ハムレットを生かしておく理由をクローディアスに尋ねたレアティーズは、ガートルードのためであり、ハムレットが国民に人気があることを知る。 クローディアスは、レアティーズに復讐させる方法を考える。 訪ねて来たオズリック(ジョン・マッケナリー)から、剣の名士であるレアティーズとの剣術試合を提案されたハムレットは、それを受けて立つ。 クローディアスとレアティーズは、杯の酒と剣先の毒でハムレットを殺すことを考える。 翌日、ガートルードと共に剣術試合に立ち会ったクローディアスは、ハムレットが一本取った場合は乾杯すると伝える。 オズリックが審判をして試合は始まり、ハムレットが一本取る。 杯の酒を口にしたクローディアスは、ハムレットに真珠を捧げると伝えてそれを杯に入れる。 ハムレットに酒を飲ませようとしたクローディアスは、試合を済ませてからだと言われて杯を台に置く。 試合は再開されてハムレットが再び一本を取り、幸運を祈るガートルードは、クローディアスの制止を聞かずに杯の酒を口にしてしまう。 杯を渡されるハムレットは遠慮し、クローディアスとレアティーズは動揺する。 毒が塗られた剣を選んだレアティーズは、ハムレットと剣を交える。 気分が悪くなったガートルードは、クローディアスが杯に毒を盛ったことに気づく。 揉み合ったハムレットは勝負なしと言われるが、レアティーズは、彼の腕を剣先で傷つける。 憤慨したハムレットはレアティーズに襲い掛かり、剣を奪って彼の胸を刺す。 ガートルードの様子がおかしいためにその場は騒然となり、杯の毒のことをハムレットに話した彼女は、苦しみながら息を引き取る。 陰謀に気づいたハムレットはその場を封鎖しようとするが、剣に毒を塗ったことを話すレアティーズは、許し合おうとする。 すべてクローディアスの仕業だと知ったハムレットは、彼に襲い掛かって剣で刺し、杯の酒も飲ませる。 クローディアスは息絶え、ハムレットはガートルードに寄り添う。 死を覚悟したハムレットは、事の次第と自分の物語を語り継いでほしいとホレイショーに伝えて息を引き取る。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ハムレット」(1948)
・「ハムレット」(1996)
*(簡略ストー リー)
デンマーク、エルシノア城。
亡くなった父王の死を悲しむ王子ハムレットは、国王に即位した叔父クローディアスが、先王の死から2か月も経たずに母のガートルードと結婚したことに納得できず、心沈む日々を送る。
そんなハムレットは、友人のホレイショーから、胸壁に現れるという父王の亡霊の話を聞きそれを確認する。
亡霊から、弟クローディアスに毒殺されたことを知らされたハムレットは復讐を誓うのだが・・・。
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何度も映画他でドラマ化されている、ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇”ハムレット”の映画化作品。
「じゃじゃ馬ならし」(1967)、「ロミオとジュリエット」(1968)他、シェイクスピア作品を何作も手掛けたフランコ・ゼフィレッリの演出とメル・ギブソンの主演が話題になった。
注目は、ハリウッドのトップスターとなったメル・ギブソンが、アクション・スターでありながらシェイクスピア劇に挑戦し、その演技と熱演は好意的に受け入れられた。
名優、実力派スターの競演も見どころの一つであり、フランコ・ゼフィレッリの丁寧な演出、雰囲気があるエンニオ・モリコーネの音楽も印象に残る。
第63回アカデミー賞では、美術、衣裳デザイン賞にノミネートされた。
先王の死の悲しみで思いつめる王子ハムレットを気遣う王妃ガートルードのグレン・クローズ、兄である先王を毒殺して王位に着いたクローディアスのアラン・ベイツ、亡霊として登場する先王のポール・スコフィールド、侍従長ポローニアスのイアン・ホルム、その娘オフィーリアのヘレナ・ボナム=カーター、彼女の兄レアティーズのナサニエル・パーカー、ハムレットの友人ホレイショーのスティーヴン・ディレイン、ハムレットの学友で先王のスパイとなるローゼンクランツのマイケル・マロニーとギルデンスターンのショーン・マーレイ、墓掘り人のトレヴァー・ピーコック、旅芸人一座の役者ピート・ポスルスウェイトとクリストファー・フェアバンク、剣術の試合の審判オズリックのジョン・マッケナリー他、リチャード・ワーウィック、クリスチャン・アンホルトなどが共演している。