2006年に公開された「ピンクパンサー」新シリーズの続編。 ドジな捜査を進めるパリ警察のクルーゾー警部が巻き起こす騒動を描く、製作、主演スティーヴ・マーティン、ジャン・レノ、エミリー・モーティマー、アンディ・ガルシア、アルフレッド・モリーナ、ジョン・クリーズ、ジェレミー・アイアンズ他共演、監督ハラルド・ズワルトによる大爆笑コメディ。 |
・コメディ
・スティーヴ・マーティン / Steve Martin / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ハラルド・ズワルト
製作:ロバート・シモンズ
製作総指揮
ショーン・レヴィ
アイラ・シューマン
原案
モーリス・リッチリン
ブレイク・エドワーズ
脚本
スコット・ノイスタッター
マイケル・H・ウェバー
スティーヴ・マーティン
撮影:デニス・クロッサン
編集:ジュリア・ウォン
作曲
クリストフ・ベック
ヘンリー・マンシーニ(テーマ曲)
出演
ジャック・クルーゾー警部:スティーヴ・マーティン
ギルバート・ポントン:ジャン・レノ
ニコル・デュラン:エミリー・モーティマー
ビチェンゾ・ブランカレオーネ:アンディ・ガルシア
ランダル・ペパリッチ主任警部:アルフレッド・モリーナ
ソニア・ソランドレス:アイシュワリヤー・ラーイ
マツド・ケンジ:松崎悠希
シャルル・ドレフュス主任警部:ジョン・クリーズ
イヴェット・ベレンジャー:リリー・トムリン
アロンソ・アヴェヤネダ:ジェレミー・アイアンズ
ローレンス・ミリキン:ジョニー・ハリディ
ジュベール警視総監:ジェフリー・パーマー
アメリカ 映画
配給
MGM
コロンビア・ピクチャーズ
2009年製作 92分
公開
北米:2009年2月6日
日本:2009年4月11日
北米興行収入 $35,922,980
世界 $75,946,620
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドンの大英博物館で”マグナカルタ”、トリノでは”聖骸布”、京都で”天叢雲剣”が盗まれ、現場には”トルネード”という名入りのカードだけが残されていた。
シャルル・ドレフュス主任警部(ジョン・クリーズ)は、警視総監ジュベール(ジェフリー・パーマー)に呼び出される。
被害に遭った各国が捜査の精鋭を選び” ドリームチーム”を組み、フランスがその中心的立場に立つことになることを知らされる。
ドレフュスは、その指揮官を命ぜられると思っていたのだが、フランスの秘宝”ピンクパンサー”を奪還したジャック・クルーゾー警部(スティーヴ・マーティン)が、その指揮を執ることに決まる。 ショックを受けたドレフュスだったが、仕方なく、駐車違反係をさせていたクルーゾーを呼び寄せ、”ドリームチーム”の件を知らせる。 ドレフュスから、今回の任務を命ぜられたクルーゾーは、愛が芽生えていた秘書ニコル・デュラン(エミリー・モーティマー)に、しばしの別れを告げてフランスを出発しようとする。 京都で対策会議に向かうクルーゾーは、彼の失態を心配する補佐のギルバート・ポントン刑事(ジャン・レノ)と空港に向かう。 10年間で、約2億5000万ドルもの各国の財宝を盗み出していた”トルネード”が、突然、強盗を再開したのに疑問を感じながら、クルーゾーはポントンに見送られフランスを離れようとする。 その時、なんと”ピンクパンサー”が盗まれてしまい、急遽、対策会議は京都からパリに変更される。 ”ピンクパンサー”強奪現場には、既に捜査員のイタリア人ビチェンゾ・ブランカレオーネ(アンディ・ガルシア)、イギリス人ランダル・ペパリッチ(アルフレッド・モリーナ)、エレクトロニクスのスペシャリストで日本人マツド・ ケンジ(松崎悠希)、そしてインドの犯罪学者ソニア・ソランドレス(アイシュワリヤー・ラーイ)らの”ドリーム・チーム”のメンバーが顔を揃えていた。 その頃、”トルネードの”トレードマーク、右肩に弾痕のある男は、バハマのタークス・カイコス諸島にいた。 ドジなクルーゾーの行動を見たブランカレオーネらは、先行きが不安になる。 ドレフュスは、クルーゾーに礼儀作法を教え込むため、イヴェット・ベレンジャー(リリー・トムリン)を送り込む。 マイペースのクルーゾーだったが、捜査に加わったニコルにブランカレオーネが接近し、犯人探しどころではなくなる。 