自殺を試みたものの生き残ってしまったダンバーは、その際に駆った馬”シスコ”を与えられ、望みの駐屯地に行くことを許される。
ヘイズ砦。
西部開拓の最前線への赴任を望んだダンバーは、指揮官ファンブロー少佐(モーリー・チェイキン)から、セジウィック砦に資材を運搬するティモンズ(ロバート・パストレリ)と共に向かうよう指示される。
挙動不審のファンブローの様子を気にしながら、ティモンズと共に馬車で旅立ったダンバーは、銃声を聞き少佐が自殺したことに気づく。
ダンバーは、悪人ではないが風変わりで下品なティモンズがいなければと思いながら旅を続ける。
セジウィック砦に着いたダンバーだったが、そこは無人で何もない場所だった。
ダンバーはその場に残ることを決めて、正気ではないと言うティモンズの忠告も聞かずに荷物を降ろす。
ティモンズに礼を言って見送ったダンバーは、翌日から傷んでいる酷い建物などの修復を始める。
ダンバーは、兵士達が砦から離れた場所に洞穴を掘り住んでいたことに気づく。
池に沈んでいた鹿の死骸を焼却したダンバーは、その煙が先住民に知られることを恐れる。
火を焚いている煙を確認したポウニー族の戦士(ウェス・ステューディ)は、白人がいると確信する。
戦士は、狩りで獲物が獲れなかったため、仲間達の制止を聞かずに単独でその場を襲おうとする。
焚火で調理し食事をしていたティモンズは、戦士に襲われて頭の皮を剥がれる。
仲間達も現れ、ポウニーはティモンズの運んでいた物資を奪う。
洞穴を埋めたダンバーは、兵士達がなぜその場に住み何を恐れていたのかを考え救助隊を待つ。
ダンバーは、現れた狼を撃とうとするが、害がないと判断する。
30日が経ち、守備隊が現れる気配はなかったが、ダンバーは任地を捨てる気はなく、豊富な食料は節約することにした。
コミュニケーションをとる相手もいないダンバーは、シスコと”トゥー・ソックス”という名を付けた、必ず現れる狼だけが友達だった。
洗濯と水浴びをして戻ろうとしたダンバーは、先住民(グラハム・グリーン)が砦を探っていることに気づく。
シスコに近づいた先住民は、現れたダンバーの叫び声に驚き、その場から逃げ去る。
警戒するダンバーは、余分な武器弾薬などを土に埋めて隠す。
2日経っても何も起きず、ダンバーは万全の防御で襲撃に備える。
村落に戻ったスー族の蹴る鳥(グラハム・グリーン)は、風になびく髪(ロドニー・A・グラント)達と、現れた白人についてを話し合う。
蹴る鳥は、必ず襲ってくるだろう白人が一人だったことに注目し、何か特別な力を持っているのではないかと語る。
友好関係を望んでいる可能性を指摘する蹴る鳥だったが、魔力のような力を確かめるため、白人を矢で射ってみせると風になびく髪が意見する。
石の仔牛(ジミー・ハーマン)は、一人を殺せば必ずその仕返しがあると指摘し、部族長の10頭の熊(フロイド・レッド・クロウ・ウェスターマン)は、難問であるため、時間をかけて話し合うべきだと言ってその場をまとめる。
それを聞いていた三人の子供達は砦に向かい、シスコを奪ってしまう。
ダンバーは物音に気づくが、寝ぼけて頭を打ち気を失う。
シスコを奪った少年の一人が落馬して、肩を脱臼してしまう。
翌朝、意識が戻ったダンバーは、シスコが戻っていることに気づく。
その後、池にいたダンバーは、先住民の襲撃に気づき砦に戻る。
近づいてきた風になびく髪は名前を叫びながら、銃を構えるダンバーを威嚇してその場を去る。
ダンバーは、そのまま事が起きるのを待つ考えを捨てて、先住民の村落に向かい話し合う決心をする。
途中ダンバーは、腕から血を流す先住民の女性(メアリー・マクドネル)に出くわして声をかける。
