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針の眼 Eye of the Needle (1981)

弱冠29歳のイギリス人作家ケン・フォレットが、1978年に発表した同名小説の映画化。
第二次大戦末期、勝敗の行方を決することになるノルマンディー上陸作戦の上陸地点を探るドイツのスパイの活動を描く、監督リチャード・マーカンド、主演ドナルド・サザーランドケイト・ネリガンイアン・バネン他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・マーカンド

製作:スティーヴン・J・フリードマン
原作:ケン・フォレット
脚色:スタンリー・マン
撮影:アラン・ヒューム
編集:ショーン・バートン
音楽:ミクロス・ローザ

出演
ヘンリー(ハインリッヒ)・フェイバー:ドナルド・サザーランド

ルーシー・ローズ:ケイト・ネリガン
デヴィッド・ローズ:クリストファー・カザノフ
ゴドリマン警部:イアン・バネン
ビリー・パーキン:フィリップ・マーティン・ブラウン
大尉:スティーヴン・マッケンナ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1981年製作 111分
公開
北米:1981年7月24日
日本:1981年10月
北米興行収入 $17,583,630


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1940年、第二次大戦下のロンドン
ドイツ軍の空襲で市内は炎上し、多大な被害を受ける。

鉄道員のヘンリー・フェイバー(ドナルド・サザーランド)は、無線連絡中、下宿の女主人にそれを見られ彼女を刺殺する。

新婚のデヴィッド・ローズ(クリストファー・カザノフ)と妻ルーシー(ケイト・ネリガン)は旅行に出かけるが、街道を車で走行中、彼ドがハンドル操作を誤り事故を起こしてしまう。

4年後、スコットランド沖、ストーム島。
事故で両足を失ったデヴィッドは心を閉ざし、2人に子供は生まれたものの、ルーシーにとって、夫婦生活は満ちた足りたものではなかった。

...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1944年。
ベルリンでは、イギリスに潜伏中のドイツのスパイ、暗号名”針”ヘンリー・フェイバーからの連絡を待つ。
フェイバーは、連合軍ヨーロッパ侵攻が近づく中、その上陸地点を探る重要任務を受けていた。
そして、調査写真を直接ヒトラーに渡すため、フェイバーは、スコットランド沖からUボートで脱出することになっていた。
船を奪い、自分の救出ためのUボートに向かったフェイバーは、時化に遭いストーム島の海岸で座礁してしまう。
フェイバーは、ローズ家にたどり着き介抱されるが、主人のデヴィッドは、事故で両足を失い心を閉ざしていた。
デヴィッドは、身元の知れないフェイバーを警戒するのだが、妻ルーシーは、夫との満足できない生活もあり、紳士的なフェイバーに心を寄せるようになり、やがて2人は結ばれてしまうのだが・・・。
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第二次大戦末期、勝敗の行方を決することになるノルマンディー上陸作戦の上陸地点を探るドイツのスパイが決定的な情報を掴みヒトラーの元に向うもののそれを知り阻止しようとする家族や軍部との戦いを描く。

本作がきっかけとなり、2年後のSF超大作「スター・ウォーズ:ジェダイの帰還」(1983)の監督に抜擢されるリチャード・マーカンドは、戦火のロンドンから平穏な孤島を舞台に、全編スリリングな展開でストーリーをまとめている。
また、スパイと知らずに主人公を愛してしまった人妻自らが、その決着をつけなくてはならないという悲劇で、戦争の空虚さも描いている。

ドラマを十分に盛り上げる、いかにもサスペンス・タッチのミクロス・ローザの音楽だが、エンドロールでは思わず、彼の担当作品である「ベン・ハー」(1959)の序曲を髣髴させる、重厚な曲も流れる。

スパイにしては人相に特徴があり過ぎる感じはするが、既に実績を重ねていたドナルド・サザーランドの、温和には見えるが、眼光鋭く冷酷でもある、無駄の無い演技は実に新鮮だ。

クライマックスでの、愛した主人公に銃口を向けなければならない、苦悩の表情が印象的な、後半から終盤にかけて、体を張った演技が光るケイト・ネリガン、事故で足を失って以来心を閉ざす、その夫のクリストファー・カザノフ、主人公を執拗に追い詰める警部イアン・バネンも、渋い演技を見せてくれる。


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