そんなクルーゾーは、女性やアジア人への蔑視、偏見とも思える発言をベレンジャーに注意されるが、一向に改善できる様子が見られない。 その後、妻に反抗したポントンが家を追い出され、子供達や愛犬と共にクルーゾーのアパートに転がり込む。 捜査は進み始め、闇市場と繋がるアロンソ・アヴェヤネダ(ジェレミー・アイアンズ)に会うため”ドリーム・チーム”は、ポントンとニコルを加えローマに向かうことになる。 その間、ニコルはブランカレオーネから、クルーゾーが、彼女を嫌っていると吹き込まれる。 アヴェヤネダの大邸宅に着いた”ドリーム・チーム”は、彼を尋問しても証拠は見つからない。 別行動をとり、屋敷を探り始めたクルーゾーは、防犯カメラの映像に映し出されてしまう。 それに気づいたブランカレオーネらが、必死にアヴェヤネダの気をそらす。 一行は、”トルネード”の右肩の弾痕がアヴェヤネダにないことを知り、クルーゾーは、屋敷に”トルネード”がいると言い張るものの、一行は退散する。 しかし、クルーゾーの狙い通り、弾痕のある男ローレンス・ミリキン(ジョニー・ハリディ)は屋敷に潜んでいた。 アヴェヤネダを怪しむクルーゾーは、彼がレストランを予約したことに気づいたポントンの助言で、それを見張る。 ポントンは、アヴェヤネダの席に盗聴器を仕掛けるが、そこにブランカレオーネとニコルが現れる。 クルーゾーはアヴェヤネダどころではなくなり、盗聴器をニコルの席に取り付けようとする。 3ヶ月前、その店にニコルと来たことのあるクルーゾーは、ドジを踏んで店を火事にしてしまい、店に入ろうとするが追い出されてしまう。 クルーゾーは、フラメンコのダンサーに扮装して店に忍び込むが、再び店に火をつけてしまい大騒動になる。 バチカン。 ローマにいながら、足元をすくわれた”ドリーム・チーム”は批判を浴びてしまう。 法王に面会した一行だったが、クルーゾーが法王に保険金目当ての自作自演の疑いをかけてしまう。 さらに、昨夜の法王の行動を再現しようとしたクルーゾーは、法王に扮してバルコニーに出てしまう。 クルーゾーは、サン・ピエトロ広場に集まった民衆の前で、再び大失態を演じてしまい、”ドリームチームの恥” だと言われ、マスコミに叩かれてしまう。 パリのジュベール総監から、クルーゾーを外せという命令を受けたドレフュスだったが、 彼はクルーゾーが致命的な失敗を犯すまで待つことにする。 気落ちしてパリの自宅に戻ったクルーゾーは、ポントンの子供達に空手で手荒い歓迎を受け、 それをマスコミに撮られ、再び失態を報道されてしまう。 礼儀の教育係ベレンジャーや、ドリームチームのメンバーは、クルーゾーのお陰で、自分達の品格まで問われてしまい、怒りが収まらない。 そして、メンバーから外されてしまったクルーゾーは、ニコルのオフィスでソニアに出くわし、彼女に慰められて、思わず抱き合ってしまう。 それをニコルに見られてしまったクルーゾーだったが、彼女から事件が解決したという報告を受ける。 法王の部屋で、ある鍵を見つけていたブランカレオーネが、それを手がかりに、”トルネード”と見られていた男ミリキンが自殺しているのを発見した。 盗品や遺書も見つかり、ミリキンと”トルネード”のDNAが一致し、”ドリーム・チーム”は、彼が”トルネード”であったことを確定する。 しかし、クルーゾーは、それに反論してミリキンが犯人ではないと主張する。 事件を解決した”ドリームチーム”のメンバーは、クルーゾーを除き、マスコミから称えられ祝賀会が催される。 クルーゾーはそれに招待されず、駐車違反係に戻されてしまう。 ニコルがクルーゾーの様子を見に来るが、彼女が抱いている不信感を、クルーゾーは拭い去ることができない。 ソニアを出迎えたクルーゾーは、彼女の車のナンバーを見てあることに気がつく。 クルーゾーは、ソニアが強盗犯人であることをドレフュスに説明するが、彼はそれを全く信じようとしない。 ”ドリームチーム”のメンバーはそれを聞き、ゲームとしてソニアが犯人だとした場合の推理を始める。 その時、ニコルがソニアのバッグを調べようとするが、彼女はその場を去ろうとする。 それを引き止めようとしたニコルだったが、ソニアは銃を抜き、彼女を人質にする。 そこにクルーゾーが現れ、ソニアは彼を銃撃して逃亡する。 しかし、クルーゾーは、以前の功績で授与された名誉勲章に弾丸が当たり命拾いする。 