3回スキャンして生体組織検査をしたトンプソンは、両方の卵巣に腫瘍ができて、胃や肝臓にも転移していることをアンに伝える。
手遅れなのかと訊かれたトンプソンは、進行が遅ければて手術で切除できたが、若い細胞は手の施しようがないと伝えて、アンから余命を訊かれる。
2~3か月だと知ったアンは、妊娠かと思ったが、廊下で話したことでおかしいと思ったと伝える。
エアコンの修理でオフィスが使えないと言うトンプソンだったが、そうではなく、面と向かって死の告知はできないとアンに伝え、家族が望めば別の医師の診断も受けられると話す。
コーヒーかバーボンを勧められたアンはタバコを吸いたいと伝えるものの、それはだめだと言うトンプソンからキャンディを渡される。
腫瘍について書かれた資料と吐き気を抑える薬の処方箋を用意すると言われたアンは、来週、診察に来るようにとトンプソンに指示される。
もう一つキャンディが欲しいと言うアンに、今のが最後だと伝えたトンプソンは、その場を去る彼女に来週、買っておくと伝える。
母に電話をしたアンは、子供達を迎えに行ってくれたことを知り、貧血で倒れたと伝えて心配させないようにする。
帰宅したアンは、ドンにも貧血で倒れたと伝えて、彼のプール工事の仕事が決まったことを知り喜ぶ。
17歳で初めてキスした男との間にペニーが生まれ、19歳でパッツイーを出産して母の家の裏庭でトレーラー生活を始めたアンは、父(アルフレッド・モリーナ)が10年も刑務所に入っていたので、何も考える暇がなかった。
カフェに向かったアンは、自分が死ぬ前にすることをノートに書き出す。
1.娘達に毎日、愛していると伝える。
2.娘達が気に入る母親を見つける。
3.娘達が18歳になるまで誕生日のメッセージを贈る。
4.家族でビーチに行き盛大なピクニックをする。
5.酒とタバコを好きなだけ楽しむ。
6.思っていることを話す。
7.夫以外の男性と付き合ってみる。
8.男性を夢中にさせる。
9.刑務所の父親に会う。
10.爪とヘアスタイルを変える。
その様子を、向かいのテーブルの男性リー(マーク・ラファロ)が見つめていた。
翌日、子供達に愛を伝えて見送ったアンは、美容院に向かい、髪をカットしようとするものの、美容師(マリア・デ・メディロス)から付け爪の担当が休みだと言われ、ブレードを勧められたために、考えると言って明日出直すことにする。
母を迎えに行き、子供達を寝かせたアンは、コインランドリーに行ってくるというメモを残し、出かけてバーに向かう。
美容師に出くわしたアンは、ブレードをしつこく勧めたことを謝罪され、口パク騒動で知られる”ミリ・ヴァニリ”の話などをする。
その後、コインランドリーに向かったアンは、その場にいたリーから声をかけられ、隣でコーヒーを買ってくると言う彼にミルクと砂糖入りを頼む。
戻ってきたリーは、アンが眠っていたためにコートをかけて、彼女の様子を見守る。
夜が明けて目覚めたアンは、洗濯物をたたんでおいてくれたリーに感謝し、寝顔を見ていたと言う彼と話す。
イビキはかかなかったがヨダレは垂れていたことを知らされたアンは、カフェでメモを書いていたのを見ていたことを話すリーから、コートを貸すと言われる。
自分はアラスカにいたことがあるので、寒さには慣れていると話すリーに、アンは、子供が二人いるので帰ると伝える。
その場を去るアンはリーの名前を知り、寒いのでコートを貸すと言われて感謝する。
帰宅したアンは、洗濯物の中に”ジョージ・エリオット”の著書”ミドルマーチ”が入っていることに気づき、それにはリーの電話番号が書かれていた。
母に子供を預けて出かけたアンは、母親が犠牲になる物語を子供達に話をした母に不満を訴える。
*物語はジョーン・クロフォード主演の「ミルドレッド・ピアース」(1945)
