ジェスがスリをするのを見て気づいていたニッキーは、それも最悪だったと言ってその場を去る。
その後、ジェスが気になったニッキーは彼女に声をかけ、自分がどんな犯罪でもこなすことを伝える。
プロになるノウハウを教えてほしいと言われたニッキーは、スリの極意は”フォーカス”(注意)をそらすことに尽きると伝え、話ながらその技を見せて驚かせる。
ニューオーリンズ。
仲間のホースト(ブレナン・ブラウン)とアジトにする場所を下見したニッキーは、自分を追ってきたジェスから、仲間に入れてほしいと言われる。
それを断られたジェスだったが、紹介されたホーストから、来ることはニッキーから聞いていたと言われたために驚く。
派手なドレスを着せられてホーストとサポートのガレス(グリフ・ファースト)らと街に出たジェスは、人ごみの中でスリを始める。
その様子を見てジェスに合格点をあげたニッキーは、人が集まる場所では常に犯罪が起きていることを伝える。
エンジニアでもある仲間のファーハド(エイドリアン・マルティネス)と合流したニッキーは、盗んだものを管理するアジトに向かい、自分達の”ビジネス”の仕組みをジェスに話し、偽造クレジットカードとIDを渡す。
ホテルの部屋を用意されたジェスは、現れたニッキーと愛し合う。
翌日、ファーハドと組んで仕事をしたジェスらは、その夜のパーティーで、ニッキーから、今週の稼ぎが過去最高の120万ドルに達したことを知らされる。
フットボールの”第17回AFFAチャンピオンシップ”後に撤収して、使用したものは全て償却すると話すニッキーは、仲間達の労をねぎらう。
ホーストから現金を預かったニッキーは、ギャンブルには使わないようにと言われ、ジェスと部屋に向かい愛し合う。
メルセデス・ベンツ・スーパードーム。
”AFFAチャンピオンシップ”当日、VIPルームに向かったニッキーとジェスは、試合を観戦しながら観客を観察して賭けをする。
二人に声をかけて賭けに加わったギャンブラーのリーユアン・ツェー(B・D・ウォン)は、ニッキーとゲームで大金を賭ける。
1万ドル負けてしまったニッキーは苛立ち、ジェスの制止も訊かずに5万ドルに金額を上げる。
それにも負けてしまったニッキーは、更に10万ドルで勝負に挑み、ホーストから預かった金を使ってしまう。
10万ドルを失ったニッキーは、帰ろうとするジェスからバッグを奪い、残りの110万ドル全額を賭けてカードで勝負しようとする。
仲間達と稼いだ現金を全て失ったニッキーはその場から去ろうとするが、リーユアンに侮辱されたために、2倍賭けで再び勝負する。
リーユアンが選手を選び、それをジェスに当てさせることで話をつけたニッキーは、嫌がる彼女に選手を選ばせる。
双眼鏡でフィールドの選手を見て選ぼうとしたジェスは、その場にファーハドがいたために全てを理解し、迷わずに”55”番の彼を選ぶ。
それが自分が選んだ選手だったために驚くリーユアンは、素直に負けを認める。
ファーハドは、ヘッドコーチの貸しを帳消しにする。
会場を出て車に乗ったジェスは、自分を騙したニッキーを非難する。
リーユアンが伝説のギャンブラーだと知っていたニッキーは、巨額の現金を持ち歩く彼が、何にでも賭ける最高のカモだとジェスに伝える。
ファーハドをリーユアンが選ぶと思った理由を尋ねたジェスは、彼がホテルを出る時から、”55”を潜在意識の中に植え付けるよう仕組んであったことを話す。
ニッキーに心底、惚れ込んだジェスだったが、車を停めさせた彼から分け前の8万ドルを渡される。
運転手に空港に向かうようにと伝えたニッキーは車を降り、迎えに来たホーストの車に乗る。
女がビジネスの邪魔になると考えたニッキーは、ジェスとの別れを決意したのだった。
3年後、ブエノスアイレス。
大富豪であるレーシング・チームのオーナー、ラファエル・ガリーガ(ロドリゴ・サントロ)は、側近のオーウェンス(ジェラルド・マクレイニー)から、エンジニアのニッキーが信用できないと言われる。
ニッキーを呼んだ理由は詐欺師だからだと、ガリーガはオーウェンスに伝える。
ニッキーとランチを共にしたガリーガは、オーストリア人のビジネスマンであるライバルチームのオーナー、マキューエン(ロバート・テイラー)を騙してほしいと伝える。
チームに不満を抱くエンジニアに扮し、マキューエンに偽のアルゴリズムを使ったプログラム”EXR”(燃料供給装置)を持ち込むと言うニッキーは、数値を変えるのでドライバーは効果があると思い込むと話す。
今夜のパーティーから計画を進めると言うニッキーは、不満があるクルーを演ずるために手荒な真似をすることをガリーガに伝える。
自分を信用しないオーウェンスの話を無視するニッキーは、任せてほしいとガリーガに伝えて、接触してくるマキューエンの金と報酬の100万ドルはいただくとと言って席を立つ。
オーウェンスから警告はしたと言われたガリーガは、今夜の芝居を心待ちにする。
パーティー会場に向かったニッキーは、酔った振りをしてガリーガへの不満を出席者に話し騒ぎ始める。
そこに、着飾ったジェスが現れたために驚いたニッキーは、彼女がガリーガと親しくしているため恋人同士だと思い驚く。
ジェスと話し詐欺はやめたと言われたニッキーは、ニューオーリンズのことを謝罪する。
おかげでガリーガと出会えたので気にしていないと話すジェスから、自分の過去は知られていないので他人の振りをしてほしいと言われる。