ソニアを追い詰めたクルーゾーだったが、彼女は”ピンクパンサー”を取り出して銃撃し、それは砕け散ってしまう。 ドレフュスは国宝級の”ピンクパンサー”を失い激怒するが、クルーゾーは、”ピンクパンサー”を奪還し、自分に進呈された模造品と本物を、すり替えていたことを知らせる。 さらに、”ピンクパンサー”が盗まれる2日前に、ソニアの車に駐車違反のチケットを切った際、ナンバーを控えておいたことと、彼女が強盗の下見に来ていたことを説明する。 クルーゾーは一躍英雄となり、ドレフュスは、自分が彼を駐車違反係に指名したことを強調して手柄にしようとする。 しかし、クルーゾーは、既にアヴェヤネダの屋敷でソニアが犯人だと見抜いていたことを付け加える。 ブランカレオーネやペパリッチは、クルーゾーの実力を認める。 浮かない顔のニコルを見て、ブランカレオーネが潔く手を引く。 そしてクルーゾーは、その場でニコルにプロポーズして、ドレフュスの立会いの下、”ドリーム・チーム”のメンバーや法王からの祝福を受けながら結婚式を挙げる。 しかし、ドレフュスの開けたシャンパンの栓が警報装置に当り、特殊部隊がその場に乱入して大騒動になってしまう。 そんな混乱を尻目に、クルーゾーとニコルは、ハネムーンに旅立つ。
...全てを見る(結末あり)
その頃、”トルネード”が再び出現し、ローマ法王の指輪を盗んでしまう。
参考:
・「ピンクの豹」(1963)
・「暗闇でドッキリ」(1964)
・「ピンク・パンサー2」(1975)
・「ピンク・パンサー3」(1976)
・「ピンク・パンサー4」(1978)
・「ピンク・パンサーX」(1982)
・「ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ」(1983)
・「ピンク・パンサーの息子」(1993)
・「ピンクパンサー」(2006)
・「ピンク・パンサー2」(2009)
*(簡略ストー リー)
大強盗”トルネード”が各国の秘宝を強奪し、被害国の捜査官を集めた”ドリームチーム”で捜査が始まる。
フランスがそのまとめ役になることになり、主任警部ドレフュスは、”ピンクパンサー”奪還の功績で一躍英雄となったジャック・クルーゾー警部をリーダーに任命せざるを得なくなる。
ドレフュスは、駐車違反係をさせていたクルーゾーを呼び出して彼の失敗を期待する。
クルーゾーは、ドジな行動や騒動を繰り返しながらも、補佐のポントンや秘書ニコルの協力で、犯人を絞り込んでいくのだが・・・。
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ドレフュス主任警部が、ケヴィン・クラインからジョン・クリーズに代わり、個性、実力派俳優勢揃いの豪華キャストが話題になった。
コメディなので許せるが、名の知れた俳優陣が、ただ単に画面を賑わしているだけという感じで、前作に比べて、スティーヴ・マーティンの個性もやや薄れてしまい新鮮味もない内容は残念だ。
ドレフュスへの当て付けのように、名誉賞を首から下げて駐車違反係を任されるスティーヴ・マーティンは、前作で評判になった”ハンバーガー”のギャグを皮切りに今回も大活躍し、秘書ニコルとの愛も手に入れる。
前作では、ドレフュスのスパイから次第にクルーゾーの人間性に惚れていく展開が人情を感じさせたジャン・レノが今回は、家庭の問題でクルーゾーに世話になるところも面白い。
イタリアの伊達男アンディ・ガルシアに言い寄られるエミリー・モーティマーの、純情無垢なおとぼけぶりも相変わらずだ。
やや影が薄い役柄だったのが残念なアルフレッド・モリーナ、元ミス・ワールドである、犯罪学者役のアイシュワリヤー・ラーイ、日本人でエレクトロニクスのスペシャリスト役松崎悠希、ドレフュス主任警部の熱演ぶりが実に可笑しいモンティ・パイソン・メンバー、ジョン・クリーズ、礼儀知らずなクルーゾーの教育係リリー・トムリン、そして演技派ジェレミー・アイアンズまで登場する豪華な顔ぶれには驚いてしまう。
まだ若いが苦労人の松崎悠希は、頑張ってはいるがという程度で、”1、2、3ではいセリフ”的なところが気になり、貴重な日本人俳優としては今後も期待できない。
役を選べる立場ではないだろうが、スター競演の中でタジタジだったのかも・・・
また、お馴染みのクルーゾーの愛車スマートはカラーは同じだが新型になっている。