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アメリカン・ビューティー American Beauty (1999)

家庭崩壊、蔓延する麻薬、同性愛に対する偏見などアメリカ社会が抱える問題を描く、監督サム・メンデス、主演ケヴィン・スペイシーアネット・ベニングソーラ・バーチクリス・クーパーウェス・ベントリーピーター・ギャラガー他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ケヴィン・スペイシー / Kevin Spacey / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:サム・メンデス
製作
ブルース・コーエン

ダン・ジンクス
脚本:アラン・ボール
撮影:コンラッド・L・ホール
編集
タリク・アンウォー

クリストファー・グリーンバリー
音楽:トーマス・ニューマン

出演
レスター・バーナム:ケヴィン・スペイシー

キャロリン・バーナム:アネット・ベニング
ジェーン・バーナム:ソーラ・バーチ
フランク・フィッツ大佐:クリス・クーパー
リッキー・フィッツ:ウェス・ベントリー
バディ・ケイン:ピーター・ギャラガー

アンジェラ・ヘイズ:ミーナ・スヴァーリ
バーバラ・フィッツ:アリソン・ジャニー
ジム・オルマイヤー:スコット・バクラ
ジム・バークリー:サム・ロバーズ
ブラッド・ドゥプリー:バリー・デル・シャーマン
ミスター・スマイリーの店員:マリッサ・ジャレット・ウィノカー
不動産物権を見に来る男性:ジョン・チョー

アメリカ 映画
配給 ドリームワークス

1999年製作 121分
公開
北米:1999年9月15日
日本:2000年4月29日
制作費 $15,000,000
北米興行収入 $130,058,050
世界 $356,296,600


アカデミー賞
第72回アカデミー賞

・受賞
作品・監督
主演男優(ケヴィン・スペイシー
脚本・撮影賞
・ノミネート
主演女優(アネット・ベニング
編集・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
広告代理店勤務の42歳のレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)と不動産業の妻キャロリン(アネット・ベニング)、高校生の一人娘ジェーン(ソーラ・バーチ)の生活は一見、幸せそうに見えた。

夫には無関心な野心家であるキャロリンは、庭のバラ(アメリカン・ビューティー)の手入れが趣味で、隣人のゲイ・カップル、麻酔専門医のジム・オルマイヤー(スコット・バクラ)と税理士のジム・バークリー(サム・ロバーズ)にも気軽に話しかける。

レスターは、そんなキャロリンを見ているだけで疲れてしまい、かつては幸せな夫婦だったと考える。

豊胸手術を考えているジェーンは、常に不満を抱き、キャロリンと共にレスターを負け犬と思い見下していた。

出社したレスターは、能率向上カウンセラーのブラッド・ドゥプリー(バリー・デル・シャーマン)に呼ばれ、経費節減によるリストラ予告をされて社員全員のレポートで判断すると言われる。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
42歳で広告代理店勤務のレスター・バーナムは、妻キャロリンとの関係は冷め、娘のジェーンにも嫌われていた。
ある日レスターは、ジェーンの友人である美少女アンジェラに心奪われてしまう。
アンジェラが、鍛えれば自分と寝てもいいと言う言葉を盗み聞きしてしまったレスターは、満たされぬ生活を一変して、その”目標”に向かって活発な生活を始める。
会社を辞めて暴走し始めたレスターは、キャロリンやジェーンを無視して、隣に越して来たフィッツ大佐の息子で、影でマリファナの密売をするリッキーと親交を深める。
やがて、キャロリンは夫を憎み、ジェーンは父が消え去ることを願うようになる。
そしてフィッツは、息子とレスターの怪しい関係を疑い始め、事件は起きる・・・。
__________

終盤はサスペンス・スリラーのような緊迫感もあり、ラストの主人公の死の瞬間には、喜びや幸せ、そして美しいものしか思い浮かばないという皮肉が込められた、”美と破滅”が一瞬で描かれるクライマックスも衝撃的な異色のドラマ。

映画初監督で、いきなりアカデミー賞を受賞したサム・メンデスの、撮影当時33歳と思えない繊細にして軽快且つ大胆な演出は、多くの舞台を手がけた彼の力量が大いに発揮されている。

第72回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞をはじめ5部門で受賞した。
・受賞
作品・監督
主演男優(ケヴィン・スペイシー
脚本・撮影賞
・ノミネート
主演女優(アネット・ベニング
編集・作曲賞

北米で約1億3000万ドル、全世界では3億5600万ドルを超す大ヒットとなった。

トーマス・ニューマンのテーマ曲は、主人公の空虚な生活を、単調なメロディで表現した印象深いものになっている。

ユージュアル・サスペクツ」(1995)の助演賞に続き、ニ度目のアカデミー賞(主演)を受賞したケヴィン・スペイシーは、早くも円熟と言えるの名演を見せてくれる。
非情に表情が豊かで、特に娘の友人であるアンジェラへの熱が冷めて”正気”に戻り、彼女を優しく見つめる安堵の表情などが素晴らしい。

同じくアカデミー主演賞候補になったアネット・ベニングは、コミカルな演技に加えて、野心家でヒステリックな妻役を好演している。

クリス・クーパーの”怪演”も注目で、異常なまでの鉄壁主義者ぶりと、何かを引き起こしそうな不気味な雰囲気、雨に打たれてずぶ濡れになりながら、主人公を見つめる同性愛者としての表情は、見事としか言いようがない。
彼の強烈なキャラクターが、本作の評価を高めたと言っても過言でない。

この年は、「サイダーハウス・ルール」(1999)のマイケル・ケインアカデミー助演賞が贈られたが、クリス・クーパーがノミネートすらされなかったのには疑問を感じる。
しかし彼は、3年後の「アダプテーション」(2002)で、見事に同助演賞を獲得し、その実力は証明されることになる。

主人公レスターを射殺する犯人が、隣人のフィッツか妻のキャロリンか明確に描写されずに映画は終わる。
キャロラインが手に入れるのは”Smith & Wesson Model 5906”で、フィッツのコレクションから消えている拳銃は”SIG SAUER P226”であり、レスターの後頭部に迫る拳銃は”SIG SAUER P226”なので、犯人はフィッツであるのは明らかだ。
とは言え、よく観ていないと分からない演出ではある。

陰はあるが、凛々しさで人を惹きつける隣人の少年ウェス・ベントリー、親の愛を感じ取ることができず不平ばかり口にするの主人公の娘ソーラ・バーチ、可愛い過ぎない位のところが魅力的なミーナ・スヴァーリ、3人共に20歳前後とは思えない確かな演技を見せてくれる。

不動産業界のカリスマ的存在のピーター・ギャラガー、夫(クリス・クーパー)の”全て”病的な妻アリソン・ジャニー、主人公の隣人のゲイ・カップル、スコット・バクラサム・ロバーズ、主人公の会社の能率向上カウンセラー、バリー・デル・シャーマン、ミスター・スマイリーの店員マリッサ・ジャレット・ウィノカー、キャロリン(アネット・ベニング)の物権を見に来るジョン・チョーなどが共演している。


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