酔って帰宅したダンから工事が始まったことを知らされたアンは、仕事に行くと言って出かける。
車の中でテープレコーダーにメッセージを録音したアンは、ペニーの誕生日に出られないのが残念だと語り、生まれた日のことを話す。
パッツイーの面倒を見てほしいと言うアンは、怒りたい時があっても我慢するようようにと伝える。
次に、パッツイーに5歳の誕生日のお祝いを伝えたアンは、ママが誕生日にいなくても悲しまないでほしいと話し、1歳の誕生日の時、ハッピーバースデーの歌で泣いたことを語る。
その後も、今後の人生について役立ちそうなことを娘達のために録音したアンは、車を降りて涙する。
大学に向かったアンは作業を始めるものの、気分が悪くなり吐いてしまう。
ローリーから吐いた理由を訊かれたアンは、涙しながら、今までの人生で嫌な目に遭い辛い思いをしたからだと答える。
跪いて頼むから、”発散ダイエット”などと言わないでほしいと、ローリーはアンに伝える。
帰りに公衆電話からリーに電話をしたアンは、本を返したいことを伝えて彼の家に向かう。
リーに迎えられアンは、家具も何もない部屋の中で暮らす彼から、出て行った恋人が全て持っていったことを知らされる。
アラスカにいた理由を訊かれたリーは、ハイウェイや橋を作るための土地を測量していると答えて、チリやノースカロライナ、ハリファックスにも行ったことを話す。
娘の名前を訊いたリーは写真を見せてもらい、幸せそうで君に似ているとアンに伝える。
自分も幸せそうに見えるか尋ねたアンは、きれいだと言われる。
リーに自分が恋しかったかを尋ねたアンは、その通りであり、切ないほどずっと想っていたと言われる。
北部のラジオ局に勤めている姉が、好きな曲をテープに入れて送ってくれると話すリーは、最近届いた曲を車の中で一緒に聴くことを提案する。
雨の中、車に向かったリーとアンは、互いに求め合う。
キスしてくれないと叫ぶと言うアンが本当に叫んだため、リーは彼女にキスする。
二週間ぶりに診察に来たアンと対面して話したトンプソンは、先週、来なかったのは無意味だと思ったからだと言われる。
引き続き、スキャンと生体組織検査をしたいと言うトンプソンに、検査はやめて心の整理をするつもりだと伝えたアンは、それならばなぜ来たのかと訊かれる。
娘達が18歳になるまでの毎年の誕生日メッセージを預かってほしいと伝えたアンは、トンプソンから、自分から渡すよりもご夫に頼むべきではないかと言われる。
ドンは忘れてしまう可能性があると言うアンに、毎週、治療に来ることを約束すれば預かると伝えたトンプソンは、彼女の吐き気や容態のことを気にする。
病院に来ると二度と出られないような気がすると言うアンは、死ぬまでにやることが山のようにあるため、それを片付けなければならないと伝える。
痛みを和らげるための鎮静剤を渡すだけで検査はしないと伝えたトンプソンは、約束したキャンディをアンに渡す。
メッセージは預かると言うトンプソンは、それも治療の一環だと伝えて箱を受け取る。
仕事場でローリーを食事に誘ったアンは、スーパーマーケットに買い物に行く。
食事に招待されてローリーは、ドンにアンとの出会いを尋ねて、”ニルヴァーナ”のラストコンサートだと知る。
ダイエットをしているはずのローリーが、スペアリブを次々と食べるために、ブタのような食べ方だとペニーは彼女に伝える。
ベッドに入った後、自分もペニーと同意見だと言うドンは、ローリーの大食いに驚いたことをアンに伝える。
結婚式の前日に捨てられた、辛い過去があるローリーはいい人だと言うアンは、最近は過食症だと伝える。
自分はその逆だと言われたアンは、貧血が原因だとドンに伝える。
病院に一緒に行くことを提案されたアンは、一人で大丈夫だとドンに伝えて、こんな生活でも出会えてよかった、自分のために頑張ると言われる。
