街でアブドゥラの息子ジャマール(メディ・デビ)に接触し、情報を入手したバッハマンは、部下のイルナ・フライ(ニーナ・ホス)からの連絡を受ける。
カルポフが駅で接触した男が、通称”提督(マルティン・ヴトケ)”と言われていることを知ったバッハマンは、彼が、バー”シルバーザック”にいることを知る。
アブドゥラがハンブルグに来た経路に疑問を抱いたバッハマンは、キプロスの海運会社”セブン・フレンズ”をイルナに調べさせる。
シルバーザックに向かったバッハマンは、マキシミリアンとニキがいることを確認しながら提督に声をかける。
提督に金を渡しカルポフのことを聞いたバッハマンは、彼が銀行家のトミー・ブルー(ウィレム・デフォー)を捜していたことを知る。
翌日、カルポフの所在を確認したという報告を受けたバッハマンは、彼を泳がすよう指示する。
国家安全保障担当の高官ディーター・モーア(ライナー・ボック)に会ったバッハマンは、泳がせているカルポフには手出しをするなと警告する。
カルポフは、あるイスラム教徒の女性の家で世話になる。
本部に戻ったバッハマンは、カルポフが頼った女性が、トルコ国籍のレイラ・オクタイ(ダリヤ・アラボラ)で、夫を亡くし息子のメリクと暮らし、ドイツ国籍の取得を申請中だと知らされる。
ベルリンのマイケル・アクセルロッド(ヘルベルト・グレーネマイヤー)からの電話を受けたバッハマンは、モーアに反発するなと言われる。
アクセルロッドは、ベルリンに顔が利くモーアにカルポフを渡し、アブドゥラに専念するようバッハマンに指示する。
アブドゥラが海運会社に金を流している可能性を知らせたバッハマンは、それを調べたいことをアクセルロッドみ伝え、アメリカが動き出したので警戒するよう言われる。
CIAアメリカ支局。
マーサ・サリヴァン(ロビン・ライト)に迎えられたバッハマンとイルナは、モーアも交えて今回の件に関しての話し合いをする。
モーアは、ロシア当局による拷問を受けたカルポフをチェチェンのイスラム過激派と断定し、密入国した理由は仲間と接触するのが目的だと指摘する。
カルポフの居場所を知っている場合は、法的措置をとる必要があると言われたバッハマンは、カルポフが接触しようとしている人物は銀行家だと伝える。
バッハマンはカルポフを利用するべきだと主張し、ドイツのイスラム共同体に彼が入り込むよう仕向け、情報源にする考えを語る。
カルポフが銀行家に接触する目的をサリヴァンから聞かれたバッハマンは、それは不明で、逮捕すれば永遠に分からないと答える。
バッハマンに任せるべきだと言うサリヴァンの意見により、72時間の期限付きでそれが了承される。
移民に協力する弁護士のアナベル・リヒター(レイチェル・マクアダムス)は、街角で知人のメリクに声をかけられ、彼の家でレイラからカルポフを紹介される。
リヒターに保護を求めたカルポフは、ロシア人に拷問された証拠である体の傷を見せる。
カルポフは、トミー・ブルーが自分を助けてくれることをリヒターに伝えて、彼の父親の手紙を彼女に渡す。
組織犯罪に関与していた、死亡したチェチェンの軍人グレゴーリ・カルポフの息子がカルポフであることを、バッハマンはマキシミリアンとイルナから知らされる。
ブルーと面会したリヒターは、依頼人のカルポフが持っていたブルーの父親の手紙についてを話し、それに記されていた数字が口座番号であるかを確かめたいと伝える。
資料を調べて貸金庫を開けたブルーは、”グレゴーリ・ボリソヴィッチ・カルポフ”と記されたカードを見つける。
バッハマンやニキが監視するバーにいたリヒターは、ブルーに呼び出される。
口座が判明したことをリヒターに知らせたブルーは、大金であることと、”例の物”がないと渡せないと言って、正当な受取人であればそれが何か分かると伝える。
隣の席で二人の会話を聞いていたイルナは、通りにいたバッハマンの元に向い、二人は、恋人を装いながら出てきたリヒターを確認する。
タクシーに乗ったブルーは、乗り込んできたバッハマンに驚き、対テロ対策チームのリーダーであると言われる。
ある場所で車を降りたバッハマンは、過去数世紀に渡り港湾都市として外国人を受け入れてきたハンブルグに、”911”以降、敵対勢力が入り込んできたことをブルーに話す。
カルポフもその一人かもしれないと話したバッハマンは、ロシアの軍関係者で犯罪組織と取引をしていた父親が、資金洗浄をしていたと指摘する。
できることをすると言うバッハマンは、まず危険にさらされているリヒターを救うことをブルーに伝える。
翌日、レイラの家でリヒターと共にカルポフに会ったブルーは、彼から父親の手紙を読んでもらう。
