ヒット作「エイリアン」(1979)の続編。 数十年経過した地球軌道に帰還した主人公が再びエイリアンとの戦いに挑む姿を描く、原案、監督、脚本ジェームズ・キャメロン、主演シガニー・ウィーバー、マイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン、ポール・ライザー、ビル・パクストン他共演のSFアクション。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・キャメロン
製作:ゲイル・アン・ハード
製作総指揮
ゴードン・キャロル
デイヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル
キャラクター創作
ダン・オバノン
ロナルド・シャセット
原案
ジェームズ・キャメロン
デイヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル
脚本:ジェームズ・キャメロン
撮影:エイドリアン・ビドル
編集:テリー・ローリングス
美術:ピーター・ ラモント
視覚効果/特殊メイク:スタン・ウィンストン
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演
エレン・リプリー:シガニー・ウィーバー
ドゥウェイン・ヒックス:マイケル・ビーン
ビショップ:ランス・ヘンリクセン
カーター・J・バーク:ポール・ライザー
ウィリアム・ハドソン:ビル・パクストン
ニュート(レベッカ・ジョーダン):キャリー・ヘン
ジャネット・ヴァスケス:ジェニット・ゴールドスタイン
ウィリアム・ゴーマン中尉:ウィリアム・ホープ
コレット・フェッロ:コレット・ヒラー
ダニエル・スパンクマイヤー:ダニエル・キャッシュ
アル・エイポーン:アル・マシューズ
マーク・ドレイク:マーク・ロルストン
ウィズボウスキー:トレバー・スティードマン
クロウ:ティップ・ティッピング
フロスト:リッコ・ロス
ディートリック:シンシア・スコット
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1986年製作 137分(特別編154分)
公開
北米:1986年7月18日
日本:1986年8月9日
製作費 $18,500,000
北米興行収入 $85,160,250
世界 $131,060,250
■ アカデミー賞 ■
第59回アカデミー賞
・受賞
視覚効果・音響編集賞
・ノミネート
主演女優(シガニー・ウィーバー)
編集・作曲・録音・美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
エイリアンの襲撃を受けて、宇宙貨物船ノストロモ号から脱出したエレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)は、漂流を続ける。
その後リプリーは、偶然サルベージ船に救助され、地球軌道上の中継ステーションに運ばれてくる。
地球時間で57年もの月日が流れ、リプリーは、地球に残していた娘の死亡などを、貨物船会社ウェイランド=ユタニのカーター・J・バーク(ポール・ライザー)から知らされる。
その後リプリーは、惑星LV-426(アチュロン)で起きた事件と、生物の存在を会社上層部に報告する。
しかし、それを信じてもらえないリプリーは、精神患者として隔離されてしまう。 アチュロンには、調査技師とその家族が60~70いて、20年もの間住みついていると聞いたリプリーは驚いてしまう。 その頃アチュロンでは、リプリー達を襲った生命体による事件が再び起きる。 バークは、アチェロンからの連絡が途絶えた原因調査のために、リプリーに案内役として同行を求める。 その要請を断ったリプリーだったが、毎日悪夢にうなされる彼女は、生命体(エイリアン)絶滅を条件に、アチュロン行きを承諾する。 リプリーは、バーク、海兵隊員ウィリアム・ ゴーマン中尉(ウィリアム・ホープ)、ドゥウェイン・ヒックス(マイケル・ビーン)、ウィリアム・ハドソン(ビル・パクストン)、ジャネット・ヴァスケス(ジェニット・ゴールドスタイン)、ディートリック(シンシア・スコット)、アル・エイポーン(アル・マシューズ)、マーク・ドレイク(マーク・ロルストン)、の他、アンドロイドのビショップ(ランス・ヘンリクセン)と共に、軍事輸送船スラコに乗り込みアチュロンに向かう。 