皇帝が自分の後見人になったことを話したダイアナは、カリグラとの結婚に反対するマーセラスから、自分との結婚を約束したはずだと言われて承諾する。
そこに到着したカリグラは、マーセラスとダイアナと言葉を交わし、奴隷の競売を始めさせる。
双子をカリグラに買われたマーセラスは、彼と競いギリシャ人のディミトリアスを競り落とす。
憤慨したカリグラはその場を去り、ディミトリアスを解放したマーセラスは、元老院議員である父(トーリン・サッチャー)の屋敷に向かうよう指示する。
屋敷に戻ったマーセラスは、侍者にするつもりのディミトリアスに、逃げなかった理由を訊く。
借りを返す義務があると言われたマーセラスは、ディミトリアスに雑務をさせる気はなかった。
母コーネリア(サリー・コーナー)と妹のルシア(パメラ・ロビンソン)から、カリグラと揉めたことで意見されたマーセラスは、父にも責められる。
カリグラの部下である護民官のクインタス(ガイ・プレスコット)が現れ、カリグラからの手紙を受け取ったマーセラスは、エルサレム行きを命ぜられる。
その後、準備を整えディミトリアスと共に船で出航しようとするマーセラスは、現れたダイアナから、カプリに戻り皇帝に嘆願すると言われるものの、カリグラとの結婚は戻るまで延期してほしいと伝えて船に乗る。
ユダヤ属州、エルサレム。
現地に着いたマーセラスは、百人隊長のパウルス(ジェフ・モロー)に迎えられ、”救世主”と言われる男の元に人々が集まる姿を確認する。
男に見つめられたディミトリアスは、”自分に従え”と語りかけたように思い何かを感じる。
パウルスから、”救世主”が人の心を惑わせていることを知らされたマーセラスは、支持者が多く簡単には捕らえることができないと言う彼に、金を渡して対処させようとする。
町に向かったディミトリアスは、”救世主”がガリラヤの大工”イエス”であることを知り、彼を捜している途中である男(マイケル・アンサラ)に話しかける。
男は、信じていた弟子の一人に裏切られたイエスは連行されたとディミトリアスに伝える。
真実を信じ疑うなと言う男は、ディミトリアスから名を訊かれ、ユダと答えてその場を去る。
翌朝、パウルスに起こされたマーセラスは、総督ポンティウス・ピラト(リチャード・ブーン)に呼ばる。
イエスを救いたいディミトリアスは、無実であり不当逮捕だと訴え、マーセラスに弁護を頼むものの、聞き入れてもらえなかった。
パウルスと共にピラトに会ったマーセラスは、カプリの皇帝の元に向かうよう指示される。
その前に囚人3人の処刑を命ぜられたマーセラスは、多くの崇拝者がいるイエスが含まれていることを知る。
処刑の決定を下したピラトは、心に迷いがある様子だった。
十字架を担ぎ、何度も倒れながら進むイエスを助けようとしたディミトリアスは、兵士に痛めつけられて気を失う。
意識が戻ったディミトリアスは、昼間にも拘わらず辺りが暗いことに気づき、イエスが磔刑に処されたことを知る。
ゴルゴダの丘に向かったディミトリアスは、イエスの刑を執行したマーセラスらが、酒を飲みながら賭けをしていることに気づく。
ディミトリアスに拾わせたイエスが着ていた衣を賭けたパウルスだったが、勝負はマーセラスが勝つ。
突然、天は荒れ狂い、イエスを見つめるマーセラスとディミトリアスは、”父よ許したまえ、彼らは知らぬだけなのです”と言う声(キャメロン・ミッチェル)を聞く。
町に戻り、雨が降ってきたため、ディミトリアスが持つ衣を肩にかけたマーセラスは苦しみ始める。
イエスを殺したマーセラスを責めるディミトリアスは彼を罵り、衣を手にしてその場を去る。
その後、船でカプリに向かうマーセラスは、悪夢にうなされて苦しむ。
カプリに着きダイアナに再会したマーセラスだったが、苦しみ心が病んでいることを伝える。