カルポフ自身が約束を果たすという内容と父親の署名を確認したブルーは、”例の物”であるカルポフの父の弁護士から渡されたという鍵を確認する。
チェチェン人を殺した父親を憎んでいたカルポフだったが、金は受け取ろうとするため、ブルーは、彼がこの場に来た経緯などを知ろうとする。
それを拒むリヒターに、金を受け取ろうとするカルポフの身分も証明できないことが不満なブルーは、鍵と手紙で十分だと言われる。
それを盗聴していたバッハマンは、通りでブルーを車に乗せて、今回の金額が1000万ユーロを超えると言われる。
サリヴァンに会ったバッハマンは、ベイルートで失態した自分が、その責任を感じている振りをして、大物のアブドゥラを探っていると指摘される。
アブドゥラの情報は掴んでいると言うサリヴァンはそれを聞かれ、支援団体の資金が不正流用されていることを伝える。
それがどこに流れているかが不明な状況で、手を組むことをサリヴァンに提案されたバッハマンは、CIAが信用できないと伝えてその場を去る。
恐れているジャマールから、これ以上、協力できないと言われたバッハマンは、必要な存在だと伝えて彼を説得する。
本部に戻ったバッハマンは、ブルーに連絡してカルポフに金を渡すよう指示する。
金を渡すことを決めたとリヒターに伝えたブルーは、警戒するよう伝える。
ブルーが行動を起こしたことがバッハマンに知らされ、リヒターは、カルポフの容姿を変えさせてレイラの家から連れ出す。
電車で尾行をまいた二人は、次の駅で降りて、追ってきたバッハマンに気づきながらクラブに逃げ込む。
同じ頃、モーアは強制捜査を開始し、レイラとメリクの家にで押入り二人を逮捕する。
空き家になっている兄のアパートに向かったリヒターは、悪い金である父親の金は要らないとカルポフに言われる。
食べ物や着替えなどを置いたリヒターは、カルポフを残してその場を去る。
バーでサリヴァンに会ったバッハマンは、モーアが動いたことを伝えて、カルポフを逃がしたために協力を求める。
自分の目的を聞かれたバッハマンは、キプロスを出航したある貨物船が、ジプチへの支援で穀物を1000トン積載してイエメンで燃料を補給し、目的地に着いた際には穀物が900トンになっていたことを話す。
同時期に100トンの穀物がイエメンの市場に出回り、その利益でイスラム戦闘集団が武器を手に入れた。
海運会社はアルカイダ系の企業であり、アブドゥラの支援団体の金の流れ先であることを、バッハマンはサリヴァンに話す。
アブドゥラは悪党ではなく、同胞の苦難を見過ごせないだけだと語るバッハマンの意見にサリヴァンは賛成できない。
その武器でアメリカ人が殺されるのは明白であり、アブドゥラが利用価値があると言うバッハマンの考えが、自国では通用しないことをサリヴァンは伝える。
アブドゥラを殺しても問題は解決しないと言うバッハマンは、カルポフに金を引き出させて、アブドゥラに接触させる考えを語る。
リヒターは信用されているとも伝えたバッハマンは、サリヴァンがモーアを抑えることを確認する。
バッハマンは、リヒターを部下に拉致させて尋問し、自分達がイスラム過激派と戦っているのに、敵対勢力側に入ったと言って、彼女を非難してその場を去る。
リヒターに食事を運んだイルナは、カルポフを逮捕しようとしている者達は危害を加えると言って、彼を助けたいことを伝える。
その後、自分の力ではカルポフを救えないとバッハマンに言われたリヒターは、カルポフが捕えられれば、即刻、ロシアかアメリカに引き渡されることを知らされる。
リヒターは、カルポフが金を目的にしていないことを伝えるが、中途半端な考えの彼が何を望んでいるか、自分自身が理解していないとバッハマンに言われる。
自分達には分かっていると言うバッハマンは、カルポフは罪を犯していないと伝える。
望みを聞かれたバッハマンは、カルポフを救うことだと答えて部屋を出る。
バッハマンに協力することを伝えたリヒターは、カルポフの元に向い、彼を屋上に連れて行く。
その間、マキシミリアンらが、アパート内に監視装置をセットする。
サリヴァンに会ったバッハマンは、カルポフとリヒターの監視は順調だと伝える。
ベイルートの件がこちら側のミスで起きたことをバッハマンに話したサリヴァンは、それでCIAを憎んでいる彼の気持ちを理解する。
何のための行動だったのか、考えることがあるかをバッハマンに聞かれたサリヴァンは、世界を平和にするためと思うだけで十分だと答える。
カルポフに母親のことを尋ねたリヒターは、父親にレイプされた母親は彼を産んで亡くなり、わずか15歳だったことを知らされる。
