原案ブレイク・エドワーズ、ピーター・セラーズ主演の人気シリーズ「ピンクパンサー」の再シリーズ化第1作。 パリ警察のドジな警部ジャック・クルーゾーが巻き起こす騒動を描く、監督ショーン・レヴィ、製作、主演スティーヴ・マーティン、ケヴィン・クライン、ジャン・レノ、エミリー・モーティマー、ビヨンセ・ノウルズ、ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン他共演の爆笑コメディ。 |
・コメディ
・スティーヴ・マーティン / Steve Martin / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ショーン・レヴィ
製作:ロバート・シモンズ
製作総指揮
トレイシー・トレンチ
アイラ・シューマン
原案
モーリス・リッチリン
ブレイク・エドワーズ
脚本
レン・ブラム
スティーヴ・マーティン
撮影:ジョナサン・ブラウン
編集
ジョージ・フォルシーJr.
ブラッド・E・ウィルハイト
作曲
クリストフ・ベック
ヘンリー・マンシーニ(テーマ曲)
出演
ジャック・クルーゾー警部:スティーヴ・マーティン
シャルル・ドレフュス主任警部:ケヴィン・クライン
ギルバート・ポントン:ジャン・レノ
ニコル・デュラン:エミリー・モーティマー
ザニア:ビヨンセ・ノウルズ
グリュアン:ジェイソン・ステイサム
ナイジェル・ボズウェル/006:クライヴ・オーウェン
ユーリ:ヘンリー・ツェニー
ラロック:ロジャー・リース
チェリー:クリスティン・チェノウェス
アメリカ 映画
配給
MGM(北米)
コロンビア・ピクチャーズ(世界)
2006年製作 92分
公開
北米:2006年2月10日
日本:2006年5月13日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $82,226,470
世界 $158,851,360
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
地方の巡査だったジャック・クルーゾー(スティーヴ・マーティン)は、ドジばかりして昇進の見込みなど全くなかった。
フランスVS中国のサッカー国際試合で、フランスの代表チームのグリュアン監督(ジェイソン・ステイサム)が、試合に勝利した直後、何者かに殺害されてしまう。
その時、グリュアン所有の高価なダイヤモンドの指輪”ピンクパンサー”も消えてしまう。
事件を任されたシャルル・ドレフュス主任警部(ケヴィン・クライン)は、7回もノミネートされている名誉賞欲しさに、無能な田舎巡査クルーゾーを捜査の担当にする。 世間の一大事を追うマスコミが、間抜けなクルーゾーに振り回されて混乱している隙に、ドレフュスは手柄を上げようと企んでいたのだ。 ドレフュスはクルーゾーを呼び寄せ、おだてて警部に昇進させ、マスコミに彼を紹介する。 クルーゾーは、意味不明な発言をするが、なぜか記者達から大喝采を受ける。 そして、クルーゾーのオフィスには、忠実で純情な秘書のニコル・デュラン(エミリー・モーティマー)が配属される。 さらに2等級刑事ギルバート・ポントン(ジャン・レノ)が、クルーゾーの補佐となる。 一方、計画通りのドレフュスは、精鋭チームで密かに事件解決の秘策を練っていた。 クルーゾーとポントンは、グリュアンの恋人で人気歌手のザニア(ビヨンセ・ノウルズ)から、選手がグリュアンを恨んでいたという事実を知らされる。 しかし、グリュアンは、選手のみならず関係者全てから恨まれていたらしいことも分かり、クルーゾーに尋問された選手は、何者かに殺されてしまう。 クルーゾーは、グリュアンのビジネス・パートナーであるカジノのオーナー、ラロック(ロジャー・リース)と面会する。 そしてクルーゾーは、”ピンクパンサー”に保険金が掛けられていたことを追求するが、ラロックが犯人でもなさそうだった。 カジノで、イギリスの諜報員006/ボズウェル(クライヴ・オーウェン)と出会ったクルーゾーは、彼がその場でガスマスク強盗を倒すのを目撃するが、それが自分の手柄になってしまう。 予想外のクルーゾーの活躍に驚いたドレフュスは、彼のオフィスに侵入して情報を入手しようとする。 しかし、クルーゾーは、彼を強盗と間違え叩きのめしてしまう。 そんなクルーゾーの評価は上がり、名誉賞の候補になってしまう。 実はドレフュスのスパイだったポントンは、クルーゾーの監視強化を命ぜられる。 ニューヨークに向かったザニアが、何かを隠していると考えたクルーゾーは、彼女を追うために英語の発音練習を始める。 全く上達しない英語のまま、クルーゾーはポントンを従えてニューヨークに到着する。 ザニアが、ダイヤモンドの闇市場とコンタクトを取っていることを知ったクルーゾーとポントンは、彼女を尾行する。 闇市場には、ステージで使う、バッグの装飾で通っていたというザニアの言い分を、一応信じたクルーゾーは、彼女と夕食の約束をする。 クルーゾーは、ホテルの彼女の部屋でいいムードになってしまい、強性剤を飲もうとして洗面台の排水口に落としてしまう。 その後、クルーゾーは、火事を起こして部屋を水浸しにしてしまい、床が抜けて大騒動になってしまう。 帰国することになったクルーゾーは、ドレフュスの罠にはまり、空港で危険物所持が見つかり逮捕されてしまう。 