黒蘭の女 Jezebel (1938)

馬に乗りようやく戻ったジュリーは、使用人のゼッティ（テレサ・ハリス）とケイトー（ルー・ペイトン）から着替えるようにと言われるものの、乗馬服のままでパーティーに向かう。

皆は驚くものの、気が強くわがままなジュリーは気にすることもなく、バックと話をして皆と共に乾杯する。

投資銀行”ディラード・アンド・サンズ”。
パーティーに遅れている会議中のプレスは、北部のように鉄道に投資するよう理事を説得しようとする。

話を遮ったリビングストン医師（ドナルド・クリスプ）は、黄熱病の再流行を防ぐための対策を求める。

鉄道の件に話を戻したプレスは、ジュリーの使いで来た使用人のティ・バット（マシュー”スティミー”ビアード）から、パーティーは終わったものの来てほしいと言われ、会議が終わったら行くと伝える。

馬車でベルと待っていたジュリーは、ティ・バットからプレスは来ないと言われ、彼の元に向かう。

プレスと話したジュリーは、ドレスを見行く約束を守ろうとしない彼に失望し、洋裁店に向かう。

未婚女性が常識的に選ぶ白いドレスを試着したジュリーは、赤いドレスが気に入り、ベルに反対されるもののそれを購入してしまう。

仕事を終えたプレスはジュリーの元に向かうものの、彼女が会おうとしないために苛立つ。

プレスをじらして部屋に入れたジュリーは、赤いドレスを見せて驚かせる。

未婚女性に赤は相応しくないと言われたジュリー、明日の舞踏会”オリンパス・ボール”では白を着るようプレスに指示される。

ゼッティにドレスをあげることを約束したジュリーは、バックに手紙を届けるよう指示する。

翌日、バックが現れ、ジュリーは、プレスに渡せば分かると言って刺繍をゼッティに預けて出かけようとする。

バックが遅れたのが決闘のためだということを確認したジュリーは、赤いドレスに気づいた彼と共に舞踏会に向かおうとする。

プレスのこともあり、ドレスは問題だと言うバックは同伴を断り、ジュリーは仕方なく屋敷に戻る。

迎えに来たプレスはジュリーのドレスを見て驚き、着替えを拒む彼女から、非難されたら護ってほしいと言われて仕方なく納得し、ベルと同伴者のボガーダスと共に出かける。

オリンパス・ボール。
ジュリーの赤いドレスは、出席者全員に衝撃と嫌悪感を与えてしまう。

1人で来たと言うバックと話したジュリーは、周囲が気になり流石に動揺してしまい、帰りたいことをプレスに伝える。

プレスは踊ることをジュリーに強要し、出席者は2人から遠ざかる。

惨めなジュリーは耐えられなくなるが、プレスは彼女を無視して踊り続ける。

主催者は演奏をやめさせるが、プレスは、指揮者に演奏させて踊る。

屋敷に送ってくれたプレスが自分を見限ったことに気づいたジュリーは、彼の頬を叩く。

何も言わないプレスは、ジュリーに別れを告げてその場を去る。

ベルからプレスを呼び戻すようにと言われたジュリーは、彼が必ず戻ると考える。

今回は無理だと言われたジュリーは、部屋に向かいながら、戻ってくるとベルに伝える。

1年後。
ヒュージャー（アーヴィング・ピシェル）と共にバーにいたバックは、プレスが北部から戻ることをテッドから知らされる。

リヴィングストンに屋敷に引きこもるジュリーのことを相談していたベルは、プレスが戻ってくることを知る。

それをベルから知らされたジュリーは、過去を捨てて心を入れ替え、プレスと結婚することを考える。

リヴィングストンに勧められたハルシオン農園に行く気になったジュリーは、皆を招きパーティーを開くことをベルに伝える。

ハルシオン農園。
ケイトーとゼッティ、グロー・バット（エディ・アンダーソン）とティ・バットと共にプレスを迎える準備をするジュリーは、白いドレスを着て彼を待つ。

グロー・バットとティ・バットが馬車に気づき、ベルは、到着したバックやボガーダス、ケンドリック母娘、ディック・アレン（ゴードン・オリヴァー）と妻モリー（ジャネット・ショー）を迎える。