皇帝ティベリウス(アーネスト・セジガー)に呼ばれたマーセラスは、結婚のことは諦めてほしいとダイアナに伝える。
皇帝に会ったダイアナは、マーセラスが病気であることを伝える。
皇帝妃ユリア(ロザリンド・イヴァン)は、次期皇帝を選ばずにマーセラスとの結婚を決めたダイアナの考えが理解できない。
現れたマーセラスからピラトの報告書を渡された皇帝は、エルサレムの状況を尋ねる。
取り乱し興奮し始めたマーセラスを落ち着かせた皇帝は、現地で起きたこととイエスの話を聞く。
イエスの衣をまとった直後に異変を感じたと話すマーセラスは、その場にいた占い師から呪いだと言われ、それを信じる。
皇帝から、衣を捜して処分し、イエスの信者の中で反逆を企む者の名を知らせるよう命ぜられたマーセラスは、旅立とうとする。
ダイアナを引き留め、カリグラとの結婚を望まない彼女の気持ちを理解した皇帝は、もう一度マーセラスにチャンスを与えることを彼女に伝える。
旅立つマーセラスは、ダイアナと共にその場を去る。
皇帝は、帝国を滅ぼしかねない呪いより危険な、自由を求める人間の本質を恐れる。
パレスチナ。
その後、毛織物商人に扮して旅を続けるマーセラスは、同行するアビドール(レオン・アスキン)から、ディミトリアスらしき男が”大男の漁師”と共にカナの村にいることを知らされる。
カナに向かい人々から毛織物を買い始めたマーセラスは、現れた老人ユースタス(ディーン・ジャガー)から、高値で買い過ぎだと言われ返金される。
人々に主の教えを説くユースタスは、価値のないものを旅人に売り騙すのかと言って、その考えを戒める。
ユースタスの話を聞いた人々は、マーセラスにもらい過ぎた分の金を返す。
その場を去るユースタスに興味を持ったマーセラスは、村の指導者ではなく職工だと言う彼と話をする。
足が曲がっていた孫のヨナタンが完治したことを話すユースタスは、彼を呼び寄せてマーセラスに紹介する。
ユースタスから家の裏の野営地を借りることになったマーセラスは、お礼だと言ってヨナタンにロバを譲る。
ロバに乗ったヨナタンは、イエスが足を治してくれた時と同じように喜び、ユースタスは、自分たちは皆、ナザレのイエスを知っているとマーセラスに伝える。
夜になり集まった人々は、磔刑から甦り、自分たちのそばにいるイエスについて歌うミリアム(ベタ・セント・ジョン)の歌声を聴く。
ユースタスは、15歳の時に体が麻痺したミリアムが、自分を憎み人々を妬み恨む人間となったが、イエスに救われたことをマーセラスに話す。
マーセラスから、今でも歩けないミリアムをイエスが救わない理由を訊かれたユースタスは、彼女は救われたと言って彼を夕食に誘う。
イエスによりミリアムは別人になったと話すユースタスは、死んだ者は生き返らないと言うマーセラスに、イエスは生きていると伝える。
それを否定し、イエスは死んだと言い張るマーセラスが、兵士から聞いたと話しながら動揺する様子を見たユースタスは、彼がその場にいたと考える。
戸惑いながらテントに戻ったマーセラスは、総督がキリスト教徒の一掃を開始したと言うアビドールが、ユースタスを売ろうと考えれいるため、金を渡して国に帰るよう指示する。
マーセラスは、欲深いアビドールを追い払う。
翌日、ヨナタンが、足が悪い友人ダヴィド(ハリー・シアラー)にロバを譲ったことを知ったマーセラスは、それを不満に思う。
その場にいたミリアムから話しかけられたマーセラスは、ロバを手放したのはヨナタンの自由だと言われて納得する。
イエスを敵視するマーセラスが苦しんでいることを知ったミリアムは、主だけが救えると言って、すべての者を愛せよと言う教えを語る。