酒を飲み計画を再検討したニッキーは、オーウェンスから仕事をしろと言われて非難される。
予定通りガリーガに近づき、いいがかりをつけたニッキーは彼を殴り、人のものを盗んだと言って抗議する。
会場から追い出されニッキーに目をつけたマキューエンは、彼をランチに招待する。
翌日、マキューエンと話したニッキーは、水着姿でガリーガと戯れるジェスを気にしながら、300万ユーロでEXRを渡すと伝える。
本物である証拠を見せることをマキューエンに約束したニッキーは、バーに向かいジェスと話す。
ガリーガと組んでいることを話したニッキーは、彼を信用するなと伝える。
嫉妬深いガリーガには近づかない方がいいとニッキーに忠告したジェスは、その場を去る。
EXRをテストしたマキューエンは、ニッキーと300万ユーロで取引する。
買い物に出かけたジェスは、バッグを落とした老婦人にそれを届けようとして家を探す。
その場で待っていたジェスと話したニッキーは、このまま二人で逃げ出せたらと言うジェスに、何があっても守ると伝える。
色々学び成長した自分は、男を惑わす方法などを身につけたと話すジェスに騙されたニッキーは、今は幸せなので近づかないでほしいと再び言われる。
空港に迎えに来たニッキーと街に向かったファーハドは、ジェスに再会して、今は仕事もしていないニッキーを許してあげてほしいと伝える。
ニューオーリンズではニッキーから譲ってもらえなかった、気に入った盗品のネックレスをファーハドから渡されたジェスは、ニッキーに会う。
復帰する気になったら現れたと言われたジェスは、生まれ変わったので信じてほしいと話すニッキーに、自分もそう思ってはいると伝えてその場を去る。
ファーハドは、気落ちするニッキーを気遣う。
戻ろうとしたジェスは、車に止められる。
ホテルに戻ったニッキーは、部屋の前で待っていたジェスに何をされたのかを尋ね、何も聞かずにキスしてほしいと言われ、彼女と愛し合う。
翌朝、一緒にこの場から発つことをニッキーから提案されたジェスは、彼にかかってきた電話がオーウェンスだったために焦る。
追い返そうとしたニッキーだったが、説教をしながら部屋を探るオーウェンスにジェスがいることを気づかれないようにする。
ジェスがベランダから隣の部屋に向かったことを知ったニッキーは、7時に戻るようにと伝える。
その後、マキューエンから300万ユーロを受け取ったニッキーは、各チームとも同じ取引をして大金を手に入れる。
ホテルに戻ったニッキーは、バレたので逃げろというメールを受け取るものの、ジェスを待つ。
諦めて部屋を出ようとしたニッキーは、現れたジェスと共にその場を去る。
薬局でマウスピースなどを買ったマキューエンの部下ゴードンは、事故を起こす準備をしてニッキーの車に衝突する。
ゴードンをスパイとして送り込んでいたガリーガは、ニッキーとジェスを捕らえる。
本物のEXRをサーバーから盗んでいたニッキーを責めるガリーガは、現金が2700万ユーロあるために、プログラムを全チームに売ったことを知る。
ジェスは何の役だったと言って、口をテープで塞いだ彼女を窒息させようとしてニッキーを脅したガリーガは、彼女は無関係であり、仲間にエンジニアがいてサーバーをハッキングしたと言われる。
パスワードは15分おきに変わるので侵入は不可能だと言うガリーガは、再びジェスを苦しめる。
ジェスを使って侵入したが彼女はそれを知らなかったと言うニッキーは、渡したネックレスに仕掛けたデータ転送装置で、ガリーガの部屋に入る度にキー操作が転送されたことを話す。
ジェスに謝罪したニッキーは、彼女は知らぬ間に利用されただけだと伝えて、解放させようとする。
思わず笑ってしまったガリーガは、ジェスの口のテープを外しながら、彼女は恋人ではなく、ただの追っかけだとニッキーに伝える。
ガリーガに部屋に誘われてもジェスが行かなかったことを知ったニッキーは、彼女から、20万ドルするガリーガの”ピアジェ”の腕時計を狙っていたと言われる。
手荒な真似をしたのはオーウェンスで、ガリーガの名で買い物をした不正を見つかり懲らしめられたことをジェスは話す。
ニューオーリンズの仕返しを考えたジェスが、自分に嫉妬させたことを知ったニッキーは、彼女から、いつもウソばかりで何が真実か分からないと言われる。
ガリーガに真実を話そうとしたニッキーは、オーウェンスに銃撃されてしまう。
動揺するガリーガは、自分は無関係だと言って後始末をオーウェンスに任せて、ゴードンと共にその場を去る。
ニッキーが息を引き取ったと思うジェスは、あなたを信じると言いながら泣き崩れる。
近づくオーウェンスを痛めつけようとしたジェスは、自分が仲間だと聞いていないのかと言うオーウェンスから、急所を外したことを知らされる。
応急処置をされたニッキーは息を吹き返し、ジェスは、オーウェンスがニッキーの父親バッキーだったことを知り驚く。
大金を盗んだ車に運びその場を離れたバッキーは、路上でニッキーを拾い、詐欺を伝授して手をかけて育てたにも拘わらず、善人になってしまったことを嘆く。
この世界では情は命取りになると言うバッキーは、独自のルールがあり、それから外れたニッキーは愛を選んだと伝える。
金は全額もらうと言うバッキーは車を降り、クリスマスに会おうとニッキーに伝えて、その場を去る。
ジェスに支えられながら車を降りたニッキーは救急病院に向かい、私がいれば何とかなると言う彼女の腕の”ピアジェ”を確認する。