エスターとアントンが二階に上がってきたために、隠れて窓から外に出たセイラムは、恋人のブリット・トレンスの家に向かう。
ブリットの部屋に忍び込んだセイラムは、眠っていた彼女が目覚めて驚いたために、なぜ証言してくれなかったのかを問う。
トレンスからの電話を受けたアントンは彼の家に向かい、ブリットが絞殺されていることを知る。
夫人のために鎮静剤を出そうとしたアントンは、鞄の中にネクタイがあったために驚く。
トレンス家の捜査は始り、駆け付けた警部(トレヴァー・ハワード)は、ブリットの遺体を調べて状況の報告を受ける。
警部は、ブリットが風邪をひいた時に喉に塗っていた、ハッカ入りの軟膏の匂いに気づく。
帰宅したアントンは、エスターにネクタイのことを問い詰めるが、エミーがしたことだろうと言われる。
セイラムの肩を持つエミーが全てを見ていたと考えたアントンは、2年前に地主が殺された事件で、セイラムの逮捕で解決されたはずだとエスターから言われるものの、オウムのことを心配する。
”殺してアントン、殺しなさい・・・”とエスターの真似をするオウムのことを話したアントンは、それを気にしない彼女に、エミーに聞かれたらまずいと伝える。
モルヒネを盗まれたと言うアントンは、エスターと共にエミーが眠っている部屋を調べる。
鍵がかかった引き出しを開けようとした二人は、ランプを床に落としてしまうものの、エミーが目覚めないために不思議に思う。
エミーが殴られて殺されていたために驚いたエスターは、凶器がアントンの置物だったために彼を疑う。
アントンを部屋に閉じ込めたエスターは、警察に通報する。
その場にいたオウムが、”殺してアントン、殺しなさい・・・”と話し始めたために、アントンは鳥かごを壊してオウムを殺そうとする。
隠れていたセイラムに気づき驚くアントンは、エスターに助けを求めながら気を失ってしまう。
その後、駆け付けた警部にエミーのことを話して部屋に案内したアントンは、セイラムを見たことも伝える。
アントンの部屋にも案内された警部は、ネクタイの話などを聞き、致死量のモルヒネと注射器がなくなっていることを知る。
帰ろうとした警部は車に乗り、ネクタイを持ち出してきたことを部下に伝えて、ハッカの匂いがすることを確認する。
ネクタイを調べた結果、ブリットの首に付いていたものと同じ成分が検出されたことが分かった警部は、部下から、アントンを逮捕しなかった理由を問われる。
24時間監視されているはずのセイラムが、病院から抜け出すのは不可能だと部下から言われた警部は、状況証拠ではアントンが犯人であることは疑いようがなかった。
話が単純すぎる事件のために警部は、他に犯人がいると考えて捜査を続ける。
病院に向かった警部は院長のケンプ(アンドリュー・キア)に迎えられ、セイラムの部屋などを見せてもらい、脱出は不可能だと言われる。
セイラムが、看守のポップ(アーサー・ヒューレット)とはチェス相手で親友だと知った警部は、戻ってきたセイラムと妹のエミーのことなどをす。
かわいそうなエミーが、地主を殺したのがアントンだということを嗅ぎつけたために殺されたとセイラムは警部に話す。
口封じをしようとしたアントンが犯人だと伝えたセイラムは、ブリットのことを訊かれても話す気になれない。
ここから出すことができるかもしれないと言われたセイラムは、出れば殺人を犯す可能性があると警部に伝える。
それでもブリットのことを訊かれたセイラムは、事件があった時に彼女の部屋で寝ていたことを話す。
その証言をブリットに期待していたと言うセイラムは、それを裁判で話さなかった理由を訊かれ、彼女を信じていたからだと答える。
警察を信用させようとした警部は、襲い掛かってきたセイラムにベッドに拘束されてしまう。
情報を提供すると言うセイラムは、次にアントンに殺されるのは、彼に買収された自分の弁護士であるクレメンス(ルパート・デイヴィス)だと伝える。
事件を蒸し返す者をアントンとエスタが皆、殺すそうとしていると言うセイラムは、その罪を自分になすりつけるために、ここを抜け出したことにしていると話す。
警部を解放したセイラムは、殺人を犯して戻ってくるはずがない自分とアントンと、どちらを信じるか考えるようにと伝える。
病院を出た警部は、城壁に囲まれた周囲の様子を調べる。
夜になり、食事用のドアの扉を開けてポップとチェスを始めたセイラムは、自分が作ったチェスの駒ではやりにくいと言われる。
