情報収集のために、シェイファーからアメリカ国境の南で写真撮影をする”秘密工作”への協力を求められたシールは、テスト飛行をする。
ルーシーにその件を話したシールだったが、安定した仕事を辞めてビジネスを始めることに反対される。
諦めきれないシールはTWAを辞めてしまい、それをルーシーには秘密にして新しい仕事を始める。
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1985年12月20日。
モーテルでビデオに映像を記録するシールは、CIAに協力する際、初めによく話を聞くべきだったと後悔する。
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冷戦の最中、ソ連は、中米の共産主義系革命軍に援助した。
CIAは革命派の写真を入手するようシールに指示し、彼は見事な操縦テクニックで、危険な目に遭いながらもシェイファーを満足させる仕事をする。
TWAのパイロットを続けているように見せかけたシールは、それをルーシーに知られないようにする。
そのことをシェイファーに話し、子供も生まれたためもう少し収入が欲しいと伝えたシールは、別の仕事でパナマに向かうよう指示される。
パナマ・シティ。
マヌエル・ノリエガ大佐に会い、賄賂と引き換えに情報を得たシールは、それをCIAに渡す。
1980年、コロンビア。
給油のために着陸した飛行場で、現れた男達に車に乗せられたシールは、ある屋敷に連れて行かれ、怪しい雰囲気だったために戸惑う。
ホルヘ・オチョア(アレハンドロ・エッダ)と話したシールは、空路でマイアミへのコカイン密輸を依頼される。
1キロ(2.2ポンド)で2000ドル報酬を払うと言われたシールは、オチョアから、仲間のカルロス・レデル(フレディ・ヤテ・エスコバル)とパブロ・エスコバル(マウリシオ・メヒア)を紹介される。
シールは滑走路が短いことを気にしながら、現地に着陸することは危険だと考え、コカインを機内から落下させる方法を提案する。
限界までコカインを積み込んだシールは、監視役の肥満体の男も機内から降ろし、滑走路の長さを心配しながら何とか離陸する。
アメリカ本土に着き湿地帯にコカインを投下したシールは、飛行場に着陸して税関のチェックを受ける。
コロンビアに向かい、オチョアらから約束の大金を受け取ったシールは、翌週も飛ぶことになる。
その時、屋敷は警官隊に襲われ、シールらは逮捕されてしまう。
オチョアらは釈放され、留置場に入れられていたシールは、現れたシェイファーから、CIAとは無関係の麻薬の運び屋だと言われる。
警察に自宅を捜査され、ルーシーも留置される可能性があることをシェイファーから知らされたシールは、留置場から何とかして出すことを約束してもらう。
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1986年1月2日。
シールは、カメラに向かって話す。
写真に撮ったのは、ニカラグアを支配し中米で初めて革命に成功した左翼運動組織”サンディニスタ民族解放戦線”だった。
就任したロナルド・レーガン大統領は、”サンディニスタ”を倒すために”コントラ”を利用とした。
議会がそれに反対したために、レーガンはCIAに協力を求めた。
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釈放されたシールは、家宅捜査は行われると言うシェイファーから、ルイジアナを出ることを提案され、その後は彼の考えに従うことにする。
アーカンソー州のミーナに向かうようことをシェイファーから指示されたシールは自宅に戻り、眠っていたルーシーを起こして、家族を無理矢理現地に連れて行く。
ミーナ。
人口わずか2647人の寂れた町の用意された家に着いたシールは、待ち構えていたシェイファーと飛行場に向かい、家からこの場までの約8キロ平方メートルの土地を提供すると言われる。
格納庫には既に飛行機があり、シールは、その場にあった”AK-47”を見せるシェイファーから、それをニカラグアに運ぶよう指示される。
FBI、ATF/アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局、DEA/麻薬取締局、税関など、メキシコ湾地域のアメリカ政府の監視組織の資料を渡されたシールは、それを避けて飛ぶようにと言われる。
オチョアから受け取った大金も戻り、家に向かったシールだったが、今回の件でルーシーに責められたため、TWAを辞めたことを正直に話す。
妊娠中のルーシーは、今まで通りに家族を養うことを約束させ、冷蔵庫や洗濯機など何もないこともシールに伝える。
シールは、冷蔵庫などを置く場所に札束を投げて、バッグに入った大金をルーシーに見せる。
汚い金か訊かれたシールは、誰にも話さないことを約束させて、CIAの仕事をしていることをルーシーに伝える。
1981年。
コントラに銃を運び始めたシールは、アメリカの協力者であるドン・カルロをオチョアから紹介され、武器をコロンビアに運び、コカインをコントラに渡すよう指示される。
コントラがコカインを漁船でマイアミに運ぶと言われたシールは、戦いなど求めていないコントラは、金儲けしか考えていないことを知らされる。
武器を欲しがっていたのは”メデジン・カルテル”だと話すオチョアは、手を組んだことをシールに伝える。