大変なドジを踏んでしまったクルーゾーは、フランス人の恥をさらしてしまう。 思い通りになったドレフュスは、帰国したクルーゾーに自分の企みを話してしまい、さすがに彼はショックを受けるが、ポントンは罪悪感を感じる。 ポントンも、ドレフュスと通じていたことを知ったクルーゾーだったが、彼を責めなかった。 ドレフュスは、グリュアンが殺害された試合で、スタジアムの貴賓席にいた中国人が犯人である可能性をつかむ。 失意のクルーゾーだったが、自分が逮捕されていた報道写真を見てあることに気づき、ポントンに連絡を入れ捜査に復帰する。 大統領官邸のパーティーに向かったクルーゾーとポントンは、会場に入ることを拒まれる。 しかしクルーゾーは、ニコルの協力で、ザニアのショーのバック・ダンサーに扮して官邸に侵入する。 ニコルの見事な立ち振る舞いにクルーゾーは惹かれ、彼女も次第にその気になっていく。 次はザニアの命が危うい事に気づいていたクルーゾーは、彼女に銃の照準を合わせていた犯人を見つけ、犯行を阻止して追跡する。 ドレフュスはパーティーに出席して、目をつけていた中国人を逮捕しようとするが、クルーゾーが真犯人でサッカーチームのトレーナー、ユーリ(ヘンリー・チャーニー)を取り押さえる。 クルーゾーは、見事な推理で事件の全容を解き明かし、ザニアが隠し持っていた”ピンクパンサー”も探し出してしまう。 しかし、グリュアンが、生前に”ピンクパンサー”をザニアに渡したことも分かり、それは彼女のものになる。 クルーゾーは、自分が逮捕された際の写真に写っていたザニアのバックに、隠された”ピンクパンサー”のX線の映像に気づいていたのだ。 クルーゾーは大喝采を浴び、一躍フランスの英雄となり、ドレフュスがあれほど欲しがっていた名誉賞を獲得してしまう。 そしてドレフュスは、ドジなクルーゾーのお陰で大怪我をして、益々彼を憎むことになる。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ピンクの豹」(1963)
・「暗闇でドッキリ」(1964)
・「ピンク・パンサー2」(1975)
・「ピンク・パンサー3」(1976)
・「ピンク・パンサー4」(1978)
・「ピンク・パンサーX」(1982)
・「ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ」(1983)
・「ピンク・パンサーの息子」(1993)
・「ピンクパンサー」(2006)
・「ピンク・パンサー2」(2009)
*(簡略ストー リー)
サッカー国際試合で、フランス代表チームのグリュアン監督が、試合に勝利した直後に殺害され、彼が所有する高価なダイヤモンドの指輪”ピンクパンサー”も消えてしまう。
事件を任されたドレフュス主任警部は、執着する名誉賞欲しさに、無能な田舎町の巡査ジャック・クルーゾーを捜査の担当にする。
間抜けなクルーゾーが、世間を振り回している間に、ドレフュスは手柄を上げようと企んでいたのだ。
ドレフュスは、クルーゾーをおだてて警部に昇進させて、忠実で純情な秘書ニコルと、2等級刑事ポントンを補佐に付ける。
クルーゾーとポントンは、グリュアンの恋人で人気歌手のザニアに接触し、その後の捜査で、彼が関係者全てから恨まれていたことを知る。
一方、精鋭を集めたドレフュスは成果を得られず、逆にクルーゾーの評価は上がり、名誉賞の候補になってしまうのだが・・・。
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2009年には、続編「ピンクパンサー2」が公開された。
はまり役のピーター・セラーズを、上回るとまでは言えないものの、期待を一身に受けたスティーヴ・マーティンはかなりの熱演を見せる。
60歳を過ぎた彼は、約20年前の全盛期が甦ったようであり、当時の作品で大いに笑わせてもらったファンとしては、実に嬉しい仕上がりとなっている。
参考:
「サボテン・ブラザース」(1986)
「ペテン師とサギ師」(1988)
スティーヴ・マーティンの、フランス語訛りの英語がとにかく笑える。
特に、ニューヨーク行きのために習う英語の発音がうまくできないシーンは最高に可笑しい。
上記「ペテン師とサギ師」(1988)でも、同じような場面がある。
警官なのに”悪役”、ケヴィン・クラインのユーモアのセンスも抜群だ。
コメディにもかかわらず、セットの豪華さなどは、パリの雰囲気なども含めて見応えがある。
アクション大作並みの製作費8000万ドルも納得だ。
北米興行収入は約8200万ドル、全世界では約1億5900万ドルのヒットとなった。
秘書役エミリー・モーティマーやビヨンセも作品に華を添え、S・マーティンのワンマン作品になりそうなところをうまく和らげている。
フランス人役と言ったらジャン・レノしかいないのか?と言いたくなる配役は気になる。
ジャン・レノ自身は、なかなかいい役を演じているのだが、彼以外のフランス人役者を見てみたい気がする。
カメオ出演で、サッカー代表チーム監督の被害者ジェイソン・ステイサム、クルーゾーに手柄を譲るイギリス諜報員クライヴ・オーウェン、犯人のヘンリー・ツェニー、カジノのオーナー、ロジャー・リースなどが共演している。