・ 第1部 (エリス・セント・ジョセフ)
ルイジアナ州、ニューオーリンズ。
”マルディグラ/謝肉祭の最終日”の夜、仮装した者たちが横たわる人を見つける。
身勝手な性格のヘンリエッタ(ベティ・フィールド)は、法学部生のマイケル(ロバート・カミングス)に惹かれていた。
しかし、醜いと言われ自分の容姿に自信がないヘンリエッタは悩んでいた。
ヘンリエッタは外の騒ぎに気づき、死体を囲む人々の様子を見に行き、そこに現れたマイケルに話しかける。
マイケルに相手にされないヘンリエッタはショックを受け、そのまま自殺することも考える。
そこに現れた老人(エドガー・バリア)はヘンリエッタに声をかけ、自分は君を助ける義務があると言って、醜い顔のことを気にする彼女に、今夜、美しくなれると伝える。
老人はヘンリエッタを仮面店に連れて行き、仮面を選ばせる。
美しい女性の仮面を手にしたヘンリエッタは、夜中までに返すようにと言う老人に、カフェ・マゼランに行くよう指示される。
仮面をつけて着飾ったヘンリエッタは、街に出て人々の注目を集める。
ある男性に迫られたヘンリエッタはマイケルに救われ、彼から美しいと言われ、戸惑いながら2人でカフェ・マゼランに向かう。
日頃マイケルを観察しているヘンリエッタは、人生を悲観する彼に、楽しい時間を過ごすべきだと言って励ます。
2人はダンスをして騒ぎ多いに楽しみ、マイケルはヘンリエッタに惹かれる。
ヘンリエッタは、自分を美しいと思っているマイケルの言葉に戸惑う。
12時15分前だと知ったヘンリエッタは、帰らなくてはならないと言って、マイケルを置き去りにして仮面店に向かう。
裏口から入ったヘンリエッタは、追ってきたマイケルに帰ってもらおうとする。
真実の自分を見せることが怖いヘンリエッタは、誰にも相手にされないために、美人を装ったことをマイケルに伝える。
ウソをつき身勝手だったことを謝罪するヘンリエッタは、醜い顔を見せたくないとマイケルに伝える。
愛を告げるマイケルは、真夜中を知らせる時計の鐘で謝肉祭は終わり、皆、仮面を外すとヘンリエッタに伝える。
ヘンリエッタの仮面を外したマイケルは、その美しさに驚く。
涙しながら顔の変化に気づいたヘンリエッタは、鏡を見て自分が美しく変貌したことを確認する。
ヘンリエッタは、身勝手さと妬みが醜さの原因だったことに気づき、マイケルとキスする。
そこに店主(チャールズ・ハルトン)が現れ、店主は別人だったと言うヘンリエッタは、店を早じまいしてから人の出入りはなかったことを知り戸惑う。
店主から、結婚して2人で生活を始め、こんな店には近寄るなと言われたヘンリエッタは、マイケルと幸せを実感する。
もっと早く出会いたかったと言うマイケルにヘンリエッタは、毎日のように会い自分を見ていたと伝える。
見えなかったのかもしれないと言うヘンリエッタは、自分自身が見えなかったからだと伝えて、マイケルと共にその場を去る。
仮面店のウインドウには、老人の仮面が飾られていた。
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ドークスは、美しい話だが、夢と占い師の話が結びつかないとデイヴィスに伝える。
老人の仮面は自分かと尋ねたドークスは、仮面は教訓を象徴しているだけだで、信頼が主題だと言われ、この話はよけいに自分を混乱させるとデイヴィスに伝えてぼやく。
デイヴィスは、教訓の話があと2つあると言って、うまく絡み合うという物語を読み始める。
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・ 第2部 (オスカー・ワイルド/Lord Arthur Savile’s Crime and Other Stories)
ロンドン。
手相占い師のセプティマス・ポジャース(トーマス・ミッチェル)は、金持ちや暇を持て余す人々が集まるパーティーで、正確な予言をして皆を驚かせる。
弁護士マーシャル・タイラー(エドワード・G・ロビンソン)は、レディ・パメラ・ハードウィック(メイ・ウィッティ)に、ポジャースを追い出すべきだと言って占いを疑い信じようとしない。
