続編「エイリアン2」(1986)から6年ぶりに登場したシリーズの第3弾。 地球への帰還途中、囚人惑星に不時着してしまった主人公の運命を描く、監督デヴィッド・フィンチャー、主演シガニー・ウィーバー、チャールズ・S・ダットン、チャールズ・ダンス、ランス・ヘンリクセン他共演のSFアクション。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・フィンチャー
製作
ゴードン・キャロル
デイヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル
製作総指揮:エズラ・スワードロウ
原案:ヴィンセント・ウォード
脚本
デイヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル
ラリー・ファーガスン
撮影:アレックス・トムスン
編集:テリー・ローリングス
特殊効果:リチャード・エドランド他
音楽:エリオット・ゴールデンサル
出演
エレン・リプリー:シガニー・ウィーバー
ディロン:チャールズ・S・ダットン
ジョナサン・クレメンズ:チャールズ・ダンス
マイケル・ビショップ:ランス・ヘンリクセン
ゴリック:ポール・マッギャン
モース:ダニー・ウェッブ
グレガー:ピーター・ギネス
マーフィー:クリス・フェアバンク
フランク:カール・チェイス
ジュニア:ホルト・マックカラニー
デイヴィッド:ピート・ポスルスウェイト
ケヴィン:フィリップ・デイビス
ハロルド・アンドリュース:ブライアン・グローヴァー
アーロン:ラルフ・ブラウン
ドウェイン・ヒックス:マイケル・ビーン
ニュート/レベッカ・ジョーンズ:ダニエル・エドモンド
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1992年製作 114分
公開
北米:1992年5月22日
日本:1992年8月22日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $55,473,600
世界 $159,773,600
■ アカデミー賞 ■
第65回アカデミー賞
・ノミネート
視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2270年。
惑星LV-426(アチュロン)から脱出し、睡眠状態で地球に向かう途中の、エレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)らを乗せた救命艇スラコで事故が発生する。
スコラは、囚人惑星フィオリーナ”フューリー”161に不時着することになる。
負傷していたドウェイン・ヒックス伍長(マイケル・ビーン)とニュート(ダニエル・エドモンド)は死亡し、ダメージを受けていた、医療従事用ヒューマノイドのビショップは廃棄されてしまう。
生き残ったリプリーは、医師ジョナサン・クレメンズ(チャールズ・ダンス)の治療を受ける。
”ウェイランド・ユタニ”社の労働監獄であるその惑星には、染色体異常の囚人の金属精錬労働矯正施設があった。 ヒックス、そしてニュートの死を知ったリプリーはそれを悲しむが、事故や船内の状況から、エイリアンの痕跡を見つける。 船内には、エイリアンが忍び込んでいて、囚人の飼犬に寄生してしまう。 リプリーは、クレメンスと共にニュートを解剖して体内を調べるが異常はなかった。 所長ハロルド・アンドリュース(ブライアン・グローヴァー)は、クレメンスらの行動に意見する。 しかし、所長は伝染病発生の可能性を指摘するクレメンスの言葉に、リプリーや彼が求める遺体の火葬を許可する。 ヒックスとニュートは溶鉱炉で火葬されるが、犬に寄生していたエイリアンは、成長して姿を現す。 囚人のリーダー、ディロン(チャールズ・S・ダットン)の統率力の下、女人禁制の宗教を持つ囚人達の結束は固たく、リプリーは彼らにとって好ましくない存在だった。 その後リプリーは、自分の体験を聞きだそうとするクレメンスと行動を共にするうちに、彼と親交を深めて愛し合う。 やがて、エイリアンは囚人を襲い始め、リプリーは救命艇のフライト・コーダーを解読しようとする。 囚人の死んだ現場と船内で、金属が焼け爛れたような痕跡を見つけたクレメンスは、リプリーが隠していることを知ろうとする。 クレメンスに、それがフライト・コーダーの中に隠されていることを伝えたリプリーは、ビショップを使ってそれを解読しようとする。 スクラップになっていたビショップを見つけたリプリーだったが、数人の男達に襲われてしまう。 ディロンに助けられたリプリーは、ビショップが解読したフライト・コーダーの内容で、エイリアンがアチュロンからスラコ号に侵入していて、それを会社側も承知していたことを知る。 その後、エイリアンに襲撃された囚人が医務室に運び込まれ、襲撃を信じないアンドリュース所長に、リプリーは自分が戦った生命体のことを話す。 しかし、所長はそれを信じないまま、リプリーを医務室に監禁してしまう。 医務室で、クレメンスが、医療ミスで懲役刑を科せられたことなどを聞いていたリプリーだったが、現れたエイリアンに彼は殺されてしまう。 