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1986年1月11日。
シールはカメラに向かって話す。
オチョアらと手を組み、ミーナで武器を積んでコロンビアのメデジン・カルテルの滑走路に運び、コカインを積んでニカラグアのコントラの訓練基地に運ぶ。
コントラはコカインを漁船でマイアミに運び、別のコカインを飛行機に積んだシールは、パナマで給油して、将軍に昇進したノリエガに謝礼を渡してアメリカに向かい、ブツをルイジアナに投下した。
マリファナの売人ピート、ドラッグの密輸をしていたスタン、ベトナム戦争時にアヘンを密輸していたビル、ボブら助手を雇ったシールは、次々と仕事をこなす。
コントラをこの地に呼び寄せて訓練するため、飛行場と訓練場を作ると言うシェイファーは、シールの土地を借りようとする。
シールは、コントラを飛行機でミーナに運ぶ。
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1986年1月18日。
アメリカに着いたコントラは何人かが逃げ出してしまったと、シールはカメラに向かって話す。
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上司から命令されたシェイファーは、作戦を拡大することをシールに伝える。
シールから、酒とフットボールの特等席のシーズン・チケットを受け取った保安官のダウニング(ジェシー・プレモンス)は、妻のジュディ(ローラ・カーク)から、何の価値もない土地をシールが8キロ平方メートルも買うのは不自然だと言われる。
自分達には関係ないことだと考えるダウニングは、シールはいい男だとジュディに伝える。
町の銀行に大金を持参して口座を開設したシールは、地元に多額を寄付して野球場などを作り、ルーシーに高級車をプレゼントする。
1982年。
プール付きの豪邸を建設したシールは、シェイファーとオチョアのためにフル回転で働いて大金を手に入れ、ダミー会社を設立するものの資金洗浄が追いつかない。
家には現金が溢れ、ルーシーをコロンビアに連れて行ったシールは、オチョアらに彼女を紹介する。
各銀行に数千万ドル、隠しきれない現金は地中にも埋めたシールは、全てを手に入れる。
そんな時、ルーシーの弟でトラブルメイカーのJBが現れる。
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1986年1月26日。
JBの件では苦労したことを、シールはカメラに向かって話す。
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JBを迷惑に思うシールだったが、ルーシーから、弟に仕事を与えてほしいと言われ、仕方なくそれに従う。
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1986年2月2日。
報酬を受け取っても隠す場所がなかったシールは、その苦悩をカメラに向かって語る。
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新車を買ったJBを問い詰めたシールは、格納庫にあった現金を彼が盗んだことを知る。
1983年。
防空識別圏での違反行為のためDEAのジェット機に追跡されたシールは、陸地から海上に向かい、低速でひたすら飛行を続ける。
燃料切れになったDEAのジェット機は、仕方なく引き返す。
FBI、銀行財務調査部。
その頃、クレイグ・マッコール捜査官(E・ロジャー・ミッチェル)は、ミーナの銀行に多額の資金が集まっているという調査報告を受ける。
ミーナに向かったマッコールは、貧しく小さな町に銀行が乱立していることを疑問に思う。
ニューオーリンズに向かう途中、国境警備隊の飛行機に着陸を命ぜられ追跡されたシールは、住宅街に不時着する。
壊してしまった家の子供に金を渡して自転車を代も払ったシールは、その場から逃走する。
200キロのコカインを積んだ機体が不時着したことを知ったシェイファーは苛立つ。
エスコバルが政府を相手に戦争を始めてしまい、無茶をし過ぎてコロンビアから追放されたことを、シールはオチョアから知らされる。
DEAの手が回らないニカラグアに向かったシールは、オチョアとエスコバルと共に内務大臣のヴォーンに会う。
ダイナーで食事をしていたダウニングは、JBが車から出したトランクから、札がはみ出していることに気づく。
店に入ってきたJBに声をかけたダウニングは、彼が逃げたために追いかけて逮捕する。
ルーシーからの連絡でJBの件を知ったシールは、内務大臣との話し合いでコカインを1500キロ運ぶことになる。
一旦ミーナに戻ったシールは、JBと電話で話して何とかすると伝え、仕事を急かすオチョアから、自分達が始末すると言われる。
JBを釈放させたシールは、現金とパスポートと航空券を渡して、ボラボラ島に向かうようにと指示する。
郊外に用意されていた自分の車に向かったJBだったが、納得いかない彼は、住所を教えるので送金を続けるようにと言ってシールを脅す。
ルーシーを侮辱されたシールは憤慨して車を降りるが、走り出したJBの車は爆発する。
JBの車を林の中に隠して飛行場に向かったシールは、自分達の今後を心配するビルに、JBは絶対に何も話さないと言って安心させる。