ダンバーは怯える女性に近づき、白人らしき彼女の手当てをして村落に向かう。
部族民は白人のダンバーに気づいて驚き、男達は警戒する。
馬を降りたダンバーは、女性が怪我をしていることを知らせる。
風になびく髪がダンバーに近づき、彼を追い払おうとしながら女性の腕を掴み引きずって戻る。
帰ろうとするダンバーを追う男達を制止した蹴る鳥は、白人が戦いに来たのではないことを伝える。
その夜、部族長10頭の熊は白人と話し合うことを決めて、風になびく髪と蹴る鳥を砦に向かわせる。
ダンバーは二人を歓迎し、物静かで高い地位の人物だと思われる蹴る鳥に好感を持つ。
次の訪問では付き添いの者達も招き、ダンバーは、コーヒーをご馳走して、砂糖を知らない彼らにその味を教える。
言葉は通じなかったものの、ようやく友人ができたダンバーは、友好関係を築けたことを確信する。
蹴る鳥は、自分が面倒を見るダンバーに助けられた拳を握って立つ女を呼び、夫を亡くした彼女に、時を待ち再婚するよう伝えて気遣う。
白人が現れるという噂があり、ダンバーを善人だと判断した蹴る鳥は、拳を握って立つ女に彼との通訳をさせようとする。
自分を連れ去るかもしれない白人を恐れる拳を握って立つ女はそれを拒むが、部族のために白人のことを聞き出すよう指示する。
答えを返せない拳を握って立つ女はその場かを去り、幼い頃、家族をポウニーに殺され、一人逃げのびたことを思い出す。
現れた蹴る鳥からバッファローの毛皮を譲られたダンバーは、彼らは自分が思っていたような部族ではなく、略奪などしない怪しい宗教感もなく礼儀正しいユーモアも理解する者達であることを知る。
双方は話が通じないために苛立つが、失敗を繰り返しながら友好が進展した。
助けた女性のことを知りたかったダンバーだったが、言葉を離せないため、それを彼らに聞くことはできなかった。
部族に招待されたダンバーは蹴る鳥に歓迎され、現れた拳を握って立つ女が通訳を務める。
双方は、訪問を歓迎し招待に感謝する挨拶をする。
蹴る鳥は砦にいる理由を尋ねるが、ダンバーは、まず自己紹介をすることを提案する。
それに同意した、蹴る鳥の名前をダンバーに伝えた拳を握って立つ女は、彼が部族長ではなく聖人であることを伝える。
白人の言葉がうまく思い出せない拳を握って立つ女は、自分の名前を身振りで伝える。
そして、ダンバーも自分のフルネームを教える。
双方の理解の進展を確認したダンバーは、軍人であることを踏まえ、発言に気を遣い答えを控えめにした。
ある日の早朝、地面の揺れで目覚めたダンバーは、バッファローの大群が移動していることに気づく。
それを部族に知らせに行ったダンバーは、儀式を邪魔したために男達に痛めつけられる。
蹴る鳥はそれを制止し、ダンバーがバッファローのことを教えに来たことを知り、それを待ち望んでいた男達は一転してダンバーを称える。
準備を整えたダンバーは部族と合流し、信頼された彼は、軍隊以上に統率された彼らの行動力に驚く。
そんなダンバーは、自分を見つめる拳を握って立つ女を意識し始める。
やがて、斥候が皮を剥がされた無数のバッファローを見つけ、ダンバーは、その惨たらしい行為が白人の仕業だと知り心を痛める。
ダンバーは翌日の狩りを前に、バッファローを神聖な物と考えて儀式をする部族と同じ場所にいることに引け目を感じる。
夜が明けて、バッファローの大群を確認したダンバーらは、準備を整えて狩りを始める。
風になびく髪は、仕留めたバッファローの内臓を摘出して口にして、それをダンバーも食べたことで彼を勇者と認める。
その夜、風になびく髪と各テントを回り食事を持て成されたダンバーは、軍服に興味を示した彼にそれを着せる。
