ハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーが、1940年に発表した小説”Farewell, My Lovely”を基に製作された作品。 警察に追われていた私立探偵が巻き込まれる謎の事件を描く、製作ジェリー・ブラッカイマー、主演ロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング他共演、監督ディック・リチャーズによるサスペンス。 |
・シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ディック・リチャーズ
製作
ジョージ・パパス
ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮
ジェリー・ビック
エリオット・カストナー
原作:レイモンド・チャンドラー”さらば愛しき女よ”
脚本:デヴィッド・Z・グッドマン
撮影:ジョン・A・アロンゾ
編集
ジョエル・コックス
ウォルター・トンプソン
音楽:デヴィッド・シャイア
出演
ロバート・ミッチャム:フィリップ・マーロウ
シャーロット・ランプリング:ヘレン・グレイル
ジョン・アイアランド:ナルティ警部補
シルヴィア・マイルズ:ジェシー・ホルステッド・フローリアン
アンソニー・ザーブ:レアード・ブルネット
ハリー・ディーン・スタントン:ビリー・ロルフ刑事
ジョー・スピネル:ニック
ジャック・オハローラン:ムース・マロイ
ジョン・O・リアリー:リンゼイ・マリオ
ジム・トンプソン:グレイル判事
シルヴェスター・スタローン:ジョニー
アメリカ 映画
配給 Embassy Pictures
1975年製作 95分
公開
北米:1975年8月8日
日本:1976年6月12日
■ アカデミー賞 ■
第48回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優賞(シルヴィア・マイルズ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1941年、ロサンゼルス。
ニューヨーク・ヤンキースのジョー・ディマジオの連続試合ヒット記録が気になっていた、私立探偵フィリップ・マーロウ(ロバート・ミッチャム)は、警察に追われ薄汚い宿に逃れていた。
マーロウは、ロサンゼルス市警のナルティ警部補(ジョン・アイアランド)を呼び出し、殺人容疑を着せられたことについて説明を始める。
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日当25ドルの家出少女捜しをしていたマーロウは、大男のムース・マロイ(ジャック・オハローラン)から、ベルマという女の捜索を依頼される。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1941年、ロサンゼルス。
私立探偵フィリップ・マーロウは、警察に追われ薄汚い宿に逃れていた。
マーロウは、市警のナルティ警部補を呼び出し、殺人容疑を着せられたことについて説明を始める・・・。
ある日、マーロウは大男のマロイから、ベルマという女の捜索を依頼される。
マーロウは、ベルマが働いていた酒場に連れて行かれ、マロイから手付金を受け取る。
元バンドマンから、店の持ち主だったジェシーの住所を聞き、情報を得てベルマの写真を入手する。
女優を目指していたベルマは、現在は精神病院に入れられていたことが分かり、マーロウは、マロイの仕事を簡単に済ませるのだが・・・。
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レイモンド・チャンドラーは、主人公フィリップ・マーロウを原作では38歳と想定しているがそれを演ずるロバート・ミッチャムは当時58歳で、冒頭から、言訳のように”もう年だ・・・”と愚痴をこぼし、ドラマ中に度々”疲れた・・”とぼやくシーンで、自分の年齢を強調しているところなどが面白い。
確かに、今の俳優などに比べると、少々老けて見えるところもあるが、警察や悪党に全く怯むところがない逞しさを、年齢を重ねた男の渋みや貫禄で見事に演じている。
セットや衣装さらには映像も1940年代の雰囲気をよく出しているし、フィルム・ノワール作品を彷彿させるデヴィッド・シャイアの音楽も郷愁を誘う。
第48回アカデミー賞では、助演女優賞(シルヴィア・マイルズ)がノミネートされた。
主人公が野球好きで、特に当時、話題の中心でもあったジョー・ディマジオの連続試合ヒット記録の更新を、第一の関心事にしたことなどがアクセントとなり、庶民派探偵の雰囲気もよく出ている。
事件解決と共に、ディマジオの記録も途絶えるという筋立てもなかなかいい。
上映から40分以上してようやく登場する、妖艶な魔性の女を演ずるシャーロット・ランプリングの魅力も印象に残る。
主人公を疑いながらも一目起き、厳しい世界を生き抜く男同士の絆も感じさせてくれる警部補ジョン・アイアランド、出番は少ないが、アカデミー助演賞にノミネートされた、主人公の情報源となる女性シルヴィア・マイルズ、事件の黒幕的存在のギャング、アンソニー・ザーブ、主人公とは馬が合わない刑事のハリー・ディーン・スタントン、そして、ドラマのキーマンとも言える謎の大男ジャック・オハローランは「スーパーマン」(1978)シリーズの”ノン”役よりもインパクトがある怪演を見せてくれる。
さらに注目は、「ロッキー」(1976)公開を翌年に控えたシルヴェスター・スタローンが、無名ながらも、よく見ると印象に残る役で登場し、やや細めだが逞しい上半身も披露してくれる。