上司に呼ばれたシェイファーは、過去1年でコントラに渡るはずだった10500挺の銃の内、コロンビアのカルテルに5000挺が渡り、アメリカで訓練された916人のコントラが祖国に戻ったのは半数で、残りは逃亡した件の説明を求められる。
現れたシェイファーから、コントラをニカラグアに返すと言われたシールは、銃がコロンビアに流れていたことを知らされる。
今後のことを訊いたシールは待機するようにと指示され、”シェイファー”も存在しないと言われる。
本部に戻ったシェイファーは、バリー・シールとミーナに関する資料は全て焼却するよう部下に指示する。
シールも、飛行場から引き揚げることを仲間達に伝える。
その場に現れたDEA、ATF、郡警察、そしてFBIのマッコールは、シールを逮捕して州司法長官デイナ・シボタ(ジェイマ・メイズ)の元に連行する。
一生、刑務所に入れるとシールに伝えたシボタは、ビル・クリントン州知事からの電話を受ける。
部屋から出たシールは、マッコールらにキャデラックをプレゼントすることを約束し、賄賂ではなく迷惑をかけたお詫びだと伝える。
迷惑をかけたという意味はここに自分を連れてきたことで、無罪放免で直ぐに出て行くと言うシールは余裕を見せる。
電話を終えたシボタはシールの手錠を外すようにと指示し、彼を釈放する。
裁判所から出たシールは、迎えに来たCIAと思われる男達にシェイファーのことを尋ねるが、そんな男は知らないと言われる。
飛行場に向かったシールは、男達が誰なのか知らされないままプライベートジェットに乗る。
ワシントンD.C.、ホワイトハウス。
廊下で待っていたシールは、パイロットだと言う男性(ジョージ・W・ブッシュ/コナー・トリニアー)から声をかけられる。
父親に呼ばれたと言う男性は席を立つ。
大統領特別補佐官オリヴァー・ノース中佐(ロバート・ファリア)に呼ばれたシールは、ある話し合いに同席する。
サンディニスタを叩き潰し共産主義者の麻薬取引を立証したいノースは、メデジン・カルテルの根絶を狙うDEAのジェームズ・ランゲル(ベニート・マルティネス)と意見が合わない。
ノースとランゲルから今まで通り運び屋を続けるようにと指示されたシールは、英雄になれるチャンスだと言われて、ホワイトハウスに雇われて運び屋を再開する。
1984年。
カメラを3台設置した輸送機を用意されたシールは、コカインの引き渡しの証拠写真を撮るようにと言うランゲルの指示受ける。
写真は限られた政府の上層部の者しか見ないことを確認したシールは、家族のことを気にしながらピートと共に飛び立つ。
ニカラグアの首都マナグアの空軍基地に到着したシールとピートは、その場にいた兵士に銃を向けられ、現れたヴォーン内務大臣は輸送機の中を調べる。
そこにオチョアも現れ、シールとピートを射殺するよう兵士に命ずる。
それがジョークだと分かったシールは、オチョアから自分は命の恩人だと言われて、警戒するエスコバルに約束の”ハーレーダビッドソン”を渡す。
シールとピートは、コカインを積み込むオチョアとエスコバルなどを写真に撮ることに成功し、ランゲルは部下と共にそれを喜ぶ。
ニカラグア政府が麻薬取引に手を染めている事実を声明として発表するレーガン大統領は、シールも写っている証拠の盗撮写真を公表してしまう。
シールと共にそれをテレビで見ていたルーシーは、騙されたと言って憤慨する。
それを知ったオチョアは、裏切ったシールを始末するようエスコバルに指示を出す。
ノースが勝手に公表したことをランゲルから知らされたシールは、写真を撮った自分のリスクだと言われる。
FBIに全てを押収されることをルーシーに話したシールは、身につけているものは持っていかれないため、自分はともかく、宝石などで子供達と当分は暮らせると伝える。
何もかも押収されたシールは、子供達と共に安全なバトンルージュに戻ることをルーシーに提案する。
それを拒むルーシーに、自分は刑務所に入ると伝えたシールは、彼女を説得する。
家族はバトンルージュに戻り、起訴されたシールは、1000時間の社会奉仕を命ぜられて釈放される。
納得しないシボタだったが、判事は彼女の訴えを却下する。
オチョアは、殺し屋をアメリカに送り込む。
1985年12月20日。
モーテルの部屋でビデオカメラに向かうシールは、CIAに協力する際、初めによく話を聞くべきだったと後悔しながら、1979年のCIAから始まる全てを語る映像を記録する。
駐車場の車に乗ったシールは、エンジンをかけることに躊躇する。
周辺の人々に車から離れるようにと伝えたシールは、警戒しながらエンジンをかける。
モーテルを転々とするシールは、爆死を恐れながらの日々を過ごし、判決に従い救世軍の更生施設で社会奉仕活動を務める。
1986年12月19日。
最後の映像を録画したシールは、車に近づいた殺し屋に射殺される。
翌日、殺人現場の捜査は始り、”国家安全保障会議”の担当官がシールのビデオなどを押収する。
新たな作戦を考案したシェイファーは、イランを利用してコントラを武装することを上司に提案する。
シェイファーは昇格し、逮捕後に釈放されたピートは神の道に入り、アラバマの田舎で教師になり、他のパイロットは姿を消した。
シールの輸送機は、ニカラグア上空で撃墜されるまでCIAが使用した。
その後、”イラン・コントラ事件”が発覚し、記者からコメントを求められたレーガン大統領とブッシュ副大統領はそれを拒む。
バトンルージュのファーストフード店で働くルーシーの腕には、高価なブレスレットがはめられていた。