1886年に発表された、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説”ジキル博士とハイド氏”を基に製作された作品。 人間の内面の善と悪を分離できると考える医学博士が自ら実験台になる姿を描く、製作、監督ルーベン・マムーリアン、主演フレドリック・マーチ、ミリアム・ホプキンス、ローズ・ホバート、ホームズ・ハーバート他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ルーベン・マムーリアン
製作:ルーベン・マムーリアン
原作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン”ジキル博士とハイド氏”
脚本
サミュエル・ホッフェンスタイン
パーシー・ヒース
撮影:カール・ストラス
編集:ウィリアム・シー
出演
ヘンリー・ジキル博士/エドワード・ハイド氏:フレドリック・マーチ
アイヴィー・ピアソン:ミリアム・ホプキンス
ミュリエル・カルー:ローズ・ホバート
ジョン・レニヨン博士:ホームズ・ハーバート
ダンヴァース・カルー准将:ハリウェル・ホッブス
プール:エドガー・ノートン
ホーキンス夫人:テンペ・ピゴット
アターソン:アーノルド・ルーシー(クレジットなし)
ホブソン:G・L・マクドネル(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1931年製作 96分
公開
北米:1932年1月3日
日本:1932年3月
製作費 $535,000
■ アカデミー賞 ■
第5回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(フレドリック・マーチ)
・ノミネート
脚色・撮影
■ ストーリー ■
ロンドン。
医学博士のヘンリー・ジキル(フレドリック・マーチ)は、すべての人の中には善と悪の両方が潜んでいると考え、その分離も実現できると確信する。
ジキルは、ダンヴァース・カルー准将(ハリウェル・ホッブス)の娘ミュリエル(ローズ・ホバート)と婚約していた。
カルー邸でダンスパーティーが開かれるが、ジキルは、手術のためにそれに遅れる。
ミュリエルは、ようやく到着したジキルとダンスをして、その後、2人で話をして愛を確かめる。
パーティーは終り、ジキルは、ミュリエルとの結婚を早めたいことをカルーに伝えるものの、8か月後の彼の結婚記念日まで待つようにと指示される。
納得できないジキルだったが、友人のジョン・レニヨン博士(ホームズ・ハーバート)と共にその場を去る。
帰り道でジキルは、酒場の歌手アイヴィー・ピアソン(ミリアム・ホプキンス)が、客の男に殴られていることに気づきその場に向かう。
男を追い払ったジキルは、アイヴィーを部屋に運ぶ。
ジキルは、自分に惹かれるアイヴィーに誘惑されるものの、現れたレニヨンと共にその場を去る。
アイヴィーは、ジキルが自分の元に戻ることを確信する。
その後の数日間、ジキルは屋敷に閉じこもり研究を続け、ミュリエルにメモを残し、邪悪な面を解き放つための薬物を調合して、自ら実験台になるのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説”ジキル博士とハイド氏”(1886)を基に製作された作品。
ジョージア出身で、「喝采」(1926)、「市街」(1931)などのルーベン・マムーリアンが製作を兼ねて監督し、主演はフレドリック・マーチ、ミリアム・ホプキンス、ローズ・ホバート、ホームズ・ハーバートなどが共演した作品。
人間の内面の善と悪を分離できると考える医学博士が自ら実験台になる姿を描くホラー。
当時の技術を駆使した、様々な特殊効果による映像が見どころである、ホラー映画の傑作と言える作品。
但し、前半の変身時は、今でも通用するような自然な映像だったものの、後半はやや荒っぽいものになってしまったのは残念だ。
第5回アカデミー賞では、主演男優賞(フレドリック・マーチ)を受賞した。
・ノミネート
脚色・撮影
主演のフレドリック・マーチは、人間の善と悪の内面を分離できると考え、自ら実験台になる医学博士を見事に演じ、アカデミー主演男優賞を受賞した。
特に、紳士であるジキルから野獣のようなハイドに変身した後の怪演は見ものだ。
ジキルに惹かれて誘惑するものの、ハイドの餌食となる酒場の歌手ミリアム・ホプキンス、主人公の婚約者ローズ・ホバート、その父親ハリウェル・ホッブス、主人公の友人である医学博士ホームズ・ハーバート、主人公の執事エドガー・ノートン、アイヴィー(ミリアム・ホプキンス)の下宿の女主人テンペ・ピゴット、カルー(ハリウェル・ホッブス)の友人アーノルド・ルーシー、カルーの執事コーネル・マクドネルなどが共演している。