そんなマーシャルの手相を見たポジャースは、弁護士の手であり、恋に夢中で、相手にも愛されていると伝える。
さらに詳しく見てもらったマーシャルは、顔色を変えたポジャースが、何も見えないと言いながら戸惑う様子が気になる。
占いを見ていたパメラは、マーシャルが惹かれるローウィーナ(アンナ・リー)を呼び、彼と話をさせる。
ローウィーナから結婚してほしいと言われたマーシャルは、その言葉を待っていたと彼女に伝える。
その時、ラジオの緊急放送が始まり、著名な探検家ロジャー・カーリントン卿と隊員が無事に発見されたというニュースが流れる。
ポジャースの占いで夫が見つかると言われたいた夫人は驚き、気を失ってしまう。
自分の占いが気になるマーシャルは、帰ろうとするポジャースを呼び止めて、本当のことを言ってほしいと伝える。
100ポンド払うと言われたポジャースは、明晩6時以降なら家に居ると伝えて、マーシャルに名刺を渡し立ち去る。
翌日、ポジャースを訪ねたマーシャルは、何匹も猫が飼われていることを気にしながら、占いの内容を尋ねる。
もう一度、手相を見たポジャースは、何が見えたか聞き出そうとするマーシャルに、”殺人者”だと伝える。
100ポンドを請求されたマーシャルは、小切手で払うことを約束する。
”ホワイトチャペル通り”を避けるようにとポジャースに指示されたマーシャルは、その場を去る。
ポジャースの占いを信じようとしないマーシャルは、帰りの車が警察の追跡に巻き込まれて銃撃され、停車した場所がホワイトチャペル通りだと気づく。
歩いて帰ることにしたマーシャルは、人を殺すことになると言ったポジャースの言葉が気になる。
それ以降その言葉が頭から離れないマーシャルは、誰かを殺せば解放されると考えるようになる。
老人であるパメラの毒殺を考えたマーシャルは、狂犬病の恐れがある猛犬を始末することにして、サコニティンという猛毒の薬剤と注射器を薬局で手に入れる。
チョコレートに薬剤を注入したマーシャルは、それを飾り箱に入れてパメラに渡す。
マーシャルは、箱の中身は肝臓に効くと言って、症状が出たら食べることをパメラに勧める。
宿屋に戻ったマーシャルは、訪ねて来ていたローウィーナに仕事が溜まっていることを伝える。
そこに電話が入り、パメラが亡くなったことを知ったマーシャルは気分が楽になり、ローウィーナに、ロンドンに戻り結婚することを伝える。
マーシャルは、パメラが亡くなったことをローウィーナに話す。
パメラが後見人だったローウィーナは驚き、ショックを受ける。
数日後、パメラの葬儀が行われ、遺言が読まれる場に立ち会うマーシャルは、ノアウォークの司祭長(C・オーブリー・スミス)に挨拶する。
ローウィーナが飾り箱を開けて中のチョコレートを食べようとしたために、制止したマーシャルはそれを取り上げ、暖炉に投げ込んでしまう。
パメラが病死だと知ったマーシャルは、別の者を殺さなくてはならないと考えながら、パメラの遺言を聞く。
細かなものが分与されるが、全財産は司祭長に遺すという遺言の内容に皆は驚く。
喜ぶ司祭長は、死は大いなる解放であり苦しみはなくなると皆に話す。
その言葉を聞いたマーシャルは、司祭長が死にたがっていると考える。
司祭長を訪ねたマーシャルは、ワイン貯蔵庫で彼を撲殺しようとするものの、思い留まりその場を去る。
橋の上で偶然ポジャースと出くわしたマーシャルは、占いで苦しんでいることを話し彼を非難する。
再び手相を見させたマーシャルは、すべて消えていると言うポジャースに襲いかかり絞殺し、死体を川に投げ込む。
通りがかった警官に追われたマーシャルは、サーカスに逃げ込み、その場で車に轢かれてしまう。
サーカスの花形で綱渡り芸人のポール・ギャスパー(シャルル・ボワイエ)は、外の騒ぎに気づく。
マーシャルに駆け寄ったギャスパーは、彼が人殺しだと言う警官の話を聞き、楽屋に戻る。
放心状態のマーシャルは、手に書いてあったことに従い、何かが背中を押して駆り立てたと言いながら、自分の意思で殺したのではないと警官に伝える。
ギャスパーは、マーシャルが話したことが、正気であればあり得ないと考える。
マーシャルは警官に連行される。