代わりに胸飾りを渡され、それと軍服を交換したダンバーは、その後もテントを回り歓迎される。
その場で若者が自分の軍帽を被っていたため、それを返すようダンバーは要求する。
若者はダンバーが捨てたと言い張り、風になびく髪が、何かと交換するよう提案し、両者はそれで納得する。
蹴る鳥のテントで眠ったダンバーは、彼がが妻と愛し合っていることに気づき、拳を握って立つ女を想う。
拳を握って立つ女も、ダンバーをのことを考え眠れない。
十分な肉を手に入れたダンバーは、部族と別れて砦に向かう。
その後、友人である部族が恋しいダンバーは再び村落に向かう。
秋になり、更に彼らと親しくなったダンバーはテントも与えられ、蹴る鳥は他の白人が来るかを彼にしつこく聞いた。
白人は通過するだけだと答えたものの、ダンバーはそれだけでは済まないことを知っていた。
それを言えるはずもないダンバーは、拳を握って立つ女がそれに気づいいることは分かっていた。
その後、スー族とポウニーの戦いは迫り、ダンバーは戦いに参加することを望むが、それは彼らの戦いであり、出過ぎた真似はできなかった。
その件を蹴る鳥に聞かれたダンバーは、戦意を望む理由は、友であるスー族の敵であるからだと答える。
戦士だけが戦うと言う蹴る鳥に対し、ダンバーは部族の若い戦士よりも戦いの経験があると伝えるが、白人の戦いとは違うと言われる。
ダンバーは、戦いの間、自分の家族を守ってほしいと蹴る鳥に言われて納得しそれを約束する。
蹴る鳥は”狼と踊る男”に感謝し、ダンバーは部族の中で自分がそう呼ばれていることを知る。
翌日、蹴る鳥は、ダンバーと色々なことを話すようにと拳を握って立つ女に言い残して戦いに向かう。
ダンバーと拳を握って立つ女は親交を深めるが、結婚のことを聞かれた彼女は、それに答えようとせずにその場から走り去る。
言葉を覚えたダンバーは、その件についてを石の仔牛に尋ね、拳を握って立つ女が、戦いで死んだ夫の喪に服していることを知る。
それが、自分が拳を握って立つ女を助けた時のことだったとも聞いたダンバーは、彼女の行いを決めるのは蹴る鳥であるとも言われる。
ダンバーを傷つけてしまったことを後悔した拳を握って立つ女は、彼が旅立ったことを知りショックを受ける。
砦に戻ったダンバーは、拳を握って立つ女を愛していることを確認する。
ダンバーは、自分を待っていたトゥー・ソックスが、ようやく自分に懐いたことに気づく。
拳を握って立つ女の元に向かったダンバーは、部族の者達に知られないように、喪に服しているという彼女と愛し合う。
その時、ポウニーが40~50人近づいていることが分かり、ダンバーは、銃が強力な武器となることを部族長10頭の熊に知らせ、それを取りに行く許可を得る。
雨の中、ダンバーは付き添った少年と共に埋めてあった銃を掘り起こす。
翌日、ポウニーは村落に攻め込むが、待ち構えていたダンバーらは銃を手にして対抗する。
石の仔牛を殺したポウニーの戦士だったが、勇敢に戦う部族民に川に追い込まれて殺害される。
目の前の家族と食料などを守ろうとする人々の戦いを目の当たりにしたダンバーは、体験したことのない誇りを感じ、自分が何者であるかを考え直す。
”ジョン・ダンバー”に意味があるのか・・・、彼は、新しい名前を得て本当の自分を知った気がした。
蹴る鳥ら戦士達は戻り、戦いに勝利した部族民は喜び合う。
蹴る鳥は、拳を握って立つ女がダンバーと結婚することが望ましいと妻に言われる。
白人同士の二人について部族民も賛成するはずであるとも言われた蹴る鳥は、自分が許すだけの段階であることを知る。
翌日、蹴る鳥は拳を握って立つ女に”喪は開けた”とだけ伝える。
