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青の恐怖 Green for Danger (1946)

1944年に発表された、クリスティアナ・ブランドの探偵小説”緑は危険/Green for Danger”を基に製作された作品。
第二次大戦下、郊外の病院で起きる殺人事件を描く、製作、監督、脚本シドニー・ギリアット、主演サリー・グレイトレバー・ハワードロザムンド・ジョンアラステア・シムレオ・ゲンジュディ・キャンベル他が共演したミステリー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:シドニー・ギリアット
製作
フランク・ローンダー
シドニー・ギリアット
原作:クリスティアナ・ブランド緑は危険/Green for Danger
脚本
シドニー・ギリアット
クロード・ガーネイ
撮影:ウィルキー・クーパー
編集:テルマ・マイヤーズ
音楽:ウィリアム・オルウィン

出演
フレデリカ”フレディ”リンリー:サリー・グレイ
バーニー・バーンズ医師:トレバー・ハワード
エスター・サンソン:ロザムンド・ジョン
コックリル警部:アラステア・シム
イーデン医師:レオ・ゲン
シスター・マリオン・ベイツ:ジュディ・キャンベル
ウッズ:メグス・ジェンキンス
ジョセフ・ヒギンズ:ムーア・マリオット
パーディ:ヘンリー・エドワーズ
ホワイト医師:ロナルド・アダム
ヘンドリックス巡査部長:ジョージ・ウッドブリッジ
シスター・カーター:ウェンディ・トンプソン
ポーター:ジョン・レイ
救助隊員:フランク・リン

イギリス 映画
配給 General Film Distributors
1946年製作 91分
公開
イギリス:1946年12月7日
北米:1947年8月7日
日本:1948年6月1日
製作費 $1,000,000


ストーリー
1944年8月17日。
ナチス・ドイツによるロンドンへの”V-1”攻撃が行われる中、郊外のヘロンズ・バーグ病院内で事件が起きる。
爆撃により負傷した郵便配達員患者ジョセフ・ヒギンズ(ムーア・マリオット)が運び込まれる。
翌日、ヒギンズの手術が行われ、外科医のイーデン(レオ・ゲン)と麻酔科医バーニー・バーンズ(トレバー・ハワード)は、看護師のフレデリカ”フレディ”リンリー(サリー・グレイ)らと共に手術室に向かう。
麻酔をかける段階でヒギンズは死亡し、異常事態にイーデンらは戸惑う。
その後、病院内で慰安パーティーが開かれ、看護婦長のシスター・マリオン・ベイツ(ジュディ・キャンベル)は皆の前で、ヒギンズの死は殺人で証拠もあると言って叫び声をあげる。
ベイツは手術室に向かい、その証拠を手にしようとするが、何者かに襲われる。
その場に向かったフレディは、ベイツが殺されていることに気づく。
翌日、捜査のために派遣されたスコットランドヤードのコックリル警部(アラステア・シム)は、院長のホワイト医師(ロナルド・アダム)、イーデン、バーニー、フレディ、看護師のエスター・サンソン(ロザムンド・ジョン)とウッズ(メグス・ジェンキンス)ら関係者を集める。
ベイツの死因は心臓を刺した傷であるが、もう一つの刺し傷もあり、薬棚の毒薬が4錠盗まれていることが判明していた。
フレディとバーニーは恋愛関係にあったが、イーデンが彼女に愛情を示したこともあり、殺されたベイツはイーデンに惹かれていたのだった。
コックリルは、事実を整理して事件を検証し、ヒギンズの死も他殺と考えて捜査を進めるのだが・・・。


解説 評価 感想

クリスティアナ・ブランドの原作”緑は危険/Green for Danger”を基に、製作、監督、脚本シドニー・ギリアットサリー・グレイトレバー・ハワードロザムンド・ジョンアラステア・シムレオ・ゲンジュディ・キャンベルなどが共演した作品。

シドニー・ギリアットフランク・ローンダーと共に設立した製作会社”Individual Pictures”の作品。

第二次大戦下、郊外の病院で起きる殺人事件を描くミステリー。

若くして脚本家として活躍していたシドニー・ギリアットが、1940年代に入り監督としての才能も発揮し、終戦直後に製作と脚本を兼ねて監督した意欲作でもある。

原作者のクリスティアナ・ブランドは、夫が外科医であったことから手術を見に行き、そこで麻酔医から殺人の方法を教わり、それを小説の題材にしようと考えたと言われている。

病院内で起きる恐ろしい殺人事件を描く物語ではあるが、ユーモアのセンスを取り入れたというのではなく、コメディ・タッチのシーンが登場するのが実に興味深い。

病院内の人々やその関係はいたって真面目に描かれるのだが、捜査を担当する警部の登場シーンから笑わせてくれる。
V-1”に怯えながら病院に着いた警部は、捜査を始めると、現状を見極めた鋭い視点、的確な判断と共に無駄のない行動で状況を把握し推理していく。
しかし、犯人を突き止めた矢先に”大失敗”をしてしまうという展開と共に、再び”V-1”に怯えながら病院を去っていくという、シドニー・ギリアットの見事な脚本と演出による異色のミステリーに仕上がっている。

キャリアの岐路に立つ看護師を演ずるサリー・グレイ、彼女と惹かれ合うものの問題も抱える麻酔医トレバー・ハワード、母を爆撃で亡くした辛い過去を持つ看護師ロザムンド・ジョン、的確な捜査を進める警部で、コミカルな演技も見せてくれるアラステア・シム、怪しげな言動が常に気になる外科医レオ・ゲン、殺人の証拠を手に入れて殺される看護師長ジュディ・キャンベル、看護師のメグス・ジェンキンス、爆撃で負傷し手術中に殺される郵便配達員ムーア・マリオット、医師のヘンリー・エドワーズ、事務長のロナルド・アダム、捜査に加わる巡査部長ジョージ・ウッドブリッジ、看護師のウェンディ・トンプソン、ポーターのジョン・レイ、救助隊員のフランク・リンなどが共演している。


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