冷凍睡眠から目覚めた、隊員達の危機感のない楽観的な態度や、アンドロイドを再び同行させた会社側に不快感を表すリプリーだったが、得意のパワーローダー操縦で気を紛らわす。 アチュロンの軌道上に達し、着陸船で地上に降り立った乗組員は、居住施設に入り生存者の捜査を始める。 装甲車で待機していたリプリーは、エイリアンの体液で溶解した床などを、隊員の監視カメラで確認する。 建物内部に入ったリプリーは、医務室にエイリアンの幼虫が捕獲されていることを知る。 そして隊員は、植民地家族の生き残りで、家族を殺されたレベッカ・ジョーダン(キャリー・ヘン)という7歳の女の子を発見して保護する。 リプリーは、亡くなった娘のことを想いながら、レベッカの面倒を見るが、彼女は自分をニュート呼ぶ。 エイリアンの反応をキャッチした一行は、冷却装置の爆破を避けるため、強力な武器を使うことができなくなる。 やがて、建物全体がエイリアンの巣と化していることに気づく間もなく、隊員は次々と襲われる。 ヴァスケスは命令を無視して発砲してしまい、壮絶な戦いが始まる。 ゴーマン中尉は撤退命令を出すが、リプリーは装甲車を走らせて隊員らの救出に向かう。 生き残った隊員を救出し、リプリーは装甲車で建物から脱出するが、ゴーマンは負傷してしまう。 エイリアンに襲われた、エイポーンやディートリックが生きていることが分かるが、リプリーは救出が困難なことを指摘する。 そしてリプリーは、軌道上から施設を核攻撃することを提案するが、大金をかけている施設爆破にバークは反対する。 ゴーマンが意識を失っているため、伍長のヒックスに判断が委ねられ、彼は核攻撃を指示する。 しかし、退避のため隊員とリプリーらを迎えに来た着陸船が、エイリアンに襲われ墜落してしまう。 孤立したリプリーらは、彼女を中心としてエイリアンから身を守るために、武器を集めて、施設の設計図を基に対策を考える。 やがて、リプリーとニュートは、親子のように心が通い合うようになる。 バークは、リプリーにエイリアン絶滅を約束したはずだったが、彼はエイリアンを生物兵器として利用するために、生きたまま地球に持ち帰ろうとしていた。 それを知ったリプリーは激怒し、バークの危機意識のない無責任な行動を非難する。 経路遮断地点に設置した、自動感知の武器が発砲を始め、やがて弾を使い切るがエイリアンの反応は消えず、敵が、かなりの大群だということが分かる。 リプリー達は、母船から、別の着陸船を遠隔操作で操縦できるビショップに望みを託し、彼は電波発信塔に通ずる通気管から目的地に向かう。 その間、無数のエイリアンがリプリー達に迫り、バークは、リプリーとニュートにエイリアンを宿し、地球に連れ帰ることを画策する。 医務室に、エイリアンと閉じ込められたリプリーとニュートは、スプリンクラーを作動させて自分達の危機を知らせる。 リプリーとニュートを助け、バークを拘束したヒックスらだったが、現れた大量のエイリアンとの戦いが始まる。 ハドソンとバークはエイリアンの餌食となり、ニュートの誘導で、ビショップが遠隔操作に成功した、着陸船の到着所に急ぐ。 負傷したヴァスケスを救出に行ったゴーマンは、彼女と共に自爆して仲間の逃亡を助けるものの、爆破の衝撃でリプリーはニュートを見失ってしまう。 リプリーとヒックスはニュートを見つけるが、エイリアンが彼女を連れ去る。 到着した着陸船に、ビショップと負傷したヒックスを待機させたリプリーは、施設の爆破が迫る中、ニュートの救出に向かう。 エイリアンが、直ぐにはニュートを殺さないことを知っていたリプリーは、彼女を救い出して、エイリアンの巣を見つける。 そして、リプリーはその場で、大量の卵を産み落としていたエイリアン・クィーンに攻撃を加える。 リプリーは、迎えに来た着陸船に乗り込み、エイリアンの巣と化した施設は爆破される。 リプリーはパワーローダーで対抗し、着陸船のハッチを開き、エイリアンを宇宙空間へと放出する。 そして、自分ををママと呼ぶニュート、負傷したヒックスとビショップを冬眠させて、リプリーは地球に向けて旅立つ。