愛している、忘れないでと伝えたアンだったが、ドンは眠っていた。
翌日、子供達が隣に越してきたアン(レオノール・ワトリング)と話していたために挨拶したアンは、30分ほど出かけたいので娘達を見ていてほしいと言って頼む。
リーに会ったアンは、彼の姉のテープをかけて踊る。
家に戻ったアンは、子供達にお話しをしてくれた隣のアンに感謝する。
翌日、隣のアンと話をしたアンは、彼女がコーヒーに砂糖を入れないためにダイエット中か尋ねる。
それを否定した隣のアンに、ダイエット中毒の友人がいることを話したアンは、看護師の彼女から、拒食症や過食症の人を大勢、見てきたと言われる。
ペニーとパッツィーは可愛いが子供はいらないと言う隣のアンは、看護学校の最後の年に小児科病院で実習した際に出産に立ち会い、生まれた双子がシャム双生児だったことを話す。
生き延びることが不可能だと判断した医師が、子供を保育器から出して死なせようとしたため、死ぬまで付き添うと申し出たと話す隣のアンは、双子が息を引き取るまで30時間、抱き続けたと伝える。
男の子が死んで6時間後に女の子が死んだと言う隣のアンは、それ以来、老人介護の仕事をしていると話す。
おかしな話をしたことを謝罪し、その場を去ろうとした隣のアンは、アンから食事に誘われ喜んで招待を受ける。
その夜、リーと過ごしたアンは、仕事が終わった母を迎えに行き、誕生日だと言う彼女にお祝いを言って、話があると伝える。
父の居場所を訊いたアンは、母から、もう行くのを止めないと言われる。
翌日、美容院で付け爪だけを頼んだアンは、刑務所に向かう。
父と面会したアンは、ペニーとパッツィーの写真を見せて、刑務所内で靴を作っている話を聞く。
妻が自分を憎んでいるか尋ねた父は、アンから、母は誰にでもそうだと言われる。
世の中には、相手が望むように生きられない人間もいる、自分は努力してもだめだと伝えた父は、人を幸せにすることができないとアンに話す。
家族を愛しているが、皆が望むようには愛せないと言う父は、靴を作るので子供のサイズを教えてほしいとアンに伝える。
顔に触れたいと言うアンは、感触を覚えていると伝えて、父と昔の話をする。
父に別れを告げたアンは、その場を去る。
翌日、気分が悪いアンは起き上がれず、心配するドンは本当に貧血かアンに尋ね、医者を変えることを提案する。
貧血だと言うアンは、看病してほしいことをドンに伝える。
その後、ドンにもメッセージを残したアンは、病気を内緒にするのは自分ができる唯一のプレゼントだと話し、子供達と共に幸せになってほしいと伝える。
母には、死ぬことを黙っていた自分を許してくれないだろうと言って、愛を伝えて子供達のことを頼み、人生を楽しむようにと話す。
リーと出かけて食事をしたアンは、いろんな場所に連れて行きたいと言われる。
無理だと言うアンは、理由は話せないと伝えて店を出て、近くで働いているドンに電話をして迎えに来てもらうことにする。
リーから愛を告げられたアンは、この先ずっと一緒にいたいと言われる。
どんな男が迎えに来るか車で見届けると言うリーは、夫なら帰ると伝えてアンにキスする。
リーは、迎えに来たドンと抱き合うアンの姿を見て涙する。
隣のアンを招待するものの体調を崩して寝込んだアンは、彼女とドンに食事の準備を任せる。
自分と同じ名前の隣のアンを子供達と夫が愛し、三人が隣の家に住み、悩みを忘れ大きな幸せに包まれるよう望んだアンは、息を引き取る。
アンのメッセージは皆に届き、トンプソンはペニーとパッツィーにテープを届ける準備をして、ドンは子供達と共に隣のアンとの生活を始める。
母は人生を楽しむようになり、家の壁を塗り家具を入れる準備をするリーは、女性と付き合うことを考えながらもアンのことを想う。