そして、テッドと共に到着したプレスを歓迎したベルは、彼が妻エイミー（マーガレット・リンゼイ）を伴っていたために驚く。

戸惑いながらもプレスらを屋敷に迎え入れたベルは、感染が広がる黄熱病のせいで銀行の人手が足りないため、彼が明日、帰ることを知る。

プレスからエイミーは残すと言われたベルは、ジュリーのことを気にしながら、2階の部屋にエイミーを案内する。

2人に気づいたジュリーはそのまま1階に向かい、ベルは入れ替わりで彼女の様子を見に行く。

純白のドレスでプレスの前に現れたジュリーは、彼に許しを請い、ひざまずき愛してほしいと伝える。

ジュリーを気遣うプレスは、手を握り立ち上がらせて、現れたエイミーを妻だと言って彼女に紹介する。

驚いたジュリーは冗談だと思うが、真実だと知り2人を祝福し、ニューヨーク出身だというエイミーと握手する。

ジュリーに知らせようとしたものの間に合わなかったベルは、動揺する彼女のことを気にしながら、来客の元に連れて行こうとする。

ジュリーを気遣うベルだったが、プレスをエイミーから奪い取ると言う彼女の言葉に驚く。

バックが来ていることに気づいたジュリーは、ある考えが浮かぶ。

食事になり、ジュリーは、プレスとバックの意見が対立するように仕向ける。

バックに挑発されたプレスは冷静に対応し、テッドから、ジュリーも彼に色目を使っていたと言われても気にしなかった。

ケイトーと話をしたプレスは、ジュリーが最近人に会っていないことと、バックも出入りしていないことを確認する。

庭に出たプレスは、話しかけてきたジュリーから結婚した理由を訊かれ、エイミーを愛しているからだと答える。

自分への愛はないと言われたジュリーは、思い出もすべて過ぎ去ったことだと言うプレスに、どうしても会いたかったと伝える。

当時はそれに気づかなかったと伝えたプレスは、自分たちはこの故郷から逃れられないと言うジュリーにキスされるものの、それを拒み屋敷に戻る。

現れたバックは、エイミーは退屈で無知な女性だとジュリーに話す。

バックは、何かあれば自分に頼るようにとジュリーに伝える。

ニューオーリンズの砲撃の音が聴こえ、黄熱病が蔓延している町の空気を振動で追い払うためだと、バックは屋敷から出てきた皆に話す。

衛生管理が先決だと考えるプレスは、バックが北部を侮辱する言葉を口にしたため、エイミーのことを気遣い彼を非難する。

テッドも意見しようとするが、不愉快な話題だと言ってベルが会話を遮り、それを聞いているジュリーのことを気遣う。

ジュリーは、ゲストの会話を邪魔する気はないとベルに伝える。

そこにジェンキンスが現れ、銀行のジーン・ラ・クール（ジョン・リテル）が黄熱病に罹ったことをプレスに伝える。

エイミーのことをテッドに任せたプレスは、ジェンキンスと共に馬でニューオーリンズに向かう。

ジュリーは、プレスの無事を祈るエイミーに、彼はいつも仕事第一だと伝える。

バックは銀行家を侮辱し、反論するテッドは、ジュリーに利用されていることに気づいていないと彼に伝える。

プレスの次はエイミーに絡んでいると言うテッドは、バックと険悪な雰囲気になり決闘することになる。

バックと話したジュリーは、思い留まるよう説得するものの、彼の考えは変わらなかった。

テッドも考えを変えないために、ジュリーはボガーダスに彼の説得を頼むものの、自分が原因だということを覚えておくようにと言われて動揺する。

ベルは、女性が原因の争いは決して止められないとジュリーに伝える。

ジュリーはそれに反発するように、集まってきた黒人たちと共に歌い、彼女から南部の習慣だと言われたエイミーは、気分を害して屋敷に戻る。