...全てを見る(結末あり)
母船に戻ったリプリーらだったが、着陸船に忍び込んでいたエイリアン・クィーンが、ビショップの体を真二つに引き裂き、リプリーに襲いかかる。
参考:
・「エイリアン」(1979)
・「エイリアン2」(1986)
・「エイリアン3」(1992)
・「エイリアン4」(1998)
・「プロメテウス」(2012)
・「エイリアン: コヴェナント」(2017)
・「エイリアン:ロムルス」(2024)
*(簡略ストー リー)
貨物船乗組員エレン・リプリーは、エイリアンの手から逃れて宇宙を漂流し、地球時間では57年も経過する。
その後リプリーは、サルベージ船に救出されて、地球軌道上の中継ステーションに向う。
しかしリプリーは、惑星アチュロンで起きた事件を、会社側に信じてもらえないでいた。
そんな時、既に植民地化されていたアチュロンと交信が途絶え、海兵隊員を伴った調査団が、現地に派遣されることになる。
その案内役を、一旦は断ったリプリーだったが、エイリアン絶滅を条件に、再びアチュロンに向かうことになる。
リプリーらは、アチュロンに到着後、無人となった施設で、生き残った少女ニュートを発見する。
そして、既にエイリアンの巣と化していた施設内で、リプリーらとエイリアンの、壮絶な戦いが再び始まる・・・。
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監督は、2年前の「ターミネーター」(1984)で一躍脚光を浴びた、弱冠32歳のジェームズ・キャメロンが担当し、かなりの部分で、前作よりスケールアップされている。
しかし、衝撃的な前作の興行記録は破れず、北米では前作を上回る約8500万ドルだったが、全世界では5000万ドル以上ダウンの約1億3100万ドルに留まった。
第59回アカデミー賞では、視覚効果と音響編集賞を受賞した。
・ノミネート
主演女優(シガニー・ウィーバー)
編集・作曲・録音・美術賞
キャストも「ターミネーター」(1984)のマイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン、ビル・パクストンらを起用し、映像の雰囲気や登場人物なども、どことな同作に似ている。
前作で、話題になったH.R.ギーガー独特の造形物デザインは登場せずに、エイリアンなどのメイクなどをスタン・ウィンストンに任せてしまうところなどは、ただの続編には終らせない、ジェームズ・キャメロンの独創性を感じさせる。
また、原案には、ジェームズ・キャメロンの他、アクション監督ウォルター・ヒルも参加している。
古代ローマ軍のような、海兵隊員達の装備のデザイン・センスも抜群にいい。
前作の雰囲気を継承しつつ、さらに迫力を加えたジェームズ・ホーナーの音楽も印象に残る。
本作でアカデミー主演賞にノミネートされた主人公を演ずるシガニー・ウィーバーの奮闘は、男優のアクション以上のハードなものになっているが、激しさだけでなく、少女ニュートに対しては、母性を感じさせる繊細な演技も見せてくれる。
同じく、エイリアン・クィーンの母性も描かれているところなどが、前作とは違った味わいとなっている。
またアンドロイドのランス・ヘンリクセンが、なかなかいい役柄で登場し、そのビショップは、前作のアッシュよりも人間味が増していて、50年以上の歳月を経て進化した技術が窺える細かい演出だ。
リプリーには、地球に娘がいたとい設定になっていて、彼女が57年間漂流している間に66歳で死亡しているのだが、その娘の写真にはシガニー・ウィーバーの実の母親が写っている。(確かに似ている・・・)
エイリアン捕獲を画策する会社側のポール・ライザー、アチュロンの生き残りキャリー・ヘン、男勝りの戦士で、後にキャメロン作品「ターミネーター2」(1991)や「タイタニック」(1997)にも出演するジェニット・ゴールドスタイン、隊員から信頼されていないが、最後に勇気を見せる指揮官ウィリアム・ホープ、隊員達、アル・マシューズ、マーク・ロルストン、コレット・ヒラー、ダニエル・キャッシュ、トレバー・スティードマン、ティップ・ティッピング、リッコ・ロス、シンシア・スコットなどが共演している。