世界は愛ではなく力で築かれると言うマーセラスは、足が治らない状態でも、主はより良い道を選んでくれたと考えるミリアムの話を聞く。
自分をこのままの体にしておくことで、同じ境遇の人々に、神の下では不自由は不幸ではないと主は教えている言うミリアムは、それを理解しないマーセラスに、イエスの使徒”漁師のペトロ”に会わせたいだけだと伝える。
ペトロがギリシャ人の男と一緒だと知ったマーセラスは、それがディミトリアスだと思い彼を捜そうとする。
誰もが苦しみを与えられていると言うミリアムは、道は必ず見つけられるとマーセラスに伝える。
ディミトリアスを捜し出したマーセラスは、衣を焼いて処分させようとするものの、呪いは自分の心にあると言われて動揺する。
自分で焼こうとしたマーセラスは、衣に触れてしまう。
恐怖が去ったことに気づいたマーセラスは、衣を抱きしめながら、自分の罪だけにこだわっていたと考えるミリアムから、ようやく主を理解したと言われ、苦しみから解放される。
ディミトリアスから、ガリラヤの漁師ペトロを紹介されたマーセラスは、人々と共にユースタスの話を聞く。
ユースタスは兵士の放った矢を受けて倒れ、その場は騒然となり、マーセラスが現れたパウルスと話をする。
アビドールの通報で到着したパウルスは、皇帝命令に従っていると言うマーセラスに、皇帝は亡くなりカリグラが即位したことを伝える。
皇帝自身が取り消さない限り命令は有効だと言うマーセラスは、カリグラの許可がないことを知り、納得しないパウルスと剣を交えて激しい戦いになる。
パウルスに剣を向けて観念させたマーセラスは、止めを刺さずに剣を捨てて、軍隊を退却させる。
その後、旅立つペトロはマーセラスに同行を求め、断る彼から、イエスを磔刑にしたことを知らされる。
ディミトリアスから聞き知っていると言うペトロは、主は十字架の上からすでに許していたとマーセラスに伝える。
キリスト教徒になることをペトロに伝えたマーセラスは、すべてを主に捧げるローマ人になることを誓う。
ローマ。
カリグラの元に向かったダイアナは、自分の招待を受けずにガリオ家の客人となっていることを非難される。
マーセラスのことを尋ねたカリグラは、何も知らないと言うダイアナに、彼が既にローマに戻っていることを伝える。
危険人物である反逆者のマーセラスが、キリスト教徒の首謀者だと言うカリグラは、捕えたディミトリアスを拷問する様子をダイアナに見せる。
同行した漁師とマーセラスも捕えると言われたダイアナは、拷問を見ていられずにその場を去る。
宮殿の外で待っていたガリオ家の奴隷マーシポー(デヴィッド・レナード)が、キリスト教徒でありマーセラスに会っていることを知ったダイアナは、彼の元に案内される。
ダイアナと再会したマーセラスは、ディミトリアスが拷問されていることを知り、彼を助けだす方法を考える。
カリグラに追われていたために連絡しなかったと言うマーセラスは、病は治り、今までにないほど気分がいいことをダイアナに伝える。
衣のことを尋ねるダイアナにそれを渡したマーセラスは、自分の人生を変え、世界も変えると伝え、その持ち主の話をする。
命を懸けて奴隷のディミトリアスを救おうとするマーセラスから、命以上の借りがあると言われたダイアナは、神の指示なら異論はないので、妻にしてほしいと伝える。
それを約束するマーセラスはダイアナに衣を預け、屋敷に向かうよう指示して宮殿に向かう。
信者と共に宮殿に侵入したマーセラスは、ディミトリアスを助け出す。
激怒したカリグラは、夜明けまでにマーセラスを捕えることを兵士に命ずる。
その後ガリオの屋敷は、兵士に調べられるものの、何も見つからなかった。
その場に隠れていたマーセラスは、ディミトリアスを診た医師マリウスから、助からないと言われて悲しむ。
現れたペトロは、ディミトリアスに話しかける。
