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生きるべきか死ぬべきか To Be or Not to Be (1942)

第二次大戦勃発時のワルシャワを舞台に、祖国を裏切るスパイの行動を阻止しようとする劇団員が巻き起こす騒動を描く、製作、監督、原案エルンスト・ルビッチ、主演キャロル・ロンバードジャック・ベニーロバート・スタックライオネル・アトウィルスタンリー・リッジスシグ・ルーマン他共演の傑作ブラック・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト
監督:エルンスト・ルビッチ
製作:エルンスト・ルビッチ
原作
メルヒオル・レンジェル
エルンスト・ルビッチ(クレジットなし)
脚本:エドウィン・ジャスタス・メイヤー
撮影:ルドルフ・マテ
編集:ドロシー・スペンサー
音楽:ウェルナー・R・ハイマン

出演
マリア・トゥーラ:キャロル・ロンバード
ヨーゼフ・トゥーラ:ジャック・ベニー
スタニスラフ・ソビンスキー中尉:ロバート・スタック
グリーンバーグ:フェリックス・ブレサート
ラウィッチ:ライオネル・アトウィル
アレクサンダー・シレツキー教授:スタンリー・リッジス
エアハルト大佐:シグ・ルーマン
ブロンスキー:トム・デューガン
ドボッシュ:チャールズ・ハルトン
俳優 エアハルト大佐の副官になりすます:ジョージ・リン
シュルツ大尉:ヘンリー・ヴィクター
マリアのメイド、アンナ:モード・エバーン
イギリスの諜報員、アームストロング将軍:ハリウェル・ホッブズ
イギリスの諜報員、カニンガム少佐:マイルズ・マンダー
スコットランドの農夫:ジェームズ・フィンレイソン(クレジットなし)
ハムレットのポローニアス役オラフ・ヒッテン(クレジットなし)
ポーランド人のイギリス空軍パイロット:モーリス・マーフィ(クレジットなし)
ポーランドの官僚:フランク・ライヒャー(クレジットなし)

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1942年製作 99分
公開
北米:1942年3月6日
日本:1989年6月3日
製作費 $1,200,000
北米興行収入 $3,270,000
世界 $4,578,000


アカデミー賞
第15回アカデミー賞
・ノミネート
音楽賞(ドラマ・コメディ)


ストーリー
1939年8月、ワルシャワ
劇団員の役者ヨーゼフ・トゥーラ(ジャック・ベニー)と妻マリア(キャロル・ロンバード)らは、ナチスを風刺する劇”ゲシュタポ”の稽古に励んでいた。
その夜、ヨーゼフが主演する”ハムレット”が上演される。
楽屋にいたマリアは、自分のファンであるイギリス空軍所属のパイロット、スタニスラフ・ソビンスキー中尉(ロバート・スタック)からの手紙を受け取る。
ヨーゼフを愛しているマリアだったが、ソビンスキーに会うことにして、長ゼリフの時に楽屋に来てほしいという返事を書く。
舞台に立ったヨーゼフが”To Be or Not to Be…”とセリフを口にしたと同時に、ソビンスキーは席を立ち楽屋に向かう。
その様子に驚くヨーゼフは、それが気になり演技者として自信を失う。
その後、劇団は、政府から”ゲシュタポ”の上演中止命令を命ぜられる。
翌日の夜、も”To be or not to be…”のセリフと当時にソビンスキーが席を立ったために、ヨーゼフは激怒する。
ソビンスキーは、マリアが夫や舞台を捨ててくれると信じ、彼女に愛を告白する。
マリアは誤解を解こうとするが、そこにドイツポーランドに侵攻したという報せが入る。
ソビンスキーは戦闘に参加するために出発し、俳優たちは戦況を見守るしかなかった。
ポーランドのレジスタンス指導者アレクサンダー・シレツキー教授(スタンリー・リッジス)と出会ったソビンスキーは、ワルシャワに戻る彼に、マリアへのメッセージ”To be or not to be…”を託す。
しかし、シレツキーが有名な女優マリアのことを知らなかったために、ソビンスキーは不審に思う。
シレツキーがスパイである可能性があるというソビンスキーの報告を受けたイギリス情報部は、彼らを信用させてパイロットの住所を聞き出し持参したことも知り、対処させるためにソビンスキーを密かにワルシャワに向かわせる。
現地に到着したシレツキーはマリアを呼び出し、スパイになることを勧める。
その頃、帰宅したヨーゼフは、戻ったソビンスキーが自分のベッドで寝ていることに気づき驚く。
そこに現れたマリアは、シレツキーに会ったことをソビンスキーに伝える。
状況を把握したヨーゼフは、シレツキーがゲシュタポ司令官のエアハルト大佐(シグ・ルーマン)に会うことを知り、劇団員と共に大芝居をうとうとするのだが・・・。


解説 評価 感想

劇作家メルヒオル・レンジェルの物語を、製作を兼ねてエルンスト・ルビッチが監督した作品。

主演のキャロル・ロンバードは、本作公開の2か月前に飛行機事故で亡くなり、彼女にとって遺作となった。

第二次大戦勃発時のワルシャワを舞台に、祖国を裏切るスパイの行動を阻止しようとする劇団員が巻き起こす騒動を描く傑作ブラック・コメディ。

本作の撮影は1941年の11月から12月にかけて行われ、当時、破竹の勢いのナチス・ドイツをコメディで痛烈に皮肉った、ドイツ出身のエルンスト・ルビッチの痛快作として、非常に評価が高い作品。

ナチスが圧倒的な情勢下で、実力派スターの各個性を活かした、ルビッチの意欲が窺える軽快で刺激的な最高に楽しめる作品。

エルンスト・ルビッチは、まず主人公をジャック・ベニーに演じさせることを念頭に考えた。
彼以外のことは考えずに本作を企画したルビッチは、やや人気に陰りが見えていたミリアム・ホプキンスをヒロインに起用しようとするものの、彼女とジャック・ベニーの相性が悪かった。
そして、かねてからルビッチとの仕事を希望していた、キャロル・ロンバードの出演が決まったという経緯がある。

第15回アカデミー賞では音楽賞(ドラマ・コメディ)にノミネートされた。

1996年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

1983年公開の「メル・ブルックスの大脱走」は本作のリメイク。

夫を愛しているものの、ファンである若いパイロットへの親切心がトラブルにもつながる、美しきヒロインを魅力的に演ずるキャロル・ロンバード、その夫で、妻の浮気を疑いながら、国家のためにスパイを倒す大芝居をうつ役者を絶妙な演技で演ずるジャック・ベニー、ヒロインに惹かれるパイロットを初々しく演ずるロバート・スタック、”ベニスの商人”の”シャイロック”を演ずることを夢見るユダヤ人の役者フェリックス・ブレサート、同じく役者のライオネル・アトウィル、祖国を裏切るスパイである教授スタンリー・リッジスゲシュタポ司令官を愉快に演ずるシグ・ルーマン、その副官ヘンリー・ヴィクターヒトラー役を演ずる役者トム・デューガン、劇団の舞台監督チャールズ・ハルトンゲシュタポ司令官の副官に扮する役者ジョージ・リン、ヒロインのメイド、モード・エバーンイギリス情報部の将軍ハリウェル・ホッブズ、同じく少佐マイルズ・マンダースコットランドの農夫ジェームズ・フィンレイソンハムレットのポローニアス役オラフ・ヒッテンポーランド人のイギリス空軍パイロット、モーリス・マーフィポーランドの官僚フランク・ライヒャーなどが共演している。


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