出産を控えたカップルが子育てに相応しい土地を探すために家族や知人の元を旅する姿を描く、監督サム・メンデス、ジョン・クラシンスキー、マーヤ・ルドルフ、ジェフ・ダニエルズ、マギー・ジレンホール他共演のロードムービー。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:サム・メンデス
製作総指揮
マリー・ジョー・ウィンクラー=ロフレーダ
ピッパ・ハリス
製作
エドワード・サクソン
マーク・タートルトーブ
ピーター・サラフ
脚本
デイヴ・エッガース
ヴェンデラ・ヴィーダ
撮影:エレン・クラス
編集:サラ・フラック
音楽:アレクシ・マードック
出演
バート・ファーランダー:ジョン・クラシンスキー
ヴェローナ・デ・テサント:マーヤ・ルドルフ
ジェリー・ファーランダー:ジェフ・ダニエルズ
LN・フィッシャー=ヘリン:マギー・ジレンホール
リリー:アリソン・ジャニー
トム・ガーネット:クリス・メッシーナ
グロリア・ファーアンダー:キャサリン・オハラ
コートニー・ファーランダーポール・シュナイダー
グレイス・デ・テサント:カルメン・イジョゴ
ローウェル:ジム・ガフィガン
ロデリック:ジョシュ・ハミルトン
マンチ・ガーネット:メラニー・リンスキー
アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2009年製作 98分
公開
北米:2009年6月5日
日本:2011年3月19日
製作費 $17,000,000
北米興行収入 $9,431,000
世界 $14,899,420
■ ストーリー ■
妊娠6ヶ月のヴェローナ(マーヤ・ルドルフ)は、何かと都合が良いということで、パートナーのバート(ジョン・クラシンスキー)の両親の家の近くに引っ越す。
しかし、両親がベルギーに転居することを知った二人は、子育てに相応しい土地を探そうと、家族や知人の住む場所を尋ねてみることにする。
ヴェローナの元上司リリー(アリソン・ジャニー)の家族は崩壊寸前で、妹とのひと時で癒されるものの、バートの幼馴染には訳の解らない説教をされストレスが溜まる。
二人は、大学時代の友人の夫婦の生活を理想と感じるものの、実際には悩みを抱えていることを知る。
その後、兄から家出した妻のことで相談を受けたバートは、彼の姿を見て自分の将来に不安を感じてしまう。
そんな時ヴェローナは、ある場所のことを思い浮かべ、バートに、心の安らぎを感じるその場所のことを語り始める・・・。
アメリカ社会の様々な問題を、集約して描いた秀作「アメリカン・ビューティー」(1999)や「レボリューショナリー・ロード」(2008)等のサム・メンデスが、それらよりも軽いタッチで描きつつ、知人達や家庭が抱える悩みやトラブルを、主人公達の目から観察して捉えた作品。
前2作品よりも、本作の方が、より身近で現実的に描かれているため、高く評価する見方も多く、拡大公開に至らなかったのが残念でもある。
旅をする先々で、自分達なりに人々のの生活ぶりなどを分析する姿は興味深いのだが、30代で未婚、出産を控え、そして、生活の基盤を持たないカップルの都合の良い解釈としか言えず、つまり、それが現社会の縮図として描かれているところがまた面白い。
愉快な好人物ではあるが、”大人”に成り切れない主人公のジョン・クラシンスキー、そのパートナーで、身重の身であり、将来への不安を表現する表情が素晴らしい、出色の名演を見せるマーヤ・ルドルフ、主人公の両親ジェフ・ダニエルズとキャサリン・オハラ、小難しい理屈を並べる主人公の幼馴染マギー・ジレンホールとその夫役のジョシュ・ハミルトン、ヴェローナ(M・ルドルフ)の元上司役アリソン・ジャニー、その夫ジム・ガフィガン、ヴェローナの妹カルメン・イジョゴ、大学時代の友人クリス・メッシーナとメラニー・リンスキー、主人公の兄ポール・シュナイダーが共演している。
コメディ・タッチではあるが、深いテーマを描く作品に、児童教育教材のような邦題を付けるとは・・・???