殺人事件を捜査する孤独な刑事と容疑者の弟を守ろうとする盲目の女性との出会いを描く、監督ニコラス・レイ、主演アイダ・ルピノ、ロバート・ライアン、ウォード・ボンド他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ニコラス・レイ
製作:ジョン・ハウスマン
製作総指揮:シド・ロージェル
原作:ジェラルド・バトラー”Mad with Much Heart”
脚本
A・I・ベゼリデス
ニコラス・レイ
撮影:ジョージ・E・ディスカント
編集:ローランド・グロス
音楽:バーナード・ハーマン
出演
メアリー・マルデン:アイダ・ルピノ
ジム・ウィルソン:ロバート・ライアン
ウォルター・ブレント:ウォード・ボンド
ポップ・デイリー:チャールズ・ケンパー
ピート・サントス:アンソニー・ロス
ブラウリー警部:エド・ベグリー
キャリー保安官:イアン・ウルフ
ダニー・マルデン:サムナー・ウィリアムズ
ラッキー:ガス・シリング
ウィロウズ:フランク・ファーガソン
マーナ・バワーズ:クレオ・ムーア
ブレント夫人:オリーヴ・ケリー
ハイマン医師:ジミー・コンリン(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 RKO
1951年製作 82分
公開
北米:1951年12月17日
日本:1989年1月21日
■ ストーリー ■
刑事のジム・ウィルソン(ロバート・ライアン)は、同僚のポップ・デイリー(チャールズ・ケンパー)とピート・サントス(アンソニー・ロス)と共に、強盗犯の捜査を行っていた。
日々の仕事に追われ、様々なことで気が立っていたジムは、ギャングのバーニー・タッカーの女マーナ・バワーズ(クレオ・ムーア)の情報を仕入れ、肩を痛めていたポップを家に帰し、ピートと共に彼女の元に向かう。
マーナからバーニーの居場所を聞き出したジムは、彼を痛めつけて容疑者の居場所を知ろうとする。
翌日ジムは、上司のブラウリー警部(エド・ベグリー)から、昨夜の件を注意される。
その夜、マーナが襲われている現場に遭遇したジムは、逃げた男を捕えて痛めつけようとする。
ポップに制止されたジムは、今の自分の生活に嫌気がさす。
その件を問題視したブラウリーは、自分の忠告を無視したジムを、北部の町で起きた少女殺害事件に派遣する。
現地に着いたジムは、キャリー保安官(イアン・ウルフ)と共に、被害者の家に向かう。
ブレント夫人(オリーヴ・ケリー)に迎えられたジムは、戻ってきた少女の父親ウォルター・ブレント(ウォード・ボンド)の話を聞き、自分の手で犯人を捕らえると言う彼と共に、容疑者と思われる男を追う。
車を奪って逃げた男を追うジムとウォルターは、雪道で事故を起こしてしまう。
ある家に着いたジムとウォルターは、その場に居た女性メアリー・マルデン(アイダ・ルピノ)に殺人犯を捜していることを話し、中を調べさせてもらう。
盲目のメアリーは、犯人に娘を殺されたウォルターに同情し、ジムには冷静に対応するのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
1945年に発表された、ジェラルド・バトラーの小説”Mad with Much Heart”を基に製作された作品。
「暗黒への転落」(1949)のニコラス・レイが監督し、主演はアイダ・ルピノ、ロバート・ライアン、ウォード・ボンドなどが共演した作品。
殺人事件を捜査する孤独な刑事と容疑者の弟を守ろうとする盲目の姉との出会いを描くフィルム・ノワール。
刑事の仕事に嫌気がさした暴力的で孤独な男が、盲目の純真な女性との出会いで心が癒されていく様を丁寧に描く、ニコラス・レイの繊細な演出が見どころの作品。
殺人事件の舞台となる、冬の田舎町の野外撮影や、後の作品を彷彿させるバーナード・ハーマンの音楽も印象的だ。
ファーストクレジットはアイダ・ルピノだが、彼女は上映開始40分でようやく登場するため、全体的な主人公はロバート・ライアンと言える。
主演のアイダ・ルピノは、殺人犯として追われる弟を守ろうとする盲目の女性を好演し、都会で日々、捜査に追われ自分を見失う刑事を演ずるロバート・ライアンは、盲目の女性との出会いで、孤独から解放される男を見事に演じている。
ジム(ロバート・ライアン)と共に殺人犯を追う娘を殺された父親のウォード・ボンド、ジムの同僚チャールズ・ケンパーとアンソニー・ロス、主人公の上司である警部エド・ベグリー、殺人事件があった町の保安官イアン・ウルフ、殺人犯であるメアリー(アイダ・ルピノ)の弟サムナー・ウィリアムズ、情報屋のガス・シリング、メアリーに農場を貸す農夫フランク・ファーガソン、ギャングの女クレオ・ムーア、ウォルター(ウォード・ボンド)の妻オリーヴ・ケリー、医師のジミー・コンリンなどが共演している。