そして、リプリーに近づいたエイリアンだったが、彼女には手を出さず去って行く。 その後、エイリアンの存在を所長に伝えたリプリーだったが、彼はその場で襲われて命を落とす。 武器を持たず、対抗策もない囚人と所長の副官アーロン(ラルフ・ブラウン)は、リプリーにエイリアン撃退の指揮を任せる。 リプリーは、経験からエイリアンの行動を予測し、核廃棄物用の倉庫に閉じ込める準備を始める。 しかし、襲われた囚人の葉巻の火が、仕掛けた可燃性物質に引火して周辺が炎上してしまう。 スプリンクラーで火は消えるが、その後、自らの異常に気づいたリプリーは、アーロンの協力で体内をスキャンし、自分にエイリアンが寄生していることを知る。 地球から、会社の救助部隊が来ることを知ったリプリーは、エイリアンが捕獲されることを恐れて、それを阻止しようとする。 救助隊を受け入れたいアーロンが、それに反対するが、彼は部隊が既に到着間近だと知り、リプリーを保護しろとの指令を受ける。 リプリーは、ディロンに自分を殺させようとするが、彼はエイリアンを先に殺すことを彼女に伝える。 生き残った囚人やアーロンは、会社の救助隊に助けを求めようとするが、リプリーは、会社がエイリアン捕獲を優先させることを彼らに伝えて説得する。 その後、囚人達は次々と殺され、ディロンも犠牲になりながら、リプリーは、エイリアンを溶鉱炉に誘い込み鉛を流し込む。 しぶとく生き残るエイリアンに、リプリーは、囚人のモース(ダニー・ウェッブ)の指示で、スプリンクラーの水を浴びせ、エイリアンは破裂してしまう。 アーロンは、到着した救助部隊を溶鉱炉に案内して、現れたビショップの設計者である、マイケル・ビショップ(ランス・ヘンリクセン)が、エイリアンを取り除く手術をリプリーに提案する。 しかし、リプリーは、モースの協力で溶鉱炉の上に向かい、それを援護しようとしたアーロンは、部隊員に射殺される。 そして、ビショップの説得も聞かずに、リプリーは燃えたぎる溶鉱炉に身を投じる。 その後、刑務所は閉鎖される。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「エイリアン」(1979)
・「エイリアン2」(1986)
・「エイリアン3」(1992)
・「エイリアン4」(1998)
・「プロメテウス」(2012)
・「エイリアン: コヴェナント」(2017)
・「エイリアン:ロムルス」(2024)
*(簡略ストー リー)
惑星LV-426(アチュロン)から脱出し、地球に向かう途中の救命艇スコラ号に事故が発生し、囚人惑星に不時着する。
乗船していたエレン・リプリーのみが助かるが、船内に浸入していたエイリアンが活動を開始する。
医師クレメンスの治療で回復したリプリーは、船内にエイリアンの痕跡を見つけ、着陸時に死亡した、少女ニュートの体内を調べるが異常はなかった。
施設内に潜入するエイリアンは、囚人達を次々に襲い始め、ついにリプリーの前に姿を現す。
しかし、エイリアンはなぜかリプリーには手を出さず消え去ってしまう・・・。
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「エイリアン2」(1986)よりかなり地味になったというイメージだが、製作費は3倍近くになり、興行収入も世界トータルでは前作を上回るヒットとなった。
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北米興行収入 $55,473,600
世界 $159,773,600
第65回アカデミー賞では視覚効果賞にノミネートされた。
その後、ハリウッドを代表する監督になる、弱冠29歳のデヴィッド・フィンチャーのデビュー作品。
シガニー・ウィーバーは、丸刈りにする熱演ぶりだが、女戦士のような前作に比べてアクションは控えめだ。
彼女は、当初、本作に出演する気がなかったらしく、自由な振る舞いを条件に出演を承諾したと言われている。
しかし、デヴィッド・フィンチャーとはトラブルが絶えず、ラストのリプリーの行動は、彼女の独断だったようだ。
「エイリアン2」(1986)では、エイリアンのデザインをスタン・ウィンストンに譲ったが、今回は再びH.R.ギーガーが担当した。
前半の、孤独なヒロイン、リプリーの良き理解者、医師クレメンス役のチャールズ・ダンスの、抑えた演技が印象に残る。
また、「エイリアン2」(1986)で活躍した、ヒューマノイドのビショップがスクラップ状態で登場し、リプリーを手助けするシーンは面白い。
ビショップの設計者役でも登場するランス・ヘンリクセンが、前作とは確かに違った雰囲気を出していて、生身の人間の表情に変わっているところも興味深い。
囚人のリーダーで教祖的な存在のチャールズ・S・ダットン、所長ブライアン・グローヴァー、その副官ラルフ・ブラウン、囚人のポール・マッギャン、ダニー・ウェッブ、ピーター・ギネス、クリス・フェアバンク、カール・チェイス、ホルト・マックカラニー、ピート・ポスルスウェイト、フィリップ・デイビスなどが共演し、マイケル・ビーンが写真だけで登場する。