ダンバーと拳を握って立つ女の結婚の儀式は行われ、二人は永遠の愛を感じながら部族民に祝福される。
その後ダンバーは、白人が星の数ほどやって来ることを蹴る鳥に伝え、部族のことを心配する。
それを知った10頭の熊は、かつて体験した侵略の歴史をダンバーに語り、冬の居住地に移動することを決める。
ダンバーは、部族と共に行動し砦を捨てることを拳を握って立つ女に伝える。
部族のことなどを記録してある日記を忘れてきたことに気づいたダンバーは、それを白人に知られることを恐れ、蹴る鳥や拳を握って立つ女の制止も聞かずに取りに戻る。
砦には既に守備隊が到着し、先住民と間違えられたダンバーは攻撃され、シスコが銃弾を受けて命を落とす。
シスコに寄り添うダンバーは、兵士に殴られれてしまう。
ダンバーが戻らないため、蹴る鳥は、二人を砦に向かわせるよう風になびく髪に指示する。
守備隊指揮官に質問されたダンバーは、この場に赴任した中尉であり日記が証拠だと伝えるが、それは確認されなかった。
自分を先住民扱いする兵士に襲いかかったダンバーは、痛めつけられて鎖でつながれる。
守備隊の任務が、敵(先住民)に奪われた土地の奪還と連れ去られた白人の保護だと聞いたダンバーは、敵はいないと答える。
通約をすれば裏切り行為の酌量を考えると言う指揮官だったが、ダンバーはこの土地には何もないと言って、スー族の言葉で、自分が”狼と踊る男”で話すことはないと語る。
ダンバーの日記は字の読めない兵士が奪い、それを指揮官には話してしなかった。
移送されるダンバーは、兵士達がトゥー・ソックスを見つけて銃撃を始めたため、それを阻止しようとする。
ダンバーは殴られてトゥー・ソックスは銃弾を受け、騒ぎに気づき大尉はそれを鎮める。
その様子を監視していた風になびく髪と戦士らは、兵士に襲いかかる。
馬を奪って逃げようとしたバウアー軍曹(ラリー・ジョシュア)は、部族の少年に殺される。
日記を奪った兵士もダンバーに殺され、日記を見つけた戦士はその意味が分からず川に捨ててしまう。
冬の居住地で暮らし始めていた部族民は、戻った風になびく髪やダンバーを迎える。
拳を握って立つ女はダンバーに駆け寄り、二人は抱き合う。
ダンバーは、裏切り者になった自分を追って、白人が必ず現れることを部族長10頭の熊や蹴る鳥に伝える。
移動することを勧めるダンバーは別れることを伝え、理解してくれる白人に全てを話すと言い出し、その場は混乱する。
10頭の熊は二人だけでダンバーと話し、兵士が追っている男はもう存在せず、スー族の”狼と踊る男”となったと語りパイプを吸うよう促す。
それがその場に留まれると言う意味を理解したダンバーは、白人が必ず追ってくると考えながら、10頭の熊が素晴らしい人物であることを再確認する。
旅立つ決心をしているダンバーに、拳を握って立つ女は同行することを伝える。
それを知った蹴る鳥に手作りのパイプを渡したダンバーは、代わりに贈られた物を受け取り彼との友情を確認する。
その頃、守備隊はダンバーらの捜索を続けていた。
風になびく髪と共にダンバーを助けた少年は、涙を堪えながら旅立つ彼に拾った日記を渡す。
部族民は二人を見送り、風になびく髪は、崖の上からダンバーに友情を示す。
風になびく髪や部族民の気持ちを察しながら、ダンバーと拳を握って立つ女はその場を去る。
守備隊は、移動した部族民の居住地を確認する。
その場には、狼の遠吠えが響き渡る。
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13年後、家を失いバッファローも消滅したため、スー族はネブラスカ州の軍基地に投降した。
そして、草原で生活する部族は消え去り、開拓時代は終わりを迎えた。