リヒターは、母親の形見であるブレスレットをカルポフに見せられる。
カルポフを追い込み感情的にさせるようイルナから指示されたリヒターは、彼が自分を求めていると言われる。
やり過ぎではないかとバッハマンに意見したイルナだったが、状況を考えろと言われる。
指示に従ったリヒターは、拒もうとする金をブルーから受け取り、良いことに使うべきだとカルポフを説得する。
バッハマンに盗聴器を付けられたブルーは、アブドゥラの屋敷に向いジャマールに迎えられる。
アブドゥラに挨拶したブルーは、依頼された資金の運用目録を渡す。
金額の大きさに驚いたアブドゥラは、それを信じていいか迷う。
翌日、ブルーの銀行でカルポフとリヒターに会ったアブドゥラは、依頼人と二人だけで話すことを希望する。
カルポフに寄付の理由を尋ねたアブドゥラは、悪事を働いた父親が遺した汚い金だからだと言われる。
父親と決別したいと言うカルポフに、誰の罪から救われることを望むのかを問うアブドゥラは、父だと答える彼に、アッラーの道を選ぶべきだと伝える。
カルポフは、それが苦しみから解放される道だとアブドゥラに言われて抱きしめられる。
アブドゥラは、カルポフの考えが本心であることを確認したとブルーに伝え、支援先のリストと口座情報などを渡す。
ベルリン。
アクセルロッドに迎えられたバッハマンとイルナは、内務省の担当者を報告書の通り納得させるよう言われる。
不可能だと思われるカルポフとレイラ母子のパスポートを手配することを、バッハマンはアクセルロッドに要求する。
内務省に着いたバッハマンは、その場にいたサリヴァンから、資金の支援先リストに問題がないことを知らされる。
担当者に説明を始めたバッハマンは、情報機関としての自分達の立場を話し、カルポフ親子の遺産が渡るアブドゥラの支援団体に問題がないと、CIAが確認したことを伝える。
アブドゥラが、支援先の団体の一つを”セブン・フレンズ”に替える考えを話したバッハマンは、どのようにして彼に協力させるかを問われる。
脅しではなくドイツ国籍を与えることを提案するバッハマンに対し、テロ資金提供者にするべき措置ではないとモーアが意見する。
3時間以内に、アブドゥラを捕えて味方にして帰宅させる作戦を語るバッハマンは、抵抗された場合は手を引くことを伝える。
カルポフの解放も容認できないと言うモーアは、他のターゲットを見つけると言って、彼を保護するとバッハマンは語る。
意見を求められたサリヴァンは、情報源を長期に使う意義を確かめる。
バッハマンは、”世界を平和にする”と答え、それで十分だと付け加える。
会議後、イルナはブルーに電話をして、翌朝、実行することを伝える。
その夜、ジャマールに会ったバッハマンは、アブドゥラを銀行で降ろした後は姿を消すよう指示する。
裏切りだと言われたバッハマンは、父親を助けることになると言って彼を説得する。
翌朝、カルポフらのIDとパスポートなどをバッハマンから渡されたリヒターは、アブドゥラがどうなるかを尋ね、悪いようにはしないと言われる。
リヒターからパスポートを受け取ったカルポフは、母親の形見のブレスレットを彼女に渡す。
アブドゥラを銀行に送ったジャマールは、父を抱きしめてその場を去る。
カルポフとリヒターが立ち合い、送金に関する説明をブルーから受けたアブドゥラは、それをチェックして署名をする。
バッハマンらは、その様子を監視する。
アブドゥラは、一件だけ送金先を変更したいと言って、支援物資を運ぶ海運会社の”セブン・フレンズ”であることを伝える。
ブルーが変更手続きをしてアブドゥラがそれを確認して署名したため、思惑通りになったバッハマンらは喜ぶ。
ジャマールに電話をしたアブドゥラが遅れると言われたために、ブルーがタクシーを用意する。
ブルーから連絡を受けたバッハマンは、タクシーを運転して銀行の入り口に向かう。
アブドゥラはカルポフに別れを告げてタクシーに乗り、地下鉄駅に向かう。
バッハマンは追ってきた車に追突され、アブドゥラは男達に連れ去られる。
それに気づいたカルポフは、その場に駆け寄るものの取り押さえられ、彼も連れ去られる。
それを指示したムーアは、作戦の成功を確認する。
車から降りたバッハマンは、車に乗るサリヴァンを確認し、CIAとムーアが組み騙されたことに気づき激怒する。
ブルーとその様子を見ていたリヒターは、路上にしゃがみ込む。
サリヴァンがその場を去る姿を見ながら、バッハマンは、イルナに何も語らず車に乗る。
敗北を認めたバッハマンは、暫く走った場所で停車し車を降りる。