・ 第3部 (サミュエル・ホッフェンスタイン)
ギャスパーは、曲芸の最中に落下して、叫ぶ女性(バーバラ・スタンウィック)が現れる夢に悩まされていた。
そのことを団長のキング・ラマー(チャールズ・ウィニンガー)に話したギャスパーは、心配されながら曲芸を始める。
ネットが外され、いつものように酔いどれ紳士として登場したギャスパーは、見事な芸を見せる。
ところが、ギャスパーは3m下のロープに飛び移ることが出来なくなり、芸をやめてしまう。
楽屋で不安を語るギャスパーのことを気遣うラマーは、明日ニューヨークに発つので、夢が気になるなら代理を使うと言って、船上で考えてほしいと彼に伝える。
ギャスパーは、夢に現れて覚めるまで叫び続ける、変わったイヤリングをした女性のことをラマーに話す。
旅立ったギャスパーは、荒れた海を航行する船上で、すれ違った女性が夢の女性のような気がする。
その後、海は静まり、甲板でその女性に出くわしたギャスパー、夢の女性だったために驚く。
会ったことがあると言って、しつこく質問するギャスパーを迷惑に思う女性は、夢の話をする彼を相手にしない。
イヤリングのことを話すギャスパーから、竪琴のようだったと言われた女性は動揺する。
人違いだと言う女性は、ジョーン・スタンリーという名前だけは教えて、夢の女性なら避けたいはずだとギャスパーに伝える。
ギャスパーから翌日の食事に誘われたジョーンは、それを断り客室に戻る。
翌日ギャスパーは、ジョーンを何度も食事に誘うものの断られ、彼女の部屋に向かい強引に話をする。
ジョーンは、初めて会う人と以前会った気がしたことがあるか訊かれ、あると答える。
ギャスパーは、ジョーンの旅行ケースに貼ってあるカイロのホテルには自分も泊まったことがあると言いながら、各地の話をする。
君は誰かと尋ねても夢の女性としか答えず、夕食の誘いも断るジョーンが、竪琴のイヤリングをしたことに気づいたギャスパーは驚き、夢ではないかと思う。
イヤリングはしたことがないと言うジョーンを、夢の女性だと確信したギャスパーは、様々なことがあったと話す彼女に、これは運命だと伝える。
一緒に数々の旅をしたとギャスパーに伝えたジョーンは、過去も未来も考えたくないと言って彼とキスする。
翌日、ニューヨークに近づいたギャスパーは、上陸したらお別れだと言うジョーンから、最後の時を楽しむことを提案される。
ある男性から”テンプルトン嬢”と声をかけられたジョーンは、カイロで会ったと言われるものの、人違いだと伝える。
何かを隠していると言うギャスパーに詮索されることを嫌うジョーンは、気分を害して客室に向かう。
その夜ギャスパーは、ジョーンが下船後に犯罪者テンプルトンとして警官に逮捕される夢を見る。
翌日、下船の準備をしたジョーンは、ギャスパーに昨日のことを謝罪し、一緒に船を降りる。
何も起きなかったことを喜んだギャスパーは、ジョーンをタクシーに乗せて、曲芸を見に来てほしいと言って別れる。
その後、悪い夢に影響されないことを確信したギャスパーは、ジョーンが客席にいることに気づきながら曲芸を始める。
3m下のロープに飛び移る芸も成功させて地上に下りたギャスパーは、楽屋に向う。
ギャスパーの元に向かおうとしたジョーンは、現れれた警官に、明日、出頭するつもりだったと伝える。
ジョーンは、心を入れ替えるきっかけとなったことがこの楽屋にあると警官に話し、ギャスパーに会う許可を得る。
ギャスパーに今夜は一緒に祝えないと伝えたジョーンは、連行されることを彼に伝えて別れを惜しむ。
夢でそれを知っていたギャスパーは、分かっていたとジョーンに伝えて、初めての時のようにまた会えると言って彼女を抱きしめる。
ギャスパーは、目をつぶりジョーンと別れる。
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その後の2人のことを考えるドークスは、ジョーンが出所したらギャスパーと暮らすのではないかとデイヴィスに伝える。
今後は夢に惑わされないだろうと考えるドークスは、気が楽になったと言って、夢や占いは信じるなとデイヴィスに伝えてその場を去る。