ポップが駒を取りに行っている間に、道具を使いドアの鍵を開けたセイラムは、戻った彼に勝つ。
苛立つポップは部屋に戻り、通路の鉄格子を閉める。
ベッドのシーツやシャツなどを使ってロープを作ったセイラムは、下着姿になり、外に出てドアの鍵を閉め、ポップの様子を窺う。
頭上の解放部分にロープをひっかけてよじ登ったセイラムは、その空間の窓から外に出る。
城壁から木に飛び移って地上に下りたセイラムは、隠してあったモルヒネを持って家に向かう。
弁護士のクレメンスから往診の依頼があったことをエスターから知らされたアントンは、オウムの声がしたために捜すものの見つからなかった。
アントンが家を出た後、エスターは警察に電話をする。
容態が悪いクレメンスから、エミーの件いついて話を聞いたアントンは、警部が来たと言われる。
地主を殺したアントンを責めるクレメンスは、セイラムに濡れ衣を着せても、彼がエミーを殺したと言う話など誰も信じないと伝える。
セイラムが真犯人を知っていると考える警部が、彼に会い情報を掴んだと話すクレメンスは、余計なことをしゃべらないようにとアントンに警告する。
法外な報酬を受け取ったわけではないと言いながら咳き込むクレメンスに、アントンは鎮静剤を与えようとする。
その場に忍び込んでいたセイラムは、クレメンスに薬を飲ませたアントンが部屋を出るのを待つ。
クレメンスの元に向かい眠っていること確認したセイラムは、彼にモルヒネを注射する。
警部を迎えたエスターは、アントンの様子がおかしいことと、彼がセイラムを見たのは幻想だと話し、自分を殺そうとしたと伝える。
エミーの友人だったアントンを紹介されたと話すエスターは、二人が自分を利用しようとしていると警部に伝え、セイラムが病気であることを否定する。
二人が共謀して地主を殺し、セイラムの斧に血をつけておいたと話すエスターは、警部から、重大な証言であるのに裁判で言わなかった理由を問われ、たいしたことではなかったと考えたと伝える。
エミーとアントンは、財産を独り占めにするセイラムを憎んでいたと言うエスターは、彼が自堕落で女癖の悪かったと話す。
部下から、斧の傷と焦げ跡を見つけたと言われた警部は、財産が自由にならないために、保険をかけたエミーが放火しようとしたところを地主に見つかったという推理を聞く。
警部は半信半疑だったが、エスターはその通りだと話す。
二階の窓から侵入したセイラムは、オウムの声を聞いて驚く。
その声を聞いた警部は、二階に向かいオウムを捜そうとする。
窓から外に出たセイラムは身を潜め、寒さに耐える。
その時、壊れていたはずの時計が動き出したために、エスターは驚く。
アントンが戻り裏口から入り、話を全て聞かれたと言うエスターは動揺し、警部が彼女を落ち着かせる。
時計を巣にしていたオウムが動かしたと言う警部は、アントンがクレメンスの家に向かったことを知る。
警部らを見送ったエスターは、車で出かけようとして鍵を捜す。
家の中のい入ったセイラムは、凍えながらコートを着る。
車庫に向かったエスターの前に斧を持って現れたセイラムは、自分を病人にした彼女を責める。
アントンとエミーが企んだことだと言われたセイラムは、助けようとしたと話すエスターに斧を奪われそうになる。
それを拒み揉み合いになったセイラムは、エスターを斧で殺す。
帰宅したアントンは、姿が見えないエスターを捜す。
アントンに襲いかかるセイラムは、怯える彼のコートに斧の血を付ける。
警部の車に気づいたセイラムは、斧を放り投げてその場から逃げる。
エスターの惨殺死体を確認した警部は、その場にいたアントンから、セイラムが現れたと言われる。
セイラムが斧でエスターを殺したと言うアントンは、2年前の事件のお返しをされたと言いながら、警部にコートの血を見せる。
署に報告した警部は、病院に向かう。
病院に戻り城壁を上るセイラムは、警部の車が来たために焦る。
院長のケンプに迎えられた警部は、セイラムの部屋に向かう。
部屋に戻ったセイラムは、ドアの鍵と食事用の扉を閉めて、シーツとシャツなどを元に戻す。
ポップに食事用の扉を開けさせた警部は、セイラムが眠っていることを確認する。
部屋に入った警部は、変わった様子がないために出ようとするが、コートの中の物音に気づく。
起き上がったセイラムは、コートのポケットに隠れていたオウムが、自分の名を話す言葉を聞く。
セイラムは、笑いながら虚ろな表情で警部を見つめる。