ディミトリアスは意識を取り戻し、ペトロはその場を去る。
驚くマリウスは、ペトロが行ったことを呪術だと決めつけて立ち去る。
ディミトリアスを運び出そうとするマーセラスは、父と話し合おうとするものの、ローマの敵となった者は息子ではないと言われ、自分の行いを理解してもらえない。
ダイアナから衣を受け取ったマーセラスは、彼女との愛を確かめ、馬車にディミトリアスを乗せて出発する。
追っ手に気づいたマーセラスは、これまでのことをディミトリアスに感謝してペトロの元に向かうよう指示し、馬車を降りて馬に乗り、剣を抜き友に別れを告げる。
捕えられたマーセラスは連行され、投獄される。
現れたダイアナから、明日の裁判の席では皇帝に逆らわないようにと言われたマーセラスは、何事も恐れないカナの人々のことを話す。
自分も同じ考えを持ちたいとマーセラスに伝えたダイアナは、看守と共にその場を去る。
翌日、裁きの場に現れたカリグラは、ガリオとダイアナを呼び寄せる。
ダイアナを横に座らせたカリグラは、国家を脅かす存在となったキリスト教徒のことを元老院議員と貴族たちに話し、帝国の護民官までが裏切り加担したと言って、裁かれるマーセラスを連れてこさせる。
衣を手にするマーセラスはカリグラから罪を訊かれ、キリスト教徒であることは認めるものの、反逆者ではないと答える。
イエスは物質的世界の王ではなく、正義と愛を唱える心の中の王であると話すマーセラスは、カリグラから、それはローマには存在しないのかと訊かれる。
存在すればイエスを十字架にはかけないと答えたマーセラスは、カリグラから、彼を殺した者が命を懸ける理由を訊かれる。
マーセラスは、命より大事な借りがあり、イエスは自分の罪を許してくれたと答える。
兵士が命令に従うのことが罪かを問うカリグラは、ローマを治めるのは人間であり過ちも犯す、磔刑は最大の過ちだったと言われ、皇帝も同じかとマーセラスに尋ねる。
自分の裁判であり、皇帝を裁く場ではないと言われたカリグラは、マーセラスが手にしているものが呪いの衣だと気づいて恐れ、退きながら処分するよう命ずる。
自分が引き取ると言うダイアナは、マーセラスから衣を受け取る。
イエスの奇跡など信じるつもりがないカリグラだったが、マーセラスは、それは自由だが重要なのは行いであり、彼は決して人を傷つけなかったと伝える。
主の御心を学ぶべきだと言われたカリグラは、教えに引き込まれることを嫌う。
平和と愛に満ちたローマを願うなら主は味方し、侵略と奴隷制度により、恐怖を人々に与え続けるなら主は過ちを正すだろうと、マーセラスはカリグラに伝える。
主の教えはこの地にも必ず広がると言うマーセラスが、自ら罪を認めたと判断したカリグラは、その場の者たちに彼の罪を問う。
何人かが死罪だと口にし、それを民の声だと決めつけるカリグラは、ダイアナから、マーセラスは反逆者とは証明されていないと言われるものの、死刑を宣告する。
忠誠を誓えば釈放すると言われたマーセラスは跪き、それに従うことをカリグラに伝える。
イエスへの忠誠を撤回するよう指示されたマーセラスは、それを拒む。
カリグラは死刑執行を命じ、ダイアナは、夫とすることを決めたマーセラスと共に死ぬことを望む。
自分に罪はないと言われたダイアナは、あなたの統治する国で生きたくないとカリグラに伝え、帝国を破滅に導く者だと言って彼を罵る。
夫と共に主の元に向かうと言うダイアナは、激怒するカリグラを無視して、マーセラスと共に連行される。
マーセラスは、自分の行いを理解してくれた父と目を合わせ、衣をマーシポーに託したダイアナは、それをペトロに渡すよう指示する。
人々に見守られながら連行されるマーセラスとダイアナは、安らかな気持ちで笑みを浮かべ処刑場に向かう。