翌日、ディックに決闘の介添えを頼んだバックは、未熟な若者テッドを懲らしめる程度にしようとする。

ボガーダスから死ぬかもしれないと言われたテッドは、勝つ自信はあると伝える。

銃を手にした2人は背中合わせになり、10歩いて振り向き発砲する。

エイミーは野蛮な決闘を批判するが、ジュリーは、何事もなかったかのように、南部の騎士道精神についてを彼女に話す。

義弟のテッドが命を落とすと思うと居たたまれない思いのエイミーは、涙しながらその場を去ろうとする。

そこにテッドが戻り、バックが死んだことをジュリーに知らせた彼は、涙を浮かべながら、バックは仕向けられたことを知っていたと伝える。

エイミーそしてモリーと共に去ろうとするボガーダスは、後見人をやめることをジュリーに伝える。

ケンドリック夫人とステファニーも席を立つ。

平静を保とうとするジュリーは、黙っているベルが何を考えているか知ろうとする。

ベルは、旧約聖書に登場する、目的のためなら手段を選ばない”イゼベル”のことを考えていたと答える。

銃声が鳴り響き、農園の敷地内で男が保安官に撃たれ、屋敷を去ろうとしていたボガーダスらは、検疫ラインを越えた者は撃てという当局の命令だったことを知る。

黄熱病の感染が迫っていることを知ったジュリーは、ボガーダスらがニューオーリンズには戻れないと考え、屋敷に戻ってもらう。

ニューオーリンズ。
黄熱病は猛威を振るい、街は厳戒態勢となり、感染者はラザレット島に送られ隔離された。

リヴィングストンが心配していたことが現実となり、プレスは彼と共に状況を見守っていた。

体調に異変を感じるプレスは、テッドと決闘したバックが死んだというヒュージャーの話を聞き、それを賭けの対象にしようとする彼を批判する。

ヒュージャーに謝罪されたプレスは、気分が悪くなり倒れてしまい、黄熱病に感染したことが分かる。

リビングストンは、感染を恐れて誰も手を貸してくれないため、プレスを担いでその場を去る。

皆で食事をしていたジュリーは、街の様子を見に行ったグロー・バットが戻ったと言うケイトーから、プレスが黄熱病に感染したことを知らされる。

ジュリーは、島送りを避けようとしたリビングストンが、プレスを自分の屋敷に連れて行ったことを知り、グロー・バットから状況を聞く。

ボガーダスはテッドと街に向かおうと考え、エイミーにも準備をさせる。

危険を承知のジュリーは、グロー・バットに案内させて街に向かう。

屋敷に着いたジュリーは、リビングストンから状況を聞き、感染を恐れず、高熱でうなされるプレスの看病をする。

通行証を手に入れたボガーダスらも到着し、プレスに付き添っていたジュリーは、彼を心配するエイミーに後を任せる。

当局に報告してあるリビングストンは、プレスは島に送られることをエイミーとテッドに伝える。

ジュリーも、プレスが島に送られることをリビングストンから知らされる。

エイミーは、プレスと一緒に行くつもりだとリビングストンに話し、納得してもらう。

ジュリーは、付き添いに必要な”クレオール語”や現地の人々への対処法も知らなくては無理だと言って、自分が代わりに行くことをエイミーに伝える。

プレスを運ぶ者たちが現れ、ジュリーは、わがままなだけの女ではないことを示し、あなたのような純真な女性に戻りたいとエイミーに伝える。

プレスが誰を愛しているか、自分の言葉で答えてほしいと言わたジュリーは、当然、あなただとエイミーに伝える。

自分を愛しているはずはなく、プレスを取り戻そうとしたけど無理だった、あなたの勝ちだと、ジュリーはエイミーに伝える。

エイミーは納得し、運ばれるプレスを見つめながら、ジュリーに彼のことを任せる。

ジュリーはプレスに付き添い荷馬車に乗り、他の感染者や介護者と共に港に向かう。